電子限定書き下ろし短編付き
綺月陣さんの作品は、「沼の竜宮城で、海皇様がお待ちかね」と「ランチボックスに恋を詰めよう ~ツンデレ俳優、唐揚げ最強伝説~」しか読んだことがないのですが、あちらが楽しく読めた方ならこちらも楽しく読めると思います。
(綺月陣さん作品はシリアス&痛いのが多めというイメージがあり、ビビってなかなか読めず、上記のような超〜〜偏ったセレクトになっています。)
竹取物語になぞらえた作品となっているけれど、違うのは受けの輝夜(かぐや)が子を宿せる希少種というところですね。
もはや子を宿せる能力を持っているのは輝夜ただ一人なので、月族は絶滅の危機にさらされているんです。
種族の存続という超重大任務を背負って稚球人のもとへ嫁ぐはずが、なぜか地球、そして現代日本へやってきて……というお話なんです。
平安時代みたいなところから、突然、現代日本にやってきてしまったもんだから、色んな感覚ズレまくり。
そこが面白いし、一生懸命現代日本に馴染もうとしている輝夜もかわいい。
攻めの竹垣は、プラネタリウム勤務で星や宇宙を愛する男というところが、個人的なツボにはまりました。
穏やかでいい男。
向こうの世界で、輝夜に求婚という名の脅しをしていた婿候補の三人がいたんですね。
その三人を彷彿とさせる奴らが、現代日本にも登場するのですが思っていたよりも皆、いい人たちだったんでホッとしました。
もっと勘違い暴走ストーカーみたいになってしまうのかとビビっていましたが、杞憂でした。
えっ??となったのは、輝夜の出産能力&繁殖能力。(電子限定版書き下ろし)
1ヶ月に一人産めるのよ!
種族の存続は輝夜の出産能力にかかっているわけなんで、なんとまぁ、ぽこぽこと連続で毎月のように出産し、計6人産むんです。
現実的な問題として現代日本で6人を育てるのは大変ということもあり、4人目以降は月族の長老たちが里親(月1里帰りあり)となることを申し出……というお話。
えっ?自分の子供手放すのやだなー……同じ兄弟なのに実親の元で暮らせる子と、親と離れて暮らす子が存在するとかなんかいやなんだけど……でも月族の滅亡を防ぐためには輝夜にかかっているわけで……とちょいモヤ。
おまけして萌萌で。
男前な世話焼きほだされ攻め×明るくキュートで健気なピュア受け
いやこれ、キュンなの…!めっちゃ可愛い…!
現代の普通で優しい(天体オタク)青年が攻めの竹垣、
月からやってきた男性だけど妊娠できる体を持つ絶滅危惧種な受け・輝夜(カグヤ)。
平安朝な異世界から来た輝夜と護衛の宇佐吟(という名のウサギ)が、プラネタリウム勤務の地球人・竹垣に色々教えて貰いながら月に帰るまでの奮闘とラブを描いた、
かぐや姫モチーフの笑って泣けて温かい気持ちになれるラブコメです!
種族存亡の危機を回避するために子作りしないといけないという使命を一身に背負い、自分の役目から逃げずに健気に向き合う輝夜。
突然地球という異世界に来て知らないことだらけなのに、前向きで柔軟で純粋で…竹垣が教えてくれる地球生活を楽しみます。
最初は何を見ても月を連想して宇佐吟と「帰りたいのう」なんて言ってる姿が可愛い。
竹垣も普通の青年なんだけど、突然現れた輝夜たちを受け入れ衣食住の世話をして、平安口調な輝夜にも通じるようにカタカナ言葉を和訳?してあげたりして…
普通だけど親切で男前で世話焼きスペックが高い。
きちんとコミュニケーションを取りながら相手を否定しない優しさと包容力が良かった!
作品に出てくる現代の食事も絶妙にリアルで、それらに感動しっぱなしの輝夜&宇佐吟が良かった~。
もれなく塩ラーメン食べたくなります。
2人の想いが通じるまでの紆余曲折もいいし、
想いが通じてからのベッドシーンの隠語に笑いましたwwなんて新感覚!www
電子限定書き下ろし短編は、その後の2人のストーリーが読めるのでオススメです!月族の救世主バンザイ!
かぐや姫をモチーフに描かれたこちらの作品。
お、お、おもしろすぎたー…!
開始20Pほどですっかり虜になってしまいました。
絶妙にクスッと笑えて、あたたかい気持ちになりたい方はぜひ。
肩の力を抜いて読めるコメディタッチで読み心地が非常に良いです。隠れた良作だと思います。
月族の子孫繁栄という責任重大な任務を全うすべく、地球ならぬ稚球に派遣され、嫁ぐ相手を探していた輝夜。
相手も見つからず月に帰ろうとしていたところ、なにやら時空が歪んで…と続きます。
分かりやすく例えるのなら「みんなが知っているあのかぐや姫の姫さまが現代日本に落ちてきた」お話。
パラレルワールドものと異世界トリップものが混ざったような雰囲気でしょうか。
序盤のユニークさから、どんな展開になるんだ?と思っていると、これがすっっごく面白かったんですよ!
