未来からきたアンドロイドと挫折した小説家の、 時を超えて紡ぐ切ない純愛!!

小説

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拝啓、百年先の世界のあなたへ

haikei hyakunensaki no sekai no anata e

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表題作拝啓、百年先の世界のあなたへ

キース
未来から来たアンドロイド
一ツ木なつめ
25歳,筆を折った作家,フリーター

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

初めましてご主人様。
私は執事型アンドロイドのキースです──
金髪碧眼でお伽話から抜け出た
王子様のような美男が、突然闇夜に現れた!?
闖入者に驚いたのは、一度は小説家として
デビューしながら、挫折してフリーター暮らしを
していたなつめ。流暢な日本語を話すキースは、
なんと未来のなつめの子孫から、
筆を折ったなつめにもう一度小説を書かせるために
遣わされたのだと告げてきて…!?

作品情報

作品名
拝啓、百年先の世界のあなたへ
著者
中原一也 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010040
4.5

(133)

(102)

萌々

(16)

(6)

中立

(6)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
20
得点
598
評価数
133
平均
4.5 / 5
神率
76.7%

レビュー投稿数20

アンドロイドの人権とは…?

未来からきた美形アンドロイド(キース)と一度は夢敗れた新人小説家(なつめ)

ある日突然なつめの元に現れたキースは、なつめに再び小説を書いてもらうため、なつめの子孫の手で未来から送られてきたという。


小説家としての自己肯定感が地を這っていたなつめが、キースの後押しで再び小説を書き、小説家として復活する様は読んでいてカタルシスがあった。

新しい編集者や人気作家の真島先生との出会いがなければどうなっていたか分からないので、この人たちと出会えてよかった。
特に真島先生はとても魅力的な人物なので、彼と恋愛に発展してもよかったのにと個人的には思ってしまった。


だってキースは、アンドロイドで、未来からきた存在で、しかも送り出したのはなつめの子孫…って、
考えれば考えるほどなつめと恋愛関係になるために越えなければならない障壁が多すぎる。

結局、なんやかんやでうまくいってしまうのだけど、いくらなんでも都合がよすぎでは…とか思ってしまって物語に没入できなかった。
あと、なんというか、ファンタジー設定をうまく飲み込めなくて混乱してつらかった。

一番わけが分からなかったのは、最後のなつめの子孫の視点で語られる部分。
彼はずっと未来(彼が生きる本来の時間軸)に居ながら過去の改変に起因する変化をちゃんと「変化」として受け取っていて……これは記憶はどうなっちゃってるの??
子孫の彼だけ、新しい未来が生じる度に意識が並行世界にスライドしてる?
ちょっと理解が追い付かなかった…


ふたりの結末も、手紙に書かれたアンドロイドの寿命と残りの時間から逆算するにかなり早い段階での別れだったようだし、
キースの処遇にキースの意志が全く顧みられてないし(手紙の時点で色々とガタがきているとはいえ、意志疎通は図れるはず)でだいぶシビアだなと思った。

アンドロイドの人権云々の話はなんだったのか…
結局、人間サイドの想像と(勝手な)思いやりで全てが決められていて、
キースの最期からは、彼の人権が守られ人格を尊重されているようには全く思えなかった。

