電子限定かきおろし付
赤河さんてちょっと独特な世界観のお話を描かれる作家さま、のイメージが個人的に強いのですが、今作品もファンタジー、と言うと語弊があるかな?オカルトな、そんな感じのお話。
電子で序盤を立ち読みしたら、もうそのまま引き込まれ速攻でお買い上げ。え、え、どうなるの?からの、相手を想う深い愛情にぐっと萌えを掴まれてしまいました。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
とある大きなお屋敷で結婚式が行われた。
前当主である父親が急逝、喪に服すべきであるが、次期当主となる次男が結婚式を挙げたのだった。
だが実は次男の結婚には大きな事件が絡んでいた。
長男であるリィ、そして次男のジンの間に後継者争いが勃発しており、次男の婚約者を毒殺しようとした長男が次男に返り討ちに遭い亡くなってしまう。けれど、その毒物を飲んでしまったジンの婚約者もまた、重傷を負い顔に大きな怪我を負ってしまったのだった。
次男・ジンと、怪我のために顔を他人に見せることのない次男の花嫁、との結婚式が行われたが、その花嫁の顔は、亡き長男・リィに瓜二つで―。
読み始めたとき、全くストーリーが理解できずにですね。
ん?どういう展開?
と思ってしまったことは否めない。
が。
そこから紡がれていくストーリー展開が素晴らしいのです。
ちょっとしたしぐさ、表情、ジンと花嫁のやり取り。
それらが、後半に行くにしたがって少しずつ繋がっていく。さながら点が線になる感じ。
子どもの時から大人たちの薄汚い計算に翻弄され続けてきた二人にとって、お互いが唯一無二の存在だった。ひっそりと弟を想う兄と、激しい執着心を抱く弟の、秘めた想い。そしてそこに、お互いが抱く葛藤と、周囲の人たちの欲望に巻き込まれ、事態は思わぬ方向に進んでいく。
リィ、というかジンの花嫁さん。
彼の正体がファンタジー、あるいはオカルト風味を加える存在になっていますが、それでいてなお、という展開にもう一気に引き込まれてしまいました。
流血とか、人を傷つける、あるいは殺める、といった描写がそれなりにある作品なので、苦手な方は注意が必要かもです。
が、それらを遥かに上回るストーリーの面白さと萌えが、今作品には詰まっています。
個人的にお気に入りのキャラが、二人を陰から支えるとある人物。
彼のお顔を見てみたかったですね。単なる良い人、ではないのですが、そんなところも味がある。
非常に独特で味わい深い1冊でした。
好みが分かれそうな作品ではあるのですが、個人的にはドツボに突き刺さる、文句なしの神作品でした。
腹違いの兄弟のお話。一話だけだとまだ何も分からなくて、徐々に謎が解けては新たな謎を見せられる形で進んでいきます。前情報ナシで読むのがオススメ。
最初は全体像が掴み辛くても、世界観がドロっとしつつ綺麗で独特で、引き込まれていきます。とにかく結末が素晴らしく、なるほど~と唸るというか、一つの理想を見た気がしました。
弟ジンの婚約者に憧れる兄のリィは、とある事件以降、自分を弟の婚約者だと思い込んで過ごしています。その背景は後々明かされていきますが、弟の方も切なげな表情をチラチラ見せてきて、なかなか闇が深そうです。
そして見えてくる過去と戻る兄としての記憶。あっさりというか思ったより早かったな?と思っていたら、さらにその先がすごかったんです!展開が衝撃的なのはもちろん、なによりジンの執念が…!
最初からずっと気になっていた薬の正体も分かってスッキリ。私はここが一番心に刺さりました!人でない者になってしまったリィは、文字通りジンと一蓮托生の仲になったのです。ジンがいなければ生きていけない体なので、たとえ年老いることはなくなっても、死ぬときは一緒なのでしょう。これは泣ける…。
苦手な人もいるかな?という描写が含まれるので、万人受けは難しいかもしれませんが、個人的には素晴らしい~!!!好き!と叫びたい作品です。
美麗な絵で綴られた中華ファンタジーです。
跡目を争う、腹違いの兄弟二人。
弟の結婚式の日に起こった毒殺事件の1年後、生き残ったが顔を失った花嫁との結婚式が改めて行われた。
ネタバレしたくないから、何もかけないけど、時間を超えて共に生きるお話にはすごく弱いの。
赤河先生の前のコミックスに入っていた「果ての荒野でバカンスを」では越えられなかった時間に泣かされちゃったけど、この作品は大丈夫。
完全無欠で無敵のハッピーエンドです。
久々の赤河左岸先生の作品でした。
表紙+作者買いですね。
中華風のインパクトある表紙から、どんなお話が始まるのかワクワクが止まりませんでした。
ストーリーは中華ファンタジーで少しホラー要素のある義兄弟ものでした。
始まりから不穏でミステリアスで、どういうこと⁉︎な部分が長く続くのでページを捲る手が止まらない感じです。
弟の幸せのために毒を飲んだ兄、生まれて初めての願いが兄を側に置くこと…そんな2人のお互いを想う気持ちが健気で切ない。
広い屋敷の中で心通わせてきたたった2人の兄弟の幼き姿が浮かぶと胸がキュっとなります。
後半の展開も驚きがあり、バドエンも有り得るなとハラハラしましたが、何とかハッピーエンドに収まり安心しました。
1人が遺され孤独に…となる最期もなさそうで良かったです。
作家買いの赤川先生の新刊
見開きで読むのがふさわしい先生だと思いますが
今作も見開き2ページを使った構成や独特のコマ使いが見受けられて
1pぶち抜きのシーンは絵画の様に美しいです
読み応えだけでなく見ごたえもたっぷりの作品でした
裕福な家庭であるにもかかわらず孤独な異母兄弟が蓮の花の欄間が描かれた丸窓の下や丸窓越しで寄り添い育っていく経過といい
散りばめられた蓮といい
2人の一蓮托生への願いのモチーフの様で美しいです
ネタバレなしで読んで欲しいので内容には触れませんが
絶対にお互いを手に入れられなかった立場の2人が
相手を手に入れて
究極な形で共に生きていくことができたのは良かったなと思ってしまいます
赤河先生でしか書けない空気感だなぁと思います