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以前、木原さんの「片思い」を読んだ時に「この人はもしかしてMY NG作家さんになるんじゃないか」と思った。
その後、気がついたのだけど木原さんの作品は以前にも2回も読んでいた。
とっくにNG作家だった。
「ウィード」だったか…男を拉致してゲーム感覚で輪姦レイプして金押しつけて堂々と逃げる出だしのものがあって、その時に一発NG作家になった。
ムカつき過ぎて記憶から削除して数年経ち、BLランキングに名前が載っていたので一気に6冊ほど買ってしまいました。
「秘密」やっぱりNG作家にしてた判断は正しかった。何で忘れてたんだよぅ、私。
ただ「ウィード」の時とは違って最後まで読んだ。
何故最後まで読んだかというと、受けが勘違いをしていた理由が解明されていなかったから!
その一点に尽きる!!
何故男を殺して冷凍庫で凍らせチェーンソーでバラバラにして再び冷凍庫に入れたと!!そんな勘違いをしていたのか!最後まで読んで、結局解明されないまま終わった!
……いや、もしかしたらどこかで解明されていたのかもしれないけど、私は気がつかなかった!けど2回は読みたくない!
木原さんは筆力があるだけに読んでて痛い!それが嫌!!
私にとってのBLはあくまで娯楽なので、そんなヒリヒリするようなズキンズキンするような話が始まっても嫌過ぎるのです。
しかも、今回はその嫌さに拍車をかけたのがイラストでした。
陰気。そもそも表紙からして嫌。
何なのこの奥側のキモい笑い方してる男は。もしかしてこの人って失読症の攻め?キモいんだけど。
中の挿絵も全部陰気臭い。
話は力強いと思います。でも何で受けが勘違いをしていたのか解明されないままだし!!ちょっとこういう障碍関係のシリアスな話は苦手。
なんていうか、どう受け止めたらいいのか分からないんです。
まだまだ木原さんの作品一気買いしたものが残ってるんだけど、気が重い。
買った以上は意地でも読むけど、筆力があるだけにキツイ。
檻の外→美しいこと→と読んでの秘密!
めちゃくちゃ良かったです〜(´༎ຶ༎ຶ)
描写の感じから、んっ?あれ?って感じてたんですが、でも木原さんだしなぁ。。
って色々構えつつ読んだけども本当にもう良かった(。>﹏<。)
色々抱えてた二人だから、幸せになれたことがただただ嬉しい。
破れ鍋に綴じ蓋とはまさにこの二人の事だと思いました ٩(ˊᗜˋ*)و
秘密2からの秘密3で、もしや秘密2は従兄弟同士でくっつくというフラグか‼︎
と、ニヤニヤしながら読んでたんですが、そんな安直な事は流石に起きないですね ⊂(¯×¯٥)⊃
障害って周りの理解がどれ程大事か改めて考えさせられました。
おばあちゃんがとっても偉大で、素敵でした。。
私も充のおばあちゃん大好きだ╰(*´︶`*)╯♡
表紙の暗い感じと、読み始めで殺人の空気が漂い、木原作品でこれはきっと病んでるに違いないと、購入はしたもののずっと放置したままでした。最近になり木原音瀬中毒が再発、恐れながらもこの作品を手にしました。これがなんと、期待を(いい意味で)裏切る心温まるストーリー。痛く悲しい場面が全く出てこないというわけではありませんが、充と啓太が両想いになってから(充はずっと一途でかわいい)の二人の関係は確固たるものだし、充が家族との亀裂を修復していけそうな気配が見えたり、胸を締め付けられるとてもいいお話でした。何気に二人の絡みシーンも多く、充のあどけなさと床上手さのギャップに萌えましたv。
表題作の「秘密」は、ある秘密を抱える大学生・啓太と、幼い言動に似合わずセックスがうまい充が、夜に飲み込まれるように惹かれ合っていく話で、啓太の視点で書かれています。
緊迫感あふれる独白から啓太の混乱ぶりが伝わってきて、読んでいるこちらまで混乱してしまいました。この混乱こそが彼の抱える秘密に深くかかわっていたことを知ったのは、最後のどんでん返しで。充が隠し続けていたある秘密も、明らかになります。ホッとすると同時に、特に啓太の秘密についてはやられたと思いました。
物語がずっと謎めいたタッチで描かれていたのは、二人とも秘密を抱えていたからなのだと納得。茶屋町さんの木版画を思わせる線の太いイラストが雰囲気にぴったりでした。
啓太と充が互いに抱えるものを自然に受け入れて生きていく結末に、救いを感じました。愛する人が受け入れてくれたら、それだけで生きていける。そんな二人の微妙にかみ合わないやり取りが微笑ましくて、いい。このくらい力が抜けていれば、きっとうまくいく気がします。(啓太の秘密の元凶は前の恋人の暴力だと思われるので、充がいれば大丈夫でしょう。)