キース自身がどうしたいのか、彼の言葉でちゃんと語られていたらあの結末も感じ方が変わっていたと思うので、それがなかったのがとても残念。

1

どうしても悲しい未来ばかり予想して読んでました、、

タイトルやあらすじを見ただけでも絶対に素敵なお話だと思う一方で、悲しい別れが来るのかな?という予想もずっとしながら読んでいました。
小説家として自信を無くして執筆をやめてしまったナツメの元に、未来の彼の子孫から派遣れたアンドロイド、キース。キースが過去にやってきた目的は、ナツメに小説の続きを書かせること。
金髪碧眼の端正な顔立ちのキース。最初はアンドロイドとしてのぎこちなさがあったキースだけど、みるみるうちに人間らしさを獲得(学習)していき、素敵な王子様のような人物が出来上がって行きます。そして、ナツメはどんどんキースを好きになっていきます。キースもナツメに未来からの命令されている事以上の「愛情」を持つようになります。
しかし、ナツメは気づいてしまいます。突然キースが未来に帰ったりする可能性、または壊れたりして動かなくなったら、今の時代ではキースは直せない。ナツメの子孫て?子供が将来産まれるって事?でもキースを好きになって恋人になったら子孫は産まれないんじゃ?そうしたら、未来が変わってキースは存在しなくなるんじゃ?
二人の色々を想像しただけで、どんどん苦しくなりながら読んでいました。
キースがどんどん人間らしくなり、猫ちゃんやナツメ以外の人間に対してもとても自然で優しい心を持って接して行くようになるのがとても心地よい反面、苦しくなるんです。
人間にも、突然事故に遭ったり、病気になったりという意図せぬ別れがあるけれど、未来と過去、人間とアンドロイド、子孫が産まれる未来とは?そして、寿命の違い。キースとナツメにはどうしても隔たる壁がおおきいんじゃないか?って思いました。それが読んでいて、二人がお互いを好きになっていくと幸せなのに、切ない気持ちが溢れていきました。
それでも、二人の夢を叶えてくれた幸せな場面(身体を繋げたり)は読めて尊い気持ちになりました。
そして、ずっと幸せに暮らせる事になった二人が、どんなラストになったのかは実際に読んでみてください。
エピローグでナツメの100年先の子孫、一樹のとった行動はキースの心をとても大切にして、彼を人間の様に扱ってあげたいという深い愛情を感じて、私は号泣でした。

1

日本家屋と四季の生活感と切なさが良かった

作家の書く作家のお話が読みたくて購入したものの積んでいた作品。
キースに出会って成長して作家になれたなつめも、人間の心を得ていくキースもハッピーエンドでとても良かった!ある程度予測出来るとかちょっと都合良過ぎ感がのれず萌2にしましたが、日本家屋と四季を感じる生活感は素敵だし、未来で待つあの人と時空もろもろの切なさが印象的でした。
笠井さま、他の顔形も描けるのにどうしていつも受け攻め同じ顔なんだろう。。

1

色んなことを超越した愛を見させてもらいました

未来から来たアンドロイドと夢に挫折した人間のラブストーリーです。
感動系ですかね…時代を超えた人間とアンドロイドの深い愛に包まれていました。

私が気にしていたのは、この2人のラブがどう構築されていくかということより、最後どうなるんだろう…とそればかりに気が取られがちでした。未来から来たアンドロイドですからね…肉体的に添い遂げることはないし、ましてや未来から来ているので戻ることもあるんじゃないかとか、始まりから終わりのことばかり気になっていました。

このストーリーとしては、すごくいい終わり方だったと思います。ハッピーエンドですので読後感が悪いということはありませんでした。
なつめとキースが結ばれた後の「エピローグ」…これが2人の恋物語の軌跡そのものでした。なつめは人間なのでどうしてもキースと同じように年数を進めていくことは出来ないけれど、最高の別れとなったかは疑問でした。

どんどん劣化していくキースを放置しているのが、ちょっと…って感じでした。完全にフリーズしているわけじゃなくて、たまになつめを思い出すしぐさを見せるキースの姿はなつめへの永遠の愛を今でも思い出しているんだろうなと思います。

涙もろい私。泣きますよそりゃあ!
身体は朽ちていっても心は朽ち果てない。しかもキースはアンドロイド。無機質な存在であるはずなのに、彼のなつめを思う気持ちには温かさと愛情に溢れている。

ほぼ人間に近いアンドロイドのキースなのに、機能停止となるその時まで箱の中に放置されている…というのが違和感ありました。
アンドロイドを生み出したのなら、終わり方を考えてあげるのも発明者の責務かと思います。


なつめが再び夢を追いかけて、愛する者と寄り添える幸せを作ってくれたキース。彼が未来にから来た意味は確かにありました。
人とかアンドロイドとか…別次元での存在であっても、愛し愛される喜びは同じなんだなと感じました。

2

素直に読める人はハマるかも。

タイムトラベル物の、王道が好きな人にはお勧め。
私は物語に入りこめませんでした。
1つは、キャラクターに魅力を感じられませんでした。主人公がかわい子ぶりっ子で、アンドロイドは、あまりにもいい人間に完璧に作られているように思いました。
2つ目は、設定も展開も、予想がついてしまったからです。お姉さんの設定など、あるべきハピーエンドに向けて都合よく進んでしまっているような気がしました。最後も、いかにも泣いてくださいという感じに読んでしまいました。

6

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