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表題作屍と花嫁

ジン,大きな屋敷の新しい当主
雹華(黄 麗),ジンの新妻

その他の収録作品

  • 蓮の花が咲く頃
  • あとがき

あらすじ

この広い屋敷の中で――たった二人の兄弟だった。

凄惨な後継争いの末、当主となった弟の婚礼がおごそかに執り行われた。
花嫁の顔は厚いベールで誰からも隠され、「顔のない奥様」と噂されている。
初夜に愛しあう花嫁の顔は、死んだはずの異母兄の顔をしていた。

作品情報

作品名
屍と花嫁
著者
赤河左岸 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
秒で分かるBL
発売日
電子発売日
ISBN
9784799754047
4.3

(192)

(113)

萌々

(52)

(17)

中立

(3)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
30
得点
827
評価数
192
平均
4.3 / 5
神率
58.9%

レビュー投稿数30

もしかしたら好みが分かれる作品かもしれませんが

赤河さんてちょっと独特な世界観のお話を描かれる作家さま、のイメージが個人的に強いのですが、今作品もファンタジー、と言うと語弊があるかな?オカルトな、そんな感じのお話。

電子で序盤を立ち読みしたら、もうそのまま引き込まれ速攻でお買い上げ。え、え、どうなるの?からの、相手を想う深い愛情にぐっと萌えを掴まれてしまいました。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





とある大きなお屋敷で結婚式が行われた。
前当主である父親が急逝、喪に服すべきであるが、次期当主となる次男が結婚式を挙げたのだった。

だが実は次男の結婚には大きな事件が絡んでいた。
長男であるリィ、そして次男のジンの間に後継者争いが勃発しており、次男の婚約者を毒殺しようとした長男が次男に返り討ちに遭い亡くなってしまう。けれど、その毒物を飲んでしまったジンの婚約者もまた、重傷を負い顔に大きな怪我を負ってしまったのだった。

次男・ジンと、怪我のために顔を他人に見せることのない次男の花嫁、との結婚式が行われたが、その花嫁の顔は、亡き長男・リィに瓜二つで―。

読み始めたとき、全くストーリーが理解できずにですね。
ん?どういう展開?
と思ってしまったことは否めない。

が。
そこから紡がれていくストーリー展開が素晴らしいのです。
ちょっとしたしぐさ、表情、ジンと花嫁のやり取り。
それらが、後半に行くにしたがって少しずつ繋がっていく。さながら点が線になる感じ。

子どもの時から大人たちの薄汚い計算に翻弄され続けてきた二人にとって、お互いが唯一無二の存在だった。ひっそりと弟を想う兄と、激しい執着心を抱く弟の、秘めた想い。そしてそこに、お互いが抱く葛藤と、周囲の人たちの欲望に巻き込まれ、事態は思わぬ方向に進んでいく。

リィ、というかジンの花嫁さん。
彼の正体がファンタジー、あるいはオカルト風味を加える存在になっていますが、それでいてなお、という展開にもう一気に引き込まれてしまいました。

流血とか、人を傷つける、あるいは殺める、といった描写がそれなりにある作品なので、苦手な方は注意が必要かもです。

が、それらを遥かに上回るストーリーの面白さと萌えが、今作品には詰まっています。

個人的にお気に入りのキャラが、二人を陰から支えるとある人物。
彼のお顔を見てみたかったですね。単なる良い人、ではないのですが、そんなところも味がある。

非常に独特で味わい深い1冊でした。
好みが分かれそうな作品ではあるのですが、個人的にはドツボに突き刺さる、文句なしの神作品でした。

16

素晴らしき一蓮托生!

腹違いの兄弟のお話。一話だけだとまだ何も分からなくて、徐々に謎が解けては新たな謎を見せられる形で進んでいきます。前情報ナシで読むのがオススメ。
最初は全体像が掴み辛くても、世界観がドロっとしつつ綺麗で独特で、引き込まれていきます。とにかく結末が素晴らしく、なるほど~と唸るというか、一つの理想を見た気がしました。
弟ジンの婚約者に憧れる兄のリィは、とある事件以降、自分を弟の婚約者だと思い込んで過ごしています。その背景は後々明かされていきますが、弟の方も切なげな表情をチラチラ見せてきて、なかなか闇が深そうです。
そして見えてくる過去と戻る兄としての記憶。あっさりというか思ったより早かったな?と思っていたら、さらにその先がすごかったんです!展開が衝撃的なのはもちろん、なによりジンの執念が…!
最初からずっと気になっていた薬の正体も分かってスッキリ。私はここが一番心に刺さりました!人でない者になってしまったリィは、文字通りジンと一蓮托生の仲になったのです。ジンがいなければ生きていけない体なので、たとえ年老いることはなくなっても、死ぬときは一緒なのでしょう。これは泣ける…。
苦手な人もいるかな?という描写が含まれるので、万人受けは難しいかもしれませんが、個人的には素晴らしい~!!!好き!と叫びたい作品です。

