特典付
学校の教科書にしてほしい、とまでは言わない。学校の図書室に置くべき。おれは本気だぞ
hitomi先生に前作で惚れ込み、前情報無しの即買い。ストーリー、イラスト、キャラクター全てが美しいと言わざるを得ない...。これ買っときゃええねん!!!!って自信を持って言える一冊です。
不幸体質の受けと、人の感情を糧に生きる生き物の攻め。初っ端からドSFチック設定で読者に「理解しろ」と思わせる出会いから始まります。嫌いじゃないぜ。
受けの美記くんはそんなんアリ?な、とんでも生物、"あかしびと"に「シロ」と名前をつけて、関係を結びます。
美記くんと契約したシロは、美記くんの負の感情を食べつつ、美記くんと共に過ごしあかしびととしてではなく、人間として感情を芽生えさせていく...そんな優しい物語です。
赤ちゃんが親から言葉を教わるように、シロは美記くんから色んな感情を教えてもらって、愛も教えてもらうわけです。
そして、なんと言ってもこのタイトル...!
「透明な愛のうつわ」です。
正の感情はあかしびとにとってパンのひとかけらくらいの養分なので、負の感情に比べたら無いに等しいんですが、実は...。つまりそういうことです!!!(匂わすな)
絵はとことん美麗です。どのページを開いても1枚絵として完成していて、美美美美美...といった感じですが、なかでも中盤で2人にとって幸せな終わりをとげようとするシーンが美しすぎて自然と涙が出ました。いやオタクの誇張なしでガチですよこれは...!
前作でも同じようなレビューを書いたんですが、hitomi先生の描く瞳が本当に綺麗で綺麗で。あと手ですよ。手フェチはこの本を読んだら100回は死ぬ。
道中ハラハラする展開がありますが、最後はハッピーエンドなので安心して読んで下さい。
感情を知らない生き物が愛を知る過程を見れます。つまりシロは赤ちゃんってことです。
あとがきでも書かれているんですが、真実の愛を描きました、と。まさにそんな2人でした。
人間として生を送るシロと美記くん一生見てえ〜!!シロの無精髭ショリショリしてえ〜!美記くんにヨシヨシされてえ〜!
...これを読んで愛のパワーを受け取ろう!私もBLを糧にする生物(バケモン)だから、明日もお仕事頑張ります!お仕事で疲れた人は是非この本を読んで養分にして下さい!
めっっっっっっっちゃ良かった!(;///;)泣
あらすじに「破滅」ってワード見えるし、
絵がキレイで繊細だから痛々しいとシンドイなーって…
最近ツラいお話を読むと落ち込んじゃうので正直迷った。
けどこれはもう…!
現代版おとぎ話ともいえる展開に愛の温もりがあって、
グワッと胸を鷲掴みにされてめっちゃ良かったです!!
『慈しむ』って言葉がジワッと沁み渡ってく作品でした。
(ホント…もう……、良かったとしか言えねぇ…(;///;))
あと絵が繊細で丁寧で見やすい。
髪の毛1本1本までキレイだな~って思いました。
物語とマッチしていて世界観がより深まった気がします。
(ホント…もう……、美しいとしか言えねぇ…(;///;))
あああ、良かった。素敵な作品でした。何度も読む…!
さてさて。
受け:ミキ
不幸体質の青年。
不幸な日々に落ち込みながらも穏やかで優しい性格。
他人を巻き込まないよう人との関わりを避ける反面、
困っている人みるとほっとけないお人です。
攻め:シロ
人間の不幸が栄養源の"あかしびと"という存在。
常に微笑んでいいて穏やかな人柄という反面、
感情が乏しく作中では"(心が)赤ちゃん"と言われてます。
シロは宿主となる人間と契約を交わして栄養を得ています。
宿主不在で食事が取れず消えかかっていたところにミキと出会います。
ミキは「自分の不幸が役に立つなら…」と契約成立。
けれどシロと生活を共有するようになって、
ミキの生活の中に少しずつ幸福が増えていくんですね。
それはシロの栄養いわば生命に直結する問題でーーーと展開します。
感情が乏しいシロの心が育っていくのに涙腺が緩む…!
