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美しく聡明なジーンはモデルの仕事も始めその世界はどんどん広がっていく。やがて訪れる決断の時。
ジーンとの出会いでトレヴァーの閉ざされていた世界も開かれたから、愛するが故彼の成長を更に後押しするのを選ぶのもわかる。
でも遠距離でも交際できるはずが一切の連絡を断つのが、ジーンはトレヴァーよりも自分のアイデンティティがより優先だったように感じてしまった。
思い出の書斎をそのままに、16年ほど過ごしていたトレヴァーが切なくて。いや2人は距離的に離れても繋がっている、また絶対一緒になれるというお互いにしかわからないものがあったのかな。
甥っ子ジーンが仕組まなければ更に会えるのは遅れてたのかと思うと、ジーンはいいけどトレヴァーおじいちゃんになっていなくなってるかもしれないよ!(笑)
甥っ子ジーンも自身のセクシャリティと向き合う事ができて、成長のひと夏。
再会した2人は恋人としてか友人としてかわからないけど、またあの書斎で植物たちに囲まれながら親密な時間を過ごしていくだろう、確かな予感の良き終わり。
受け手に考える余韻を持たせて終わるところが何度か読み返してみて良かったと思う。
ざっと通して読んだ後は、何で?と思うところがありすぎて混乱したけれど成り行きで始まった関係だからジーンがカナダに行く時もこの先については特にお互い言葉にすることは無かった。てっきり遠距離恋愛なのかと思いきや、別れてるなんて。
トレヴァーは大人気なく泣くほど好きだったからこそジーンを手離し連絡も取らなかったかは思いを巡らせていた事もあったし定かでは無いけれど、歳も離れたジーンがこれから沢山の人と出会うであろうし、その中で愛する人と出逢うかも知れないと思ったり、人の心の機微に聡いからこそ連絡を取り合うとジーンの心の負担になるだろうと思ったのか‥。
折に触れ故郷の家族を思い出して苦しんでいたし、トレヴァーと別れた後はこの事もジーンを苦しめたと思う。
今度は自分を赦してみてほしい、トレヴァーからの言葉を理解したからこそ年月はかかったけど最終的にNYに戻って来たのだと思うし、今度は対等な立場でトレヴァーとジーンの新たな関係の始まり‥で含みを持たせて終わるのは自然で良かったと思う。
うーん正直…ジーンがコロコロ意思を変えるのがイラっときました。
「キャラが自然に動いてそのセリフを喋っている」のではなく、
「こういう展開にしたいから無理やりこう喋らされてる」感があって、それぞれ別人格に見えました。
純粋にBLとしても、「トレヴァー→ジーン」への熱量に比べて「ジーン→トレヴァー」への熱量が BL作品としてはあまりにも少なすぎるように見えて、読み終えた最初の印象は
「一体なにジャンルの作品を私は読んだんだろう…」「これはBLなの?」でした。
もちろんBL要素はそれまでにふんだんにあって本作はBL作品、そこは間違いないのですが、あんなに濃密で幸せな日々を送って、あんな変な別れ方をしたのに、そんなアッサリした態度で再会するのかなぁと。
以上の理由で、好みではないかなぁ…と感じたのでこの評価です。
実のところ良さがよく分からなかったです…。
実際、作者さんもあとがきで「恋人同士に戻るのかわからない」とおっしゃってるし、小冊子でジーン本人も「まだよくわからない」と言ってますね。
私はラムスプリンガの方が好きです。
でもまるで映画を観ているような壮大な物語には引き込まれましたし、お話自体はヒューマンドラマとしてすごく良いと思います。
主人公の若いジーンと同じく、2人の恋の行末が気になって仕方がなくなります。
広い世界を見たいと願うジーン。保護者として、恋人として、それを応援したいと思いながら、かけがえのない人を失う悲しみに、時に潰されそうになるトレヴァー。
このまま夢を諦めてトレヴァーのいるNYに留まることになったら、後味悪いなあと思っていたら、やはりの吾妻先生。そんな安易な持っていき方にはされませんでした。
2人には辛い選択だったかもしれないけど、やはりこれしかなかったと思う。
そしてラスト。
これからどういう関係になるかも彼らに、そして読者に委ねられます。それが一層余韻を残し、忘れられない作品にはなりました。
ジーンの名前の伏線も見事に回収されて、これ以上の完成度のストーリーないのでは?というくらい感動しました。
構成がしっかりしていて、普通の小説にありそうな内容でした!もちろん描写のエロさもあるんだけれど、自分のルーツに葛藤する1人の青年がきちんと描かれていてとても良かったです。トレヴァーが泣くところとかもうグサグサきてやばかった……回想からの現在っていう時の流れも良いし、読みやすいと思います。最後は読者のご想像におまかせですが私はまた恋人になってくれてたらいいなぁなんて思います!!!
ぜひ一読して欲しい名作です、これは。
