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表題作恋雪

折下成明,22歳,夢をおいかけて田舎をすてた
九浜湊,22歳,傷ついても耐えるしかすべを知らない

あらすじ

「いつか必ず迎えに来るから、向こうで一緒に暮らそう」そう言って島から去った幼馴染みの成明を信じ、東京に来た湊だったが、成明は劇団と仕事で忙しく、冷たかった。それでも、成明が酔って帰った日に結ばれ、喜ぶ湊だった。しかし、実は成明には好きな女がいて、その代わりに抱かれたことを知り、ショックを受ける。そんなとき、湊に俳優になることを勧めるプロデューサー・柏木が現れて…!?クールで強引な成明と、素直で従順な湊が、東京で繰り広げる、切なく擦れ違う恋物語。

作品情報

作品名
恋雪
著者
砂原糖子 
イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813011521
3.4

(52)

(11)

萌々

(12)

(20)

中立

(6)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
13
得点
169
評価数
52
平均
3.4 / 5
神率
21.2%

レビュー投稿数13

名セリフに涙がこぼれそうになります!

田舎では好き会ったのに都会にでたら、気持ちがすれ違うという奴です。
田舎に残っていた受け純朴な青年「湊」が、生いたちもあって自分の気持ち、欲望を口にできないというのもせつないです。
ラストの「成明の言葉は、信じられない」「なんで・・どうして信じさせてくれないんだ」という湊の慟哭の言葉がせつないです。
たった一人成明をたよって都会に出てきたのに、何度も裏切られてしまった湊。
それでも自分が一番もとめていたのは、湊だけだったと気づく成明の悔恨の言葉に涙がこぼれます。

8

湊だけにまさに“港”のような男

砂原さんの島モノBL
『純情アイランド』とは、またぜんぜん違う雰囲気で
シリアス展開でした。

北の離島が故郷のふたり。
同級生はふたりだけ。
幼なじみで、親友で、恋人で、おのおのがすべてだったのに
攻めが東京に出て変化してしまう・・・

流されるまま身体と心を奪われた受け。
攻めの心変わりに傷つきながらも受けは従順で引き際がよく消えるけど
芯の部分では、ずっーーーーーと攻めを好きでいるというね。
かといって別れた攻めに操をたてつづけるわけでもなくw
(だって柏木に対しては、どう見ても誘い受だよ?)
最後は、言葉少ないながらも攻めをなじったりもしてw
きっちり主導権握っているwww
こういうタイプって強いよねwけっこう魔性。

湊だけにまさに“港”のような男だと思った。
旅立ったはずの男は必ずこの手のタイプに戻ってくるw

彼らのまわりに置かれた当て馬さんたちが
ちょっと不憫に思えました。

木下さんのほわほわした挿絵が良かったv

8

かわらないもの、かわるもの

幼なじみとのすれ違いラブ。
まるで「木綿のハンカチーフ」
東京で劇団と仕事に忙しくしているうちに、島をでる時に湊と交わした約束をすっかり忘れてしまった成明。
薄幸の乙女・湊は、そんな彼の心を取り戻せたのか?

環境に合わせて変わってしまったこころ。
どんなときも変わらない思い。

成明は、島へ帰って、漁の手伝いをしているうちに、自分にとって何が一番大切だったのか思い出します。
一方、湊は、、、

おとなしげなこういうオンナが最後に笑うのね、って感じで、ハッピーエンドでした。





7

幼馴染

終わりよければ全て良し!
なのだけれど、何かが腑に落ちない(-ω-`;。)
そもそもは、この攻が不甲斐ないのがいけないんだよ。
一途な子が好きなのです。一途がいいのです。

なくほど離れたくなかった相手との別れから4年。
新しい彼女、会いに来た受を煙たがる姿。あまつさえのやけぼっくい
どうなのよと。
忘れたハズの恋心に火がついて~の気持ちの変化、動き
それがわかるから、胸にきゅぅっとくる部分は多々ありました
あったのだけれど何かが引っかかって今だ不完全燃焼です。

受に関しても、葬式から帰ってきたあと。。。東京での柏木さんと
一度は別の相手を・・というのもなくはないのですが
なんだかとても切なかった。
ピュアだった湊が、男の部屋でこなれた仕草で・・なんて(*ノД`*)・゚・。
ただ、湊でよかったのは、もっと物わかりがよくて、見た目よりも大人で
おっとりとした印象だったものが、
もっと重たいものを抱えていて、好きの気持ちは想像よりも大きかったこと。
平気な振りをして。でも本当は。隠された前半と、ぶちまけられた後半。
その気持ちに揺さぶられました。
攻の前でだけ見せる涙の洪水。ウマぅ

そういえば、もうひとつ残念なのは
柏木さん。もっとできる子だと思ってた。
この人は受の方が合ってると思う
余計なお世話なんだけどなw

7

切ない系、ではある

以前、職場で人口が数百人という島出身の同僚が居て、彼女の話は都会で育った自分としては別世界みたいな部分が多くて、例えば、昔は冷凍技術が今程に発達していなかったので彼女の島では鶏肉が一番ご馳走だったんだそうな、何故なら鶏肉が一番痛みやすいから、次に牛肉→豚肉な順番で……とか学校は低学年組と高学年組の2クラスしかなかたったとか、ほえーーって感じで聞いてたもんですが、いや前置きが長くなりましたが、この話の2人は北海道の、ごくごく小さな島、コンビニも何もないそんな小さな島で育った幼馴染。

末っ子だった成明〔攻〕は島を出て東京で小さな劇団に所属をしながら仕事をしてます。
かつては好きで身体も繋ぎ、離れがたいと思った相手、湊〔受〕とは年月がたつ事に疎遠になり。
そんな折に、湊が成明の元へと突然やってきて、東京で仕事を探すと言うのですね。
未だ島にいたままの純朴さを残している湊と、東京での生活が馴染んでしまった成明。
彼らは再会したけれど、もう元の彼らではなく、すれ違う日々が続き、湊は見えない所で傷付いていく。

ストーリーだけでいうなら成明をもっと無自覚に冷たくした方が湊の健気さがより引き立って、想いが通じ合った時のカタルシスっぽいのが生まれた様な気がします。
まあこれは自分的な好みであって、この話はこれでいいんだと思う。

ただすれていない湊が一時期とはいえ人気俳優になってマスコミの取材も受けて、芸能界の世界で結構苦悩無しになじんでたのがちと違和感があるっちゃありました。
なんか新人俳優としてそこそこ人気が出ちゃったら芸能界でもっと傷付きそうな気もしたんですけどね。
……って芸能界を凄い嫌な世界だと思いすぎなのか?自分が。

面白かったんだけど、なんか自分の中でもちょとこうしたら、みたいな気が何箇所でありました。
いや、楽しんで読んだんですけどね、あらすじを読んでもっと切ないのを期待してたのかもしれない。
切なかったんだけど、期待してた程に切なくは無かったというところでしょうか。

6

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