ボタンを押すと即立ち読みできます!
たっくさんの種類の獣人が仲良く暮らす、不思議な世界のお話。どういう仕組みでこんなに様々な動物たちの獣人が?と疑問だが、特に説明はないので個性みたいな扱いなのかも。絵で見るとさらに楽しめそうなファンタジー。
リュカが何の獣人なのかは隠されていて、気になりながら読んでしまう。といっても結構早めにバレていた。カピバラってもう名前で勝利してる気がする、なんか可愛い。
黒狼王子のクライスは、リュカに変人と思われる変わったキャラ。いきなり追いかけて来た理由が、俺を振るなんて許せないとかなら休暇を取って補佐役なんてやらないだろうし、本当に純粋なリュカへの興味なんだろう。
リュカの最初のピンチは、片思いを拗らせたアイザックによりもたらされる。BLなので攻めが解決するが、クライスの人脈を使いつつ権力を振りかざさないやり方が良かった。
二人のもだもだからの収穫祭でのケンカは、急に意固地になったリュカにイライラ。好きだけど無理なら素直にそう言えば良いのに、好きじゃないとか年上だとか何言ってるんだろう。話を盛り上げるための無駄なすれ違い。
そして受けが攫われ、攻めが助けにくるベタ展開がさらっと過ぎ、その後の狼とカピバラ姿のキスシーンにめちゃくちゃ萌えた。獣同士のじゃれ合いのようなイチャつきシーンも好き。
そもそも最初のベッドシーンでリュカがカピバラになり、すぐに止めた意味が分からなかった。中身が本人同士なら、姿が変わってもそのまま続ければ良いのに。
ミヤサトさんは初読み、今風と意識高い系の中間のような印象。他の作品でここら辺が薄まってるならもっと読みたいけど、どっち方向にいってるのかな。
どうでもいいけど、多種類の獣人がいる場所で普通に肉を売ってて、誰かにとって共食いにならないのか気になった。獣人の肉食事情ってどうなってるんだろう?
超優秀な第7王子と小心者のカピバラ獣人
辺境伯の末子でカピバラ獣人のリュカ(受け)は同性と結婚する旨を発表した第7王子クライス(攻め)とのお見合いを打診されます。
立場上、王子としてしか見てもらえていないクライスを気の毒に思ったリュカはクライスの幸せを祈りますが、自身は王族の伴侶となる重荷に耐えられそうにないため、脱兎の如く逃げ帰ってきたのですが、リュカを気に入ったクライスは休暇をとって子爵令息としてリュカの補佐につくことになるのです。
リュカは猛禽類の兄姉たちと違い、小心者で戦いに向かないため、自分ができることとして文官の道に進んでいます。養子であることに加え自分だけカピバラで、家族には愛情いっぱい育ててられたけど、他の一族などに疎まれたため自己評価が低いです。それでも、時間をかけて自分のできることを見つけ、前だけを見て進んでいく強さも持ってます。
獣化のコントロールが苦手で驚いたり恐怖したり睡眠不足など油断するとカピバラになってしまうのも悩みの種です。
クライスは容姿端麗、頭脳明晰、数カ国語を操り他国の重鎮とも渡り合える大変優秀な王子です。同性を恋愛対象としており、男性と結婚することを公表しています。
今まで王子と婚姻し権力を握りたい異性愛者が同性愛者と偽るお見合いばかりしており、それも自分が王子であるからと諦観しながらも理解しています。
優秀すぎて、自身も含め人ができることを正確に把握できるためそれ以上を望まないけど、それを他者が思いつかないことはあまり理解してないので、黙って色々やってしまい、リュカとの齟齬ができることになります。
リュカ曰く、無自覚高慢自信家変人王子。
自身の理想では勇ましくだったり素早くだったりと宣言あるいは行動するリュカが、実際にはバダバタしながら頑張っているのが、クライスでなくても可愛いです。
領民にも愛されるってもんです。
10歳も年下でも優秀で歳の差を感じさせないクライスが時々年相応になるのもかわいらしく、リュカが抵抗できないのもわかるし、それを認識していて利用するクライスの強かさにも笑えます。
クライスがリュカへの恋を自覚し、「俺の初恋もらってください」という素直な言葉がまだ10代らしくてすごくいいです。
結局最初からリュカの好みど真ん中のクライスから逃げるなんてできないんですよね。
いちゃいちゃしながらも喧嘩をし、結局クライスの思う通りになってしまうという展開が何度もあって、このやりとりが楽しくてニヤニヤが止まりません。
すぐに獣化してしまうリュカの「あんまり追い詰めたらカピバラになるからな!」という開き直りの脅しがほんと可愛くて、実際いたそうとしたらカピバラになっちゃってたし、笑いがいっぱいです。
勇気を出して王に進言した時なんて、恐怖でカピバラに変化してしまいそうになりながら(実際腰の辺りは変化しかかっていた)がんばるのも微笑ましい。
今作での悪役アイザック。
事件は比較的最初の方から予想できたのですが、彼もとても気の毒な人で、父親があんなでなければきっとリュカのように進めたと思うのです。父親は没落でいいけど、アイザックはなんとかやり直しの機会を与えてあげてほしいな。
全体的にとても楽しかったです。
初読み作家さまでしたが、あらすじに惹かれて購入してみました。どうも私は辺境伯という単語に弱いらしいです。www
辺境伯はリュカの養父になり血縁的には親族という関係になりますが、リュカを愛情深く大切に育てて来て良き理解者でもあります。
