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表題作恋になるなら

伴瀬
中学の部活の先輩で会社の同僚
上村
人付き合いが下手な会社員

あらすじ

勤め先で中学の先輩・伴瀬と再会した上村。
女顔で人から誤解されやすく、人付き合いの苦手な上村だが、俺様な伴瀬とはすぐに親しくなる。
さらに悪戯でキスをされ、意地でやり返し、なし崩しに身体を探り合うようになるまで、さほど時間はかからなかった。
自分は伴瀬を好きなのか?伴瀬は自分を好きなのか?答えの出ないまま身体をつなげた翌日、上村を待っていたのは…。
書き下ろしビタースイートラブ。


作品情報

作品名
恋になるなら
著者
渡海奈穂 
イラスト
富士山ひょうた 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403521751
3.2

(17)

(3)

萌々

(3)

(9)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
6
得点
54
評価数
17
平均
3.2 / 5
神率
17.6%

レビュー投稿数6

恋になるなら、「愛」にまで。

リーマンもので、先輩後輩もので、再会もので。
その上「◯◯もの」!あ〜ネタバレしてぇ…

…と言いたくなるくらい、思いがけない経過を辿る物語です。
主人公は、入社1年目、社内にも社外でも調子の良いお愛想が言えずいっぱいいっぱいの上村。
ある日、社内で思いがけない人物から声をかけられる。
それは中学の時のバスケ部の先輩・伴瀬で。
中学当時はほとんど親しくもなかったが、次第に毎週のように週末一緒に食事などするようになり…
…と始まります。
上村はノンケで、それ以上に対人関係で少々トラウマ持ち。
そんな上村に懐かれてちょっかいを出したくなったのか、伴瀬は母校のバスケ指導に誘い、帰りに急な温泉一泊に誘い、その宿で上村にキスを仕掛けてくる。
そんな伴瀬に戸惑いつつも、の上村。

そのまま同性との戯れに葛藤しつつのツンデレ受け系の物語だろうな…と思いつつ読み進めていたのですが、やっと2人が初Hをした後、急に伴瀬が黙って会社を辞めてしまう…という展開が始まり、物語は思いもよらぬ空気感へ。

物語の前半と、空気の色が変わる後半。
ここを切ない、と取るか唐突と取るかで印象の変わる作品だと感じました。
私は…そういう話?と戸惑ってしまったかな。「萌」で。

1

恋というより、愛かもしれない

年齢的にはそれほど高くないリーマンものですが、後半にかけて次第にしっとりとした大人の恋が色濃くなっていきます。富士山ひょうた先生のイラストがドンピシャ。

中学時代、同じバスケ部だった先輩後輩同士の再会もの。再会後にお互いを知っていく流れなので、過去に含みはありません。

見た目は良くても愛想のなさがコンプレックスで苦労している入社一年目の上村と、中途採用で上村とは部署が異なる伴瀬。伴瀬は上村の二年先輩なので遠慮がないけれど、上村が拗ねてしまうとすかさずフォローを入れる。おまえは可愛いなァ(頭ぽんぽん)はもうそれラブ案件としかいいようがないです笑

上村のことをどう思っているのかよくわからない伴瀬が、実は少しずつ段階を踏んでいるのがうっすら見えてくるともう、きゅんっきゅんです。表向きお互いに思いを明確にしないまま深みにはまっていく二人ですが、伴瀬の真意はクライマックスまで伏せられているんですよね。母校のバスケ部に指導に行った帰りの車中のシーンは寸止め美(ってなんだよ)の極致。萌えツボ鷲掴みされました…。

背徳感たっぷりの秘密を共有しているのって、なんてエロいんだ…(しみじみ)。キスから始まって最後まではしなかった伴瀬が、上村と繋がるために準備してきたシーンにはやっと…!と幸せが見えたかと思いきや、一波乱の予感。

最終的には二人で向き合い、はっきりと答えを出していくので希望に満ちた結末ではないかと思います。その後の彼らが経験するのは恋の続きではなく、責任を伴う愛になっていくのだろうと…。

受け攻めの間に交わされる会話も、攻めの不意打ちの行動も、負けじと応酬する受けの誘い方も、終始萌えまくり。BLは甘々がデフォルトっしょ!派にはちょっとおすすめしにくいかもしれませんが…同性同士の葛藤萌えにはたまらない、切ないお話です。

2

途中まではいいとして

イラスト買いだったので、途中まで楽しく読んでいたんですが、ずっと攻めに謎があるままで、それが後半で明らかになるんですけど、あまりにも予想の斜め上で、ちょっと引きました。

