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あーーー、どうしよう、この作品無茶苦茶好きです!!
BL?と聞かれると、う~ん、、でも一応BLっていう感じなんですけど。
キャラクターありきの作品なんですが、それでもこの主人公達がものすごく愛おしいんです♪
作者さんが、今回の表題は自分の引き出しの中の極左、そしてエロコメが極右、とおっしゃっているように、左から右へ段々とシフトしていく作品構成もよく、優れた一冊ではないかと思うのですよ。
表題及び3作は、連作です。
高すぎる知能指数ゆえ、幼いころから周りと溶け込めずにいた天才数学教授・姉川が周囲と馴染む為の方法が、周りの人間をおとぎ話の登場人物にしてしまうことだったのですね。
そうやって生きてきて、自分の世界にひきこもり、他と接触しようとしなかったところに、すんなりと入ってきたのが学生の友坂くんだったのです。
友坂くんだけは、おとぎ話の人には見えず普通の人間として見える姉川はヘタレまくり、友坂くんによってその世界を壊すことができるのです。
この教授がかわいいーー!!
いつまでも子供でヘタレで、純粋で、怖がりで。
教授に見えている風景がまたメルヘンでファンタジーでお花やキノコが生えている、その世界が、姉川そのものです。
友坂くんは年齢に似合わずとっても大人です、そして優しい。
この二人に、何故だかものすごく癒されて、おとぎ話以上におとぎ話な二人なのが、心が優しくなれるのです。
そして3話に登場する、姉川の先輩で物理学者の総一郎。
彼は頭に葉っぱを乗せた狐なんです(姉川ビジョン)
彼が隠しているものがあるから、頭に葉っぱが乗っているいるのだと気がつく友坂←すごい、姉川ラブですね♪
なんの邪心もなく、いつも純粋であり続ける姉川が、チビ姉川でなくても中年のまま子供の心のままでいる姉川が愛おしい!
他にヘタレワンコのお弁当屋さん
夢か真か?な不思議なエロなお話
ラストが鬼畜皇子のお話。
と、表題から段々とブラック世界へと夢飛行です。
鬼畜な皇子のお話は40代の軍の大将に性教育を教わると称して、自慰を見せさせたり、子作りを教えろと称して剣の柄を突っ込んで、しまいには実技へと・・・
ヘタレな大将の泣き顔と、ニコニコわらって鬼畜な行為をする皇子の顔が対象的なブラックな世界です。
神にしようかどうしようか、悩みに悩んでやっぱり最初の印象を大事にしたいと神評価です。
ただし、この作品は多分、好き嫌いがある作品だな、とは思います(汗)
あんまり頻繁に単行本が出る作家さんじゃないので、すごい楽しみにしていました。今回ほど表紙と本文に相違がないのは初めてじゃないでしょうか?本文の内容は、表紙の雰囲気の通りです。ふわふわ切ない、綺麗で童話みたいな表題作シリーズと、短編3本が収録されています。
この作家さんの作品は、毎回感動したり泣けたりする作品でもどこかに黒い部分と言うか、毒的な要素が含まれていて、それが味でもあると思うのですが、今回の表題作にはそれがありませんでした。
なので物足りない!と感じる方も居られると思うのですが、私は大満足でした。今回のお話には毒要素の必要性を感じなかったし、その代わりに独自な、なぞなぞみたいな描写が追加されていたので。表題作の1話目で、会話や台詞に全く「好き」とか「恋」とか出てこないのに、教授の態度や言動や、感じる感情から「好き」と言うのが読み取れて、それがすごく読み手の感情を持ち上げると思いました。
あと教授の世界の中で出てくる絡みつく蔦と花の描写などがすごく良かったです。ツミコさんがここまでガチに「恋愛」的なものを主体にした作品を描くのは初めてじゃないでしょうか?まさに新境地だと思います。
その他の収録作品で個人的に「スゲー!」と思ったのは、短編の「ウィンクテ」!アマゾンに潜むゲリラの討伐に来た、特殊部隊の中尉と部下が不思議な体験をすると言うもので、これがまたよく出来ています。ツミコさんの軍ものはいつも面白い!
引き出しの多さにビックリする作家さんですが、今回の単行本は新しい作風と、いつものツミコさんの作風がいい具合に混ざって入っていてとても楽しめました。個人的に一番好きな単行本です!
