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今、町屋先生の作品を読み返し中なのですが、これがデビュー作とのこと。
古い作品だから殆ど無修正に近くて、ところどころに極細一本線で申し訳程度という修正具合なんです。(シーモア)
ayaayacさんがまとめて下さっている答姐の電子書籍の出版社ごとの修正具合によると、リブレは2018年の時点で修正が最も厳しい出版社らしいんですが、こんな甘々の時代もあったんだなぁと改めて思いました。
そして決してエロだけが突出しているわけではないのに、妙に艶かしいエロさ加減はデビュー当時から既に完成されてたんだなぁって思います。
【また あした】
自分を庇ったせいで怪我をした配達員・間中の家までお見舞に行った木下。
「これからメシなんすけど、一緒にどうです?」と誘われて夕食を共にして以来、それがきっかけで仲良くなっていく様子が描かれてます。
気負わず「また明日」という小さな約束を交わせる喜びが描かれていて、読んでてほんわり。
おずおずとしながらも、「できれば俺の後ろの孔に間中君のイチモツを‥‥」とかなり大胆な事を言ってのける誘い受け。
ギャップ!
【ア・ロット・オブ / 愛は降り積もる】
リーマン同士。
二週間前に告白して以来、何かとモーションをかけてくる一つ下の後輩・仁村(攻め)と、それをスルーし続ける堀内(受け)。
だけどいつしか……ってやつ。
クール系かと思いきや、頬染めて「俺を愛せるだけのエネルギー量はあとどれだけある?」とか乙女なこと言っちゃう無自覚誘い受けです。
【やっかいな恋と君 / やっかいな境界線】
部長にひそかに想いを寄せている藤井(受け)。
そんな気持ちを知った上で、僕の視線にも気づいてとアタックしてくる榎木田(攻め)。
攻めが生真面目メガネ系なんだけど、何かと一生懸命で、一生懸命になるあまり無自覚に誘ってしまっている天然誘い受けです。
時々読み返す町屋はとこさんのデビューコミックス。
優しく丁寧な絵柄で、その絵できれいに描かれるHシーンがなぜかとんでもなく生々しい。リアルよりも随分美しいのに凄くリアルっぽいのです。
「またあした」「あしたのつづき」「引っ越し」
配送男子とリーマンの恋模様。
ちょっと理屈っぽくて取っ付きにくいリーマンの木下は、ゲイ隠しのために他人との間にバリアをはっていたが、自宅への配送時に怪我をした間中が気になって…
どんどん距離が縮まって、両想いになって、同居を決意するまでになる、というお話。
ラストの「引っ越し」はセリフがありません。絵だけで、新居に荷物を運び、一緒にお風呂で埃と汗を流し、新品のダブルベッドで2人の幸せな寝顔…のストーリーが語られます。
「ア・ロット・オブ」「愛は降り積もる」
住む場所一緒(独身寮)、会社も部署も一緒の一年後輩・仁科に言い寄られている堀内。
男なんてとんでもない、と逃げ回っていたが、真剣に話を聞いてほしいと言われ、断りきれずに関係に応じる。だが、それは「恋」を認めたくなかっただけ。
2人はすっかりお似合いのカップルです。
「やっかいな恋と君」「やっかいな境界線」
部長に恋焦がれていたがその気持ちを抑えて、部長(既婚者)に女性をあてがう手配までしている藤井。(ところでこんな部長もこんな会社もサイテーじゃないの⁈)
そんな藤井に告白してくる若手の榎木田。榎木田に告白されてから藤井の頭の中は榎木田で一杯になって、ある飲み会で酔い潰れて、部長に浮気のダメ出しをし、榎木田には身をまかせる。
会社ではよくぶつかってやりあっている2人だが、実は手をつないで帰って暗がりでキス!
あとがきにある通り、3組とも「誘い受」でした。私は誘い受・襲い受大好きです。
この優しいタッチからは考えられないくらいリアルな性描写…本当エロエロです。この優しいタッチから…ギャップにノックアウトです!!