ネタバレとか、どうとかじゃなくて、それまでの受けの悩みとレベルが違う悩みというか、問題なので、ギャップが激しくて、そういう話だったの、これ? と心構えがなかったので受け止めきれません。

しかも、そのわりには、さほど詳しく説明もなく流してしまうので、余計に重いのか、なんなのか。逆に、ヘビーなことなのに深刻さがないことに疑問も感じます。ラストも、いいの、これ、というあたりで終わってしまって、余計にいらぬ気疲れをしたってかんじでした。

気負わずに軽いBL、ロマンスを読みたい、と思っている時に、装丁やイラストの雰囲気で、なんとなく手に取ってしまうと、トラウマになりそう。

渡海さんは、嫌いじゃないんだけど、こういった下らないことで首をひねることが多いので(他の作品でも、楽しく読み終わった後で、あとがきでキャラを落としまくって興ざめ、みたいな)、残念だけど内容はさておき、常識とか人間性で合わないのかも。

引っかからない人には楽しめるのかもしれませんが、わたしは無理でした。

6

ぬるい再会恋モノと思っていたら・・・あまり先入観を持たずに読んでほしいです。 良作です。

『恋になるなら』というタイトルが実にしっくり。
中学時代のバスケ部の先輩後輩同士が
同じ会社で再会するというお話。

ノンケ同士、彼女いない同士、飲み友達になり
性欲処理をするようになる・・・
ノンケ同士だから、同性に性的処理を求めることに嫌悪がない時点で
もうなにかしら二人の間に『恋』に近いものが芽生えてはいるんだろうけど
ふたりの気持ちはなかなか『恋』とは表現しない。
すごく微妙な関係のままもやもや抱えて
これが『恋になるなら』・・・なんですよ!
あー、もうっ!この気持ちをどう表現していいのやらっ!!!

ぬるい再会恋モノと思っていたら
後半から、せつなくってですね・・・心に響きました。

あまり先入観を持たずに読んでほしいです。
良作です。

あとがきにて、渡海さんが伴瀬と上村の名前は
ほんとに中学時代のバスケ部の先輩の名前から取ったと書いてありましたw
ちょっとワロタwww

2

何かひとことあれば

見かけと中身のギャップがあることで、対人関係がうまくいかない上村。「顔がいいくせに……」とか非難されても、それは自分のせいじゃない! ってね。だからといって、社会人になってケンカするわけにもいかず、ストレスをため込む毎日。
そんなある日、同じ職場に中学のバスケ部の先輩・伴瀬が働いていることを知ります。
再会後の伴瀬は俺様な雰囲気とは違っていたし、一緒に飲みに行った時に醜態をさらしたおかげで気を遣う相手じゃないことを悟り、一緒にいて楽しい相手となっていくんです。

上村って基本的に顔はいいし、性格も素直じゃないところがこれまた可愛いし、素直じゃないのに伴瀬には懐き始めたから伴瀬には可愛く見えたはず。
きっと先に、伴瀬の方が好きになっちゃったんでしょうね。だから、一緒に卒業した中学校のバスケ部の指導に行ったり、帰りに突然温泉に行ったり。雰囲気のノリでキスしたり。
「好きなんだぞ~」っていう伴瀬の気持ちは、私たちにはわかっているけど、上村は「なんで?」って考え込んじゃうし。
伴瀬、報われません。

そんな上村大好きな伴瀬が、上村から離れていくんです。
会社も辞め、全く連絡が取れなくなってしまいます。もちろん、「しばらく連絡が取れなくなる」と予告はしていましたが、それがいつまでなのかは知らせないばっかりに、上村は不安で不安で。
それも、初めて身体を繋いだ翌日からのことだったんですから、不安も倍増です。

初めての夜からの怒濤の展開にはびっくりでした。
多少、伏線は引かれてはいますが、そこまで深刻な状況だとは想像も付かず。「うえっ?!」ってな感じです。
このエピソードによって、上村は伴瀬と一緒にいる覚悟を決めたし、家族にもカミングアウトしたし。きっかけにはなってるわけです。
どこまで一緒にいられるのか、多少心配はありますが、一緒にいる間は幸せだと思えるし。
そんな幸せなふたりの様子を読んでみたいですねぇ。ラブラブで甘々でベタベタなんだろうなぁ~。
この衝撃のエピソードをもう少し早い目に持ってきて、ラストに何年後かの幸せそうなふたりの話があればよかったのになぁ~と、ないものねだり。

3

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