若旦那様としあわせ子育て恋愛

wakadannasama to shiawase kosodate renai

若旦那様としあわせ子育て恋愛
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×26
  • 萌8
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
6
得点
58
評価数
16
平均
3.6 / 5
神率
12.5%
著者
松幸かほ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
榊空也 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784344848795

あらすじ

すでに両親も亡く、子供の頃から苦労人だった彗。社員寮での生活も落ち着いてきたと思ったら、姉が意識不明で入院。旦那と離婚協議中のため一人息子の雅裕を一時的に引き取ることになる。独身寮を出て守銭奴の親戚と暮らすことになるが、ある日地元の名士でもある本家の跡取り、基親から彗と雅裕を引き取りたいと申し出が。そこから犬神家的な豪奢な旧家で生活費も食事も心配することのない生活へと一変。そんな幸福が信じられない彗なのに、若旦那様の基親から「話し相手に」だの「もっと甘えてほしい」だのますます幸せがインフレしていってーー!?

表題作若旦那様としあわせ子育て恋愛

加納基親,30歳,本家の若旦那
柳田彗,22歳,高卒で工場で働く青年

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数6

シリアスとほっこり、のバランスが秀逸

松幸さんて、スパダリにメタメタに愛される受けちゃん、のCPを多く描かれる作家さまのイメージが個人的に強いのですが、今作品もそのイメージを損なうことのないお話だったように思います。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。







主人公は彗。
子どもの時に父を亡くし、以来女手一つで育ててくれた母も逝去。その後姉と共に遠縁の夫婦のもとに引き取られていくが、その夫婦は守銭奴で、子どもたちからも生活費として金品を巻き上げるような人物たちだった。

ひっそりと息をひそめるように姉弟で寄り添って生きてきた彼らだったが、姉が資産家と結婚。彗も高卒で家を出て勤務先の寮で生活している。

そんなある日、疎遠になっていた叔父から「姉が離婚し、子を連れて出戻ってきた」と連絡がある。とるものもとりあえず叔父夫婦の家に向かった彗だったが、そこで彗に突き付けられたのは、姉が事故で意識不明の状態、姉の息子で彗の甥にあたる雅裕を何とかして欲しい、というものだったー。

というお話。

彗、という男の子がこれでもかという薄幸青年です。
仕事には恵まれ、職場の同僚・先輩たちにも恵まれてはいますが、彼らを引き取った叔父夫婦というのがこれまたとんでもないクソな人物たちなのです。で、姉が事故に遭ったのというのも夫からのDVなんじゃないかと思わせる展開。

甥っ子の雅裕だけは幸せにしたい。
けれど、そのために必要な金銭、場所が、彗にはない。

そんな彼に手を差し伸べてくれるのが、クソ叔父夫婦の本家の次期当主の基親。
彼は諸事情あって、雅裕を引き取りたいと言ってきたのだった。

なぜ雅裕を引き取りたいのか、という部分については非常に曖昧な説明を基親からされ、不審に思いつつも他にどうしようもなかった彗は、彼の申し出を受けることに。

で、読者もまた、なぜ基親が雅裕を引き取りたいといったのかその理由に今一つ納得できない状態で話が進むんですね。けれど、そうして始まった同居生活は、彗が今まで生きてきた中で一番の幸せを感じる日々になっていく。

基親、という男性は由緒正しい家の次期当主ということでめちゃめちゃお金持ちなんです。何もかもを与えられる状況にある基親と、けれどきちんと一線を引いて礼儀正しく、質素に生きようとする彗とのやり取りに、読んでいてこちらまでほっこりとしてくる。この二人の掛け合いが可愛くって、そして少しずつ育っていく恋愛感情に、思わずニヨニヨしてしまうのです。

そこにさらに輪をかけてほっこりさせてくれるのがお子の雅裕の存在。めちゃめちゃ可愛い…!

けれどほのぼのだけに非ず。
彗の姉、雅裕の母・朋美の「意識不明」という重体さと、彼女の夫とのやり取りがあるから。朋美の夫もまた、すんごいクズな男でして。どうやって決着をつけるのかと思いつつ読み進めましたが。

ああ、なるほど!