長く"あかしびと"として生きているシロですが、
存在は無色透明なからっぽの器のような儚さがあって。
いつも微笑んでいるのは逆に言えば感情が無いんです。
生きる意味や希望という概念すらない感じなんですね。
だからミキとの契約も生きるのに必要だから行うだけ。
そして宿主であるミキが望むことがあれば応じるだけ。
そこに「シロの感情」は一切ありません。
そんな彼がミキの感情が流れ込んでくる度に、
少しずつ少しずつ感情が育っていくんですね。
ミキが喜ぶことを自ら"してあげたい"と思うようになるのがグッときます!
で、人を遠ざけてずっと一人だったミキも
シロの存在によってどんどん良い変化が生まれだして。
不幸を背負った青年が幸せになるのが弱いので…もう…ううう(;///;)
と同時に皮肉すぎてやるせない気持ちが襲ってくる;;
ミキの幸福度とシロの栄養度が反比例ってなんだよ…。
また他にもシロにとって有害なのは人間の愛っていう。
ミキがシロに心を寄せることはシロに痛みを与えて…。
(~~~~~~ッ!シンドイぞコノヤロウ(;ω;))
(でも萌えにブッ刺さりで沼だった…好きだ…)
そんなこんなで
ミキはシロの為に自ら幸福を手放そうとする。
シロはミキの幸せの為ならば自分の生命を…。
「賢者の贈り物」のような相手を想った心が交わっていくんですね。
どういう形が正しいと言い切れないし、
「賢者の贈り物」が崇高な愛だとは思わない。
けれど彼等の相手を想う気持ちは私の心に響きました。
個人的にすごく刺さったのは、
シロが消えるときは手から透明になるんですね。
感情が育ったシロはミキに手料理を振る舞うのが幸せで、
手がなくなったら料理ができなくなるのに憂いがあって。
"何かをしてあげたい"と思う事って愛だなぁ…とシミジミ思いました。
ちなみにハッピーエンドです!大丈夫です!!!
(これが一番怖かったのでマジでホッとしたよ…)
(私の心も生き延びた…)
シロは温和な大人の紳士~という雰囲気なんですが、
難局を乗り越えた後は可愛くなっててニヤニヤしました。
(感情が育つってこういうことよ…!!!)
(喜怒哀楽が人を育てるのね…(∩´///`∩))
他にも
ミキの上司や同僚・シロが勤める喫茶店の面々など
脇キャラも温かくてホッと安心して読めました。
はーーーーーーすっごい沁みた。良かった。好き!!!!
不幸体質のミキと、不幸を糧にする あかしびと
シロ。
不幸体質って、不憫オブ不憫なんじゃないかしら、、、?あまりに可哀想で重苦しいのは辛いかも、、、とちょっと構えてしまいました。
ですが、不幸体質は不幸体質なのですが、エピソードの一つに卒業の日に配られた紅白饅頭が自分だけ一色だったとか。
あ、大丈夫かもしれない!と思えました。笑
何より、不幸体質のミキがじめっとしてなくて暗くないのが良かったです。
ミキはシロの宿主となる契約をします。
この契約は悪魔的なものではなく、強引に行うでもなく。相手を尊重して行われるものでした。
ミキはシロの、宿主に対して純粋に何かを返そうという気持ちを受け入れ、シロといる事での自分の存在意義のようなものを見いだします。
シロにとっても、自分のした事を純粋に受け入れてくれたミキに、特別な感情が芽生えます。
だからこそ、自分もミキの愛を受け入れようと思えたのかな。
心の機微を丁寧に美しく描かれていて。
全てを言語化にしていないものの、表情や全てを語らない台詞でもミキやシロの気持ちを感じ取る事ができました。
ミキやシロを取り巻く人達も良かったです。
周りの人と関わることで、二人だけの世界で完結せずに新たな世界が広がっていけたのではないかな、と思いました。
本編だけでもとても素敵なお話で癒されたのですが、描き下ろしがとってもあまくて幸せな気持ちになりました。素敵なボーナストラック感。hitomi先生ありがとうございます!
神以上の評価ができないのが悔しい!
