コミック

  • 窮鼠はチーズの夢を見る

窮鼠はチーズの夢を見る

kyuuso wa cheese no yume wo miru

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作窮鼠はチーズの夢を見る

今ケ瀬
恭一

あらすじ

既婚者だが女性との不倫を繰り返す受けとそんな受けを慕い続ける攻め。

作品情報

作品名
窮鼠はチーズの夢を見る
著者
水城せとな 
媒体
漫画(コミック)
出版社
小学館
レーベル
Judy comics
シリーズ
窮鼠はチーズの夢を見る
発売日
ISBN
9784778010010
4.3

(55)

(38)

萌々

(6)

(6)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
18
得点
234
評価数
55
平均
4.3 / 5
神率
69.1%

レビュー投稿数18

慟哭

こんなに切ないお話を私は知らない。
水城せとなの作品はいくつか読んだことがあるが、たまたまなのか所謂ハッピーエンドというものがなかったので、この作品に関しても多少覚悟はしていたわけなんだけども・・・。

学生時代から気が狂いそうになるくらい先輩である大伴恭一に執着していた今ヶ瀬渉は、半ば脅迫に近い形とは言え、彼の弱みを握ったことで恭一の傍に居るチャンスを得る。
よくある展開を予想するならば、無茶であろうが犯罪まがいであろうが、押しの強い方に流されていつの間にかラヴ・・・みたいなのが常套なんだろう。
ところがこのお話を読んでいて無性に腹が立ち、そしてやるせなくなったのは、結局最後まで恭一が本当の意味で今ヶ瀬を愛してやれなかったところにある。
とにかく流され侍な恭一は、相手の気持ちに合わせて自分の生き方を決める悪い癖がある。
それは一見優しいと映るかもしれないが、裏を返せば決断を全て人任せにする最悪な人間とも言える。

今ヶ瀬が自分を愛していると言うから一緒に居る。
このおごりが抜けない限り、恭一の手には絶対に何も残らないのではないだろうか。
いくら2人が体を繋げる関係になろうとも、恭一が今ヶ瀬を渇愛しない限り、永遠に今ヶ瀬は片想いのままだ。
激情に駆られて今ヶ瀬を求めたかと思ったラストも「さあ これからどうしたらいい」とぼんやり思い悩む恭一が、本当に腹立たしく、そしてリアルだった。
どうしてのこの男はここまできて溺れないんだ、と・・・。
この操縦が利かないような何とも言えない浮遊感は、きっと今ヶ瀬の不安と同じなのかなと少し思ってしまった。

ちなみにコミックスの続編として小学館の携帯サイトで「憂鬱バタフライ」と「梟」が有料配信されているが、これはかなりオススメ。
コミックスだけでは消化不良だという方は、絶対に読んだ方がいい!と自信を持って言える。
こちらについては勿論、あまり深く触れないつもりだがひとつだけ。
非常にヘビーな終わり方ではあったが、私はまだ続きがあると信じている・・・というか、信じたい。
今ヶ瀬だって「愛してるから傍に居る」のではなく、「愛されてるからここに居る」ことを選びたいはずだ。
だって永遠に片想いなのはあまりにも辛すぎるから。

7

切なくて切なくて

雑誌掲載当初と出版された当初、話題をさらった名作だそうですが、つい最近まで知りませんでした。しかし、私のBL漫画人生(最近始めたばかりです)の端緒とも言える作品です。

綺麗な絵とシュールな題名に惹かれて読み始めたら、これが!

優柔不断で流され侍(なんて素敵なネーミング)の主人公大伴恭一と、彼にずっと片思いをしていた大学時代の後輩今ヶ瀬渉の、偶然の再会から物語は始まるわけですが、この偶然をここぞとばかりに必然に変えようとする、今ヶ瀬がとにかく魅力的です。
最初は腹黒い奴と思っていた私は、わずか数ページで今ヶ瀬のけなげな姿にやられてしまいました。