13

共に生きていくという事

美麗な絵で綴られた中華ファンタジーです。

跡目を争う、腹違いの兄弟二人。
弟の結婚式の日に起こった毒殺事件の1年後、生き残ったが顔を失った花嫁との結婚式が改めて行われた。


ネタバレしたくないから、何もかけないけど、時間を超えて共に生きるお話にはすごく弱いの。
赤河先生の前のコミックスに入っていた「果ての荒野でバカンスを」では越えられなかった時間に泣かされちゃったけど、この作品は大丈夫。
完全無欠で無敵のハッピーエンドです。

13

2人きり 一連托生の

久々の赤河左岸先生の作品でした。
表紙+作者買いですね。
中華風のインパクトある表紙から、どんなお話が始まるのかワクワクが止まりませんでした。

ストーリーは中華ファンタジーで少しホラー要素のある義兄弟ものでした。
始まりから不穏でミステリアスで、どういうこと⁉︎な部分が長く続くのでページを捲る手が止まらない感じです。

弟の幸せのために毒を飲んだ兄、生まれて初めての願いが兄を側に置くこと…そんな2人のお互いを想う気持ちが健気で切ない。
広い屋敷の中で心通わせてきたたった2人の兄弟の幼き姿が浮かぶと胸がキュっとなります。

後半の展開も驚きがあり、バドエンも有り得るなとハラハラしましたが、何とかハッピーエンドに収まり安心しました。
1人が遺され孤独に…となる最期もなさそうで良かったです。

12

滴る紅の。血潮にも似て。

まず。鮮やかな赤の、表紙に目が釘付けになる。それは鮮烈で。
読み進める内に。私達は、この赤色の意味を知る。

序盤の婚礼のシーンで、私達の目を眩ませるものは、この偽りの花嫁だ。BLの世界において。ワケありの花嫁、というのは大抵男だ。腹違いといっても、父が同じであるガチ兄弟で結婚しようというのだから只事では無い。顔に醜い痕がある、というので顔を隠してはいるけれども、真実が明らかになるのは時間の問題だろう、とハラハラさせる。
ところが、この2人には、兄弟という以上の秘密があった。
そうだった、これは「秒で分かるBL」に編纂された物語。人を愛したモンスターがテーマなのだ。それでは、一体誰がモンスターなのか。
それこそネタバレは 秒で明かされる。
人外、獣、妖怪やヴァンパイア。様々な者が描かれるBL界で。殭屍(キョンシー)。
中華版ゾンビと言われるこの殭屍に焦点を当てたという作者の視点と、屍になってなお、愛さずにいられなかったという愛情の深さに息を飲む。
かつて、殭屍をこんなにも妖艶に、愛らしく描かれたことがあっただろうか。
兄・リィを想う弟・ジン。幼さの残る面影は、まるで。リィの方が弟の様なのだ。ジンの執拗なまでの愛執に、殭屍として生かされるしか無かったのかと思いきや。リィもまた、他家の娘と結婚するジンを切なく想っていて。蘇って記憶の混濁している頃は、自分をその許嫁の娘なのだと思い込んでいた。それは。なりたかったであろう自分。想う度合いの激しさは、どちらも等しく。狂っているのだ。泥の上に浮かぶ、蓮の花弁が、一枚、一枚と開いて行く様に。真実が明らかになってから。また最初から読み返してみると、背中がゾワゾワとする。甘いと言って口に含んだワインは、ジンの血潮なのだ。この気持ちは、恐ろしさか。切なさか。
殭屍であるリィの命は、永遠では無くて。ジンの血を受けられる事が無くなった時に終わる。命が共に尽きるまで。静かに人知れず。愛と生きるのだ。
切なくて。綺麗で。哀しい、物語。

リィを殭屍として生きながらえさせた、道士がミイラ男の様だが、微笑ましくもあって。
息の詰まるこの物語の中で唯一温かい。

12

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