と納得の結末を迎えます。
なぜ基親が彗と雅裕を引き取ってくれたのか、という謎解きにもつながっていて、読後はすっきりしました。

彗の薄幸さと一生懸命さ。
基親のスパダリ感と執着心。
雅裕の、可愛さ。

舞台としては基親の家と彗の職場くらいで完結する狭い世界観のお話なのですが、この三人に加え、彼らを取り巻く周囲の人たちの温かさもあって、シリアスさと切なさ、ハートフルさのバランスが秀逸でした。二人の姉ちゃんたちが、強くて惚れ惚れしました。

あと、榊さんの挿絵。
良い。
めっちゃ良い。
もう、可愛くって、優しくって、温かくって。
イメージぴったりの挿絵で、萌え度は確実に上がりました。

5

欠けていた家庭の温もり

 表紙買いです。松幸かほ先生の作品は本作が初めてでした。
 前情報なしで買ったので、タイトルだけで任侠ものと勘違いして読み始めましたが、違っていたけどあながち間違ってもないかなと思わせる場面もあり、ほのぼのと不穏な空気のバランスが良かったです。
 表紙買いしただけあって、榊空也先生の挿絵はどれも素敵でした。

 彗はいい思い出がない親戚夫婦の家を出るために高卒で寮付きの職場へ就職してそれなりに自由を謳歌していましたが、伯父からの電話で半ば騙されるような形で呼び戻され、甥の雅裕の面倒を見るためだけに親戚宅暮らしを再開してしまいます。
 とまあ冒頭から彗が不憫なんですが、自分がどんなに辛い目にあおうと雅裕の安心安全を一番に考えたりと人が良すぎるので、後々基親が彗に頼られたがったり甘やかしたくなるのもただただ納得です。
 でも彗にそこまでのことができるのも、姉の朋美の存在が大きかったからでしょうね。
 親戚夫婦の世話になっていた頃は、いつか二人で暮らせることを支えにして生きていたし、朋美が土屋に見初められてしまった時も、愛はないけど裕福な土屋家に嫁げば彗が大学へ進学できるのではと考えていました。早くに両親を亡くしているからか、姉弟ともに自己犠牲の精神があって胸が痛みます。
 彗にとって朋美が家族愛を与え合える唯一の存在だったからこそ、朋美の子供である雅裕にも無償の愛を与えられたのでしょう。
 だから、これからのことを憂いていた彗が暮らす親戚宅のもとへ、彗と雅裕を迎えに来た基親が王子様のように見えました。まるでシンデレラストーリーのようです。

 基親は加納本家の次期当主というすごいお方なのに、その肩書きに胡座をかくこともなく、誠実で優しくて最初から好感が持てましたが、あまりにもできすぎた展開で、分家の血筋ですらない彗や雅裕の情報を把握していたり、二人を本家に引き取る理由も少々説得力に欠けていたのもあって、どんでん返しが起こるのではないかと心配にもなりました。
 しかし、読み進めるうちにそれらの疑問が解明されるので、序盤で読者に多少の引っ掛かりを感じさせる加減が絶妙だったなと思います。
 朋美が有利に離婚できることやDV夫の土屋への制裁のために、基親の姉の紘佳が主導で彗と雅裕を本家で保護していたのが真相だったわけですが、姉の大事な友人(朋美)のためとはいえ、妊婦の姉に代わってあそこまで全面的に協力する基親はめちゃくちゃいい弟ですよね。こちらも姉弟の仲がいいし姉思いの弟です。
 軽い認知症になっている祖母の操を混乱させないために、周囲に名前ではなくかつて伯父が呼ばれていた若旦那と呼ばせているところも優しくて、基親は人身御供と自虐していたけど、結果的には次期当主として本家暮らしになったのは正解だったと思います。 
 また、基親の振る舞いがこのお話をよりおもしろくさせていて、包容力のある言葉でドキッとさせられたかと思えば、彗に頼られないことにすねながらも逆に甘えるようなことをしたりと萌えさせられたりして、浮世離れというか天然というか、とにかく彼は父の遺伝子を強く受け継いだ魅力的な人間であることは間違いないです。年上の弟属性とか卑怯だと思います(大好きです)。
 晩酌の場面はどれもお気に入りで、基親の雑な話の振り方と彗の年相応の返しがおもしろかったです。特に彗の冗談で基親が純粋に恋愛感情だと認めてしまうところが、彗が焦って否定する反応と相まって本当に最高でした。
 脈ありと気付けばキスするし、キスしてから自分の気持ちに自覚できていない彗に手を出すつもりはないとか言うし、そんなことを言ったくせに隙あらばスキンシップをとるし、荒療治と称して彗に触ってイカせるし……。普通に手出しまくってますやん若旦那。
 そのせいで土屋からの実害があるまでは、基親を要注意人物認定していた彗がおもしろかったです。そりゃそうだ。
 でも彗の危機にはヒーローのごとく現れて、ヒールになりかねないほどに土屋をボコボコにしていました。最終的には紘佳においしいところを持っていかれた気もしますけどね。というよりも妊婦なのに危険な傷害事件現場へ出向かないでと心配になりましたが、とにかく無事で何よりです。
 その後、基親は彗から性的な意味を込めた告白をされるわけですが、両想いになったからといって満身創痍の彗を抱くことはしませんでした。しかもあの若旦那が三週間以上も我慢しましたよ。彗の怪我がほぼ治り、朋美の離婚も無事に成立したところでようやく二人は結ばれました。めでたしめでたし。

