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レンタが2本目の「ホワットエヴァー」をサンプルにしてくれていたのが良かった。
アンドロイドものに弱いので、これは…!と即借りでした。
表紙の感じからは想像できない読ませるお話揃いの作品集です。
一見エロそうな表題作も含めて、エロを求めて買うと期待ハズレな1冊かもしれません。
GUSHなので1編に1エロしっかり入っていますが、むしろ要らなかったな〜と思うお話の方が多かったです。
ビッチなお兄さんが純愛を知るお話(「図書室のお兄さん」)
アンドロイドが「愛する/愛される」という感情を知るお話(「ホワットエヴァー」)
セックスに逃げてた子が会話して心を通わせる術を知るお話(「Married with Children」)
バツイチのくたびれたオッサンが若者から愛は諦めなければ終わらないことを教えられるお話(「Little by Little」)
どれもいい。
じわりと沁みるお話たち。
そして、最後の「MAJESTIC」が泣けた。
一寸先の生死も分からない戦場で知った愛情が生き残った主人公を今日も生かしている。
性急な恋愛よりも、もっと範囲の広い愛情を求めたい大人心にちょうどいい優しさで染み込んでくる作品集でした。
【電子】レンタ版:修正×(白ぼかし)、カバー下なし、裏表紙なし、あとがきなし
表紙とタイトルのイメージを裏切るストーリー性で、これを読んでギュッと掴まれた作家さま。表題作の他、四編収録の短編集です。
心に染み入ったお話を二つ。
「Whatever」はアンドロイドものですが、短編ながら設定と世界観が完全に把握できるように描かれた素敵な作品。ミッキーが購入したはずの「メイドロボット」は、女だと思ったら男だった!?返品しようとしたけれども、購入者の個人情報がメモリーされるため、返品後は速やかに廃棄されるのを知る。気の毒に思ったミッキーはそのままアンドロイドを引き取ってサリーと名付け、彼との新生活を始めることに。
ミッキーに「愛している」と言われ、ロボットがその学習能力外のところで自由になれる可能性を感じるサリー。人間がロボットに、ロボットも人間に愛着を持つ不思議な現象を、切ないラブストーリーに仕上げています。ミッキーの寛容さからするに、ラブストーリーっていうより、人類愛級のデカい愛なのかも。可愛い掃除機の件で泣きそうになりつつも、ハッピーな終わり方でよかった!
もうひとつは、「MAJESTIC」。
元陸軍少佐、「サー・マジェスティック」ことエドワードと、工兵中尉ウィリアムの絆を描いた物語。エドワードは隊長ながら、部下達にイジられる愛すべき人物。彼の部隊は国境の橋を守る任務だった。いつもエドワードを明るく励ましてくれ、彼が最も頼りにしていた隊員ウィリアムの班が、爆弾を仕掛けている最中に爆発が起こり…。
物語の冒頭、エドワードがウィリアムの日記を見つけたことで回想に入っていく、悲劇だけれどとても温かいお話です。まるで映画を観ているよう。涙もろい人はきっと泣いてしまうかも。
この二つのお話に関しては「神」です。表題作もその他の短編も、相手に対する思いが伝わってくるお話ばかり。エロもエッチなはずなのに、絵柄のせいなのか作家さまの持つキャラなのか、卑猥に堕ち過ぎなくって好きです。あと、ぷりぷりのお尻が…♡
ちなみに、映画スターとくたびれたおっさんカプを描いた「Little by Little」(オジ受け)は、『ミルクのお値段』に続編が収録されていました。
タイトルと表紙、あらすじの説明から勝手にエロエロな展開の作品なんだろうなと思って読み始めたので、完全に不意打ちを食らいました(もちろん、いい意味で!^^)。
この作家さん、初めて読みましたが、いい味出してるなぁ~という印象です。
Hシーンで結構濃い描写はあるのでイメージは強烈に残るかもしれないのですが、ページ数で数えると他のエロエロに分類されている作品よりずっと少ない気がするし(むしろHシーンは標準~少なめかなという印象ですが)、萌え所もギュッと詰まってる感じなので、Hだけではないんですよね。
各作品の私の萌え所をご紹介します。
・「図書室のお兄さん」
ズバリ、純情で片想いをしている可愛い学生と、淫乱なのに結構純なお兄さん。
お兄さんのギャップが生きてる作品だと思いました。
・「ホワットエヴァー」
かなり好きだった作品。メイドロボットが主人に抱く想いが切なかったです。
ラスト近くに掃除機が出てくるシーンがあるのですが、そのオチが好きでした。
ちなみにその掃除機はイギリスで売ってるハリーという掃除機がモデルだと思われるのですが(コンセントの形もイギリスの形だし)、舞台がイギリスかもしれないと思ったら余計に親近感が沸きました。^^
・「Married with Children」
攻め様も受け様もどちらも好きなキャラでした。
特に攻め様のちょっと天然なところがすごく萌えました。受け様が寝てるソファーにもたれて一人で喋ってるシーンなんて、すっごい可愛い!!!
