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小説
なぜかレビューがないので大きめな声でおすすめ!
異世界でオメガバース。それはちょっとね、という方には、そうだけど、面白いよ、とお伝えしたい。ゲーム好きな方にも。
ネタバレすぎないようにあらすじに少しだけ付け加えると、
ライトなオタクを自認する主人公の、社畜気味な毎日の楽しみはオンラインゲームだったが、まさかの異世界召喚。しかし、勇者ではなかった。強くてニューゲームでもチート無双でもなかったことを嘆くが、ハマっていたゲームのお気に入り人気キャラのそっくりさんが王様で、保護してくれると言う。それではと異世界スローライフを目指し、しばらく一人暮らしのための訓練に励んだ後に、日本ならではの知識を使ったチート生活を送ろうと思い立つが……
以下はさらに序盤だけネタバレ注意。
そんなふうに始まるお話で、まずは勢いよく前向きな主人公。
突然異世界に召喚されても、怯えるどころか、サクッとゲームのように取り組んでしまうくらいには場馴れしているが、オメガバースについては詳しい知識がなかったようです。
突然のヒートと、アルファの王様の現した本性に大変な目に遭いながら、「俺の異世界召喚はBLだった」などと考えてしまうくらいには、まだ落ち込んではいなかったけれど、オメガの運命に触れ、どうも未来に暗雲が立ち込めてきた……
王様も主人公も、じつはけっこういろんなものを抱えているし、明るいだけの直線的なお話ではありません。でも、主役二人のキャラがいい。王様はいい王様だし、主人公は転生RPGの醍醐味、常に先読み、スキルを活用し、といった具合に適応していく。感情は後回しだけど二人には、番(つがい)以前に感じるものがありそうです。
なにより、主人公の楽しそうな様子がいい。周囲も巻き込んでワイワイとやっているんだな、と伝わってくるし、あふれるラブは甘いし。
一人称だしゲーム攻略動画のノリで、一気に読了です。
ただ強いて言うなら、たぶん設定がすごく細かくあったんだと思うけれど、ときどき説明がめんどくさい。いかにもゲームっぽい(ような)情報開示・説明パートは、重要じゃないので流し読みでもいいのでは(失礼)。とくに道具とかは。人物の関係性だけは覚えておけば、支障なしと思います。
たぶん他所でレビューを読まなければ手に取らなかったと思うし、こういう出会いがあるのでネタバレに怯えつつもレビューめぐりは楽しいな。
とても面白かったので、他の作品も読んでみます。
それにしても外見で判断されるのは人だけじゃないので、タイトル・表紙絵・あらすじがセットでもったいないことになっています。
いま気づいたけど、書名が違いますね。アクセスが少ないなら、それが理由かも?
『異世界召喚されたら、勇者じゃなくてオメガになりました』
「て」が無いだけですが。