始まりはサスペンス、終わりは愛があふれる結末で。怒涛の展開に振り回されて心臓の動悸が止まらなかったのが、最後にときめきのドキドキにすり替えられたような錯覚を覚えてしまいました。
「秘密2」は、啓太から充の従兄・孝則に視点が変わり、なぜ充が家族と別れ自活するようになったか、なぜゲイになったかが明かされています。充の苦労話には胸が痛みますが、孝則と充のやり取りがなんとも微笑ましく、温かい気持ちになります。この孝則という人物がとても魅力的で、この話が一番好きです。
成り行きで充を預かり自立するまで面倒を見て、その後も「辛くなったらいつでも話を聞いてやるよ。」と言う優しさ。しびれました。口調は厳しいけれど、愛があります。
充への親心が強すぎて啓太に意地悪したエピソードには、クスッと笑ってしまいました。今は充を支える啓太のことをとても評価しているのですけれど、おくびにも出しません。これは孝則の秘密なのかもしれませんね。そして、充が可愛くて、啓太の留守中にちょっかいを出してしまったことも…。
「秘密3」は、啓太や孝則のように充に深くかかわることのなかった、充の弟・樹の視点で書かれています。短編ながら、幸せについて深く考えさせられました。
冷たい実績主義の父親をなぞるように生きてきた樹は、充と再会したことで、自分が愛を知らないことに気付いてしまったのではないでしょうか。そして、それは母にも姉にも言えない秘密であり、認めてしまえば自分も姉たちが言う父のような「可哀そうな人」になってしまう…。
最後の結末に希望を感じました。充が嬉しそうで、私まで嬉しくなりました。きっといつか和解の時が来るような気がします。
誰かを愛するから隠したい秘密、隠しておくのが少し楽しい秘密、自分を守るための秘密。三つの物語から、いろいろな秘密があり、そこには何らかの強い思いがあるのだと気づかされました。秘密って、持っているだけでエネルギーが必要で。それでも秘密を持つのは、きっと幸せを願う気持ちがあるからだと思いました。
受けの啓太を中心に、読み書きにハンデを抱える杉浦充と、充の従兄弟であるゲイの榎本。主な登場人物はこの三名。厳密に言えば他にも登場人物はいるにはいるのだけれど。
啓太と充を中心に描かれる今作は、とても閉鎖的な空気を漂わせています。それは、この三名がマイノリティーである事が根底にある事。そのため、客観的というよりは啓太の妄想か現実か、判別不能なモノローグによって、読者は翻弄されていきます。
啓太の視点から描く事により、より感情移入するような錯覚を覚え、より彼の混乱や苦悩が伝わって来ました。これは客観的に理屈で説明するよりも、ダイレクトな効果を与えていると思います。
今作では、杉浦充というキャラが一際光っていました。彼を取り巻く成長物語と言っても良いでしょう。
読み書きにハンデがあるからこそ、照らうことなく心をさらけ出す無垢さや純粋さが、彼の魅力であり短所でもありました。想いを伝える事に必死になるあまり、吃音が出てしまったり、感情の抑制が得意ではなかったり。けれど充の真っ直ぐさは言葉を飛び越えて、直に触れ合う方がよっぽど雄弁なのです。
だからこそ、慈しまれる深い愛を欲しがっていた啓太の心を溶かしたのだと思います。
二人の想いが通じ合う場面は、とてもユニークながら今作の一番魅力的なシーンでした。充のコンプレックスに対し、どうでもいいと一蹴してしまう啓太の清々しさが素晴らしい。双方のベクトルがまるで違うからこそ、欠落したものを含めて愛し愛されたい。そんな微笑ましい二人が可愛くて仕方ありませんでした。
榎本視点の話も非常に面白く、彼もまた魅力的でした。また、榎本では充を幸せには出来ないなという事を再確認させてくれる話でもあります。けれど、充にとって榎本は間違いなく恩人なのです。榎本もまた、恋人とは違った愛でもって彼を包み、導いてくれました。逃した魚は大きいと、半信半疑のように思う榎本のキスは、充の幸せを祝福し、願い続けるこれ以上ない贈り物でした。
最後に、充の弟である樹視点で描かれる作品も、短いながら非常に読み応えがありました。読後物哀しさがありながらも、救いを感じさせるに充分な結末です。
思考まで父親の焼き直しとなり、それすら気付いていなかった樹は、姉と母親から語られる充について動揺してしまう。そのまま乱雑に開けてしまうプレゼントのくだりは痛々しいことこの上ないです。
ですが、動揺するという事実はまだ何かの余地を予感させるだけの希望がありました。彼の本当の苦悩はこれからかもしれませんが、それすらも充という存在は凌駕するのではないかと期待せざるを得ません。