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表題作豪華客船の王子様 ~溺愛パレス~

ジークフリード・ヴィルヴァルト・フィルスシェルナ・バルティア,バルティア王国第三王子
桜庭歩途,22歳,ジークフリードの恋人・バリスタ志望

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

『バルト海の黄金の獅子』と呼ばれるジークフリード王子と豪華客船の初クルーズを終えた歩途。憧れの
王子様からプロポーズされて、なんと宮殿で一緒に暮らすことに!
豪華な城の中で、同じベッドで目覚めるドキドキの毎日。しかし、兄である王太子が二人の交際には猛反対していた。なんとかして彼に認めてもらおうと、歩途は厳しいマナーレッスンを受け、3週間後の船上パーティに出席することになるが……。

作品情報

作品名
豪華客船の王子様 ~溺愛パレス~
著者
水瀬結月 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
シリーズ
豪華客船の王子様 ~初恋クルーズ~
発売日
ISBN
9784065196571
3.9

(12)

(3)

萌々

(5)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
47
評価数
12
平均
3.9 / 5
神率
25%

レビュー投稿数4

とにかく激甘なのです!

「豪華客船の王子様 ~初恋クルーズ~ 」続編になります。
前作ですが、主役二人の(ズレた)やりとりがとにかく面白くて、この続編も楽しみにしてたんですよね。

タイトル通り、溺愛っぷりやイチャ甘っぷりがハンパなくって、もうひたすらニヤニヤしながら読ませてもらいましたよ~。

ちなみに、ここからでも読めるように書かれてるんですけど、完全な続きものである事、前作での伏線の回収等もある事から、単独では分かり辛い部分があると思います。
ご注意下さい。

で、内容ですが、憧れの王子様、ジークフリードと紆余曲折の末に、想いが通じあった歩途。
ジークフリードから、プロポーズの証としてバルティアの滴を差し出されー・・・と言う所からの続き。

ここから、このプロポーズの顛末。
更に、前作ラストでジークフリードが受け取った意味深なメッセージ「バルティアの滴は、大海原に滴り消える」の伏線回収。
あと、今回のキーマンとなるのが王太子リヒト(ジークの兄)なんですね。
二人の結婚に大反対のリヒト。
そこで、ジークの伴侶として認めてもらうべく、あれこれ奮闘する歩途の活躍が語られ・・・と言った感じになります。

この、前回ラストで意味深に投下された「バルティアの滴は、大海原に滴り消える」と言うメッセージですけど。
ジークに敵対する相手からの「クイーンバルティア号を沈めてやるぞ」と言う脅しで、なんとクイーンバルティア号が火事になり、海に沈んでしまいます。

・・・みたいなストーリーを勝手に予想してたんですけど、全然違いました。
私の予想、かすりもしませんでした。

実はこのメッセージですが、王家に伝わる慣用句のようなもので「相手を見誤ると宝は失われる」という意味だったりします。
そう、どこの馬の骨とも分からない歩途と結婚しようとするジークに対して、リヒトが忠告をしたと言うのが真相。

まぁそんなワケで、リヒトから認められるべく、持ち前のポジティブさで様々な行動を起こす歩途の奮闘ぶりだったり、恋人同士となった二人のひたすらイチャ甘が今回のメインでしょうか。

いやこれね、「結婚は認めません」と、小姑のようなリヒトの横やりはあるんですけど、印象としてはひたすら甘々なんですよ。
こう、恋人として思う存分イチャつく事が出来るようになったジーク。
彼が暇さえあれば、すかさずイチャイチャモードに突入。
もう、これが激甘も激甘。
「お前は本当に可愛い事しか言わないな。実は天使だろう」だの、歯の浮くようなセリフを大量投入してまして。

実は前作ですが、そんなキザな口説き文句を言いまくる攻めと、天然すぎて(口説かれてると)全然気付かない受けとの、ズレたやりとりと言うのが最高に萌えたんですよね。
でも、今回は恋人同士。
いくら鈍い歩途でも、恋人からの甘いセリフには頬を染めるでしょー!的に思ってたら、これが全然変わってないんですよ。
えーと、ジークから「この布の下に、極上のご馳走(歩途の身体)が隠れてるんだぞ」と言われれば「ありがとうございます」とトンチンカンな返事をしてムードをぶち壊し、お風呂エッチで「想いもくちづけも、あの時よりずっと熱い」と言われれば、「お湯もです」と、これまたズレた返事を返す。
いやもう、ジークかわいそう。
前作に引き続き苦労が絶えないジーク、マジでかわいそう。

