少しずつ君が染みてくる

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表題作あめとつち

成田 木綿(ゆう)
雨漏り修理に来た青年、塗装屋
霧島 直
陶芸家

その他の収録作品

  • 描き下ろし これから
  • あとがき
  • カバー下イラスト

あらすじ

陶芸家の霧島直は、伯父が遺した小さな家に住んでいる。
ある日、成田木綿という青年が雨漏りの修理にやってきた。
生前の伯父に修理を依頼されたという彼は、雨漏りを直したあとも、
人里離れて暮らす霧島を気にかけてくれた。
成田が連れてきた犬・ろくろと暮らし始めた頃、
霧島は、“正しい道”を歩ませようとする母から
実家に戻るよう説得される。
自分の生活を咎められ落ち込む霧島に、
「あんたは悪くない」とキスをする成田。
いつもそばにいて、自分を受け入れてくれる彼の存在は、
霧島の日常になっていく。
けれどやがて、成田への感情が恋だと思い知って──

大事だからこそ踏み込めない
ささやかであたたかい、愛のお話。

作品情報

作品名
あめとつち
著者
庭田羊々 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics CRAFTシリーズ
発売日
電子発売日
ISBN
9784813034681
4.7

(85)

(67)

萌々

(16)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
14
得点
399
評価数
85
平均
4.7 / 5
神率
78.8%

レビュー投稿数14

心にじんわり染み込むような優しいラブストーリー 素敵なデビュー作でした

デビューコミックスおめでとうございます♪
表紙に一目惚れして試し読みしたら、優しい絵柄とほのぼのした雰囲気に心惹かれたので読んでみました。
帯の推薦文とイラストは中村明日美子先生なんですね、電子には付いてなくて残念!
全217ページ。以下ネタバレあります。

まずは表紙が本当に素敵です!まるで絵本の表紙のようでとっても可愛らしいです♡黄色一色というのもお洒落だなぁ。

続いて読み始めてみると…作画が良い感じに力が抜けているというか…ほのぼの優しい雰囲気がまたすごく良い!好きです。
キャラデザのふわっとした感じも好みです。
表紙にもいるワンコ(犬)も可愛い!黒目で目つきがちょっと悪いところがたまらないっ♡

亡くなった伯父の家に越してきた陶芸家の直が、伯父の若い知人の木綿(ゆう)と出会い交流を深めていくお話。
(二人の年齢は出てきませんが、多分木綿の方が年下かな?)

木綿は最初は素っ気ない感じだったけど、ちょくちょく直の家に来て交流するように。
木綿が連れてきた犬の「ろくろ」を直が飼うことになり、一緒に散歩にも行くように。

二人(と一匹)が、ゆっくりとした日々を過ごしながら、お互い密かに惹かれあっていく様子に、読みながらほっこりほのぼのとした気持ちになります。うん、とっても好きな読み心地です。

そういえば本作は、二人の出会う一章めが「はじまり」というタイトルで、二章が「第1話」なんですね、「はじまり」はプロローグってことかな。ここで木綿が元気のない様子の直に、突然キスするので、ちょっとびっくりしましたw

2話は攻め視点。
木綿の方もかなり直を意識してたんだなぁ。
職場の先輩達に恋(?)の相談をするシーン、木綿がワタワタしてるのがとっても可愛いですw

その後、ある出来事を直が誤解して、木綿の前から逃げるように立ち去るんだけど…
木綿が酔っ払ってるのに、二人で作った「ろくろ」をギュッと握って追いかけるのは、ちょっと男気を感じてキュンとしました。

ちょっとギクシャクしてしまったけど、ある小さな事件が起きて、木綿を頼る直。木綿に心を支えてもらった直は、とうとう意を決して木綿に気持ちを伝える。
このシーンの直の真っ直ぐな言葉が、とても素敵でした。
対照的に木綿の伝えた言葉は、ストレートではないんだけど気持ちがこもっていて、直にもちゃんと伝わってよかった。
気持ちが通じ合えたのも、ある意味ろくろのお陰だね。

ネタバレはこの辺にして。
両想いとなった後も、優しい雰囲気で進んでいくストーリーに心癒される気持ちになりました。
直の「不束者ですがっ」のところはちょっと笑っちゃった、可愛い。
ラストは朝チュンですが、体も結ばれて幸せそうな二人を見ることができて嬉しかったです♡
これからも二人と一匹で、優しい日々を過ごしていくんだろうなぁと、ほんわかした読後感でした。