心優しい無垢な人外と孤独な青年の切なく、感動のファンタジーでした。
昔から不幸に見舞わやすい美記の元にある日、
“あかしびと”と名乗る美しい男が現れ、
「君の不幸をぼくにくれない?」と宿主となることを持ち掛けられ…。
人間の“不幸”を糧として生き、自らを“バケモノ”と呼ぶシロですが、
こんなに美しく、優しいバケモノがいるのでしょうか。
人間が紡ぐ愛を羨み、幸せそうな笑顔をいとおしく感じるのに、
自分はそんな人間たちの不幸を得てしか生きられない。
誰のことも愛することができず、愛されることもなく、
「それがぼくの持つゆいいつの“愛”だったのです」という
シロの独白が切ないです。
バケモノというには穏やかで、献身的で、甘やかさすらあって、
それなのにいつも見せる笑顔がどこかさびしげで、その度に
胸がきゅっと締め付けられるようでした。
そんなシロに見初められた美記の心もどこまでも優しく、本当に美しい。
そして、はじめは自信もなく、弱弱しげに見えていた美記ですが、
シロとの交流を通じて少しずつ笑顔を見せるようになってゆきます。
シロの手作りごはんを食べ、その日あった“素敵なこと”を話し、
休日には二人で買い物に出かけ、まるで恋人同士の同棲生活のような
ささやかな幸せの日々。
けれど、幸せはそう長くは続きませんでした。
美記が幸せを感じるほどに、シロが得るエネルギーは減ってゆき弱る一方。
そこには実はシロが美記に伝えていない“あかしびと”にとっての最大の禁忌が
関係していたのでした。
“人の愛はあかしびとにとっての毒になる”
なにその絶対愛しあえないルール…!!
愛し合うほどに、別れは近づき……しんどすぎる。
けれど、たとえ悲しい別れがやってくるとわかっていても、
離れることなく最後の時まで一緒にいようと、涙をこぼしながら
抱き合う二人にもうこちらまで号泣でした。
と、今この文章を書きながらまた思い出し泣きしているわけですが。
最後はちょっぴりご都合主義展開ともいえなくはないけれど、
愛の力の勝利、という最高にロマンチックで感動的なエンディングでした。
シロが目を覚ました瞬間、お姫様(シロ)が王子様(美記)の愛で目覚めた!!
と感極まりすぎたあまり脳内メルヘン化しておりました。
でも、本当におとぎ話のワンシーンみたいで感情が氾濫状態でした。
静謐な雰囲気や題材的に明るいハッピーエンドが予想できず、
途中までの切ない展開に瞼に涙をため込んで読んでいましたが、
最後まで読み通してよかった。。。
こんなにも幸せで、温かな気持ちになれる結末が待っていたなんて(´;ω;`)
文句のつけようのない素晴らしい結末なのに、
ここで終わってしまうのが寂しいような、
もっとずっとこの二人の世界に触れていたいような、
そんな心地よさに浸りながら読み終えました。
迷うことなく神作品でした、と申し上げたい!
「命より重い愛を知ってしまった者たちの破滅再生BL」
このキャッチコピーを読んで、ぜったいに傑作になるだろう!ぜったいに買わなくては!と思いました。
hitomi先生の作品はシリアスで切なく、胸が苦しくなるようなお話なイメージがあります。
また、絵柄の雰囲気によって、なにか衝撃的なことが起こるような予感を漂わせます。
今作もより美しくなった絵と丁寧に登場人物の感情が表現されていているお話によって、読み応えのある作品になっています。
前作の「1人と一人の3650日」を読んでわたしは自虐的に生きる人が愛し愛されることによって立ち直っていく様子を苦しみながらも読むのが好きなんだと知りました。
今作もどれほど苦しくなるのだろうと思っていましたが、比較すると主人公は割と前向きです。そしてとても優しい人です。不意に見せる照れた顔や笑顔がとてもかわいいです。
受けの美記は不幸体質で、攻めのシロは人間の不幸を糧にして生きる人外。
最初は契約し合ったただの与える者と与えられる者だったのが、いつしか互いに特別な感情を抱いていきます。
ふたりでいるのが楽しくて自分が幸せになっていけばシロを失ってしまう美記。美記に尽くすことと負の感情が糧だったのに愛を受け止めることによって自分が消滅してしまうシロ。
ふたりの愛の毒。
どうしてもふたりで破滅するしかないのか?どうしたらふたりで幸せに暮らすことができるのか?
この後のお話はぜひ読んで確かめてください。
大丈夫です。
ハピエンです。
hitomi先生も悩んだそうですが、ちゃんとふたりは幸せに暮らしていけます。
読み終わってよかったねぇと思える、とても素敵なハッピーエンドでした。
最後に人ごみの中でシロが振り返ります。それは過去の自分なのか、もしかしたしらたの自分なのか、それとも別の自分なのか… 分からないのですが、美記と一緒に前に歩き出します。
これで本当にシロの時間が進んでいくようで印象的でした。
個人的に幸せになったこれからのふたりにはたくさん食べて太ってほしいです!
お幸せに!!