や、この二人はもう、延々とこんな調子でやっててくれればいいと(個人的には)思うけど。

ちなみに、熱々の二人なのでエッチもめちゃくちゃ甘いのですが、歩途がその天然さ故に、やたらジークを煽っちゃうんですよね。
不意討ちの言動で煽られたジークが、「お前は・・・っ!」とかって理性を飛ばしちゃってるのが楽しいなら、「いい、気持ちいいっ、気持ちいいっ!」「歩途、歩途・・・」と、バカップルそのもののやりとりをしてるのも楽しい。
そう、しつこいですが、とにかく激甘なのですよ。

また、ただただ甘いだけではなく、手痛い失敗なんかもして落ち込みつつも、一生懸命前を向いて頑張る主人公の姿には勇気を貰えるのです。
ついでに、ミリ単位ではあるんですけど、歩途の恋愛方面での成長が見られるのも微笑ましくて。
良かったね! ジーク!!と。

まぁそんな感じで、前作ファンとしては大満足の続編でした。

ところで、二人の結婚に大反対のお兄ちゃん・リヒト
愛し合う二人を引き裂こうとする輩は大嫌いな為、彼には苦々しい思いを抱いてたんですよね。
が、電子限定での特典SSで、そんな彼が主役でして。
いや、彼の内心と言うのが語られるんですけど、あまりに愉快な男ですっかり毒気が抜かれちゃいましたよ。
彼はただの、弟を溺愛する兄バカでしたよ。
このSS、爆笑ものなので、お兄ちゃんが気になった方はぜひ読んでいただきたいです。

4

恋しても"尊い"存在

今回は国の広告塔で豪華客船の船長でもある第三王子と
王子オタクでバリスタを目指す恋人のお話です。

王子にプロポーズされた受様が王家の人々に伴侶として認められるまで。

2週間と少し前、受様はずっと推し続けていたパルティア王国第三王子が
船長を務める豪華客船を見に行き、王子暗殺の嫌疑を掛けられます。しかし
その事から縁あって攻様の愛犬を擬人化したという設定の護衛役を引受け、
攻様と過ごすうちに攻様への恋に気付き、攻様にも求められて恋人となり
ます。

攻様の恋人となった受様は王宮の王子居住棟に居住していますが、毎朝、
攻様の腕の中で目覚めると長年培ったオタク魂によって、恋人というより
"推し"認識でつい「尊い」と呟くほど、目の前の現実になれません(笑)

ベッドから起き上がってガウンを纏っても「尊い」と手を合わせかけたり、
モーニング珈琲を飲む姿も「かっこいい」と思ったり、キスされるとそれ
だけで気持ちよくなってしまったりと、何をしてもうっとりしてしまうの
です。

攻様が船長を務める豪華客船は航行しない期間は港に停泊し、ホテルや
バー、カフェ、劇場などの遊行施設になります。次の航行まで約1ケ月、
攻様は船上で来賓をもてなす仕事をメインに城内でも公務を行います。

攻様は受様を一緒に同行出来ない事が酷く残念なようですが、攻様の愛犬
に瓜二つだからと言って、陸上でもついて回る事なんてできません(笑)

大人しく攻様の愛犬と一緒に待つ気でいましたが、攻様にはその間に引っ
越してきてはと言われてしまいます。受様としては王家の方々にご挨拶
をする前にそんな事は出来ないのにそんことはできません。

しかしながら国王夫妻は外遊中、王太子は公務に忙しく、なかなか機会は
得られない状況です。攻様はとりあえず受様に城に馴染んでもらおうと
城内を案内してくれますが、偶然庭を挟んだ向こう側の渡り廊下を王太子
一行が歩いていくところを見かけます。

攻様は千載一遇のチャンスと兄王子に受様を紹介しようとしますが、王太
子は鋭い声で「聞かん!」と攻様の言葉を遮ります。王太子は攻様に受様へ
の想いの証明を課されているらしく、聞く耳を持ってくれなかったのです。

受様が2人の会話を訝しむと、攻様は寄港したその日に受様を紹介したいと
家族に話したと言いまする全員が揃っていたしね婚約指輪も準備ができて
いたから一気に攻める気でいたのに、恋愛機関が短すぎると王太子に猛反
対されたと言うのです。

攻様は兄王子は人一倍家族を愛しているだけでわからずやではないので、
2人の愛が本物だと証明して見せれば認めてくれる、そして彼さえ攻略で
きれば他の家族は反対しないだろうと言います。

果たして2人は兄王子に認めてもらう事ができるのでしょうか!?

