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彩東先生の最新作がとても刺さったので
過去作も読みたくて購入。
テンポの良さはやっぱりすごく好みだったし
謎だった久世の言動の意味がわかっていく様子にも引き込まれるところがあって、
真那也が義兄と向き合ってからは久世も少しずつ過去の彼らしさを取り戻していくところにはドキドキしたけれど…
シリアスなトーンで進むストーリーにそれぞれのキャラがなんとなくハマりきっていない感じがして、盛り上がりを維持できずに読み終えてしまったような印象です。
過去の明るかった真那也をどうしても取り戻してあげたかったという久世の、愛あふれる振る舞いの数々は素敵だったけれども
まるでもうこの世にはいないかのような言い方をしていたのは引っかかってしまったし
義兄と顔を合わせた後もなお、自分の手の内を真那也に明かさなかったこともなんだか謎でした。
あのまま真那也が好きにならなかったらどうするつもりだったんだろう…。
家出して隠れるように暮らしていた真那也だけども彼自身の"暗さ"はそれほど伝わらず、
バチバチに義兄を恨んでいるわりには実は決着を望んでいて、なんとも古風な怪文書を送っていたのも「うーん??」という感じ。
両親のお墓参りのためにひとり故郷に戻ったこともあるとか、もう誰かに会いたくて仕方ないよね?みたいなツッコミ不可避でした。
理解不能なことは起こらないけれどなんだか引っかかるなぁ。みたいな、
グッと盛り上がったときにちょいちょい「あれっ?」と思うところが差し込まれていたのが気になってしまった作品でした。
須坂先生にハマったのをきっかけに勢いで小説にも挑戦したんですが、なんか読んでごめんなさいの気持ち…。ツッコミ役となだめ役で自分を二人に分けないと読み進められませんでしたw
最初の方は攻めがめちゃくちゃかっこよさげで、テンション上がってうきうき読んでたんです。でもちょっとずつ受けの言動にひっかるようになってきちゃって。
で、決定的にダメになったのは仕事をえり好みしてるとこ!かなり最初の方なんですけどw行くあてもなく超必死な状況のはずなのに、あの仕事は自分に不向きだの気が進まないだの…そんな理由ではじいて仕事が無いとか嘆くか!?野宿は嫌だのホテル用意しろだの、もうブチ切れそうになりましたよ!まあまあ、金持ちのボンだから甘ちゃんなのも仕方ないよ、ともう一人の自分になだめられて次いきましたけど。でもこの受けはずっとそんな感じ。
攻めへの態度とか気持ちにもさっぱり寄り添えず、何コイツ!?って思いたいところがいっぱいで、まあまあ、過去に酷いことされた経験があるから大目に見てあげて、ってなだめるもう一人の自分が必要になります。
受けにとってそれだけ辛い記憶なんだね、ってことが全然伝わってこないので(大事なそこの描写が軽いと思う…)、自分で解釈付けてってる感じです。
それで頭の中で揉めながら読んでいって、諸悪の根源を追い詰める攻め様の見せ場。うむ…こっから先ずっとストリングスサウンドが聞こえてましたw描写がとてもクサイのですよ…。
んで、ツッコミ役もなだめ役も疲れきった状態でやっと半分か~と思ってたらアレアレ…?受けさん、もう色ボケモード!?変わり身早すぎじゃない?なだめ役の苦労とは一体何だったのか。ここで二人の自分は頭パッカーンしちゃいまして。めでたく一緒にブチ切れました。
単視点小説って視点主が合わないと、とことん辛い作業になっちゃいますね。2020年末刊でこの主人公は…世の中舐めてんの!?ってすんげー言いたくなる…。
景気が良いときに読むと…もしかしたら…楽しめたかもしれません…。
挿絵はサイコー素敵で眼福でした!しゅみじゃないゴメン!
いやぁ、読んでいてどうした⁉︎と感じていたので、本作が作者の過去作だったと知りなぜかホッとしてしまいました。デビュー作、前作とクォリティーに差がありすぎて、同一人物が書いたものとは思えないほどだったからです、すみません。
友人の義理の弟を思う攻めの恋心を描いたお話で、BL的には古典的設定ともいえるのかもしれないけれど、わたしは大好物です。なんですけど、色々気になってしまってのめり込めませんでした。
受けがもともと明るい性格だったこと。その当時の受けと攻めの関わり。この二つに関する情報がわたしには不十分でした。受けがトラウマに苛まれている割には攻めと再会して惹かれていく過程がフワフワしていてよく掴めなかったし、一歩間違えたらゴーカンだし、受けがさらに傷を深める可能性もチラつきました。だけど受けは攻めを好きになるんですよね。腑に落ちないままなんとかBLセオリーを察して先を読み進めましたが…
攻めの一途さ、優しさには萌えました。…でも。受けの薄っぺらさが見えてくるにしたがってだんだん萎えちゃって、最後のプーケットのエピソードや「恋をもっと」の犬飼いたいエピソードは醒めた自分が若干引いていた記憶しかないです。
一方的に攻めに守られ、甘やかされて何もしない受けは好きじゃないのかもしれません。がんばっているのは料理くらい?自分で自分の食を賄うことって大事です。好きな人のために、苦手なお料理も頑張ってみました!っていう軽いノリが、それまでの極貧逃亡生活は一体なんだったのかと…。
うーん、自分がBLに求めているのはこういったラブじゃないんだな、とあらためて思いました。
悪党のロマンス。
どんな内容なのかが気になるタイトルですよね。
センスが良くて好きでした。
タイトルは好きだったんですけど、辛めのレビューとなります。すみません。
中華街の飲食店で働きながら、義兄の影を恐れ、喧騒の中に潜むようにひっそりと生きている真那也の元に、義兄の友人である久世が現れる…
と、トラウマ持ちのワケありな受けと、その原因となった義兄と近しかった者との再会もの。
ほのかに香る古き良きBLの香りを感じつつ、これをどう味付けして展開させていくのかと楽しみにしていたんですよ。序盤は面白かったんです。
でも、読み進めれば読み進めるほど私には合いませんでした。登場人物の誰にも共感出来ず、萌えられず…しゅみじゃない寄りの中立評価です。
久世が甘党なところは可愛らしかったんですけど。
真那也という子は、なかなかに重たいトラウマを抱えていると思うんですよ。心の傷は深いものでしょう。
BL的な展開で言うのならば、これをどう乗り越えるのか?再会した久世との交流でどう変化していくのか?というところに焦点が当たるのではないかなと思います。そこを乗り越えての恋愛なんてたまらないじゃないですか。
ですが、全体を通して重たいトラウマ部分に関しての描き方と扱い方があまりにも軽い印象が残ります。ここはもっと丁寧に描いてほしかった。
久世による真那也への行いにも理解が出来ないどころか、お尻を引っ叩きたくなっちゃいました。何やってんだ…
荒療治という流れは王道といえば王道。他作品でも数多くありますが、それも段階を踏んでだとか、細かなエピソードが積み重なってからでこそですし…
この時点では攻めに魅力を感じる部分がなかったこともあり、そんな相手に真那也があっさりと気持ち良く抱かれてしまっていることにも疑問。
義兄とは違って優しく抱いているからなのでしょうけれど、これでは説得力がありません。
義兄との対決シーンを描くのであれば、序盤の荒療治は必要なかったのでは…?
もしくは、中盤以降に持って来た方が流れ的にも綺麗だったかも。
なんだろうな。展開だけで言えば王道なんです。
なのですが、義兄との対決後もあっさりしすぎていて、2人の恋心はあっという間に盛り上がり、階段飛ばしで進んでいくというのに、読み手の私は置いてけぼりになってしまって。
久世が真那也を溺愛しているのは分かる。しかしながら、そこに至るまでの過去のエピソードがぼんやりとしていて薄いです。
真那也視点な事もあるのでしょうけれど、ここが本当に惜しくて。学生時代にもっと深い関わり合いがあっただとか、真那也だけの特別な何かによって久世が惹かれた、そんな強いエピソードが欲しかった。
良かったところも書きたいのですが、うーん…なかなかハマりきれず。
久世が一途なところは良かっただけに、細部が惜しい。行動力はすごいと思います。
初めて読むのになぜか懐かしい。
新作なのに、実家の本棚から引っ張り出してきたような、いにしえ感。
それもそのはず。
サイトに上げていた作品と聞いて納得です。
多少の味付けはありながらも、奇をてらった展開や設定はなく、ダーク系スパダリ攻×不憫受、純愛溺愛すれ違いモノど真ん中。ちらちら漂うバブリー感。
シリアスとロマンスの配合は王道比率で、万人受けしそうなマイルドさ。
悪役の兄が最初から最後まで完全ドクズなところにベタ展開の古風さを感じます。
文章はちょっと説明しすぎかな?という所もありますが、基本平易でストレスなく読み進められます。
一言でいえば2000年代のあの感じです。
でもまあ、時代は令和。
流行りも型も少しずつ変わってきていますからね。
実力派作家さんたちが切り開いたBL小説の新境地の数々も知ってしまっていますからね。
物足りない、なんか陳腐、時代遅れと感じてしまう人も中にはいるかもしれません。
もうちょっとこうだったらいいのに…っていう部分はもちろんあります。
それでも、どこか安心感があるんですよね。
学生時代に流行った音楽を聴いて良し悪し関係なくほっこりするようなあの感覚。
同じモノを見て、同じモノを食べて育ってきた感じが伝わるあの感覚。
こういうベタなドキドキ感が楽しくて学生時代BLにハマってったなあと、振り返らせてくれるそんな時間。
新しいものに出会う感動も良いですが、たまには懐かしさに浸るのも悪くないですね。
三度の飯より古風なベタが好き!な方はもちろん、ちょっとBL小説にブランクのある方の肩慣らしとしてもおススメできる一冊です。