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表題作君にくるまって、

九条政秋,大学1年生
佐竹伊織,大学1年生

その他の収録作品

  • あとがき
  • 大浴場にて
  • 窓辺にて
  • 麻雀室にて
  • 一階にて

あらすじ

母親から逃げるように、オンボロの男子限定の寮、『金蘭寮』に『ぬいぐるみ』だけを持ってやってきた伊織は、ほぼ誰とも口をきけないほど、人間不信だった。そんななか、美味しい食事をつくってくれる『ママ』や、スエーデンからのイケメン留学生など、『自己満』で面倒をみてくれる寮の住人たち! その中でも、アキは親身になってくれていたが、自分のことをあまり話さない伊織に問題が発生して……!?

作品情報

作品名
君にくるまって、
著者
桃子すいか 
媒体
漫画(コミック)
出版社
オークラ出版
レーベル
enigma COMICS
発売日
電子発売日
ISBN
9784775529539
4.4

(48)

(25)

萌々

(18)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
212
評価数
48
平均
4.4 / 5
神率
52.1%

レビュー投稿数7

やめられないこと

飛鳥大に通う政秋、通称アキと伊織のお話です。アキと伊織は他の学生と一緒に、築80年の金蘭寮に住んでいます。
 伊織は引っ越し早々、部屋に大量のぬいぐるみを入れて、早速ぬいぐるみとの同居生活を始めます。
 金蘭寮のみんなは、ママと呼ばれる料理上手な貞広、ジェンダーレス男子の利保、通称マルティンの仙太郎、スウェーデンから来たラーシュ等、個性豊かな学生が集まっていますが、ともかく仲がいいです。
 伊織のぬいぐるみとの同居生活、ぬいぐるみの収集癖は、何か理由があるのではとみんな気づきますが、伊織のぬいぐるみは日々増えていきます。
 伊織が一番大切にしているぬいぐるみ、きなこを通して、伊織と母親との過去が明かされますが、子供には酷なものを背負わせていると思いました。
 帰国子女故、何でも直球で伝えるアキですが、アキの場合は不思議と嫌みがありません。
 先生のあとがきで「安全基地」「心の拠り所」のことに触れていますが、伊織がようやく安全な場所を見つけられたことが本当によかったです。

0

自分を守りたい

心に問題を抱えているのはアキなのか伊織なのか。
読み進めるとアキにも心の闇を抱えていて、誰とでも仲良くなれる才能あるように見えて、本当は大切なものが欲しいという闇?希望?を持っていましたね。
本当に大切なものが一つあれば、人は強く生きられるのでしょうか?
アキは伊織が羨ましいし、伊織はアキが羨ましい。
お互い、足りないところを補い合う関係っていうのもアリだよなと思ってます。  

ぬいぐるみを捨てられない、そしてぬいぐるみで心の隙間を埋めるという表現がこの作品にとても合っていて、すごく考えさせられました。
伊織は大学を卒業しても、アキたちと一緒に楽しく暮らして欲しい。

自分の経験を活かして、虐待ボランティアみたいな仕事につくのも良いなと思ってます。

0

「自己満」の自覚は大事だなって

大学生二人のお話。家族問題とそこから抜け出す希望を描くのに絶妙な年齢だと思いました。二人とも心に問題を抱えてるんですが、この一冊では伊織が中心。アキの方も深掘りできれば面白そうだなあと期待したけどそちらはさらっと。伊織の母親がとってもムナクソでした。
伊織の心の傷は母親から植え付けられたもの。もう少し子供だと経済面とかどうしようもないし、見ていられなかったんじゃないかな。やっと逃げ出せて、居場所が見つかりそうになったところで母親登場。もう少し大人だと傷が癒えてたかもしれないし、自分を騙す術を身に付けていたかもしれないけど、まだ生々しいままで受け止めきれません。ここで支えになるアキが良い。
他にも関わるキャラたちが、自分の行動を「自己満」と自覚してるのがすごく良かったです。BL漫画だからHしてたけど、友情で終わっても綺麗で納得な二人でした。
一つ気になったのは、Hシーンで二人の中にカッコイイ方が挿れるっていう先入観があった点。男同士なのにカッコイイ方が攻め、可愛い方が受け、っていう思い込みはどこからきたの?って考えると男女に行きつくので萎えます。そこはBLだなあって感じでした。

0

初めて自分の人生を生きる

 表紙の雰囲気から伊織はもっと可愛らしい子というか、愛嬌があって誰が見ても放っておけないような子なんだろうなぁと想像していました。でも実際には違っていて、確かにぬいぐるみを山ほど買い込んで部屋に雑然と並べている様は一見可愛らしいけれど、本人は母親と2人きりだった世界からやっと抜け出した、人とどう付き合っていいか戸惑ってばかりの頼りない子供なんですよね。

 今日のお母さんは機嫌が良い日だろうか、悪い日だろうか。母が帰宅する足音を聞く度に緊張する日々を、彼は一体何年過ごしたのでしょう。大人でも他人の機嫌に左右されるのはストレスなのに、幼い子供がその環境で何年も過ごす苦痛は計り知れません。恐らく母親がきなこを捨てようとしなければ、彼の収集癖もここまで酷くはならなかったんじゃないかな。どれだけ買い込んでも大人が本気になれば、ぬいぐるみなど一瞬で捨てることができてしまう。他に紛れさせきなこを守るため、また、万が一きなこを捨てられても寂しさを紛らわせるように増やしてしまうのかなと思いました。

 一方でアキは、伊織とは対照的に物を持たない主義。それも単なる性格ではなく彼の育ちから来ているんですね。親の仕事で海外を転々とした過去。大切なものができても置いていかなければならないなら、最初からつくらなければいい。高いコミュ力も異国の地で必然的に身に付けたもの。すっきりした部屋、万人受けする態度は彼が強いられてきたものだったのです。そんな2人が初めて親元を離れて、自由な寮生活を謳歌した結果、自分のことで精一杯だった日々から他人に目を向け、大切にしたいと思える人を見つけた。BLでありながら、生き辛さを抱えた現代人に刺さる作品だったのではないかと思います。

0

きなこ

「ごめんなさい おかあさん」で、嗚呼またトラウマ作品か…と、思ってしまったのは残念。家庭問題や家族の死ネタ作品が多すぎる…
そんな諸々のトラブルに対する周りの対応はやや踏み込み過ぎで怖いなと思うところもあり。伊織にはたまたまこのアプローチで解決になったから良かったものの、危ういなぁ。

その辺のモヤモヤはさておき、桃子先生は夏の汗だく畳エッチが相変わらずうまい!!!6話ラストから7話にかけてのムワッと感、恋にムズムズする雰囲気が大好き!伊織も秋も相手が大切だという気持ちを真っ直ぐ言葉に出すタイプで、キュンとします。

電子おまけ漫画1枚 グミの話

萌〜萌2

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