ゲイだから、人と親しくなるのが怖いとバリアをはって、会社の女の子達から怖がられている木下さんが、運送やさんの間中くんと知り合い 物凄い可愛くなっちゃう話でしょうか。
一話ですんなりくっついて、すんごいエロしてます。
二話で仕事と恋人と、時間の問題で揺れる二人。
会いたい、尽くしたい。けれど時間は決まっていて、どちらを優先するかしないか。
気持ちは嬉しいけどそれで恋人が疲れている姿は見たくない。
そんな二人かだした答えは…。
台詞のない、絵だけで進む二人の描写がもうたまらなく愛おしかった!!
そのあとに2カプ。
主人公全員がみんな優しくて絵そのもの。
優しすぎて若干女々しいと感じるかも。
でもやっぱりエロがリアルでエロい!!
受けはみんなちょっとツンのかなりデレ。
優しいお話が好きでリアル描写がお好きな方におすすめかな。
互いに関連のない、社会人3カップルの短編集7作品が収録されています。雑誌掲載4作品と描き下ろし4作品。
間中×木下「またあした」「あしたのつづき」「引越し」
一目惚れの自覚無しに、落ちてきた荷物からかばって負傷した運送業者(攻め)に礼を言いたい、明日は食事を作らせてくれと押していく木下(受け)が可愛らしかったです。そのくせ、迫られると逃げてしまうというピュアさも。私は、セリフがない描写のみの「引越し」が一番のお気に入りでした。ラブラブな新生活初日に笑んでしまいました。
仁村×堀内「ア・ロット・オブ」「愛は降り積もる」
リーマン後輩×先輩。「人が一つの恋愛で使えるエネルギー量は決まっている」という堀内の説に、花粉症に対する花粉量の説明みたいな話だなぁと考えながら読みました(笑)
榎木田×藤井「やっかいな恋と君」「やっかいな境界線」
キスを失敗してアゴにしてしまう、フェラが疲れてすがってしまう、仕事でぶつかった日は嫌われるんじゃないかと不安になる、そんな藤井がとても可愛らしく、年下の榎木田が甘やかしてしまう気持ちが分かります。
ふんわりと優しい話が詰まっています。コミカルテイストで明るい気持ちになります。恋のみならずちゃんと働いているのにも好感が持てました。甘いエロも充実しています。この頃はまだそんなに修正がキツくなかったんだなぁと思ったりしました。
仕事もの、可愛らしい年上受け、頼りがいのある優しい年上攻めがお好きな方にお勧めです。
待ち望んでいた作品ではなく一瞬だけブーイングしそうになりましたが( 笑 )、やはりファーストインプレッションは間違いなかったと実感しました。
配送業者という職種に質の違うエロさが漂ってしまうのですが、木下の朴訥な性格と間中のちょっと出来過ぎなほどの優しさによって健全な友情が芽生えていく過程を愛おしく感じられます。
あどけない木下を包み込む間中の包容力。
穏やかに「またあした」と約束を繰り返す日々。
そして近寄り過ぎて気を許し過ぎた分、心の弱さを吐露したくなる甘え。
木下の間中にだけは偽り無い自分でありたいと、思う心の純粋さが招く思わぬ展開にそれぞれのセクシャリティが都合良くも見えますが、その分木下の混乱に微笑ましく寄り添う事も出来ました。
その後の2人の愛あふれる穏やかな日常と多少の波乱。
ゆっくりと成長し育んでいく2人に心暖かくなります。
他同時収録2作品あり。
どちらも恋に不器用で、相手が男なことを理由に後一歩を踏み出そうとしない臆病な心を宥めすかして懐柔されていく。
思わず身を委ねてしまった心地よさに気恥かしさを感じる姿を見てつい頬が緩んでしまいます。
どの作品もその後の日々を思い描くだけで愛おしさを感じる作品ばかりです。