綺月先生、かなり楽しんで書かれたのではないかな。
文章から楽しさが伝わってきます。
地球へ落ちてきた輝夜と、輝夜の護衛の白兎。
そして戸惑いながらも彼らを受け入れ、次の満月まで自宅に住まわせることになったごく普通の地球人・竹垣の異文化交流が楽しいんですよねえ。
いかんせん現代日本のもの全てが未知だらけな上に輝夜の言葉遣いが雅なものですから、車で移動するシーンひとつだけでもう面白くって!
ちぐはぐで噛み合っていないはずなのに、なぜか噛み合ってしまっている会話のやり取りがなんとも愉快で気持ち良いです。
そう、読んでいて本当に楽しいんです。
天真爛漫な輝夜のキャラクターは愛らしくてたまらないですし、スポンジのように現代のあれこれをどんどん吸収していく姿は微笑ましいもの。
輝夜がかわいくてですね、読めば読むほど愛さずにはいられません。
現代日本ライフをエンジョイする彼らに終始笑みがこぼれてしまうのですが、ほのぼのとした3人暮らしに癒されていると…?
やり過ぎない良い塩梅で次第にせつなさも漂ってくるのだから上手いなあ。
両視点で語られるお話を追っている内に、気が付けば自然と攻めにも受けにも、3人暮らしにも愛着がわいてしまっている。そんな作品です。
とびきりかわいくて楽しい、とっても愛おしい日々でした。
もうこれはまず読んでみて!としか…!
笑って癒されて、じわじわ沁みる良作です。
私も塩ラーメンにハムを入れて、月が消えてしもうた〜をしたい。
私的大ヒット作品。
久しぶりに声出して笑いました。
え?!これおもしろ系?!って思うくらい。
現代にとまどう輝夜&宇佐吟の、真剣なゆえのおもしろ発言それに対する智登世の反応
ただその笑いの中に潜む切なさに胸がくぅーってなります
頭ポンポンで心がふにゃりとしちゃうウブな輝夜がとにかくかわいくてかわいくて、こんなんで無事コトができるのかー?!と思っていたのですが…そこは兎の輝夜くん
智登世のご立派な大兎に負けない小兎をお持ちなのでした
亜樹良のりかず先生の絵もお話の世界観を見事に描かれていてめちゃくちゃ素敵✨
特に3人(?)で食卓囲うシーンの絵がもう何ともたまりません
髪切った輝夜がとーってもかわいい♡
宇佐吟の食器が柄♡
ダンボールはamezon(かなりツボ)♡
3人の空気感がすごく伝わってくる一枚で、隅々まで見てしまいます
登場人物の名前だったり、輝夜の聞き間違い(栄蔵のくだり)だったり、隠語だったり、綺月先生の生み出す言葉のユーモアに感服です。
電子で読んだけど、紙もゲットするぜ!
タイトルから何となく察せると思いますが、竹取物語の設定をベースに書かれたファンタジーのお話です。
現代の地球に、パラレルワールドの平安時代風の稚球から何らかの理由で飛ばされて来た輝夜。稚球の輝夜は兎の耳を持つ人型で男性でも子供を産める絶滅危惧種の最後の生き残りという設定。しかし、子供を産むには「互いに愛し合った人」と、睦合わなくては決して子は孕めないという。
子供を産めと言われても、なかなか相手が見つからずに、様々な男から求愛されてパニックになった所を、現代の地球のプラネタリウムの月の映像から落ちて来た輝夜。
それを助けたのが、プラネタリウムのスタッフ竹垣。
パラレルワールドの稚球と地球の微妙な勘違いなどを面白く漢字変換されています。私達が普段接している表現とはまた違った下半身の表現をしているのかが、もう笑いながらも輝夜の脳内が可愛いと何度も思いながら読みました。
竹垣は輝夜が元の稚球に帰るために、輝夜の愛する人を探すお手伝いをしてくれますが、3人の当て馬ポジションの男性達が良かったです。個性豊かなんですが決して悪者にはならないで、ちゃんと一人一人の良さと向き合っている輝夜が、何としても子孫を残さなきならないという切実な気持ちもあって、健気な可愛さがありました。
そして、竹垣とは一緒に生活して、2人で月を眺める事を通して友情から恋愛感情にお互いの気持ちが変化していきます。最終的には竹垣も輝夜もお互い好き合ってる!という気持ちになるけれど、稚球(にある月世界)に戻らなきゃならない輝夜は竹垣と一体どうなるのか?
ラストは是非本を読んで見て欲しいです。
竹取物語がベースにあることと、平安時代風の文化しか知らない輝夜が現代文化を様々な言葉に脳内変換して理解していく様子は面白くてとても分かりやすくストーリーが展開していき、綺月先生の軽快な文書がとても楽しく読めました。
そして、輝夜の護衛のウサギ族の宇佐吟がストーリーをさらに軽快にしていたと思います。
塩ラーメンや月見バーガーなど、ささやかな食卓を囲む輝夜と竹垣と宇佐吟(2人と1匹)が好きになってしまいますよ!
笑ったり、キュンキュンしたりそれでいて、輝夜の異世界目線の冒険譚がストレスフリーで楽しめます!