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表題作彼の甘い密室

経営コンサルタントの丈居謙介
「キリサワ防犯」開発部に勤務の天城和杜

その他の収録作品

  • あとがき(にオマケSSあり)

あらすじ

恋愛はしない―そう思っている天城和杜は、ときおり高校時代からの友人・丈居謙介の家で過ごす。
そして『宿代』として丈居と身体を重ねる。
丈居のそばは居心地がいい。
しかし丈居の甥・庸司からそれを恋愛じゃないと思っているのは天城だけだと告げられる。
丈居が望むならと丈居の部屋に閉じ込められ、身体を繋ぎ続ける天城は…。

作品情報

作品名
彼の甘い密室
著者
坂井朱生 
イラスト
あかつきようこ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
朝を待つあいだに
発売日
ISBN
9784344810068
2.6

(9)

(0)

萌々

(2)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
5
得点
21
評価数
9
平均
2.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数5

後半執着ものに。

シリーズ作品の中の一作とは知らずにいきなり本作だけ読んでしまいました。
どうやらシリーズとしては「周辺人物あれもこれもBLカップル」のBLあるある系のようで。シリーズ未読でもまあ大丈夫だけど、ちょいちょい他CPとの関係性前提シーンはありました。

主人公は防犯会社の役員である天城(社長は元からの友人)。
高校時代、仲の良かった友人とその彼女との恋愛イザコザに巻き込まれて友情を失ったことがあり、恋愛恐怖というか、誰とも恋愛なんかしない、とかたくなになっている。
しかし、同じく高校時代からの同級生・丈居とは後腐れなく居着いたり本音を言えるセフレ関係。
この丈居はなんとも掴みどころのない人物で、人間関係には非常に淡白、しかし自称バイセクシュアルで性的経験は豊富で、天城は元々ノンケなのに丈居に抱かれると心地良くて…

…という関係性が丈居の甥の登場でかき回され…という展開です。
丈居が天城には知られないように隠していた執着心があらわになっていく。
何も見ようとしてなかった天城は、丈居に贖罪しようとする。
後半の展開は、前半とは空気感が違います。
淡白なはずだった丈居が天城を軟禁的に離さない、天城はまるで自己犠牲みたいに丈居に従う、そして延々続く2人だけの濃密な性交だけの日々…

私は坂井朱生先生は初読みでしたが、エロシーンの書き方はかなり好みでした。
しかし、それ以外の人物の過去描写とか内面描写はどうもイマイチ合わず、1冊読んでの正直な感想は「エロは良かったんだけど…」。
天城の恋愛トラウマとか丈居の執着、甥の子供っぽい逆ギレなど、なんか大袈裟に感じてしまいました。

あとがきにSS的に丈居視点の天城への執着心が書かれています。
ムッツリ執着が好みの方にはおすすめの作品だと思います。

1

スピンオフ作品ですが単独でもOK

「キリサワ防犯」シリーズのスピンオフ作品です。
(あとがきでは「桐沢&実友シリーズの番外、天城編」とあったのですが、「キリサワ防犯」つながりで良いのではと思うのです。)

シリーズは未読でしたが、特に問題なかったです。
桐沢&実友に天城が協力したという話題は出てくるので、気になったら後で読んでみてねという感じでした。

1冊すべて表題作です。
天城(受け)の視点でストーリーは進みます。
天城は、友人・丈居(攻め)と気が向いたら訪問して寝るという気儘な暮らしをしています。しかしそれは丈居の犠牲の上に成り立っていると知り…という話です。

ストーリーは二人の恋愛模様がメインです。
丈居宅が舞台であるシーンが長いので、仕事の話は序盤にちょっとあるくらいです。丈居の仕事もささっと紹介して終わりです。

丈居の長い片思いに気が付いた天城がどう動くのかという点がポイントだと思います。過激な展開はないのですが、じんわり滲み出るような二人の優しさにぐっときます。表紙イラストそのままの柔らかな印象の作品でした。

あとがきの後の「おまけショート」で、丈居の視点での甘い後日談があるのも嬉しかったです。ただ、丈居は過去には男女こだわらずの経験豊富です。苦手な方はご注意ください。

0

この2人はどうも・・・

『朝を待つ間に』からのシリーズのスピンオフ・天城編です。これは、私が坂井さんで唯一好きな作品(シリーズ)なんですが、その中ではこの『天城編』がいちばん乗れませんでした。悪くはないんですが、私の好みには合わなかったです。たぶん、天城が好きなタイプじゃないからでしょう。

スピンオフですが、これだけ読んでも問題ないと思います。天城が本編とは全く別人のようですし。とは言え、キャラクターが矛盾しているというわけではなく、本編は『作った自分』で、こちらが『素』だということなんでしょうけどね。私は本編の天城よりは、こちらの方がマシですが。

丈居(攻)は、忍耐と包容力の人でしょうか。別にそういう攻キャラクターが嫌いなわけでもないんですが、なぜかこの作品はキャラクターに共感できなかったんです。攻・受ともに。

ストーリーにも、天城のトラウマになった過去の出来事にも、別に無理はないと思いますし、ホントに何がダメなのかわからないんですが、シリーズ中これだけが面白いと思えませんでした。

いえ逆に、もともと私は坂井さんとあまり相性がよくないようですので、シリーズのこれ以外の作品が例外だと思った方が納得できる気がします。

1

あまーーーーーーーい!!

