あの時あなたを求めてしまったのは、Ωの本能のせいだ――

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従順なΩは夜に爪を立て

jujun na omega wa yoru ni tsume wo tate

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表題作従順なΩは夜に爪を立て

松岡優星(α),24歳,俳優
梅崎詩音(Ω),23歳,マネージャー

その他の収録作品

  • ふたりの時間(描き下ろし)
  • キャラプロフィール
  • あとがき

あらすじ

Ωの詩音は、母を芸能界引退へ追い込んだ俳優・松岡への復讐のため、彼の息子で俳優の優星のマネージャーになる。
Ω嫌いなαの優星の信頼を徐々に得ていく詩音だったが、ある日ドラマ撮影の待ち時間中に突然、彼にキスをされ……。
俺様イケメン俳優のα×敏腕マネージャーのΩ復讐ラブストーリー

作品情報

作品名
従順なΩは夜に爪を立て
著者
茶柱ぷぅ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA(エンターブレイン)
レーベル
B's‐LOVEY COMICS
発売日
電子発売日
ISBN
9784047365155
3.4

(17)

(1)

萌々

(8)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
58
評価数
17
平均
3.4 / 5
神率
5.9%

レビュー投稿数2

オメガバをベースに、内容盛り沢山

オメガバース、性差別、芸能界に蔓延る圧力と忖度と復讐、身分違いの恋愛と、要素がてんこ盛りで、それらがきちんとうまく料理されていたと思います。

オメガバの作品では、本編に入る前に設定の説明書きが別途あるパターンをよく見ますが、こちらは、まずそれも本編に組み込んでいて、且つ、その絵がわかりやすい上に可愛らしく、初心者にも優しいなと思いました。

詩音のお母さんがΩであるせいで芸能生活を絶たれた、その恨みの対象が優星の父親であり、復讐を目論んでいる、という大筋はわかっても、具体的にどんな目に遭わされたのかがはっきりせず、気になったまま読み進めました。
その過程で、傲慢だが人のいい所があるスターαと、真面目で小うるさいマネΩの間に純粋な何かが芽生えていくという王道ストーリーが展開され、このままこの流れに乗っていくのかな……?と思いきや、3話でぐわっと舵が切られた所でおお!となりました。
本音を素直にぶつけてくる優星と、本音と建前の綯い交ぜな感情に苦しむ詩音の車の中での会話が切なかったです。
また、その後の『自分の気持ちよりも 優星さんの気持ちよりも 大切なことがある』という踏ん切りのつけ方は痛々しく、『終わりにしよう』という言葉は、きっとその前に“全てを”と付いているんだろうな、と思い、苦しくなりました。
進一の記事を敢えて見ることで、憎しみの感情を奮い立たせたんだろうな、と思います。

そして、4話で遂に詩音のお母さんが受けた被害が明かされるわけですが、わたしが個人的に大っ嫌いな芸能界の忖度の話が描かれており、且つ、進一のド畜生な性差別に読みながら腸が煮えくり返る思いでした。
詩音が殴った時にはスカッとするものもありましたが、その後の優星の愛の大きさにぐっと来ました。

詩音のお母さんとの電話で自分は幸せだと言うお母さんから『あなたは?』と問われた時の詩音の切ない表情が好きです。
お母さんは本当に幸せなのかな、とか、今の状況を幸せと受け入れないと生きていられないんじゃないかな、といったこちらの勝手な勘繰りと、全てを終わらせてしまって空っぽな詩音の状況に対する感情と、色々な哀愁を感じました。

輝いている優星が好きだから、思わず説教をしに行ってしまう詩音の気持ちに共感が持てました。
自分のことは早く忘れろ、と到底無理なことを言い捨てていくのが萌えます。

人生全部中途半端とか、過去の傷で壊れてしまったりして夜の世界に堕落した所から始まる物語はよく見ますが、終盤で落ちてしまう展開はよりリアリティがあって、嗚呼……となりました。
そして、お友達がGJ過ぎて、「エーロイΩちゃん」がこんな所に活きてくるとは……!と、まさかの伏線があったことが嬉しかったです。

後日譚まで含めて、素直になった後の詩音の表情がとても柔らかくて綺麗だなと思いました。

セックスシーンはどれも相変わらずむにむにとした肉感が良いエロです。
あと猫。猫の居るシーンが漏れなく可愛かったです。
巻末のプロフィールの写真撮ってる絵も好きです。

絵のタッチはソフトですが、かなりのエネルギーを要した作品なのではないかなと感じました。
はっきりと番になる描写が無かったので、その過程も見たいですね。

ちなみに、「優星さんなら移籍のほうが」という台詞がありましたが、そこは、いや、絶対圧力かかるからどこも取りたがらないだろうしゼロから新規の方がいいぞ、と思いました。(笑)

0

復讐から生まれたものは?

