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弟子が可愛くてたまらない天才魔導士×平凡な愛弟子!
面白かった!これがエリオが単体主人公のファンタジー小説だったら神レベルに好き。
BLとして二人を中心に見ると、ヴァレンテの魅力が薄く、恋愛部分に萌えが足りない。“過保護な溺愛”の方向が閉じ込めに向いてしまったのが好みじゃなかった。
全体的に自問自答する場面が多く、禅問答のような会話が繰り広げられたりと、哲学色強めに感じる作品。家族を失ったエリオが生きる意味を考えたり、人の醜悪な性質を淡々と語ったり、才能と努力の話とか。
エリオは才能はないが努力できる人間で、さまざまな人に教えを乞いながら成長し、同時に心の傷を癒やす努力もしているように見える。
ヴァレンテは、あまり相手の意図を汲んでいないような受け答えがもどかしい。もしヴァレンテ視点があったら、自己完結にツッコミを入れたくなっていたと思う。
腕の中に入れて守りたいヴァレンテと、自立して共に闘いたいエリオの話をエリオ視点で読むと、討伐士を諦めた後の助手兼恋人期間の描写はずっとモヤモヤする。師匠と弟子だったときの関係性が好きだったから余計に。
クラスメイトとの問題を、エリオ自身の力で乗り越えさせようとするところとか、弟子には手を出さないよう我慢してるところとか、ヴァレンテの“先生”であろうとするところはとても良かった。
再び起こった魔物の噴出。戦うエリオの心理描写が、加速度的に盛り上がっていくのがすごい。興奮と緊迫感が伝わってきて、読んでいるこちらも高揚してくる。ド派手な戦闘シーンがしっかり想像できる描写も良くて、とても楽しかった。
気になっていたのは、魔物に傷を付けられたら魔法を使えるようになる設定。理由が解き明かされるのを期待していたが、コズモがそのうち答えを見つけるってことで回収済み扱いなのかな。
正直途中から、別れてブロマンスエンドの方が萌えるな、と思ってしまった。ヴァレンテはエリオが新しい道に進む際、しっかり話を聞き、その意図を理解して送り出してくれていればまた違った印象だったかもしれない。
ファンタジー作品としてはめちゃくちゃ面白かった。
佐竹笙先生の作品に激ハマり中です!
溺愛には特別惹かれないのであまり期待せず読みましたが、いい意味で裏切られました!
こちらの作品は、攻め受け共に、キャラクターが等身大で成長物語として読み応えがありました。
攻めがハイスペなんだけど完全無欠なスパダリじゃないのが逆に良かった〜!
主軸となるのは受けの成長物語。
作者様も仰られている通り、普通の男の子が恋愛や進路に悩み、最初は遥か雲の上の存在だった師匠と対等に肩を並べる立場まで成長していくお話です。
真面目で意思が強くとにかく頑張り屋さんの受けが、紆余曲折ありながら自分の道を見つけていく様子に、胸が締め付けられたり涙したり温かい気持ちになったり…とにかく応援してしまいました。
そして、受けだけでなく攻めもまた愛するが故に過保護に受けを守ってしまうという面があり、そこからお互いに気づき認め合っていく関係が素敵でした。
20代前半…確かにまだ若い。等身大に感じられて攻めも受けも大好きでした。
周りの友人や師匠も良かったな。
「綺麗なものを体に入れて、今を感じる」ことや、
「何気ない毎日に価値がある」こと、
そして一流を目指すための心構えや壁にぶつかった時の対処法など、人生の様々な場面で大切にしたいことを教えてくれる深イイ本だと思います。
もっとみんなに読んで欲しい!
本編はもうちょっと後日談が欲しいと言うところで終わってるので、書き下ろし後日談付きの電子版をおすすめします!
佐竹笙先生の作品、かなり好きなものが多いのですが、こちらの作品は甘さ控えめ・(自分にとっての)萌え少なめだったかな、と。。
多分自分の今の気分的に、完全無欠のスパダリ様攻めが見たかったのかな。読むタイミングがちょっとずれていたのかもしれません;
攻めの天才討伐士・ヴァレンテが、決して完璧な人ではないんですよね。
エリオのことが好きで手元に置いておきたい、そばにいて欲しいから、エリオが討伐士になれる見込みがないと分かっていても手放せない。エリオ自身が出て行きたいと望んでも、放してやれない。
そして二人の間の亀裂は大きくなり、やがてエリオは自分の力を生かせる別の道を見つけ決別、そして再会ーと物語は続きます。
エリオに実はものすごい才能があって…というありがちな展開ではなく、どんなに頑張っても討伐士になれる見込みはなく、成果が出ず苦しむ…という展開がとてもリアルで良かったな、と。
そして見つけ出した別の道を極めていくことで、ついには師匠・ヴァレンテと共に本当の意味で対等になる。
夢破れた受け様の、新たな道を見つけるまでの生き様の物語でした。
攻め様も受け様も共にそれぞれ苦しむというところが大きな見所かな。
また違うタイミングで、再読してみようと思います◎
とても長く感じました。
タイトルから過保護で溺愛かぁ、楽しみだなウフフと思っていたら。甘い5 割辛い5割なバランスかな?
とにかく読み応えがあります。
最後にやっとたどり着くまで。
4年間は大切な時間だった。何もかも無駄じゃなかった。生きてる意味はあった。新しい扉を開けた。
受けが絶望から立ち上がるところ、ひたすら頑張るところ、いじめられるところ、攻めに独占欲を持つところ、などなどもう数え上げたらきりがないくらい色々あって。
諦めてただ毎晩抱かれて。愛されてるのにどこか埋められなくて。
そして攻めの元を出て新しい扉を開けて。
討伐士になれなくても攻めを支えられる、対等に戦える力をつけて。やっと心から愛してると言えて。
途中で何度も読むのを諦めそうになりましたが、最後まで読んで良かった。胸が熱くなりました。
受けがフェデーレと出会えて良かったね!フェデーレが良い師で良かった。
受け攻め二人に色々あったけど成長してやっと最良のタイミングになったんですね。
攻めをただの恋する男に変えた受け。庇護欲だけでは受けは満たされない、でも大切なことを教え続けてくれた。そのおかげで最良のカップルになれた!
真面目クール?タイプ×健気が多い作者様ですが、今作の攻めヴァレンテもクールなキャラクターで、エリオに段々惹かれていって、エリオに対してだけ心が素直になって甘く崩れていく感じが最高でした。
あらすじは受けのエリオが魔物に襲われて家族も家もなにもかもを失った後、生徒達に魔術を教えている攻めのヴァレンテの元で彼も魔術を学んでいくお話ですが、
エリオの魔術の才能がないことに対する悩み、なりたい理想と足掻いても道が開けない苦しさ、出来ることを模索していく中での先の見えない辛さ、葛藤にとても共感しました。
丁度似たような、やりたいことがあるのににっちもさっちもいかない状況にいる時期だったので、読んでいてシンクロしすぎて辛い部分もありましたが、ヴァレンテの台詞にエリオが救われたように、苦しみから引き上げされ、浮き上がらせてもらった気持ちです。本当に必要な時期に良い本に出会えました。ありがとうございます。
今まで一つのことを必死でやってきたエリオが終盤、藻掻くことに疲れ、道を見失っているときに、思わぬ方向から彼が欲しかったものは違うことが、良い方向に進んで、状況が好転していくのが、人生なのかな、というか。そこがとても印象的でした。
エリオの人生を追いかけていく内に、読んでいる方も少し気が抜けて、気付かさせられたものがありました。