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表題作ハレとモノノケ 下

トキ
不老不死のモノノケ
八日見八潮
17歳,山に1人で暮らす高校2年生

その他の収録作品

  • 参考文献
  • カバー下漫画

あらすじ

「恋心ってややこしいんだ」
キスもして、それ以上のことも――だが、トキの気持ちがどこにあるのかわからずに不安になる八潮。
そんな八潮に、トキは「自覚してもらわねぇと」と、まずは自分の気持ちのありどころを聞く。
ようやく自分がトキに向ける気持ちの出どころを自覚した八潮だったが…。

作品情報

作品名
ハレとモノノケ 下
著者
 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784758021500
4.4

(175)

(108)

萌々

(38)

(21)

中立

(8)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
19
得点
763
評価数
175
平均
4.4 / 5
神率
61.7%

レビュー投稿数19

納得できないところと、できるところ

どういうラストを迎えるのか?
トキは何者なのか?
八潮とトキとミツの恋の行方は?

この辺りが気になっていました。

が、ミツの正体には納得しかねる部分もありました。
「生きたがり」と言われていた通り、死を拒絶して生に執着し続けた結果、物の怪になったというトキ。
そして、八潮を好きになり、止まってたトキの時計は動き出します。
私は、『100万回生きたねこ」を思い出しました。
ただ、八潮に対する想いがそこまでだったのか……?というと、そこは性急だった様に感じました。

うぶな八潮にセックスを教え、身体に快楽を覚えさせるトキ。
体格差がかなりあるので、子どもとしてるみたいに見えて、ちょっとした背徳感を感じさせます。
どんどん感度が上がっていく八潮がエロい♡

対して、ミツは身をひいてしまいます。
もし、ミツが人間の姿で八潮のそばに居たら、結果は変わっていたんじゃないかと思う。

不老不死の物の怪が恋を知り、愛する人と共に生きる事を望む。
そして、死を受け入れることで時計の針が動き出す。
トキの意識次第で生死が左右されるのは、ちょっとご都合展開を感じてしまいました。
やっと心から愛する人に出会えた……と思えば、美しいんですけどね。


誰も皆、恋をしたら些細なことも「ハレ」になるのだと思う。
両思いになった日、セックスした日、プロポーズした日……そのどれもが特別で、日常の中の非日常なんですね。
もう、八潮が「ケガレ」ることはないんだろうな。

ちょっと消化不良なところもありましたが、世界観と季節を感じさせる描写は素敵でした。

10

伏線を回収しきれていないような…

『ハレとモノノケ』の下巻。続きものなので上巻未読だと理解できません。

さて。
上巻で巻かれた伏線がたくさんありました。

が。
うーん。

正直どれもこれもがあっさり終わっていて非常に残念。「モノノケ」という存在はファンタジーなので、そこはどうしようもないというか解釈次第、というか。正解がないものなのでまあ良しとして。

盛り上がりに欠けた理由の一番大きな因子として、トキと八潮の恋愛感情の機微があっさりしていたことではなかろうか、と個人的には思いました。彼らが恋に堕ちたきっかけも、理由もはっきりしない。

いや、気づいたら恋に堕ちてた、というのはアリだと思うし、そういう展開も好きではあるんですが、この作品においては彼らの愛情の深さゆえ、というのが基盤にあるので、彼らのどうしようもなく愛してしまっていたという描写が少ないがゆえに盛り上がりに欠ける。

そして、ストーリーがぶつ切れなところも。
ヨスガさんの存在。
八潮の両親。
ハレとケガレ。
そして、トキがモノノケになり、そして再度トキの「時間」が動き始めたという点。

んー。
もう少し丁寧にそれぞれを描いたなら、もっと萌える作品だったんじゃないかな、とちょっと残念でした。めっちゃ上から目線な感想で申し訳ない…。

絵柄も綺麗だし、濡れ場の壮絶なエロさと綺麗さは素晴らしかった。バックボーンも、ストーリー展開も、キャラもどれも非常に魅力的。だからこそ、もう一声ほしい感が否めなかった。

あと、一言言わせていただけるのなら、ぜひともミツを幸せにしてあげて欲しい。上下巻通して、ミツのカッコよさと健気さに終始痺れながら読破しました。灼先生、ぜひともスピンオフを!

