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表題作中野家のはなし

サトル
兄,大学生
シューヘイ
高校生

同時収録作品中野家のはなし

井萩 右京
兄の友人
シューヘイ
高校生

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

中野シューヘイは少しやんちゃなところもあるが、いたって普通の男子高校生。ただ一つ、5つ年上の兄・サトルに恋心を抱いている以外は。 普通のどこにでもいる兄弟という関係に、段々と欲が出てきてしまう。どこにも吐き出せない気持ちを抱えたシューヘイは、隣で無防備に眠るサトルに「家族」の一線を超えた行動をしてしまいーー?

作品情報

作品名
中野家のはなし
著者
会川フゥ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ジーオーティー
レーベル
picn comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784823604096
4.1

(40)

(17)

萌々

(16)

(4)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
164
評価数
40
平均
4.1 / 5
神率
42.5%

レビュー投稿数9

清々しいまでのメリバ作品

作者様買いです。
全体的に静かで淡々とした調子の物語だったのがメリバの雰囲気を引き立たせていてとても好きな作品でした。

兄のサトルがずっと好きだったシューヘイ。それをひた隠しにしたまま周囲に公認されるほど仲の良い兄弟を演じていた一方で、誰にも、もちろんサトルにもバレないようにこっそりキスをしたりする日々。
そんな中サトルに好きな子ができ、彼女ができそうになったことを皮切りに平凡な日常が崩れ出します。

全体を通してシューヘイの自分勝手さが印象的でした。間違いなく切なく辛い恋をしているのだろうけど、親へもわがままを通し心配をかけ、最終的には兄のこともレイプしてしまう、自分の思いが通じないことへの苛立ちや悲しみの行き場を人にぶつけてしまう幼さがかなり目につき、悲しい恋をしていることに対して同情的になりきれません。

でもだからこそ、そんな弟を見捨てることができず最終的に弟を選んだサトルとのこの結末がまさにメリバという感じですごく好みでした。ガーっとした盛り上がりも、最終的に本当に今後もこの2人が幸せになれるのかも、なんならシューヘイですら幸せになれるかもわからないこの不確かさな結末、好みが分かれるかもしれませんが、メリバが好きな方には一度は読んでほしい作品だと思います。

3

読者次第のエンディング

とある先生のツイを読んで、気になって購入ました。
レビューには「メリバ」と描かれているので覚悟を持って読んでみましたが、思いのほか辛い終わり方ではありませんでした。
ただ、主人公のシューヘイにとっては我が儘な兄弟同士の恋愛が叶った結果になりましたが、自分自身それが誰にも祝福されない・誰にも言えない、未来がない関係だと分かっています。シューヘイにとっては望んだ兄サトルとの恋人のような関係ですが、弟を大切に思っているサトルにとっての幸せかどうかは誰にもわかりません。
サトルもシューヘイも互いを、そして家族を大切に思っているから拒絶できない・離れられないのかもしれません。恋愛なのか家族愛なのか、タイトルの「中野家のはなし」が響いてきます。

サトルが最後にシューヘイに手を伸ばすことを決めてから、ふたりの無邪気な笑顔はありません。淡々と日々過ごしていくように描かれています。
名前がカタカナであることもなんだか記号のようで、なにか感情を抑えているふたりを象徴しているようにも感じました。

最後にスパっと切られたような決断だったので後に引きます。
ある意味、読者に委ねる終わり方でした。
続きを読みたい気もしますが、ここで終わった方がいいんだろうと思いました。この終わり方ならまだある意味「ハピエン」のままでいられるからです。だから「メリバ」なのかもしれませんね。わたしにはふたりの続きには破局しか感じられませんでした。
きっと読者次第でふたりの物語は続いていくんだと思います。
余韻が残る、考えさせられる終わり方でした。

2

優しい兄が好き、だけど…

comic picn vol.26から連載配信、完結待ちしていたのですが表紙が珍しく暗めです。内容的にもシリアスな方の会川先生で、切なさも堪能できてすごくよかったです。やっぱステキだよ、会川先生…。

先生のギャーギャー騒いでる主人公も大好きなんですが、本作のシューヘイは人に言えない秘密を抱えている子で、良識があって、なんとか自分を抑えようとしているところにまずホッとしました。もしそうじゃなければこんなに切ない気持ちになれなかったと思います。