水瀬先生の既刊『豪華客船の王子様~初恋クルーズ~』の続編で、王子が
恋人を伴侶として認めさせようとするドタバタラブコメディです♪

受様は旅の途中で出会った攻様に憧れ、王子様オタクとなって攻様のおっ
かけをしていました。それはアイドルに憧れる乙女と同じ(笑)であくまで
尊い方を愛でるもので恋ではありませんでした。

一方の攻様にとって受様は新しい生き方を指し示してくれた人としてずっ
と探し続けていた人でしたが、こちらも最初は恋ではありませんでした。
しかし、業務にかこつけて側仕えにし、そばに置いているうちに誰にも
渡したくなくなってがっつり捕まえちゃうのですよ♪

本作はそんな攻様が次の就航までに受様との結婚を認めてもらうために
受様の人となりと魅力を最大限にアピールしようとするのが本作となりま
す。

王太子の1人息子の存在、王太子の妻に送られた指輪の存在、攻様に迫る
ハニートラップ等々、受様は攻様を落とした誠実さと素直さと天然なオタ
ク愛を振りまいて、攻様の愛犬と一緒に大活躍♪ 王太子に認められるまで、
ドキドキ&ワクワク、たいへん楽しく読ませて頂きました (^O^)/

受様のオタクっぷり、攻様のストレートな口説き文句は前作でもさんざん
萌えさせて頂きましたが、さらに攻様の愛犬のツンデレモード、攻様の甥
っ子のお子ちゃま敬語等々、多彩なツボを押されまくり、萌えまくりで
した♡

受様の天然ぷりはオタク魂にも通じているので、ラブラブになっても絶対
消えないと思うので、まだまだこの先の2人のお話を読みたいです。

1

清く正しいオタク頑張る

「豪華客船の王子様 ~初恋クルーズ~」の続編。前作を読んでいないと今作の魅力が半減すると思うので是非前作からお読みになることをおススメします。前作は受けの変人っぷりが大爆笑でとても好きだったんですけど、今作は受けの変人度がやや下がったかな?また攻め側近との掛け合いも減ってコメディ感が少なくなり、さらっと読んでしまったので中立よりの萌です。ho○toさんで購入、イラストあり、電子限定特典あり。

前作でカプになったバルティア王国第三王子のジークと歩途(あると)。航海が終わり、王宮で紹介されるや否や、攻め兄の王太子リヒトからは二人の仲を反対されてしまいます。何とか打開策をと考え・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
リヒト(攻め兄、王太子、超イケメン!)、グランツ(3歳、リヒトの子♂、めちゃ可愛い)、ハリー(グランツの世話係)、パフィ(攻めの側近)、最後の方に攻め受けの家族総出演、ぐらいでしょうか。リヒトのビジュアルがこれまた目福・・・

** 以下 内容により触れる感想

今回、歩途のぶっとびオタク度が下がったようで、「清く正しいオタク」もしくは「天然ピュア健気ちゃん」っぽく感じられたので、ちょっと残念だったんです。前作では王子オタク全開でめちゃくちゃ面白かったんですけど、今回はキラキラしい王子を前に身を引かなきゃ・・・などと一瞬考えてしまうシーンがありまして。王道とは言え、ちょっと突き抜けて欲しかった方向ではなくなったので、残念無念。いや本来はこの方向でいいのかもしれないですが変人奇人ダイスキーな私としましては、残念。

王子は変わらず歩途一筋。パフィに「ガンバ」と励ましてもらいつつ、懸命に愛の言葉を紡ぎ続けておられましたよ(笑)キラキラしい王子のあまりの尊さに目がくらんでいる歩途に、愛の言葉をスルーされているのも前作同様で楽しかったです。

今回可愛かったのはグランツ!もふもふシリーズ再来か!と思う、水瀬先生十八番の舌ったらずお子ちゃま語!父親のリヒト(挿絵あり、超クールイケメン!)がまっとうな常識人っぽかったので、その方はあまりお遊び感はなく、ちと残念でした。この方が真面目過ぎて斜め上の変人の域に達していると面白かったんだけどなあ(個人的好み)。

前作同様面白いところは少々あれど、恋愛面は王道でしたので、変人奇人好きさんにはちょっと物足りなかったお話でした。きょう先生描かれるキラキラ王子のシックスパックはカッコいいんだけどな・・

1

溺愛王子と黒柴ちゃんのその後

前作が非常に気になる謎に包まれて終わっていたので、早速続編も。
今作も2人の掛け合いが楽しいです。
おそらく、前作を読んでいないと分からない部分が多いかと思いますので、未読の方はぜひ前作からどうぞ。
主人公・歩途が本当に面白いので、ぜひ。
笑える部分に関しては前作の方が多いかも?