また一人素敵な作家様に出会えて嬉しい気持ちです。今後の作品も楽しみにしています^^

修正箇所なし

7

言葉を紡いで話を生みだすのが巧すぎて…冒頭の10Pで魅了され〝なんか いい”と読後にふふ☺︎となる

正直に言います…冒頭でわざわざ言わなくてもいいかも知れないけれど、、、でも!私のような読者がもしかしたら、、、居なくもない⁈かも知れない、、、??ので、、、言います

私…新刊チェック時には表紙の作画でスルー…してました。。。
そして、、、この判断を大きく悔やむ事になりました…。゚(゚´Д`゚)゚。
ので、、、!!!
是非、作画のテイストで一旦保留をされた方がもしも居ましたら、、、
とにかく先ずは<試し読みをして見て下さい>!!!

試し読みでの導入部分で配された言葉のリズムの心地良さ、選ばれた言葉のハマり具合、更に挿絵のように言葉に添えられた作画?作画に添えられた言葉?、、、そのどれもがピタっとしっくり来ていてスッと一瞬で作品の世界に入り込みます(ღ˘͈︶˘͈ღ)
まるで絵本を読んでるような、声に出して読んでみたくなる滑り出しです

いやぁ~。。。これでデビュー作とは、、、
いやはや、、、参りました…‼でゴザイマス(@_@;)

淡々と、たんたんと…日常を描きながら進みます♪
取り立てて大仰な事をクローズアップするような手法ではありません

でも、静かな湖の水面に1滴雫が落ちて、湖面に水紋が描かれていくように…作品の輪郭と本質が読み手の中にじんわりじんわり広がっていきます

作中で窓辺に並んで座る2人を見た女性が
「なんか いいわね あなたたち」
と声を掛ける1コマがあります

この言葉が本当に似合うんです
ーーなんか いいーー
すごく、そう思う(´ ˘ `*)

センスのいい言い回しやインテリジェンスを感じる小難しい言葉が並んでる訳でもなく、本当に必要な選び抜かれた言葉が並ぶ事で唯一無二の空気を生み出して、、、
うん(ღ˘͈︶˘͈ღ)なんか、いい…!
って思わせてくれて自然と”ふふ”っと笑顔になれる1冊でした✿

雨上がりの空気をすぅ~っと吸った時に感じるペトリコール(←雨の後に土っぽさを感じる匂いの事です)を想起させるような作品✧
きっと折に触れふふっとふと、思い出す1冊になると思います

あとがきを拝読し、先生が描かれたいとした世界がしっかり読者に届いていたと実感し、本当に表現者としての巧さを感じました
さらに、、、
帯を敬愛して止まぬ明日美子先生がお寄せになってると知り、、、
是非帯を拝見したい!と思いました(近日中に本屋さんに足を延ばしてみたいと思います!在庫、あるかしら…?ちるちるさん、、、書影に是非帯付き画像をお願いします…‼)

少し仄かに覆う切なささえも潤いに、、、
とても自然で、心地の良いリズムが響く1冊でした(ღˇ◡ˇ*)

読後に改めて見ると、、、
この温かな表紙がめちゃくちゃ〝いい〟!!
ほんと、、、審美眼の無い野郎ですょ…ワタシは。。。( ̄▽ ̄;)反省しますッ‼

次回作を期待したくなる先生のデビュー作!
本当に素晴らしかったと思います.。:*✲


修正|描写としてはキスのみ(•ө•)♡で不要な朝チュンスタイルなのでエロ度は”なし”と言うより少な目かな…?

7

じんわりしみる、ストーリー

表紙に一目惚れ。お話も素敵でした。表紙裏もオシャレです、帯は中村明日美子先生……!デビュー作とのこと、おめでとうございます。
静かな情景の中に、多くを語られない感情がぎゅっと詰まっていて、それをこの美しい線画で味わえるのがとても贅沢でした。
最近読んだ作品で「お花を習ってみたいな」と思ったばかりなのですが、
こちらを読んだ後は陶芸を習ってみたくなるという……作品の影響を受けやすい私。
以下ネタバレを含みます。


亡くなった陶芸家の伯父の家に越してきた直。
そこに成田が現れ、ワンコの「ろくろ」を連れてきて、新しい生活が始まる。
成田が押しつけがましさのない距離感で直に近づいていく過程がとてもいい。
少しの強引さと優しさ、その絶妙なバランス。心細い新参者にとって、きっとありがたい存在だろうと思う。
台詞だけのコマでも、どちらが話しているのか自然とわかる構成のうまさ。
やさしい作画とあたたかな台詞がよくマッチしていて、丁寧で美しい作品だと感じました。

