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こちら、不慮の事故で亡くなった高校生が主人公の、切なく優しい片思いものになります。
と、見せかけて実は・・・と言うお話。
もう、オチと言うのが完全に予想外なんですよね。
なんと言うか、根本的な所から読み違えてた。
真相が分かった時、驚きのあまり一瞬呼吸が止まりましたもん。
またこれ、例の彼の真実が分かると、ちょっと切なくもあって。
ただ、同時にすごく優しくてあたたかいお話でもあるのです。
特に、攻めの真っ直ぐな愛情に救われるよなぁと。
ただ単に高校生同士の恋愛ものでは終わらない、すごく深みのある素敵な物語だと思います。
内容です。
野原の草のように、存在感のなかった高校生・草也。
不慮の事故により一年の終わりで亡くなった彼は、気がついたらクラスの人気者で委員長・天沢にとり憑いていたんですね。
実は天沢の友達で、存在感のあるクラスメイト・市来にほのかな恋心を抱いていた草也。
過去に市来が天沢に告白してフラれていた事を知ると、ついつい「付き合ってみたい」と頼んでしまいますがー・・・というものです。
で、ここから、二人はとりあえずお試しでの交際をスタートさせてと言う流れ。
こちらですね、序盤はとにかく甘酸っぱくて可愛いんですよ。
高校生ものらしく。
天沢と言うのは美形でクールで落ち着いた完璧な存在なんですよね。
それが草也がとり憑いた状態だと、感情豊かで素直でちょっと抜けてる。
こう、市来と可愛らしいデートを重ねてくれちゃうんですけど、ちょっとした事でいちいち赤くなったり青くなったりする草也に、そんな彼に「お前最近変だろ。前と違う」とか言いつつ、愛しさを抑えきれない市来。
こう、髪をクシャッとかしちゃって!
二人の距離が縮んで行くエピソードなんかが甘酸っぱく丁寧に綴られていて、「高校生の恋愛、可愛すぎか!」とひたすらキュンキュンさせられちゃうんですよ。
と、そんな中、実は天沢も、市来の事を好きなんだと知ってしまう草也。
最後の思い出に市来と抱き合い、彼に身体を返す事を決意しますが・・・と続きます。
こう、こういう主人公が幽霊ものって、落とし処が難しいと思うんですよね。
実は生き霊だったじゃありきたりだし、成仏しちゃうじゃ悲しすぎる。
実際、別れの決意の元、市来と抱き合う草也の心情と言うのが、悲しすぎて胸が締め付けられましたもん。
が、もう全然、予想外のオチが来ます。
いや、読了後にもう一回読み返してみると、あちこちに伏線が張られてるんですよ。
読んでて微妙に違和感を覚えた所なんかが、二回目ではスンナリ納得が行く。
ああ、なるほどなぁしか出てこないんですけど。
そして、作者さんの発想に驚愕。
よくこんなの、思いつくよなぁ!?と。
またこれ、例の彼の真実と言うのが、なんとも切ないししんみりしちゃうんですよね。
草也はとても素直で無邪気でと、学校生活を自然体で楽しんでいます。
彼が、こうありたかったんですよね。
切ないですよね。
ただ、だからこそ、市来の真っ直ぐな言葉に救われるのです。
しつこいですが、すごくあたたかくて優しいお話でもあるんですよ。
ちなみに、本編が雑誌掲載作。
文庫化にあたり、その後の二人が50P程度で書き下ろされてます。
二人の仲と言うのは、まだ若干ぎこちない部分もあるんですけど、とても甘くもある。
この後日談を読めて、とても良かったです。
最後になっちゃいましたが、実は最初、腑に落ちない所があったんですよね。
ん? 矛盾してね?的に。
二読目で、意味が理解出来ましたよ。
そんな感じで、若干分かりにくい部分があるかも知れません。
ただ単に、私の読解力の問題だけだったら「サーセン」と言っときます。
とても面白かったです。
ファンタジーらしい始まりに、予測不能な展開、途中でひっくり返る世界観。
あっという間に引き込まれました。
落雷で命を落とした高校生・草也。
草也は、クラスメイトで片想いの相手・市来への未練から霊となり、優等生の天沢奏に取り憑きます。
人の良い奏は、隔日で草也へ体を明け渡してくれることに……!