こちらのお話が面白いと思ったのはお相手の黒狼王子ことクライスが同性愛者だと公言している点でした。そして国王とリュカの父親が友人だという事から、リュカも同性愛者だと知ってる父親がクライスとの縁談を持って来るのです。
BLというと性的嗜好は曖昧なままにお話が進むことが多いですが、こちらのお話はこの辺りがとてもリアルでマイノリティーの抱える問題が現実社会と似通っていました。
ですが作品の印象はリュカとクライスの性格もあり、2人のやり取りやリュカの心の声とかはコミカル色が強いと思いました。
クライスは最初からリュカに対して好意を抱いており言葉や態度に出しているので、あとはリュカの気持ち次第なのですが、小心者で逃げ癖があるので2人が上手く行くのかとかなりイラっと来ました。
リュカはクライスの言動にコロッと絆されるくらいチョロいのに、暫くするとやっぱりと心に枷を自らハメに行くような面倒な性格なんです。
そしてクライスは実力もあるのですが若さ故の根拠の無い自信があり、言葉が足りない故にことが上手く進まないのです。
お互いに癖のある性格をしていてとてもお似合いだと思いました。
個人的にはリュカの幼馴染みであるアイザックの件が後味が悪かったですね。どうせなら同情の余地のないくらいにもっと悪役に徹して欲しかったです。
デビュー作を読んでないので前作と比べる事が出来ないのですが、エロの量はこのくらいでちょうど良いと思いました。29歳のリュカと19歳のクライスとのセックスに対する考えのギャップが面白くて、初めての結ばれるシーンなのに笑えて色気が無いのが面白くて好みでした。
ただ、リュカの同じような心情が繰り返されていたので、削ればもっとスッキリ出来たのではと思いました。
盛りだくさんでとっても良いお話でした。
街の様子や自然の美しさなども良かったです。
リュカがクライスと知り合い恋に落ちて、自分の幸せや生き方などなど考え直したり。
二人がワチャワチャ言い合いするのも楽しかったです。
ままならない中でも自分の幸せと生きがいを見つけたリュカと、王子扱いしかされなかった自分を初めて一人の人間として扱ってくれたリュカに惹かれるクライス。
なんですがね…。リュカの心情描写が同じ文章が繰り返されたり、なんだろう…相性か好みの問題かな?なんとなく乗り切れず。
クライスの自信家で合理的だけど、年下としてリュカに甘えて願望を通すところも良かったのですが。なんかキャラが不安定な感じがして。リュカと出会って変わったのかと思いきや、やっぱり合理的自信家でこの俺ですよ?みたいな。
お互い可愛くて愛してる二人に幸あれ〜。
今回は黒狼獣人の第七王子と
カピバラ獣人の辺境伯末子のお話です。
辺境の地で地味に生きる受様が攻様の伴侶となるまで。
カピバラ獣人の受様は両親を亡くすと
父の友人の辺境伯に養子として引き取られます。
代々隣国と接する地を守ってきた辺境伯家は
由緒ある猛禽類家系で全員が猛禽類獣人ですが
養父母は草食獣人の受様と実子同様の愛を注ぎ
受様は文官として故郷のために尽くしています。
軍人となった兄姉への胸を焦がすほどの憧れは
時に受様の迷いや不安となりますが
幅広く人々の暮らしを支える仕事を誇りに思っています。
そんなある日、受様は父から
第7王子との見合いを勧められ戦慄します。
子の王子が今回の攻様です♪
若干19の攻様は容姿端麗、頭脳明晰な狼獣人で
既に将来を有望視される人物で
19才になった時に男性との婚姻を望む事を公言し
国中に大きな衝撃を与えていたのです。
現在は同性愛者の迫害は不当なものという認識ですが
王族で同性婚は前例がありません。
父は同じ性嗜好をもつ受様を紹介したいと思い
まずは受様の意向を問うために帰ってきたようですが
小心者な受様には寿命を縮める話でしかありません。
受様は王都で攻様と見合いに臨みますが
やはり何もかも違う攻様の隣に立つ気概はなく
早々にお断りして帰路につくのです。
ところが攻様は受様を気に入り
断った受様の選択に納得がいかないと
子爵令息としてヘイリアにやってくるのです!!
受様は攻様との婚姻から逃れることができるのか!?
容姿も才能も優れた黒狼の攻様と
一回り年上でカピバラの受様のもふもふファタジ―です♪
優秀過ぎるが故に事故肯定力の高い攻様に
なぜかロックオンされる凡庸な草食獣人という組合せは
波乱は必須というかすんなりまとまるはずがないと
ワクワクで読み始めました。
同性を好きになる人は少数派で
受様は失恋確定の恋をしては気持ちを伝えられないまま
恋を失ってきました。
自分なりの世界を大切にしたい受様にとって攻様は
煌びやかな容姿と王族という血ゆえか無自覚に
傲慢な自信家にしか思えません。
受様を得るためにヘイリア入りする攻様の思惑
辺境伯と敵対する伯爵家の親子の憎悪と執着
孤児院の子供達を標的とし人身売買組織の暗躍
攻様と受様の攻防戦に
ヘイリアの収穫祭への横やりや
子供達を狙う人身売買組織の影が絡まって進み
受様が攻様の想いを受け入れるまでハラハラ&ドキドキ
とても楽しく読ませて頂きました (^-^)/
獣人モノって攻様が受様にもふられるのが定番ですが
本作は受様の方がもふられていて
ニマッとしてしまいました。