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作家買い。
めちゃくちゃ好き!
海が見えるボロアパートを舞台にした、優しくあたたかいお話。
大家のみくると新入居者の青葉。二人を中心に、みくるの祖母や他の入居者たちとの関係が繊細に描かれる。
恋に落ちる過程や展開は少々性急。
ただ、不器用だけど頑張り屋なみくるが可愛い。
世間知らずで空回ってしまうこともあるけれど、それすら愛おしいと思える。
不安定なみくるに寄り添い、優しく背中を押してくれる青葉もまた素敵だ。みくるを決して傷付けない言葉選びもいい。
みくるの思い、そんな彼を心配するおばあちゃんの思い、青葉の思い、住人たちの思いが浮き彫りになり絡み合っていく。
そして、みんなでみくるを守っていたのだと分かってうるっときます。
エロなしですが、むしろ不要。あったら雰囲気が壊れると思う。
恋愛描写は薄いものの、満足感のある作品。
独特のキャラと世界観に没入出来れば大切な一冊になるかも。
入居者のゲイカップルも素敵で、彼らのその後も気になります。
アパートの大家である、純粋で不器用な大家さんとお人よしでカッコいい住人のお話。
BLを全面に押し出すというより、人間模様が繊細に描かれている印象を受けました。登場人物の背景を綺麗に映し出していて、キャラクター1人ひとりに愛着を持つことが出来ます。
終盤うるっとしてしまうような場面もあり。
風景の描写が素晴らしく、この海沿いのアパートがある町に没入できる感覚。
大家さんである松之くんのピュアさと形成された鈍感さに対し、青葉くんは真摯に向き合います。
馬鹿にせず真剣に向き合おうとする青葉くんはめちゃくちゃイケメンです。
松之くんも自分に生まれた感情を一生懸命受け止めようとしていて、この過程がものすごく萌えます。
死ぬほどBLを読み、特にドエロや闇深を読み込んで飽和してきた方へ、ふとした時にこれを読んでそのギャップに萌えてほしい。
なんか忘れていた感情を呼び起こされるような、遠吠えしたくなるような感情に襲われます。
エロなし、だがそれでいい、それがいい。
この街に行って、このアパートに住んで2人の過程を見守りたい。
出来るなら、もっとゆっくり2人が心寄せる過程を描いてほしいくらい。話数的に厳しかったのだと思いますが、数巻に渡って描いてほしいと思う繊細で素敵な物語でした。
飽和したBL作品の中に、一つ淡く心温まる潤いを。
素敵なお話です、気になっている方は是非読んでほしいと思いました。
単行本と話売りもある作品。
きはら先生が書くキャラはとても可愛いのに、何故か哀愁を帯びている。
海が見える家に住みたい青葉、28才。
不動産屋に紹介された「新築物件」は、内見に行くととてもボロかった。
住民は、ゲイカップルばかり。
大家は、73分けに厚底眼鏡。
「物件情報と異なる」と断る青葉を引き留める大家。
青葉が折れて、入居すると告げると、泣き出す大家、
眼鏡を外したら、大家はとても若くて可愛らしかった。
・・と、出だしから不思議な人情もの。大家のみくるさんが、魅力的でした。
みくるちゃん、可愛らしい良い子。
子供の頃に事故で両親を亡くし、祖父母に育てられて。
2人に心配をかけないように、頑張って笑って。
不器用だけど優しくて、一生懸命で。
青葉と出会うまでずっと不安だったんだろうな。
誰にも、頼ることが出来なくて、きっと必死で
慣れないアパート経営もしていたんだろうな。
他の住人たちも皆優しくて、みくるちゃんを見守っていて。
青葉がみくるちゃんに一目惚れした時は、こんな軽いやつに、うちのみくるはやれん!
と思ったけど、青葉、思ったより、すごく良いやつで安心した。
みくるちゃん、これからは青葉とおばあちゃんと住人たちと楽しくしてね。
表紙買いでした。
きはら記子先生の作品は今作がはじめてです。独特な世界観を描かれている先生だと感じました。
海のそばにあるレトロな築68年での部屋はリフォーム済みのアパートという名の下宿。
ゲイの集まるゲイアパートに、不動産屋に騙されてやってきた青葉。いきなり住民のキスシーンに玄関で出会います。牛乳瓶メガネに七三分けでレトロな装いの大家さんの松之みくるに一生懸命に引き留められます。その後、偶然見たみくるの素顔と泣き顔に一目惚れし、いきなり「付き合いませんか?」と告白する青葉。
どこかおかしなふたりとアパートの住民たち。でもみんな優しくて、クスクスと笑わしてくれます。それぞれ夢に向かっていたり、葛藤を抱えていたり、愛すべき人たち。みんなみくるを見守っていました。
みくるがだんだん表情豊かになって可愛くなって、殻を割って成長していきます。ここぞというところで、みくるの瞳がとてもキレイで印象的に描かれています。
また、青葉のさりげない言葉や優しさがとてもよくて、ふたりのほのぼのとした関係を読んでいて心地よかったです。
恋が分からないみくると手を出さない様に我慢する青葉、どちらもホントかわいかったです。
ハラハラドキドキする展開は特になくても、日常の中でふたりの関係や気持ちが移り変わっていく様子が丁寧に描かれていました。
エッチなシーンはまったくないです。
軽いキスを一瞬するだけです。そんな初心なみくる相手にこれから青葉はどうするのかな?と読んだ後に妄想が膨らむ、そんなお話でした。