草也目線で進むストーリーです。
優等生の奏とは、かけ離れた存在の草也。
草也と奏は、日記アプリで記憶を共有しています。
奏との直接のやりとりはないので、奏の気持ちが分からず多少モヤモヤします。
市来が奏を好きだと知った草也は、奏に内緒で市来とお試しで付き合い出します。
すると、奏が「天沢」の体に戻らなくなり……という展開。
途中までは、ありがちな霊もののファンタジー。
それが、途中からガラっとひっくり返ります!
戻らなくなった奏のために成仏を決心する草也は、市来に抱かれることで、この世への未練を断ち切ろうとします。
それでも戻らない奏。
混乱する草也。
草也を覚えていない市来。
何かおかしい?と、気付いた時には砂原先生の術中にハマっていました。
草也の、亡くなった兄・陸へのコンプレックス。
母親から受ける、兄弟に対する愛情の差。
優秀でいなければならない奏と、本当になりたい自分。
色んな要素が複雑に絡み合い、少しずつ本当の「天沢」が見えてきます。
勉強もスポーツも苦手な草也は、奏が成りたかった自分で、草也の憧れは完璧な奏。
そして、市来を巡る恋心の在り方……と、読み進める毎に、切ない真実が顔を出します。
私は、「なりたい自分」が「本当の自分」なんじゃないかと思います。
それは、なりたいと思う気持ちは、その人から出てきた本質だからです。
「天沢」は、奏であり草也であり、「天沢奏」そのものだと思う。
努力家である天沢の本質を見抜き、どんな天沢も受け入れる市来の器の大きさにトキメキました。
素直で親近感のある草也はもちろん可愛いし、「ぎゅっとして」「もっとして」というセリフにはきゅんとしましたが、私はツンデレの奏も好きです^^
恥ずかしがり屋な奏の口から出る「好き」には、胸がギュッとなりました。
後半の『僕がはじまってからの話』は、そんな奏の可愛らしさが詰まっていて楽しかったです。
男子高校生の純愛は堪んないなぁ〜♡
初めの印象とは違うストーリーでしたが、先の読めない展開がとても面白かったです。
安心のハッピーエンドなのも良き。
ファンタジー苦手な方にもオススメです!
草也目線で始まるストーリーで、ずっと片想いしてた市来と上手く行き始めて…。
2人の仲が深まって行って嬉しいんですが、これで良いの?って疑問も湧いて来て最後にどんな決着が付くのかとハラハラしながら読みました。
そして誰も不幸になってない、大どんでん返しに安堵しました。
草也の素直さ、奏の不器用さ、市来の寛容さ、それぞれが魅力的でやり取りが面白かったです。
そこにクラスメイトや家族とのやり取りが、高校生のお話として爽やかで好感が持てました。
何と言っても登場人物がとても魅力的です。
デートも可愛いしその後のエッチも高校生らしい反応でとても萌えました。
夏の空気で読みたい一冊です。
ネタバレ無しで読んだ方が絶対にいいので感想だけ。
草也、市来、そして奏。
3人がそれぞれすごく魅力的。
奏は初め、草也が語る形でしか出てこない。それでも草也とのやりとりの端々で奏のことが大好きになっちゃいます。
そしてなんとなくアレなんだか不穏な気配…と思ったら
言えません‼️これ以上は‼️
とにかくネタバレ無い状態で読んだ方がいいです!
できるなら今すぐ!
夏の間に出会えて感謝です。
夏乃あゆみ先生の爽やかなカバーイラストが素敵ですよね〜。
砂原先生のDK、大好きです。告知でなんとなくファンタジー系なのかと想像していたのですが…。
これ、砂原先生の作風をご存知の方なら、いえ、ご存知じゃなくても!ネタバレなし推奨です。いい意味で裏切られます。この時期(お盆)にぴったりなお話でした。
優等生、学生寮、意外に所帯じみたイケメン攻め、DKらしからぬエロ(なんたってエロ担当笑)。
安定の筆力で萌えさせてくださると思います。
あとやたらアイスクリームを食すシーンが出てくるので、誘惑に負けないようにこらえるのが大変笑
わたしは17ページ目ですでにキュンとしてしまいました…。
今作は恋の切なさよりも、死に向き合い、自力で勇気を出す受けの前向きさが見どころです。受けが困惑しながらも現実を受け入れていく様をハラハラしながら見守りました。
人によっては辛く感じたり、泣けるところもあるかもしれません。でも、受けの素直さが彼自身を救っていく明るめトーンのお話なので、決してしんみり系じゃない。締めくくりもエロですし笑