ただ、受けの髭率が高いので(笑)髭受けが苦手な人にはオススメできません。また他の方も書かれていますが、読者をかなり選ぶ作風の作家さんですので、苦手な人には全く合わない可能性があります。
この単行本の表題作は3本の連作になっています。(他、短編3本収録)
その表題作は姉川教授と言う、おじさん教授と友坂君と言うゼミの生徒のお話です。
姉川教授は所謂「神童」で、幼い頃周りと自分との感覚や理解力の違いが煩わしくなり、自分が作った世界に閉じこもってしまいます。閉じこもる、と言うか日常の全てを自分が支配する物語の世界として成立させ、回りの人物は全て、その物語の登場人物になっています。つまり実在するのに教授の中では実在しない、物語の登場人物として捉えられていて、恐らくそうすることで自分を守っているんだと思います。またこの世界が、子供の頃に作られた物なので、花が咲いたりきのこが生えたりまるで絵本のおとぎ話の舞台のようで、大人(おっさん)になった今でもその世界観が変わらないと言うのがすごく切ない。
でも教授の講義を受けている生徒の一人、友坂君だけがキャラクターとしてではなく、姉川教授には「友坂君」にしか見えません。
彼は独りでいる姉川に近づき、根気よくコミュニケーションを取ろうとしてきます。教授は勿論最初は怯え怖がるのですが、実は友坂君が彼本人にしか見えなかった時点で恋に落ちて居たのかも知れません。
「好き」と言う言葉が見つからないまま、教授は自分といると友坂君まで変な目で見られるから…と距離を取ろうとします。今まで自身が作って自分を守ってくれた世界が壊れそうになるから。でも友坂君は、踏み込んで教授を捕まえます。そして教授の世界はとうとう砕け散って、教授はその世界を落ちて行くんですが、空から友坂君がやってきてしっかりと教授の手を掴んで抱きとめます。すると気がつくと壊れた世界は消え、現実の世界だけが残り元の教室で二人は抱き合っている。
作中の描写がかなり独自の世界観なので上手く書けないのですが、とにかく素晴らしいと思いました。友坂君から伸びている花の蔦は、きっと彼の気持ちを姉川教授が無意識に具現化して見たものなんだろうなー。とか考えるとイチイチ綺麗で切なくて、なんか泣けてくる。そんな作品です。
単行本には表題作シリーズが3本収録されてますが、姉川教授の同窓生の話もすごい良かった…!教授に告白できないまま、頭に乗せた葉っぱで「姉川の良き友人」と言う自分自身に化けている総一郎。それもずっと子供の頃から!結婚して安全な地位を手に入れ、でも姉川教授への恋心は変わらないまま、久しぶりに帰国したら教授の側には友坂君が居て、総一郎は焦ります。でも自分自身ではめた結婚指輪が棘となって自身を戒める。友坂君VS総一郎のシーンでは、友坂君の言ってる事は勿論正論なんですが、なんか総一郎がすごく可愛そうに見えてしまって切なかった。
他3本の読みきりが入っています。
モダンホラー(?)的なものあり、ほのぼのあり、アホエロあり。
この作家さんは芸風が定まらない。と言うより恐らくただ「面白い作品」を描こうとしていて、その引き出しや作風、ジャンルが多岐に渡って網羅され、本当に180°逆なものもあるので(この単行本と同じ月に出た「リヒテンシュタイン博士の~」と、この「エンドオブザワールド」を比べると、その違いが明確になります。)読者によっては掴み辛い印象を与えるかもしれませんね。ある意味マルチだなと関心もするんですが、でも読後感を大事にしたい場合はやっぱり分けてくれた方がありがたいですね。この辺は編集さんの腕の見せ所だと思うのです。収録作の雰囲気別にまとめて欲しい。でもアホエロだけ読んでツミコさんが「そう言う作家」認識されるのも何か悔しいので、やっぱり両方入っていたほうがいいのかなあ。いや、私はアホエロもシリアスも面白い漫画ならどっちも同等に評価しますけど。
どの話も好きですがやはり表題作の連作が一番良かったです。
漫画って凄ェーーーー!!凄い、凄いよ!!ホント凄い!!
教授の目から見る世界は一種特殊でその視線で描かれる世界が素晴らしく素敵!!!
いや漫画の魅力は充分分かってるつもりなのですが、改めて再確認せずにはいられんないとです。
漫画の持つ表現力、空間力、世界観の造形、それらを表現する漫画って凄ェー凄ェよーーーー!!!!じたばた!!!
その世界に魅入られてうっとししつつ、鳥肌立てつつ、至福な気持ちでページをめくりました。ぱや~ん。
教授の友人の指輪が棘のある蔓となって指に絡むシーンが切ない。
説明なくてもそれだけで全てが切ない。
そして教授がかわういのなんの!!
うどん食べてるだけでこのかわうさーーー萌え死ぬ。ぱたり。
何度も読み返しては萌え萌えする名作です、ばふー!
この作品実は初時は、おじさん過ぎる数学者姉川が嫌で読むのを途中でやめてしまったのです。
読み切っていない事を思いだし数年経過した今読んで見たのですが
ストーリーをしっかり読むうちに
姉川のおじさんかげんは
全く気にならず、むしろ
愛おしいく思え涙してしまいました。
天才数学者の姉川、天才すぎるゆえに周囲とうまく付き合う事ができない。自分が作り出した世界に逃げ込むことで現実世界にどうにかいることができている。
大人になった今もそれはかわらずにいる。
教え子の友坂に出会うまでは・・・
とっても繊細な綺麗なお話でした。個人的には文字で読みたかった。
今からでも読みたいくらいです。
元々漫画を読む習慣が小さい頃なかったせいか、イラストにとても左右されてしまうので、
文章だとイメージしやすい。
小説で読みたい作品でした。