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表題作日に流れて橋に行く 7

その他の収録作品

  • 綿柎開(わたのはなしべひらく)
  • 綿柎開(其のニ)
  • 綿柎開(其の三)
  • 綿柎開(其の四)
  • Special thanks(あとがき)

あらすじ

三つ星新装開店の準備を着々と進める虎三郎に、平瀬男爵から思いもよらない提案が──!?
帝国劇場の女優たちを三つ星の広告に使う許可を得るため、虎三郎は日越の日比谷社長のもとを訪ねる。同じ頃、時子は自らコーディネートしたドレスをまとい、鷹頭と帝国劇場の視察に向かうが…。

作品情報

作品名
日に流れて橋に行く 7
著者
日高ショーコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
集英社
レーベル
愛蔵版コミックス
シリーズ
日に流れて橋に行く
発売日
電子発売日
ISBN
9784087920840
4.5

(9)

(5)

萌々

(4)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
41
評価数
9
平均
4.5 / 5
神率
55.6%

レビュー投稿数1

ワクワクが止まらない!装いの原点。

日本、銀座における百貨店の創成期。
虎三郎が鮮やかに繰り出すアイディアをカタチにして行くワクワク。
三ツ星が日越や黒木屋の様な大店に勝てない事を逆手に取って、虎三郎は新たにカフェを作ろうとしている。
資元堂薬局のカフェとは資生堂パーラーの事だと思うし。カフェー・ライオンは、銀座ライオンの事だろう。それぞれの良さを認めながら、他社との差別化を図る虎三郎。
そう。現代の今もそうだ。小売も飲食店も小さければ小さい程、他社、他店との差別化に余念が無いし。ニーズをピンポイントに当てた所だけが勝てている。
洋装のモデルを探すというエピソードも興味深い。
女優業というのが、というか。役者というものが、この当時「河原者」または「河原乞食」と言われて差別されていた。今では人気女優が着ると秒で売り切れるなんて事は常なのに。女優やモデル、今ではインフルエンサー。誰かにとって。活き活きと生きる彼女たちは、いつだってスタイルアイコンなのだ。
本作ではまた、鷹頭玲司のイイ男っぷりも遺憾無く発揮されていて、眼福。
淑女のドレスが一人で着れるものでは無いと気付くところなんて。「憂鬱な朝」第五巻で、桂木が森山侯爵夫人の着替えを手伝っているのを彷彿とさせる。鷹頭は、「悪かったな、最近は女に服を着せる事も無かったから、失念していた。」などと悪びれる事も無く、気障な台詞を吐く。鷹頭にとっては、事後、余韻を含ませながら、女にドレスを着せてやる事は、日常だったのだろう。もちろん。全く艶っぽい関係にならなそうな時子が相手では、全くそのエロさは宝の持ち腐れなのだが、エスコートも様になる鷹頭に手を取られては、ときめかないまでも、時子だって、ドギマギはするのだ。
ドレスを着る、という「新しい装い」を。難なくお客様に提案してみようという時子のアイディアも良い。ドレスにストール、というのは今でもちょっと古臭いながらも結婚式のお招ばれでは、定番だが。(まだお見かけするもんね。)それすらもこの時代では新しくて。「凄い発見」だったのだ。
物語は全くBL味を感じさせてくれないので、不満なのだが、スカッとするワクワクをくれるなら、それで嬉しい。ただせめて男女間の色恋には発展させんでくれよ、と勝手ながら願っている。

作者がセルフパロでは、何となく 虎三郎 × 雀 という、主従+幼馴染を仄かに推してる(様な気がする)のが、何ともくすぐったい。私としては、当初から鷹頭 × 虎三郎なのだけれども。
年頃の虎三郎に持ち上がる縁談、というのには、ギョッとさせられる。もしそれがどうしても必要なら、サクッと台詞の端に添える程度で、割愛して欲しいものだ。「2年後、虎三郎は結婚していた。以上。」みたいなね。

日本の骨董品や美術、浮世絵が海外で先に認められたというのは記憶に新しい。
日越の社長は、日本の宝を流出させたと鷹頭を憎み。虎三郎は、それを「考え方」の違いだと看破する。他に、寅次兄さんはツンデレなれど、虎三郎のカフェに水菓子(フルーツ)の提案をさり気なくするなど。次巻への期待高まる、ワクワクの展開です。

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