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表題作さよならを言う気はない

陣内拓朗
元マル暴デカの落ちぶれた探偵
天海泰雅
美貌のヤクザ

その他の収録作品

  • 野良犬は暖かなベッドの夢を見る

あらすじ

三年前に警察をやめ、現在ひとり「陣内探偵事務所」を経営するしがいない探偵、陣内拓朗。彼にはもっとも苦手とする男がいる。それは新宿歌舞伎町一帯をシマに暗躍する美形だが強暴なヤクザ、天海泰雅だ。見てくれの繊細さとは裏腹に、東日本最大の暴力団組織・紅龍会の直系二次団体周藤組の幹部であり、「周藤の虎」と呼ばれ恐れられている。天海が依頼してくる仕事にはろくなものがない。陣内にとっては疫病神のような存在だ。そんな天海が今日も厄介な依頼を持ち込んできて!?せつなく、胸あたたまるヤクザと探偵のラプソディ登場!!

作品情報

作品名
さよならを言う気はない
著者
英田サキ 
イラスト
北畠あけ乃 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
さよならを言う気はない
発売日
電子発売日
ISBN
9784813011309
4

(73)

(29)

萌々

(24)

(16)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
18
得点
290
評価数
73
平均
4 / 5
神率
39.7%

レビュー投稿数18

エスシリーズよりDEAD ROCKシリーズより、私はこのシリーズが好きです

ヘタレ攻めな探偵と、誘い受けなヤクザの組み合わせ。
英田サキさんには人気シリーズがたくさんありますが、私はこの『さよならを言う気はない』『愛してると言う気はない』のシリーズと、『夜』シリーズ三部作が好きです。
ヘタレ攻めと誘い受けのコンビが大好物なんですよ。タマランです。しかもオヤジ。タマランの二乗です。
泣いて笑って切なくなって、ツボというツボを押されまくって、改めて英田サキさんのファンになりました。

「こら待て、おっさん。さんざん待たせておいて、今から風呂だと?」
「きれいにするのは部屋だけでいい。俺は健気にパンツまで脱いで、お前のベッドでスタンバってたんだぞ」

↑この手のセリフに萌えを感じる方、今すぐ本屋にGOです!
受けのビーチクをダブルクリックしてしまい、慌てるヘタレ攻めに萌えましょう。

8

ネタバレしないように感想を書くのが難しい…

探偵とヤクザの深い縁を描いた物語。一気読みです。とにかく、メイン二人のキャラとその関係性が魅力的なんですよ。コミックもそうですが、特に小説の場合はより時間が掛かる分、読む上で人物造形と彼らの振る舞い方にスゴク興味を持ってしまいます。人物がどういうふうに行動するかには必ず心理描写が伴いますから、そこが自分にとって面白ければ大方神評価かも(汗)。

探偵を生業としている陣内は元刑事。彼が周藤組幹部の天海と出会ったのは、まだ刑事見習いで天海が十七歳の時。それから四年後に一度目の再会、二度目はさらに五年後の現在に至り、警察を辞めて探偵となった陣内の下に、天海はなんやかや仕事を持って来るのだけれど…。

二人が一体どういう関係なのか知りたくなって、グイグイ引き込まれます。お互いが相手のことをどう思っているのかも…。個人的にはですね、天海が名うての彫師に請われて墨を入れているんですけど、それが後々あんなシーンやこんなシーンで物語の進行上大事なスパイスになったりしていて、ぬふふと楽しませてもらいました。ヤクザものと北畠あけ乃先生のイラストの組み合わせも初めてだったので新鮮で。

本作は一応、ハッピーに締め括られているのですが、ハマったら続編も読まなきゃ!ってなります。二人の関係がさらに掘り下げられていてこれまた良いんですよ。シリアスな部分もありますがエンタメとしてもサラッと読めますし、さすが英田先生ですね。

4

面白かった!!