だいぶ前に流行った、某お笑い芸人さんのような
リアクションですみませんが
本当に甘い!!
シリーズもののようですが、
そちらを読んでいなくても大丈夫だと思います。
(私は十分楽しめました♪)

丈居の、自分から天城を求める事なく
なんともない振りをしながら
関係を続けている様子に心を打たれました。
それは後々じゃないとわからないのですが、
ひた隠してでも傍にいるのって、ものすごくツボです!
受を好きすぎるお話は、もう、よだれが止まらないのですw

天城は天城で、綺麗な容貌をしているんですが
過去の恋愛(友人)関係のトラブルから
誰とも付き合ったりしたくなかったんです。
それが丈居から「寝るだけなら男の方が楽なこともある」
試してみる?と持ちかけられ、
体を重ねるのですが…。
丈居のテクニシャンっぷりが憎いです!!w
天城に気持ち良い事しか与えない。
それは長年の付き合いの中でも言える事ですが、
天城にとって居心地の良い距離をとり続けて、
仕事ですら二の次で銀行を辞めてしまったり…。

天城に負担になるから何も言わずいたのに
甥っこの庸司にバレてしまいます。
死ぬほど嫌いな写真、でも天城と写っている数枚を
大事にとっておいてたのに見られちゃうんですよ。
この庸司が子供っぽいヤツでねぇ…。
まぁ、10歳以上も年下なら仕方ないかもしれないけど、
天城に興味を持ち、素気無くすっぱり断る天城に
「する気なくてもついしちゃうのが、恋愛ってもんでしょ」
だなんて、どんだけ自信過剰!?w
この庸司の不躾な態度がちょっと腹立つんですが
お陰で丈居と天城がちゃんと心も繋がるわけです。

丈居にずっと無理をさせていたのかと動揺する天城ですが
丈居にしてみれば、天城以上に大事な人も優先する出来事もなかったわけで。
それが重いとか負担だとか感じない、
むしろ嫌われるのが怖いと思った時点で
自分の想いを自覚する天城。
良かった…。
快感だけじゃなく、心から抱き合うHに
こちらも溶けてしまいそうでした!
もう、いくらでも確かめ合っていただきたいw

庸司はまだ天城を諦めていないようでしたが、
この二人の間には誰も入れませんよー!!
隙なんてどこにもありはしない。
甘いですw(しつこい!)

色々なBL作品を読んでいますが
(そのわりにはレビュー少ないですが;)
「ちょっとパッとしないなー…、惜しいなー」
と思った別の作品の後に読み返すと
なんとなくさっぱりします。
「萌×2」ですが、「神」寄りです♪




2

包容力の粘り勝ち

攻・丈居謙介 経営コンサルタント
受・天城和杜 「キリサワ防犯」開発部に勤務

高校時代の同級生です。
32~33歳くらいかな。

天城は恋愛トラブルでのトラウマ持ちです。
そのためずっと恋愛を自分に禁じてきたところがあります。

BL小説においての「トラウマになるほどの恋愛トラブル」とくれば、
・過去に同性愛を非難されたとか
・初恋相手の男が最悪で、酷い目にあわされたとか
・過去の失恋が辛すぎて…とか
大体こういった事が原因でのトラウマを想像しがちです。

が、天城の場合は
・親友・日野が受験のストレスでボロボロになっている頃、日野の彼女が『相談』と偽って自分に迫ってきた。
・それを上手くあしらえず、日野の彼女が逆ギレ。
・大学受験に失敗した日野は自殺未遂を起こす。
・親友の彼女に「天城くんが私に日野と別れろって言った事(嘘)が原因で受験に失敗したのよ」と妄想を根拠に責められる。
・「日野くんは二度と会いたくないといってる」
というような恋愛トラブルで…妄想癖のあるムカつく女と、バカな親友の犠牲になっちゃっただけなのですが。

実際のところ、天城のようにマジメで、一度懐に入れてしまった人にはトコトン優しく面倒見がよくて、繊細なくせに自分を図太いと思っているような人には、結構キツイ出来事ですよ。
トラウマになるのもアリかな、と。

そんな天城を高校時代から知っている丈居は、天城の負担にならないように支えてるんです。
同じ大学で再会したとき、天城を好きだと自覚したのですが、高校卒業前のいざこざを知っていたので、積極的には動かなかった。
けれど大学2年の時に「試してみるか」と話の流れを装ってセックスしてからも、ずっと天城が困らないように、悩まないようにと飄々とした態度を崩さなかった。

天城は丈居のそばがもの凄く居心地がいいと知るんですね。
心地がよくて離れられなくなる、と思いつつもズルズルとつかず離れずで12年。

トラウマの原因の2人から「結婚しました」なんてハガキが届いて動揺し、丈居の甥・庸司に「恋愛じゃないと思ってるのはアンタだけ」と責められて、丈居の気持ちを知り。

BLお約束よりも、ずっと身近なトラウマなので、リアリティがありました。
この程度のトラブルでは傷つかない人もいるし、傷つく人もいる。

天城は深く傷ついた。
そして包容力のある丈居が、ゆっくりと時間をかけて天城をモノにしたわけです。

3

この作品が収納されている本棚

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