豪華客船を舞台に繰り広げられた前作での2人の見事なラブコメっぷり。
楽しいお話を読んだなと思っていると、最後の最後で「えっ、どういうこと?」とやきもきさせられた「バルティアの滴は、大海原に滴り消える」という言葉。
こちらの伏線に関してもきちんと今作で回収がされています。
なんだか物騒な言葉ですし、てっきりものすごく大きな陰謀があって…なんて、ハラハラするような展開を想像していたのですが、そうではありませんでした。
エスプレッソの底にたまった甘いお砂糖たっぷりのジャリジャリ感はそのままに、恋人同士となった2人が、王太子に交際を認めてもらうために奮闘するお話でした。

指輪を差し出しながらのジークのプロポーズに対して、簡単に受け取って良いものではないと、まずは恋人からで…と保留にする歩途に好感度大。
ここで即YESと言っていたら展開がもう少しきついものになっていそうですし、ちょっとね。
いきなり結婚!とならないのが良かったです。
しかしながら、次ページ以降は前作同様、相変わらずのジークフリードオタク街道をひた走る歩途がなんとも愉快。
寝起きのベッドの中で、美しい最推しのジークを目の当たりにして「尊い」と口にする歩途に、突然の日本語に困惑しながら「トフ…トイ…?」とジークが復唱するシーンに笑っちゃう。
殿下はどうかそのままでいてほしい。

ジークが公務にあたれば、一挙手一投足、発する一言一句、一音一音が尊くて仕方がないんです。
ここまで夢中になられたのならいっそ清々しいですよね。
そんな歩途の姿に笑いながら、前作よりもさらにどろどろに甘い溺愛っぷりを見せつけてくれるジーク。
もう、隙あらばキスをしたり、マイリトルドッグなんて言って甘やかしたり、ベッドではこれ以上ある?というくらいの口説き文句を真っ直ぐに歩途に捧げているのですが、これまた100%ピュアホワイトな歩途の謎解釈によって、意味が通じずにスルスルっと空回りするズレっぷりが楽しい。
ムードも何もあったもんじゃないのですけれど、歩途のそういった姿も込みでジークは愛しているので…近衛のパフィの言葉を借りるのならば、殿下ガンバ。
予想外の返答すらも楽しんでいるようですし、なんだかんだでものすごく相性の良いカップルなのではないかな。
溺愛殿下のキラキラ感が、これぞ溺愛攻め!といった感じでたまらなく素敵。愛が大きいです。

さて、そんな2人の試練となるのは、第一王子である王太子・リヒトの理解を得ること。
今作のメインはこちらですね。
北沢先生の描かれるリヒトは麗しいなあ。
弟からの突然の婚約したいとの申し出に警戒し反対するリヒトの反応は当たり前ですし、強行突破をせず、正攻法で努力をして認めて貰おうとする2人が好き。
でもですね、リヒトはそこまで頭でっかちな人でもないですし、きちんと認めるところは認める人なんですよ。
なので、そこまで大きな問題も起きずにさらっと解決。
前作がお好きで、平和かつ甘い王道ストーリーがお好きな方におすすめです。

ただちょっと、いろんな要素がてんこ盛りになり過ぎていてごちゃごちゃとしているように感じられたのが少し残念。
萌萌寄りですが、萌評価で。
ジークの元同級生のマリアンヌに関しても中途半端ですし、その場を切り抜けるために歩途が犬語で国歌を歌ったのもやりすぎかなあ…
犬のヴァルトの擬人化として活躍するのは前作でも楽しめたはずなのですけれど、今回は個人的にはバリスタをしながらの「わん」くらいが良かったななんて。

とは言え、2人のイチャイチャは存分に楽しめました。
本編内ではリヒトだけでしたが、コミコミスタジオ特典小冊子では次兄のロイドが登場しています。
ツボにハマってしまうくらい、なかなかに愉快な方だったので、気になった方はそちらもぜひ。

0

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