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表題作恋を胸に

同時収録作品1時間17分

同時収録作品サイクルリング

同時収録作品一月のキスと抱擁

同時収録作品午後の記憶

同時収録作品コンプリート・ワールド

高原・高校生・受けの幼馴染
彰・暴力沙汰が多い少年

同時収録作品夜を走る

その他の収録作品

  • 午後の記憶のちょっと前の話(描き下ろし)
  • サイクルリングのちょっと後の話(描き下ろし)
  • あとがき
  • カバー下(表題作のおまけマンガ「メッセージ。」)

あらすじ

「好きです」-会社の後輩から突然の告白。
生まれて32年、男から好きだと言われたのは初めてだ。相手はダンナにしたい男と騒がれそうな年下好青年。しかしそれ以来、意識し過ぎて妄想の日々・・・。どうなる?30代独身男の揺れるハート。
リーマンラブコメから、高校生の苦悩を描くセンシティブストーリーまで描き下ろしを含む8編を収録した待望の初コミックス!
(出版社より)

作品情報

作品名
恋を胸に
著者
桃山なおこ 
作画
桃山なおこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
ISBN
9784902671407
3.8

(11)

(5)

萌々

(1)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
41
評価数
11
平均
3.8 / 5
神率
45.5%

レビュー投稿数4

竹を割った様に、渋い

全文178ページ中セックス未遂描写一回、事の後描写一回。
そして真っ最中描写一回。後は切羽詰ってるか事のついでの
様なキスシーン。
そんなに淡々とした性描写なのにどの話でも匂い立つ様な
恋の気配に溢れているのはとてもずるいと思います。
心の絆ありきで体を如何こうしてるんですから当たり前と言えば
当たり前の話なのですが。

絵のタッチもとても渋いですね。
一歩間違えればアート志向になってしまいそうな所を上手くかわして
線に男臭さと可愛らしさを籠めている。そこもまた、とてもずるい。

4

大人の恋の始まる瞬間

『恋の中』『その気持ちに名前をつける』と、さかのぼって読んできて、やっぱりこの作家さんは心を読ませるのが上手い!
しかも、これがデビュー単行本だというから、それを加味しても素晴らしいと思います!

どれも短編なんですが、多分登場人物に付随するストーリーは沢山あるんでしょうが、その二人がもしくは片側が、恋を意識する、恋に堕ちる瞬間というのを、うまーく捉え抜き出して、短いページで見せていることが見事なんです。
そこには無駄なストーリーも解説も一切なくて、ただ的確に胸をキュンと掴む瞬間を見せるのです。
エチもエロもほとんどなくて薄いのに、この胸のトキメキは大人のものだと思います!!

後輩の告白に意識しだし、その仕事の実直さにどんどんトキメイて確信になる先輩社員の心。
年齢差から越えられなかった壁を、距離を、二時間もかかる距離を走りとおした真摯な気持ちに再確認する愛情。
友情が愛情に変わる時
腐れ縁もまた愛の形
過去があるから今の幸せな自分があるんだよ、という話
一番切ない、相手を守る為の逃避行
真夜中のバイトで二人きり、その限られた短時間で変わっていくノンケ青年の心。

この数々の形がそれぞれに色を持ち、くるくる回って自分を魅了する。
大人の女性に是非見てもらいたい、あったかいトキメキの一冊だと思います。

3

キスシーンが素敵!スーツ万歳!ネクタイ万歳!!

なんといっても【午後の記憶】が良かったです。
ストーリーというよりもキスシーンの一コマがめちゃくちゃツボでツボで。
説明させていただきます。
シチュエーション:サラリーマンカップル・ スーツ同士

片方が車の陰に中腰で隠れて「少しかがめ」
相方 「は?」
「いいから」と言って、自分より背の高い相手のネクタイを掴んでキスをする。
しかもされたほうは突然すぎてびっくりして目を開けてるの。

「自分より背の高い相手のネクタイを掴んで引き寄せてキスをする」車の陰に隠れて、屈ませるために。

これよ、これ!これぞ男同士のキスって感じ!

スーツ万歳!ネクタイ万歳!!
これぞ正しいネクタイの使い方ってやつだ。

そしてこの【午後の記憶】の書き下ろし【午後の記憶のちょっと前】は一緒に住もうと相方から提案されるのですが、その理由がとても素敵でした。そんな二人に幸あれ。

私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのが、こちらの作品。

「スーツがいい。とにかくスーツ。」
とのことでしたが、本当でした。教えてくださりありがとうございました。

2

濃い黒と余白の白でセンシティブを描く

短編集。
初コミックスとのこと、作者様の作風としてなのか、どの話もエロは微。
どこか素朴な線で描かれる繊細な恋の気配。

「恋を胸に」
工場の後輩からいきなり好きだと言われて面食らい、妙に意識してしまうが…

「1時間17分」
社会人の彼が急に中国に行ってしまうと聞き、夜1時間17分走って問いただしに行く高校生。

「サイクルリング」
失恋して、バイクを盗まれたヤソ。話を聞いてくれていた友達が急に「好きだ」と言ってきて、混乱の極み。

「一月のキスと抱擁」
2年前、いきなりキスしてそのまま引っ越していった後藤が、またいきなり帰ってきて…

「午後の記憶」
高校生の部活を眺めて、過去を思い出すサラリーマン。それは初恋かゲイの目覚めか。

「コンプリート・ワールド」
悪い噂のある友達とは縁を切れ、とアドバイスされる優等生。だが彼が選ぶのは。

「夜を走る」
胡散臭いチラシ貼りのバイトでコンビになった優しげな雰囲気の男性。たった1日の恋心が学生の毎日を塗り変える。


私が一番好きだと思ったのは「コンプリート・ワールド」です。この1編は「神」。
暴力沙汰を起こして周囲から疎まれている友人を彼だけがいつも心に留めている。うさぎ組からの付き合いだから…
誰がなんと言っても、ずっとずっと優等生は乱暴者が半身だったのでしょう。
自分でもどうにもならないくらい、彼だけが優先だったのでしょう…

0

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