伯父を接点に繋がる二人ですが、
その伯父に影響を受けていながらも、恋愛関係ではなかったことにほっとしたりもして。
母に止められつつも自分のやりたいことを選んでいく直、寄り添う成田、そしてそのことをわかっていたであろう伯父。
新天地でやわらかくほどけていく展開が素敵です。
直の気持ちが新しい作品に表れていく様子も良い。
これからどんどん作品がよくなっていく予感もあって、未来を想像させてくれます。

恋愛の流れは、最初は成田が手練れなのかと思わせて、実はそうでもなく。
直も無表情に見えて、しっかりドキドキしているところがとても萌えました。

登場人物も皆それぞれいきていて、そして何より、「ろくろ」がとにかく可愛くて仕方なかったです。ワンコはかすがい……。

タイトルの「あめとつち」は、
「雨降って地固まる」「自然の恵み」「陶芸の土」など、いろいろな意味が込められているのかなと想像しました。
好きなことを「好き」と言うことは、大人になると意外と難しい。
だからこそ大事にしたいのだと気づかされる作品でした。
素敵なお話ありがとうございました。今後の作品も追いかけます!

6

ジーンとウルウルきた

イラスト風のタッチで文字数も少なく描き込みも少ないんですが、この余白部分がよい。
今読み終わってすぐなのですが、余韻があります。

あとがきに「言葉にならないまま、じわじわと相手の存在がお互いの生活や心に染み込んでいくような関係性を描きたくて」とおっしゃられていましたが、正に!でした。

中村明日美子先生が推薦帯を書かれているの、とてもわかる作風。

亡くなった陶芸家の伯父さんの家に移り住む事にした直は伯父さんの影響を受けて自身も陶芸家。
田舎の古い家の為、雨漏りする家屋でどうしようか困ってたら呼んでないのに雨漏り修理にやってきた男性が。生前の伯父に頼まれてたからと修理をしてくれて…。

タイトルのあめとつちって、雨の日の出逢いと陶芸家を目指すキッカケになった伯父(粘土いじり)への憧れと新天地に移住するの(土地)からきてるって想像は強引ですか?

一見正反対な2人なのですが、違うところに惹かれ合うような雰囲気の2人。穏やかで優しい空気感でそこにワンコのろくろが加わってとても心地良さそうです。一緒にいるのが自然体ででも、お互いの気持ちの確認してないから2人とも片想いでモヤモヤしてて。
やっぱり、違う作品でもキャラが言ってたけど話し合わなきゃダメ、仲が拗れちゃう。
結局お互いの気持ち伝え合ったら両片思いなんだもん。
まぁ、大体の物語ってそうよ。現実は違う場合もあるけどね。それでも勘違いしたまま長い期間過ごすよりもハッキリさせた方がずっといいよ。ハッキリさせずずるずるしたい場合は言わなきゃいい。

とても心に残るセリフがありました。
伯父さんが生きてる時に会いにきてもっと話せば良かったって言う直に対して
「だれだってそうなんじゃないっすか?
 いなくなったときのことなんて
 いるときにはわかんないもんだよ」
って成田くんがいうのですが、本当そうよな。
いつでも逢えると思ってんだもん。
そんなに永遠の別れが早いとは思ってないんだもんと自分の事を振り返って胸にグッときてしまいました。

この2人には静かに優しい時間を2人と1匹で過ごしてほしいなと思いました。

電書で読了。
究極の朝チュンでポジションすらハッキリとはわかりませんが、多分、成田×直かなー?

5

No Title

 まず、絵に引き込まれました。ぐりとぐらの世界がシックに大人になったような。ほかでは見ることのできない、柔らかくてさり気ない、優しい絵。シンプルな絵なんだけれど、繊細。全然上手く表現できないんですけど、心地よい、唯一無二の世界。
 そして、背景にたゆたう雲のような、ゆったりと温かい物語。劇的な展開や事件がある訳ではなく、甘い言葉を囁くでもなく、徐々に無理なく自然に進む物語。帯にあった「少しずつ君が染みてくる」っていうのが本当にしっくりきました。タイトルから、降ってきた雨が土に染み込んで、植物を育てていくように、二人の関係が進んでいくんだなあと思いました。
 最後の描き下ろし、特に好きです。煙草の煙がゆるゆると漂う穏やかな月夜。寒くもなく暑くもなく、適度な湿度を感じます。これからの二人の、明るい未来を暗示するような月明かりの場面、ほんとにほんとに好きです。
 庭田羊々先生、次の作品も楽しみに待ちます、ありがとうございます。

4

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