面白かった!
お話も楽しく読みましたが、
この主役の2人がすごく好き。
天海の平気で人を殴ったりの見た目も中身もヤクザでありながら、陣内にはちょっと弱い所を見せるというギャップ。
陣内の元はマル暴の刑事だけど今では金はないくたびれたおっさん…なんだけど、やっぱり中身は優しくて芯は強い大人の男っというギャップ。
最高ですね。

で、2人のやり取りなんですが、それがまた読んでて楽しい。
途中会わない期間があったものの12年の付き合いで、
まだ陣内が少年係の見習いの頃に検挙した中にいたのが17歳の天海。
家庭環境に恵まれず、周りに心を閉ざした少年が少しずつ心を開いていったのが陣内。
天海はその頃忌まわしいとしか言いようのない事件を起こすのですが、その時に最初に頼ったのも陣内。
ヤクザの道に入りかけた時に止める説得をしたのも陣内。
なので、ヤクザになった今、平気でボカスカ陣内を殴る蹴るする天海ですが、
陣内と天海の元々あった根底の関係は崩れてない。
陣内は常に天海の事が気に掛かるし、天海も陣内からは離れない。
そんな2人のやり取りが読んでて楽しい。
陣内は生傷絶えないと思いますが…でもそれでもなんだかんだ天海を受け入れてるのが陣内の懐の深さなんだよな。

今回のお話はそんな2人が恋人になるまでが書かれてます。
天海はずっと陣内の事が好きでいたけれど、
彼が生きぬく為に選んだ道は極道で、
逆に陣内はずっと天海の事を守りたい少年であったから、
自分の中で答えが見つけられない相手でもあった訳で、
恋人になるような環境ではなかった。
けれど12年の歳月を経て、やっと答えを得た陣内の覚悟の強さを感じるし、
やっと素直になれる場所を得た天海にこっちも嬉しくなるし、
(素を見せるのはほんの僅かの時間だけみたいですが)
読んでて楽しくなりました。

ちょっとコメディタッチも入ってるので、
楽しく読めます。
読み応えがあるものを…には合わないかもしれないけど、結構おすすめだと思います。
やっぱ英田サキさんのヤクザものは好きだな〜と思う一冊でした。

4

ふーむ面白かった!


『エス』と同時期に書かれていたようですが、こちらはコメディ風味で、同じような裏社会を描いていても、また違う
趣きでした。
細々と探偵稼業を営んでいる元マル暴刑事の陣内☓俺様なに様ヤクザの天海
この二人の掛け合い漫才のようなやりとり、なかなか面白かったです。
それにしでも、これほど啖呵切ってカッコ良いヤクザはちょっといないかも。
多分見た目の美しさとのギャップがそう思わせるんだろうなあ。恫喝したあとにスッと通常の温度に戻すとこもいいですね~。
暴れ虎などと恐れられてるけど、どっちかというと美しい山猫です。でもガラ悪くて口悪くて下品でドSで態度もでかい。
陣内のことを殴ったり、面と向かってボロクソに言うくせに、二人だけの時間では、ええ~;と思うほどのデレ!
天海にとって陣内は、ウブで可愛かった頃の自分を知っている相手だからこそ、照れ隠しもあっての雑な扱いなのかとも思いましたが、違うなやっぱ。根っからのドSですな。

3

大好物でした

しがないオジサンの陣内と、切れ者のようにするどいが奥底に切ない執着を隠している美形の天海。

みえみえの無理からの焦れったい恋は普段苦手とするところです。これも、突き詰めてしまえば再会もの、素直になれない行き違い、ほだされ愛、と言えるのですが、さすが英田さんと言わねばなりますまい。天海の痛いまでに切ない想い、そして、その刀のような鋭さに、いつの間にかじわじわと懐に入り込まれてしまう、優しいけど頼りがいのある年上の男、陣内。その2人が愛を育てる過程が、過去をふまえながら、それぞれの人生の中で無理なく描かれていて、激しく萌えました。

特にラスト、2人が愛し合うシーン。切なく、そして美しくエロかった。記憶に残らない作品も多い中、これはストーリーとともにクライマックスの科白など忘れられない作品になりました。

続編が出ているようなので逝ってきます。

3

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