温泉街で育った幼馴染による、10年分の焦れ恋。

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表題作春となりのくゆる恋

湧川帷
外波山旅館の従業員
外波山幸星
外波山旅館の跡取り

あらすじ

「触れたらどんな顔するか、10年考えてた」
老舗旅館の跡取りである幸星は、旅館運営に日々勤しんでいた。そんなある日、支配人でもある父親の鶴の一声によって幸星に見合いの話が。すると幼馴染の帷から「もう遠慮はやめる」と、今まで見たことのない顔で迫られて…!? それ以来、慣れ親しんだはずの帷の声も温度も距離感も、幸星は強く意識するようになってしまい――…

作品情報

作品名
春となりのくゆる恋
著者
環山 
媒体
漫画(コミック)
出版社
アルファポリス
レーベル
アンダルシュコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784434330643
3

(11)

(0)

萌々

(3)

(5)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
30
評価数
11
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数6

優しい世界。

初読みの作家さまですが、電子でお試しの部分を読んだら、あら、まあまあ!という婆な感想と萌えを感じたのでそのままお買い上げしました。

温泉旅館を舞台に紡がれていく、幼馴染の2人の恋のお話。




主人公は外波山旅館の息子で跡取りの幸星。
彼には幼馴染がいる。帷だ。
幼馴染で、帷の父親が外波山旅館の従業員ということもあって、ずっと一緒に時間を過ごしてきた親友。

ある日、幸星に見合い話が持ち上がる。老舗旅館の跡取りとして、見合い、結婚、そして子をなしてほしいなー、という幸星の父ちゃん(現・外波山旅館の主人)から言われたことがきっかけだった。

が、その見合い話をきっかけに、帷と幸星の関係は変化することになって…?

というお話。

幼馴染。
子どもの時からの、片思い。
攻めさんは一途なワンコちゃん。

という、BLでは王道といえる萌えが描かれた作品。
うん。既視感ありありな展開ではあるんですよ。

が。
ナニコレ、めっちゃ萌えるー!
良い意味で、王道のそれが生きている、っていう感じ。ストーリー自体は王道なんだけれども、キャラがいい。

寡黙で、まじめで、一途に幸星を想い続けてきた帷。
明るく優しくて、ちょっと抜けたところはあれど裏表のない性格の幸星。
心の底から応援したくなる、そんな可愛い二人なのです。

そして、彼らを取り巻く周囲の人たちも。

幸星の両親。
幸星と帷の友人たち。
そして、幸星のお見合い相手と、彼女の恋人。
彼らがまたいい味出してるんです。優しい世界です。

男同士、とか、後継ぎが必要(子がなせない)、といった障害はこの作品ではほぼなく、とにかくほっこりと温かな雰囲気に満ちた作品。痛い展開のものは苦手、とか、ほのぼのBLが読みたい、という気分の時にはぴったりの1冊。

初読みの作家さまでしたが絵柄も好き。
なんかほのぼので良い。

で、タイトルも良いんだな。
春となり、ってなんだろ、と思ってましたが、彼らの温泉旅館のある場所とひっかけて、読み手によっていくらでも解釈できそうなワードなのもいいし、「くゆる恋」って言うのも作品のイメージにぴったりだなあと読後しみじみ思いました。

この作家さまの違う作品も読んでみたいと思います。

1

ふんわり、ほっこり

老舗旅館の跡取り息子の幸星とその旅館で働く帷。
これまで親友としてずっと一緒にいたふたりが、幸星がお見合いすることになったのをキッカケにそのカタチを変えていく日々を描いたお話でした。

昔からずっと幸星のことが好きだった帷は、彼がお見合いをすると知ってすぐに自分の気持ちを伝えるための行動に出て。
そこではじめて帷の気持ちを知った幸星は戸惑い、ぐるぐる考えてしまうわけですが
帷はこれまでもわかりやすく行動していたので、その想いに気付いていなかったのは幸星だけ…みたいなオチになんともほっこり(笑)
でもそんな鈍感すぎるところも幸星の可愛さだったのかなと感じました。

自分の中での覚悟が決まらないままお見合いすることになった幸星の煮えきらない態度にちょっぴりヤキモキしてしまったけれど
逆にそういう部分ごと受け止められるのは帷だけなのがわかって良かったのかもな、と。
幸星にとっても自分のことや周りに目を向けるいい機会となって、結果的に帷の大切さに気付くことができていいところに収まってくれて安心しました。

意識し始めたらあっという間に距離は近付いて拗れることなくくっついてくれたし、全体的にゆるーい雰囲気なのでふんわり読みやすい作品でした。

0

え、そこで終わるの?

タイトル通り、読み終わった後のまず初めの感想は、「え?そこで終わるの?」でした。幼馴染、長い片思い系の作品としては、まあ普通かなと思いました。でも、BLはエロ多めのジャンルなので、この作品を読んで、心が綺麗になった気がします。心を浄化したいあなたはこれを読みましょう。ただ、物足りなさが残るので、番外編や続編などが少しでも出ると安心しますし、嬉しいですね。長い間熟成された腐なので、結ばれた後がもう少し長くあった方が良かったなと思います。

0

隣にある気持ち

 老舗旅館の外波山旅館の息子、幸星は、父が勝手に決めたお見合いに臨むことになりますが、同じ旅館で働いている幼馴染みの帷から告白されます。
 お見合い当日も幸星は、帷の言動が気になって仕方がありません。一方帷も幸星に告白してしまったので、幸星は気持ちの整理ができないままお見合いに臨みます。

 帷は元々湧川旅館の子どもでしたが、倒産して子どもの時から外波山旅館で一緒に暮らしていて、まるで本当の兄弟のような仲です。
 隣にある恋に気づく幸星と片思いが実った帷ですが、温泉街を舞台に隣にあるものに気づく姿が萌えです。

0

題材も王道の良さもあるけれど

見覚えのある絵柄と背景にうん?となり、作者の環山先生のSNSを見てみると、やっぱり「晴るかす青」の環山わた先生でした。PNを変えられたのかな。
線の引き方というか、アナログのような味のあるタッチがすごく好きです。

老舗の旅館を舞台に繰り広げられる、ふわ〜っとやさしく穏やかな雰囲気の幼馴染ものでした。
旅館の跡取り息子である幸星がお見合いをすることになったことをきっかけに、親友で幼馴染の帳と幸星の関係が微妙に変化していく様を時に暖かい目で、時に焦ったく見守るお話といったところでしょうか。

鈍くてなかなか想いに気が付かない幸星に焦れますが、年季が入った一途な気持ちを隠さない帳はそこもきっと好きなんだろうなあ。
どでかい感情を抱えて、誰が見ても気が付く態度を取っている攻めの気持ちに気が付かないのは受けのみ…と、幼馴染ものとしては王道かなと。
王道ならではの良さもあり、この2人だからこその空気感もきちんとありで、好みか好みじゃないかで言うとキャラクターは好み。
淡々とつめていく帳と、今まで知らなかった幼馴染の新たな一面を見てそわそわと落ち着かない幸星の図なんてすごく微笑ましいかわいらしさがあります。
ただ、全体的にテンポが悪く感じられてしまい…読みながらつっかえるというか、いまいち盛り上がりには欠けたかなと思ったのが正直なところです。
作中の穏やかな雰囲気は良かっただけに、もう少しここ!という盛り上がりがあれば…
かわいらしい2人でしたので、その後の2人をもっと読みたかったです。

1

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