 そしてもう一人よくがんばったのが、まーくんこと雅裕です。
 この子、四歳なんですよね。わがままを言ったり甘えたりするのが当たり前の年齢なのに、ぐずりもせず、ただひたすらに聞き分けが良く、いっそのこと母を求めて泣きわめいてくれた方が彗たちは安心できるのではないかと思うほど意地らしかったです。
 あの順応性の高さは、家庭環境が悪かったせいで空気を読みすぎるようになったのでしょう。
 加納本家で無邪気にはしゃげるようになったところや、基親の祖母の操と絆を深めたり、基親や紘佳だけでなくお手伝いさんたちにもかわいがられているところは、微笑ましくなるとともに心から良かったねと思いました。
 本作はあくまでBL小説なので、蛇足だから省いたのだと思いますが、個人的には雅裕と朋美の再会シーンはあった方が良かったのではないかなと思います。母と離れても気丈に振る舞ってきた雅裕が四歳児らしくなるところが見たかったです。

 電子限定の後日談では、彗と基親と朋美と雅裕と紘佳と赤ちゃんが和気あいあいとしていました。
 その和やかな空気こそ、みんながずっと求めていた家庭の温もりなんだろうなと思います。
 今まで欠けていたものを、みんなで補い合い、幸せを感じ合える素敵な家族。これから先もずっとみんなで幸せでいてほしいです。

0

若旦那

松幸先生だし榊先生なので購入。攻め受けとも恋愛脳じゃない感じで面白かったですが覚えてるか?と言われると自信ないので萌2より萌にしました。本編250Pほど+あとがき。お金の心配が無い事は良い事だ。

両親は既に亡く、高卒で工場へ就職した彗(すい)。ある日、姉と共に育ててくれた伯父から「今すぐ来てくれないか」と電話があり駆けつけてみると、姉は意識不明で入院中、ついては姉の子供の面倒を見てくれないかとのことで・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
朋美(受け姉)、土屋(受け姉のくそ夫)、雅裕(受け姉の子、ええ子)、伯父夫妻(受けの面倒を見てくれた方)、操(攻め祖母)、紘佳(ひろか、攻め姉)、攻め宅使用人もろもろ。ちびっこが良い子すぎる。うちの子になってほしい。

++面白かったところ

攻め受けとも、あんまり恋愛脳じゃないように感じて、そこがとても面白かったでした。

受けは両親亡く、伯父伯母のところで苦労していたこともあってか、きちっとしている&リスクに敏感な方。もともと懐いていたちびっこを守ろうと一生懸命。健気さん必死さんという感じではなくリアル20代男子という印象です。それが若旦那さんから色々心配され見守られても、「ここを出ないといけなくなったら〇〇」等と将来を考えてあれこれ算段しようとする現実直視型とでもよいのか?一目惚れとか絶対自覚しなさそう。

攻めは直系ではなく次男坊の息子で、大地主の跡取りとして育てられ、一度も外で働いたことがない方。投資やら管理物件の諸々で生きていけて、絶対瓦ぶきに違いない日本邸宅で使用人たちと祖母の操とお暮しになっておられる方。こっちもなんだかちと変わってるんだよな。夢見るというタイプではないし、お金ないとだめということは分かってるんだけど、恋愛ぼけはしなさそうな方なんです。そこが面白かった。向かい合って酒呑んでるときに、のんびり「俺は君の事が好きだと確信した」とか仰るわけです。その泰然とした様子が好きなんだなあ。

お子様可愛いし、若旦那も受けも典型的な恋愛スパダリ&受けではないように感じて、面白かった一冊でした!

2

子育てものとは違うかな…

松幸先生の作品は「恋知らずのラプンツェル」以来でした。わたしはそちらの作品の方が好みでした。
たぶん私は執着攻めが好きなんだと思います。

なのでこちらの作品は面白かったんですが、いまいち攻めにも受けにもハマらなかったんです。彼等の互いに対する執着が見えて来なかったからかもしれません。

途中から受けの彗の姉のDV問題とかがメインになり、後半から登場した基親の姉に良いところを全て持って行かれた感じでした。でも最終的な問題解決にはスッキリしました。

攻めの基親の浮世離れした感じは良かったんですが、スパダリ感はあまりありませんでした。

彗の甥の雅裕の可愛らしさや基親の祖母との交流はホッコリしました。でも使用人がかなりいるので、タイトルの「子育て恋愛」はちょっと違うかなと思いました。

1

母は強し


早くに両親を亡くした姉弟が幸せになる道筋を見つけるまで



早くに両親を亡くした彗(受け)は現在寮暮らし。
ある日、唯一の肉親である姉が離婚を前提とした状況で事故に遭い意識不明の重体となり、甥っ子・雅裕を預かることになります。
姉のことは心配ですが、それ以上に父親に捨てられた雅裕のことを第一に考えなければなりません。
そんな彗に本家の若旦那・基親(攻め)が離れを提供してくれることになります。
まだ4歳の雅裕の面倒も皆で見てもらえる至れり尽くせりな状況に、ここを出た時のギャップを恐れるようになるくらいです。


姉は元気になるのか、姉の離婚はうまくいくのか、雅裕の事などが彗の心の大半を占めるめ、恋愛要素は薄いです。

そして、若旦那という言葉でなんとなく優秀でで包容力のある人を想像しましたが、実際には天然なのほほんとした人(優秀ではあると思われる)で、かと思ったら喧嘩が鬼強い人で、とつかみどころのない人でした。


子育てとなっていますが実際にはほとんど使用人がやってくれるので、出かける時寝る時など要所要所で面倒見るだけで、あまり子育て感はありません。
恋についてもいつのまにかって感じです。


一番存在感があったのが、基親の姉・紘佳でした。

初め本家といっても伯父夫婦の本家であって彗たちは関係がないのになぜ基親が出てきたのか不思議でした。
それも紘佳が出てきて謎が解けるのです。

すごい上品な美人で、それも身重なのに、「とう」と言いながら基親の膝裏に蹴りを入れたり、彗を傷つけられバーサーカーと化した基親を止めたりと将来の女傑といった感じです。
ただ、他の方も書いておられましたが、紘佳が最後に全部持っていったという感じがすごくて(元々裏でほぼ全て動いてくれていたため仕方ないですが)2人の印象がどうにもふんわりしていて、なんの話だったのかな問う感じになってしまったのはちょっと残念でした。

そして、守銭奴の伯父夫婦が最初しか出てこなくて、彼らが少しは反省した姿か思い通りに行かなくてがっかりする姿が見たかったです。
たしかに夫婦2人だけで人生設計していたなら、高校生と中学生というとお金がかるこどもを預かることに対しての歓迎できない伯父夫婦の気持ちも少しはわかるかなと思っていたのですが、結納金をピンハネしてるとか勝手に示談にしたり(恐らく金をもらっている)、ちょっと人道的にどうなのという人たちで気分が悪かったです。
彼らが今後彗姉弟に接触してこないと良いのですが。
もし来ても、基親姉弟が追い返すかな。特に紘佳が(笑)。

紘佳の子供が生まれたら雅裕もお兄ちゃんになっていくのでしょうね。
みんなで仲良く家族になって行けそうです。

0

受けの姉が意識不明になってしまって……。

子育てってあるけど、途中からは大地主の若旦那様の元で暮らして、使用人達がお世話してくれるのであまり子育て感がなかったなー。

攻めである若旦那も、なんかとらえどころがないというか、あまり記憶に残りづらい……。
二人の恋愛模様よりも、受けの姉の意識は戻るのか、DV旦那とどうなるのか、離婚できるのかといったことが中心にあって、それが記憶に残っています。
あと、彼らを引き取った叔父夫婦の守銭奴ぶり。
それらについては読み終わった後も思い出せるけど、二人の恋愛で、きゃー萌える!とか、いい!!といったところがボンヤリしてて思い出せません……。

0

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