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表題作魔女の弟子と魔眼の王の初恋

サディアス・カルヴァート 30歳 カルヴァート王国の王
エーリス・セルウィン 17歳 魔女の弟子

その他の収録作品

  • 王は癒しの寵妃を溺愛する(書き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

マグボンラオール村に王の式典への招待状が届いた。最後の魔女ジラの死を王家に隠していたため、彼女の養い子のエーリスがジラに仕立てられ、出席することになるが……? 溺愛ロマンス♡

作品情報

作品名
魔女の弟子と魔眼の王の初恋
著者
名倉和希 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525629
4

(49)

(17)

萌々

(18)

(12)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
195
評価数
49
平均
4 / 5
神率
34.7%

レビュー投稿数10

初恋の行方

実は「小説Dear+ Vol.83 2021アキ号」で1番好きだったのがこちらの作品でした。文庫になるのを待っていたんです。

タイトルが「魔女の弟子と初恋の王」から「
魔女の弟子と魔眼の王の初恋」に変わったことで、よりサディアスのエーリスに対する気持ちと執着が分かりやすくなったと思いました。

表題作はエーリスが亡くなった魔女のジラに成りすましてサディアス王の在位二周年記念式典に参加する事になるのですが、こちらはサディアス視点もあるのでハラハラするというよりは焦ったさが勝ると思います。

そして書き下ろしの「王は癒しの寵妃を溺愛する」は、エーリスが王城内のサディアスの部屋で一緒に暮らすようになって10日経ってからのお話でした。
サディアスがエーリスを生涯唯一の伴侶として、王妃と同じ位の寵妃の地位を与えたいと言い出した事によって起こる事件について書いてありました。

年寄りの大貴族や老侍従長を納得させる為にエーリスの人柄を知ってもらおうと、サディアスの側近のブロウの提案で天文府で働き始めるのです。

働き者で謙虚で優しいエーリスは直ぐに人々の心を掴んで反対してた貴族たちを納得させたばかりでなく、エーリスと接した事がある全ての人々を魅了していました。

そんな時にエーリスが王妃の部屋を与えられた事がキッカケに、今まで小さな嫌がらせ程度だったものが流石のサディアスでも見過ごせないものになって行くのでした。

嫌がらせを受けても挫けないエーリスの考え方が凄く素敵なんです。そして魔眼と王という絶対的な権力を持ちながらも相手に激昂する事なく、丁寧に話し合いの場を持とうとするサディアスが王として素晴らしかったです。

それもこれも絶対的な忠臣であるブロウの存在と、サディアスに癒しを与えて愛情を傾けてくれるエーリスの存在があっての事なんですよね。魔眼を持ってるからこそ王でも人としての幸せを求めるサディアスの願いに納得でした。

サディアスがエーリスに初めて会った時は27歳と14歳なんですよ。それからエーリスが17歳になって成人するまでずっと待っていたサディアスの執念を楽しむ作品となっています。
なのでキスも何もかもが初めてのエーリスを抱き潰す勢いなので、いつもよりエチシーンが多めだと思います。www

5

疲れた心に溺愛が沁みる……!

お互いの事が大好きな2人の溢れ出る愛情に溺れる、正に〝溺愛〟BLでした♡
しっとり切ない系のお話かと思いきや、まさか【受の事を好きすぎる余り変態になるスパダリ攻】を堪能できるとは……!

やっぱり、疲れた心に〝溺愛〟は最強の癒しですね。
2人とも出会った時から相思相愛で、お互いへの「大好き♡」が溢れているので、安心して見守る事ができました!

特に攻めのサディアスは、常にエーリスを「可愛い」と愛でまくり。
〝人の本音が見える魔眼〟を持つサディアスですが、この魔眼でサディアスを見たら脳内エーリスで一杯なんだろうな…(しかもピンクな)
普段は冷静で頭のキれる賢王なのに、エーリスの事となると変態になる〝残念なスパダリ〟感が堪りません!