初めて読んだ茶柱ぷぅ先生の作品です。

オメガバース設定です。
若手俳優 松岡 優星(α)とマネージャー 梅崎 詩音(Ω)のお話。

ある日、事務所の人気俳優 優星のマネージャーを探していることを知った梅崎は立候補しました。
梅崎がΩだと知ると優星からは拒絶されましたが、なんとかマネージャーに就くことに成功します。
仕事は真面目で優秀…そして、有名俳優の二世でもある優星にも物怖じしない梅崎。
ワガママな優星もだんだん梅崎を信頼し、やがて気になる存在に。
しかし、梅崎にはある計画があって…。

うーん、この作品は上下巻にした方が良かったのではないでしょうか?
単巻だとエピソードを深くまでは描き切るのは難しいと思いますし、もっと読みたいエピソードもありました。
闇を抱えている梅崎のバックボーンや壮大な復讐劇を期待していたので、想像よりはあっさりしていた印象です。
しかし、茶柱ぷぅ先生がキャラや背景等も丁寧に描かれているので、冒頭から物語に入り込めました。
また、ストーリー構成において起承転結の表現も上手なので中弛みせずに最後まで読み進められます。
…だからこそ!単巻がもったいないなと感じました(泣)

15年前 人気歌手だった母親は優星の父親 松岡進一によって芸能界引退に追い込まれ、その後は長期で精神を患う状態に。
祖母から事実を聞かされた梅崎は、松岡進一に復讐することを目的に生きてきました。
やがて松岡進一の息子 優星のマネージャーになった梅崎は復讐を決行するのですが…。
その頃には、お互いに惹かれ合っている優星と梅崎がせつなすぎる(泣)
復讐するためだけに生きてきた梅崎にとって「復讐しない」という選択はありえない。
あの日から苦しんでいる母親のために…でも、お母様はそんなことは望んでいないと思う!
きっと復讐しても悲しみしか生まれないんだろうな。

一方、俳優である父親に憧れて役者になった優星。
しかし、周りの人間からは父親のコピー商品として望まれていると感じます。
「父親とは違うタイプの俳優になりたい」
自分の考えを梅崎に伝えた後にある事が発覚してしまいます。
何も知らなかった優星は愕然としたでしょうね。
父親の過去とΩに対する傲慢と偏見を知り、公私共に信頼していた梅崎に裏切られる…。
普通なら失意のどん底に落ちるのですが、優星は仕事をキャンセルして行方不明の梅崎を探し始めました。
優星はワガママで言葉使いも悪いけれど…優しくて思いやりがあるツンデレだった(笑)
そのギャップに萌えますね。

このお話には、当て馬は登場しません。
脇キャラとしては、優星の俳優仲間が登場します。
重要なポジションでしたが名前がなかったのは残念でした。

Hシーンは、どれもエロくて良かったです。
本編では、復讐の材料として計画したカーセックスと両想いになった後のホテルでのセックスがあります。
本能と理性の異なったセックスに2人の関係性やシチュエーションの対比が楽しめました。
コマ数がもっと多いとさらに良かったな~。
描き下ろしでは、恋人同士になった2人の甘いセックスはもちろん、優星の気遣いも見られて嬉しかったです(泣)

後半までシリアスな展開が続きますが、キャラが魅力的なので重く暗い雰囲気にはなりません。
復讐や悲劇の設定が苦手な方でもドキドキしながら読んでいただけると思います。
たくさんのことを犠牲にしたのに中途半端なカタチで幕を閉じた梅崎の復讐劇。
でも、復讐することや後悔することより、人生は幸せになった方が断然いい!
これからは、優星とたくさんの幸せを見つけて欲しいな♡
2人が番になる日まで見守りたい…。

あとがきに裏設定が書かれています。
裏設定を知った後に本編を読み返すとまた違った視点になりますよ。

気になっている方は、ぜひ読まれることをおすすめします!

6

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