受け様は自分が中卒でバカなことをちょっと引け目に感じてるんですが、初めて攻め様と話した時からかなり意識している様子で、可愛いツンデレさんでした。
あ、あと気になったのはタイトルなんですが、そのままだと「結婚して子供がいる」という意味なんですよね…。
内容からしたら、Married to a child(子供と結婚する) とか、Married as children(子供で結婚する)の方がしっくりするのにな~と思って読んでました。
・「Little by Little」
ノンケでバツイチで子供もいる冴えないおじさんが若い映画スターに迫られるお話。
全く相手にしてくれないおじさん相手に積極的に迫る映画スターが一途で応援したくなりました。
きっとこのままおじさんは積極的な押しに絆されていくんでしょうね~。^^
コミカルな雰囲気な作品ですが、映画スターが働いている現場がPOX STUDIOSになってて笑ってしまいました。
FOX STUDIOSを捩ったものでしょうが…POX(天然痘。梅毒という意味もある)って…誰も来ねぇよ~!と思わずツッコンでしまったw
・「MAJESTIC 」
これはですね、一番ガツンとやられちゃった感じです。
泣いちゃったじゃないかよ…と読後にポツリ。
まるで映画のようなお話で、切ないけれど心温まる所もあるいい作品だと思います。
ちょこっとだけ紹介するつもりがすごく長々と書いてしまいました。すみません。
それだけ気に入った作品だったということでどうぞお許しくださいませ。
それでも、それなりに読ませるのがスゴイ
男性器のトーンのこだわりもスゴイw
ちなみにリヒテンシュタイン博士の人です
・表題作
物足りない、もっと読みたかった。せめて巻末の数ページおまけマンガがあると嬉しかったです。
・Littele by Little
飄々攻めが良かったです。
・Married with Children
タイトルの意味がよく分かりませんでした。
「絵が浅くて好みじゃないしわかんないから売っちゃえ」
と思ってダンボール行きに分類して、読み直したらよかった。
まぁ、実際なんというか一風変わった絵だと思うんですよ。
顔つきの感じがなんと言うか女性向け漫画では見ない感じ。
出てくるキャラクターもなんというかHAHAHAとか笑いそうな雰囲気を感じたり。実際常にキャラクタ名は外国名、多分舞台もアメリカですし。
なんというかなじみがない・・・
のですが、だからこそ「キスされてティーンみたいな反応するおっさん」や「生徒に恋して泣く図書室のお兄さん」みたいな可愛いお兄さん受けをアメリカン=ファンタジーとしてアリに出来るのかなー、と思ったわけです。読み直して。
これがもし舞台日本だったら、こんな反応ストレートに多分出せなくてツンデレオヤジやガンコオヤジに仕上がっちゃうんだろうなぁ・・・って。
重さと奇抜さを両方持っている
「テンプレっぽいBLに飽きたときに読む」
のに向いた本かな?って思います。
誰にも感情移入はしづらいし、傍観するにも自分には基礎的素養が足りないのですが、
面白いといえば面白いです。