初エッチで挿入前にイッてしまい「伽の相手すら務まらないなんて…」と泣くエーリスに、イク瞬間のエーリスの美しさを陶然と語るサディアス様。
仕舞いには「その瞬間を絵画に閉じ込めておきたい…(中略)瞳に映る光景を克明に記憶できる能力があれば良かったのに…ッ」と嘆き、純粋でサディアス大好きなエーリスですら「ちょっと何言ってるか分からない」と若干引いてる姿に笑いましたw
ハァッハァッしながら一息で言ってますね、コレは(確信)

また、濡れ場では割と強引で純粋無垢なエーリスの身体をどんどん開発していく様子に拍手が止まりません!
何気にイラマチオとか教え込んでるし、結腸責めでは余りの快感に混乱して「たすけてぇ…」と泣くエーリスを「あぁ、可愛い」と言いながら、容赦なくズンズン責めるドSな一面も垣間見せてくれました(◜ω◝)

…と言う訳で、ことエーリスに関しては変態みが増す〝残念なスパダリ〟ですが、その分「エーリス大好き♡」オーラがダダ漏れで安心感が半端ないです。

焦れったいハラハラ感はありませんが、愛情溢れるバカップルな2人を終始ニヤニヤ・キュンキュンと楽しめる一冊でした!
疲れ果てて心身共に「糖分しか摂りたくないッ!」と言う方に是非◎

2

安定の名倉ワールド!文句なし!

名倉先生の異世界ものはスッと入ってきて楽しく読めるので大好きです。異世界ものってキャラが多かったり設定や名前が複雑だったりでムムム、、、ってなることが多いけどそうならないのはやっぱり名倉先生の手腕でしょうね。

受けのエーリスは可哀想な場面もたまにあるけど王様のサディアスがしっかり守ってくれて溺愛してくれてるので何の問題もなく安心して読めます。
可愛い可愛いエーリスがいじめられようものならサディアスは黙っちゃいないでしょうよ!それにサディアスがちゃんと理性的で会話も出来て王様としてしっかりしているからそこもすごく気持ちが良い。半端な男はダメですからね!

安定の名倉ワールド、年の差溺愛イチャラブ今回も堪能させて頂きました!!!!

1

安定の溺愛攻め様を堪能❤︎

面白かった〜!
名倉先生ならではの軽快なテンポで進む、ファンタジー。
本当に先生の作品は、疲れた時に効きます。。心身に沁み入る溺愛を堪能させていただきました(●´ω`●)

美しいオッドアイを持つ年上青年王サディアス × 17歳の魔女の弟子、エーリス。
魔女と王との密約により、魔力で見ることのできる占い結果などを提供することと引き換えに、代々王家から援助を受けていた、マグボンラオール村。
一年半前に村最後の魔女ジラが亡くなるのですが、王家からの援助が打ち切られては困る、と、村は王家に魔女の死を知らせませんでした。
ところがある日王家からジラへ式典の招待状が届き、困った村人たちは魔女の弟子だったエーリスを魔女に仕立て、王都へと向かわせます。
正体がバレたら厳罰に処されることを覚悟して王都へと向かったエーリスですが、サディアスは彼の変装にすぐに気付いてー!?

と進むお話です。

個人的に、名倉先生の作品の「受けへの気持ちが強すぎてちょっと様子がおかしくなる攻め」が大好きなのですが。
こちらの作品、攻めの青年王サディアスが途中まで至って好青年というか、良い感じの爽やかな溺愛攻めだなあ〜なんて思っていたら、初めてエーリス(受)をイかせた後の感想にもう、笑っちゃいましたよ!(*´艸`)

夜伽を命ぜられたのに、サディアスに奉仕させるばかりで何もできなかった…と落ち込み涙するエーリス。
そんな彼に対して「震えながら達したときの美しさといったら、この一瞬を絵画に閉じ込めておきたいほどで…(中略)自分に絵心があればよかったのだが、閨事の場に絵師を招くわけにもいかないから困ったものだ。一場面一場面、頭の中に大切にとっておき、いつでも取り出せれば…」云々。

エーリスの言う通り、”ちょっと何を言っているのかわからない”ꉂ(ノ∀≦。)
名倉先生節、やっぱり健在、でした。
「長年の片恋が実ったのだ」と言って浮かれるサディアスですが、エーリスの方こそ初めて会った14歳の時に一目惚れのように恋に落ちてから3年間、ずっとサディアスのことを忘れられずにいたのですから、片恋とは言えないよね〜、とニヤニヤ(°∀° )

お話的には、かなり序盤でエーリスの変装は見抜かれ、二人は両思いとなります。
それからはエーリスを愛妾とし、王妃に準じる扱いをさせようと王宮内の政治調整に奔走するサディアス、そして身分が確定するまで天文府という場所で働くことになったエーリスに降りかかる嫌がらせ等々のエピソードになります。

