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え、何が?って…
エロさと切なさですよ。
二刀流ですね(にっこり)。
たまご料理専門店の店主、史(ふみ)は、ある日自称魔法使いの男に声を掛けられます。
記憶喪失だという男は、史が時々見かけて憧れていたイケメン。
そのイケメンにレイと仮の名をつけ、彼とともに失われた記憶を取り戻すことになりました。
という導入部は謎がいっぱいで、グイグイと引き込まれます。
そこに…そこにですよ。
史の幸せ=メスイキ、というびっくりワードが飛び込んでくるわけです。
もう、わけわかんないんですよね~。
でも、めちゃめちゃ面白いんです。切ないんです。
レイは、凄く真剣に、残念な装いの魔法使い(裸ネクタイのくだりは、笑いを堪えきれなかった。くそぅ!)で、史は人付き合いに臆病な優しいコ。
この二人がお互いに好意を抱いていく過程が、自然なんですよ。
これは好きになっちゃうよー的な。
ただ、その過程は、えちえちも激しいです。
大事なことなので、もう一度言いますが、えちえちも激しいです。
いろいろなことに自信がなかった史が、レイに愛されていることを自覚することで、今までも周りに愛されていたんだということを知る。
結果的に背中を押してくれたデラックスな魔女の存在感、大きいですよね。
史はぐだぐだ考えがちなところがあるけど、不思議とジメジメ感がないので、イライラさせられませんでした。
はぁーー。
私も(デラックスじゃなくていいから)魔女になって、二人を覗きたい。
切ないのにぶっ飛び具合のアンバランスさが楽しい
卵料理専門店営む史(受け)は毎日通勤電車の行き帰りでなんとなく気になる人がいます。
ある日その人がいつもと違うスーツに大きなハートのタイピンをつけ、アニメでよくみる魔法のステッキを持っているのを見て驚きます。その彼がこちらを睨むように見ていて焦るのですが、逃げようとする史を捕まえて、自分は魔女に記憶と心臓を取られ魔法使いにされてしまったと頭がどうかしてしまったかと思われるようなことを告白してくるのです。
魔女は自分と縁のあるひと(この場合唯一の顔見知りの史)を幸せにすれば心臓を返してもらえるという。何のことかわからない史は咄嗟に「メスイキ」がしたいと言ってしまいます。
色々あって魔法使いというのを信じることにした史は名前も覚えていないその男にレイ(攻め)と名づけ、レイのことを知っている人を探すことにします。
表題作と「愛したがりやさんと魔法使い」の中編2編
魔法使いっていうから異世界の話かと思ったらびっくり。
現代に魔法使いがいて、自分の娯楽に気に入った?人間を観察してるという。何とも悪趣味な魔女がキューピットになる話でした。
いきなり何をすれば幸せになるか聞かれてメスイキしたいという史にもびっくりです。
最初の目的がメスイキだったこともあり、結構エロエロです。
しょっちゅうヤってます。(笑)
史は両親が離婚し、母親に育てられますが、忙しいのと恋人がいたのとで構ってもらえず、お金だけ渡され放置された子供時代でした。いまは再婚して子供もおり、完全にノータッチな状態です。この母親も酷い。
祖父母が持っていた店舗を譲り受け、卵惣菜専門店経営しています。
一番愛されたかった母親に放置されたことから、自分から愛情を求めることができません。
だからこそ、ウダウダモダモダしてしまうのです。
それを魔女に目をつけられます。
レイの方は、記憶を取られてしまい戻ることはないのでどういう人生か周りの人から想像するしかないのですが、有能ではあるけれど、思ったことを口に出してしまい、人付き合いの良くない人だったと思われます。きっと変わりたいと思ってウダウダしていたところを魔女に目をつけられたんじゃないかな。
そしてきっと2人共がお互いを意識しながらウダウダしてたんでしょうね。
エロいこともしながら、レイの身元が判明するまでが前半。
後半はお互いの家族に会うまでのすったもんだ。
同棲することになってはじめての大晦日、レイの母親らしき人から帰省するのかという連絡が‥
覚えていないからと躊躇するレイにどうアドバイスしようかとウダウダする史にまた魔女が‥
レイの家族が大家族でびっくり。10人兄弟で子連れ出戻りが2人って多すぎる。
それでも母親からはきちんと愛情をもらっていた模様。
史の母親との落差が酷い。
レイの家族と史の家族とが正反対すぎてよけいに史の母親に対してモヤモヤしてしまいました。
史が幸せになったからもういいやと史が今までのことを飲み込んだことでめでたしめでたしみみたいになったのがちょっと嫌でした。史の母親にそれなりの苦労があったとしても子供に全部飲み込ませて母親は新たな家族を作って幸せっていうのはどうなのかと。