今回はガチ兄弟のお話なのですが、設定的に萌えたいポイント「切なさ」を増幅させてくれるのはやはり、サトルの怖いほどの優しさではないでしょうか。…とはいえこの終わり方、ハッピーなようでまったく悲壮感が拭えないところがとてつもなく素晴らしいと思うんです。二人がそれからずっとラブラブしている様子がわたしには想像できなくて…

その後の二人がどうなったのか個人的には作者様の妄想がすごく、すごーく読みたくてたまらないのですが、、それぞれの、特にサトルの真意が知りたいのです。サトルはどこまでも弟思いの兄としてしかふるまえないのではないか、と感じられてしまって…。サトルのその優しさが怖すぎます。果たして二人はこのまま共犯者となっていくのでしょうか?続編を、ぜひ続編を!期待してしまいます!!

例によって、ところどころ挟まれるギャグマンガ的な絵が好きです。で、レアなイケメン顔が出現すると、キャラがめちゃめちゃカッコよく見える。先生の作品、いっぱい読みたいんですよね〜(泣)!

8

じっくり読ませる兄弟もの

じっくり読ませて、考えさせられる兄弟ものでした。弟の気持ちが切なすぎて、なんだかラストはモヤるんですけど、このすっきりしないラストが最高に上手いと思うんです。

仲良し兄弟なんで日常がすでにイチャコラ…。家族間で気持ちの密度がバグるって、本当は割と自然なものなんじゃないのかなとか考えてしまいました。神話や古典には近親相姦ってあるあるなネタだったりするし、現代社会では不毛で背徳的な行為に見えるけど、そもそも恋愛って生産性が必要なものではないし、むしろ高純度なのでは!?苦しい弟くんの胸の内はどシリアスなんですが、友人関係や日常のわちゃっとした感じが丁寧に描かれていて、切ない気持ちばっかりになりすぎず読み易いと思います。

兄の友人(ゲイ)との交流は弟くんにとって、一時の避難場所であるとともに救済のようにも見えたんですよね。あ~、お兄さんじゃなければ、どこかで芽が出ることがありそうなのにね、っていう残念感が強まりました。

ずっと弟視点で兄の気持ちがわからないので、あれこれ考えをめぐらせてしまい…。優しい兄だからこそ、弟の気持ちを知ってからの彼の行為に疑問が生まれるってゆー巧妙な演出!これでいいのか?これが幸せなのかしら~?ってぐるぐるせずにはいられない、、なんともいえない余韻が残りました。

3

最後を色々考えさせられました

ガチ兄弟というジャンルを、気にはなるけど今までは避けてきました。
会川フゥ先生のガチ兄弟ものなら読んでみたい!と思い、初ガチ兄弟ものを読んでみました。

弟のシューヘイは、優しくて仲の良い兄のサトルに恋をしています。
シューヘイはその恋心がいけない事だとわかっていて、徐々にその思いを抱えきれなくなっていきます。

弟シューヘイの視点でのお話なので、気持ちを全て言語化しているわけではありませんが、環境や自分自身に耐えられなくなってきているのが伝わり、切なくなりました。




※※以下ネタバレになるかもしれないのでお気をつけ下さい。※※




ガチ兄弟ものを読んだのが初めてなので、こういうラストになるのはよくある事なのか全然わかりません。
救いがないのか救いなのか…。
やっぱり近親相姦だし、倫理的な面もあるから、ラブラブハッピーにはなり得ないのだろうな。
どうしてもバドエンやメリバになってしまうし、逆にラブラブハッピーエンドでは違和感が出てしまうのだろうなとは思います。
 
だけど、周りの友人達も良い距離感で接してくれる良い人だし、ちゃんと心配してくれる親だし。
あぁ、あの時離れていれば、いつかは新しいもう一歩を踏み出せたのかな。
と思わずにはいられませんでした。
読んだ後に兄弟の未来を色々考えてしまうっていう事は、あのラストで良かったのかな、とも思います。

ガチ兄弟ものを読むのが初めてでしたが、思っていたより抵抗なく読めました。
倫理的や現実的な視点を持ちながら読むとちょっと…かもしれないですが、フィクションの作品として楽しむ事ができました。
シリアスで全然ふざけた感じやコミカルさはないですが、会川フゥ先生の作られる全体の雰囲気が、重い雰囲気にならずに読めました。
初めて読んだのが会川フゥ先生の作品で良かったな、と思いました。

2

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