天文府でエーリスがトラブルに巻き込まれた際、駆けつけたサディアスの登場の仕方がもう、溺愛しすぎてちょっと暴走しちゃってる攻め様そのもの( ̄▽ ̄)
ちょっと笑っちゃうけどドラマチックでかっこ良くて、エーリスを心配する気持ちと愛が溢れちゃってるのが分かり、萌えに萌えました✨
愛に溢れて行動力があってかっこ良いオッドアイの青年王攻め…最高だわ。。

週の始まりからちょっとストレスの溜まっていた心の調子をググッと上げてくれる⤴︎、最高のファンタジーでした◎

1

血を残さないといけない王族は大変



魔眼で疲れた王様と純粋無垢な魔女の弟子

最後の魔女ジラが死んで1年半。
王と魔女の約定により村に援助を受けていた魔女の村は、援助を打ち切られることを恐れ魔女の死を隠しています。
そんな中、新王の就任2周年記念式典の招待状がジラ宛に届いてしまいます。
罰を恐れた村長以下年寄りたちは反対する副村長たち若者たちを退け、魔女の弟子エーリス(受け)に魔女のふりをして出席するように強制するのです。エーリスはバレた場合に逃げる時間を稼ぐための魔法の小鳥を用意して、お咎めを1人で受けることを覚悟して王都へ向かいます。
が、国王側は国中に密偵を放っており、ジラの死は既に知っていたのです。
エーリス1人を生贄にしようとしたことを怒りを覚える国王サディアス(攻め)は心置きなくエーリスを手元に置くことができるとほくそ笑むのです。

表題作と「王は癒しの寵妃を溺愛する」の二篇

両視点で進むので、お互いの状況がよくわかります。



エーリスは捨て子でジラに育てられました。
魔女とは魔女の血を引く女がなるのですが、血が薄くなりすぎて適性のあるものが少なくなり、修行をする人もいなくなったので、ジラの死と共に絶滅します。魔女の弟子とはいえ男であるエーリスはかろうじてほんの少しの魔法が使えるのみです。
村で育ててもらった恩があるため、村長の頼みを断ることができずジラのふりをすることを承諾するのです。2度とジラの墓参りができないだろうと覚悟を決めて。


サディアスとエーリスは先王の友人であったジラが先王の見舞いに王都に行った時の従者としてエーリスが付き従った時に出会いました。
魔眼により人の心のおおよそが、読めてしまうサディアスは純真無垢なエーリスを気に入りますが、まだエーリスか成人前だったこともあり、成人したら側におこうと思っていたのですがその前にジラが死にます。ジラからも承諾を貰っていたので今回の式典で呼び寄せこちらに止めようとするのです。



表題作の方は2人の出会いの回想と両思いになるまでを(元々両思いですが)、書き下ろしの方はその後の王宮でエーリスを認めさせるまでのゴタゴタについてです。
表題作は両思いだったしサラッと終わるのですが、書き下ろしの方がこのお話のメインと思います。
サディアスサイドは、突然王妃扱いの愛妾を迎えて子供も作らないし他の女性もいらないと宣言したサディアスに反対する大臣たちとの攻防を。
エーリスサイドは嫌がらせが始まり、それを気にしながらもサディアスの溺れるほどの愛を受け、仕事を斡旋してもらいその中で人柄の良さを知らず周りに喧伝していく様を。

そして辛抱強く交渉して結果大臣たちが折れていってくれるのです。

王冠を被った種馬という表現には笑ってしまいます。
後宮とは高貴な花街だという人もいますしね。
血を残すことが大事と思いすぎて、王が自分たちと同じ人間だと思ってない周りの人たちの気持ちもわからないでもないです。
とはいえ、最後まで反対していたのが侍従長だったことに驚きました。1番王のそばにいる人なのに王のことを考えてなかったことを残念に思いました。
権力を少しでも握りたい大臣たちが粘るのかと思いきや、それほど性格悪い人たちがいなかったのでしょうね。
侍従長は自分の理想を他人に押し付けすぎてやり過ぎてしまった。
これが成功していたとしたらゾッとします。
未然に防げてよかった。
昔から仕えてくれている人を切らなければならなかったサディアスが気の毒でした。
今回のことで人事の膿も出したし、エーリスに癒されてサディアスはいっそう政務に励み国が発展していくことでしょう。


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