せめて史ひは今までの思いとかぶつけてほしかったし、母親にはちゃんと謝ってほしかった。
母親が出てこなかったら神だったのにと思うくらい。母親のせいで読了感が悪くなりました。
話は魔女とかナカイキとかぶっ飛んでたけど面白かったのにそこだけが残念でした。
ある日電車に乗ったらブリティッシュスーツに身を包んだイケメンが大きな魔女っ子ステッキを持っていた。
彼は言う。魔女に魔法をかけられて心臓を奪われ記憶を失って残ったのは通勤中気になっていた貴方の記憶だけで、貴方を幸せにできたら心臓は返してもらえます。どうか貴方を幸せにさせてください。と。
持ってるのはアタッシュケースと魔法のステッキと外そうとしたら首を絞めるネクタイとそれについているハートのネクタイピン。
色々ツッコミどころ満載の彼に伝えた青年史の希望は「メスイキヲシテミタイ」。
色々どこから突っ込んでいいのかわからないスタートですが、逆に全く予想がつかないのでぐいぐい読ませます。
表紙と口絵で笠井先生のスーパーイケメン魔女っ子レイ(仮名)の映像を脳にインプットされた状態でなので、脳内が非常に楽しいことになっている上に、このイケメン魔女っ子さんは真面目すぎる故なポンコツ気味なのです。
史ちゃんはそんな魔女っ子にいきなり「君を幸せにさせてくれ」と言われなんだかんだでも受け入れちゃういい子なのに、その答えに「メスイキしたい」なんて答えるアンバランスな、でもいい子。そしてそのいい子な自分を誰より自分が信じていない子。
出会ったその日に致して魔法を使ってメスイキに至ってそのあとは行為に夢中になって、と、本物のデラックスさんに「そんなの愛じゃないんじゃない、肉欲なんじゃないの?」なんて言われそうですけど、そう思えなかった。
同じ電車同じ車両に乗ってなんとなく目で追っていた2人の間には好意に近いものがあって、でもお互い踏み出せないでいたからこそデラックスな魔女に目をつけられた。つまり記憶もないけど、なにも覚えていなくても魔女っ子は史ちゃんを好きだったんですね。史ちゃんもかっこいい人だなと思っていた。
知らない人だけど、何故か許せる感じ、滲み出る好感、から少しずつ心も欲しいと思う様になるのも自然で、その空気感がとっても可愛くて良かったです。
非常にファンタジーの様で2人の持つ生活基盤や、背景などはリアル社会に根ざしていてそのバランスもとても良くすらすら読めました。
デラックスな魔女はきっと
「もう!なんだか気になってるくせに声もかけられなくてめんどくさいわね!好きなら好きって言える様になればいいのよ!」
とか
「どうして自分の気持ちが言えないのよ!言って2人で考えればいいじゃない!」
ともやもやしちゃったんでしょうね。
心臓を取り上げるのは良くないけど、イケメンにブリティッシュスーツに魔法のステッキとか楽しすぎるし、何より2人の本当の幸せへのきっかけをくれた素敵な縁結びの神様(魔女様?)だと思います。
どこか他の迷えるイケメンにも魔法をかけてあげてください。
魔法使いの攻め様に、デラックスな魔女も登場。
ファンタジーなんだけど、リアルだわ~って思うとこもあって、とても楽しく読ませて頂きました(・∀・)
受け様は、たまご料理専門店を営む史。
ある日、通勤電車の中で、密かにカッコいいな~と思って見ていた男性が、いつもと違う雰囲気の格好でいるのを見かける。
その男性こそ攻め様であり、魔女に心臓と記憶を奪われ、自分を知る唯一の相手を幸せにしなければ普通の人間に戻してもらえない、と縋ってくる。
自宅まで連れ帰り、名前も分からない彼を“レイ”と名付けて一緒に素性を探すことに。
幸せにさせたいから、とレイから願い事を尋ねられた史の願いは「メスイキしたい」という、なかなかなもので。
メスイキえちえちをしながら、レイの素性を探していく2人。
なので、割とえちシーンが多いような気もしますが、このお話の魅力はえちえちではなく、史が一歩を踏み出していく姿でした。
レイの胸に飛び込んだら、史は素直でとってもかわいい。
そして、史の事が大好きで一生懸命なレイも、とても魅力的でした。
私も波風をたてたくないタイプなので、ゴージャスな魔女の言葉がけっこう胸に刺さりました。
史の考え方が、私にとってめっちゃリアルで、身につまされる(^o^;
愛を渡すのも受け取るのも、相手を信じてこそできる事で、勇気がいるものなんだなぁ、としみじみ思っちゃいました。
イラストは笠井あゆみ先生。
もうね、表紙の魔法のスティックを持ったレイがいろいろと完璧。
口絵のお三方もコレやねって感じだし。
お話にピッタリのステキなイラストでした(^∇^)ノ♪