11

上下巻一気読み

正直上巻の読後で、これはやっちまったかな…と後悔はいりました。
古来からの風習を大事にする。
自称モノノケとの出会いと同居があっけない。
無理やりに納得できるようなモノローグもない。
これで下巻に入って萌えることできるのかな、と思っていました。
主人公が犬のミツに襲われたことを喧嘩発展にしたところが個人的にとてもよかったです。
上巻での全てを諦めてなぁなぁに生きていたような感じからぐわっと変わった感じがして、怒りは生きることのひとつの感情であることを痛感しました。
呆気ない喧嘩終わりでしたが、他にもたくさんの回収しないといけないことがあるので仕方ないですね。
全部のことがハッキリ分かる書かれ方をしない作家さんなんですかね。読者に余白のある作品なのかな、と感じました。
これの直前に読んだやつが、作家の小言、説明が手書きで書かれて萎えたので、逆だったので沁みました。
これくらい委ねられても気持ちいいな、という感覚です。
主人公たちの問題が全てはっきりかたがつくわけではないです。日常ってそんなもんです。継続する生活、が感じられる作品でした。
これから過去作購入させていただきます!

5

モノノケと人間の繊細で丁寧なラブストーリー

『ハレとモノノケ 上』の続編です。

不老不死のモノノケ トキと高校生の八日見 八潮のお話。

上巻では、自分のケガレを落とす代わりにしばらく住まわせろと提案するトキを受けいれた八潮。
トキからハレとケを教わりながら過ごす日常の中で、ある日トキに好きな人がいることを知ります。
そして、自分の気持ちに気が付いた八潮と自分の気持ちに気が付いていたトキはこの先どうなるのか?
下巻は、その続きになります。
「恋心ってややこしいんだ」
トキと気持ちが通じ合った八潮はトキに触れたいと思うようになります。
腹をくくった八潮が準備をすること1週間…とうとうその時がやって来ました。

下巻では、トキと八潮の気持ち、ミツと八潮の関係、そして2人のこの先を上巻と変わらず丁寧な絵柄と心理描写で綴られています。
個人的には、これまでの灼先生の作品とは異なる点があると感じました。
それは、繊細で濃厚なセックスを数ページにわたって表現していたことです。
身体だけでなく2人の気持ちも表現されていてとてもいいなと思いました。

「恋人」になった2人は結ばれましたが、その頃ミツの様子がおかしくなります。
八潮だけに姿を見せなくなったミツ。
小さい頃から大切に見守ってきた八潮に対してある感情を抱いていました。
突然現れたトキに八潮を奪われたような衝動に駆られ、やり場のない怒りがこみ上げてくる…。
ミツの立場からしたら、当然そうなるよね(泣)
八潮が「俺にとっては無二だよ」と言ってくれて救われました。
この先もミツとみっちゃんで八潮を守って欲しい。

Hシーンは、本編2回と限定小冊子で1回あります。
八潮の初々しさの中にエロさが見られてゾクゾクしました (〃艸〃)
「俺にだけに貰えるもの ソレ欲しいな」
無意識に煽っている八潮に何百歳のトキでも耐えられない(笑)
全部を自分が教えたいトキに八潮はどうなっちゃうのでしょうか?
すごく興味があります♡

不老不死のモノノケと人間、そして山のご眷属。
トキの止まっていた「とき」が本当に動き出したのかはわかりません。
でも、トキの覚悟を決めた言の葉(ことのは)と笑顔に、もう孤独な人生は感じられませんでした。
この先の2人とトキの過去も読みたかったな(泣)
上下巻だけではもったいない!
灼先生の世界観に浸れる素晴らしい作品でした。
ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。

7

秋から冬

◾︎トキ(モノノケ) ×八日見八潮(高校生)
季節ひとまわりを美しく描ききるのだなぁ。草木を愛でて、寝て起きて、ご飯を食べて、日々生きる様が描かれているので、濃いセックスシーンとのギャップが素晴らしい。3大欲求しっかり描かれてます。言葉少ななセックスシーンがしっかりページ数使って描かれてるのはたぎる。

上巻で広げた風呂敷を閉じ切ったかというとそうでもないかもしれませんが、綺麗に丸め込まれて浸れる終わり方でした。下巻の雰囲気の方が好きだな。
上巻ですこぶるカッコよく描いた「八潮は何者?」とかも完全無視してますがまぁ、ね。「相性結び」で先生の作品は全て語らないモノだと学習しているのが良かったのかもしれない。先生の中には答えがあるのかもね。

上巻でミツ落ちしてたので、そこに触れてくださったのはありがたい!…のだけれど、ミツ…
ミツは八潮との関係性をどういうものにするのが理想だったのか、希望だったのか分かりませんが、トキにとられた気分だ!

聖人君子が聖人君主になってるので、重版かかるなら直して欲しい…言葉を大事にしてるいい作品なだけにこういうのは悲しいので。
上巻の感想で触れましたが、参考文献に柳◯國男出てきてましたね〜

5

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