何がって、恭一の手にひざまずいてキスするところ。
卑怯だって分かってるけどそうしたいほど恭一が好きだと迫るところ

序盤から見せ場ありすぎです。

大伴先輩の流されまくりの姿は、確かにイライラさせられますが、人生長く生きてるので(笑)、ああこういう人っているよねー、と私的には許容できてしまいました。

二人は、お互いの感情でお互いを振り回しつつ(ちなみに周囲はもっと振り回されるのです)、すれ違い、傷つけ、逃げて追いかけ・・ということを繰り返しながら、やがてどうしようもなくあふれ出る気持ちに気づきます。今ヶ瀬のあきらめなきゃ、あきらめなきゃと思いながらも、あきらめられないその気持ちと、恭一の認めたくない、怖い、いけないことだと否定しつつも感じてしまう感情が、終盤真っ向からぶつかるシーンは、読んでいて、息をすることを忘れてしまいそうでした。

未読の方は、この臨場感をぜひ!経験してください。

余韻と波乱を感じさせるラストは秀逸です。続編に続きます。ちなみに現在最終章を残して中断した形になっています。私が最終的に望むのは多くの皆さんと一緒・・・2人が主体的に幸せになることです!頑張れ恭一!未来はあなたの手にかかっていると思うよ。

7

生々しくて切ない。

この本は、私が最初に読んだ水城せとな作品でした。
とにかく、主人公たちの感情が、“生々しくて”ひき込まれます。

好きで好きでどうしようもない人を、どんな手段を使っても手に入れたいと、
どんなに浅ましく、みっともなくても、欲しいと渇望する今ヶ瀬。
それに対して、誘惑にはめっぽう弱く、自分が可愛い身勝手な恭一。
彼の狡さや、優しさ、葛藤は、リアルだと思う。
だってノーマルな30男がいきなりゲイの道へ足を踏み入れるって、
相当な覚悟がいることだろうし、わざわざ茨の道を歩かなくても…と、
考えちゃうのも当然だと思うのです。
そのくせ、自分は返せない重みの愛情を、
今ヶ瀬に求めているような部分も見え隠れして、
今ヶ瀬は、いつまでたっても恭一への思いを断ち切れない。
なんとも切ない余韻が残る作品です。

そして、彼らの抱える薄暗い感情や欲望って、
多かれ少なかれ誰の心にも潜んでいるのではないかと、
だからこそ、これだけ多くの人がこの物語に
ひき込まれているのではないかと思います。

5

BLにハマったきっかけ

BLには興味なかったんだけど、なにげなく携帯からダウンロードして読んだのがこの作品だった。上位にランキングされてたから。
読み進むうち、今ヶ瀬の心情が切なくて切なくて、すっかりハマってしまった。
今ヶ瀬の「限界です」のセリフに号泣、ラスト近くのタクシーでのキスシーンに号泣。
読み終えて放心。そしてすぐさま再読。
本当に最高に素晴らしい作品だと思います。

4

むつこ

>>乱菊さん
マジですか!
私も嬉しいー♪やっぱり紙で読みたいですよねぇ。
水城せとなさんは私にとったら切ない教の教祖です。たいがい結末で地獄に突き落としてトラウマをいただいてしまうんですが、それでも嫌いになんて絶対になれないという…もっとトラウマくれくれみたいな…もはや病気。

モバフラ、私もドキドキしながら読んでます。
たしか次回でラストだよねぇ…今度こそハピエンこいこい(念念念念…)

乱菊

「俎上の鯉は二度跳ねる」がついに発売決定ですね~♪
嬉しいです。
携帯で読んでましたが、やはり本で読みたかったので。
これで沢山の人が続編読めますよねっ。
ああああ、そしてモバフラの方の続きも気になるです。はい。
(先ほど最新版をよんだところ)

ランキング1

好きな人を忘れる為に・・・ラクになりたいなんて私は思ったこと無いですなぁ。そんな恋が私の元には一度くらいは訪れるんでしょうか・・・・皆さんは一度くらいは体験されてるんでしょうかね??
ハイレベルBLに私はやられてます・・・・(´ω`。)
というか、BLというジャンルを逃避して、感動を覚えました。
この作品凄い。
そもそも、なんだっけ・・なんだかのランキングで常に一位を保持していたんです。読んだ当時。
読み終えての読後感はこれが過去一番かも解りません。
決して、ハッピーな終わりではないのですが、始まりを感じさせるエンド。そして感情の動きナドなど、これは凄い作品だとおもう。
読んでみるといいと思う。
携帯コミックでこの本の続きも読めます。
終わり方が終わり方なので、切ない系苦手な方はオススメしません。
というか・・・いまだ不完全燃焼な読み後だったりもするのです。
うんうん。
泣きたいなら読むがいいよ

3

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP