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表題作夕陽が落ちても一緒にいるよ

町田流星
地方検事,25歳
小川アキ
グループホームの介護職員,25歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

泥酔した父に今日も殴られ、今度こそ俺は死ぬんだ――ところがアキが目を覚ますと、なぜか父が失踪していた!? 
そして恐怖から解放されて七年、アキの心の支えは幼馴染みの流星だ。
正義感が強い検事の流星は、頼もしくてアキを誰よりも大切にしてくれる。
けれど死を覚悟したあの夜、父を止める流星を見た気がする――。
大事なセンター試験前日にありえない、と何度も自分に言い聞かせて!?

作品情報

作品名
夕陽が落ちても一緒にいるよ
著者
中原一也 
イラスト
ミドリノエバ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199011320
4.3

(49)

(29)

萌々

(13)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
213
評価数
49
平均
4.3 / 5
神率
59.2%

レビュー投稿数11

煮付け~~~

どうなるのどうなるのーーーまさかね?
と終始ソワソワしながら読みました!

お互いの存在が道標、生き方に心赦され合う純愛!!
覚悟を決めての旅行が切なくて求め合う様が狂おしくて!!

幼馴染BLのむずキュンと相互救済重々煮付けの親和性よ!!

軽やかなやり取りも楽しくて甘くて、情景描写の情緒が優しい。
重いのに美しい。
想い合う心は綺麗で真っすぐ。
だからこそ愛のためならなんでもしちゃう……
苦しみから開放するために!業を背負ってしまう……うぅ、究極!

0

悲しい

とても面白かった。
家庭環境最悪な父子家庭で育った受けと、幼馴染で裕福な家庭で育った攻め。生きる環境が違った二人だけど大人になっても縁は切れずに親友として過ごしていた。失踪した父親との区切りをつけるためにも失踪宣告の手続きをしたことをきっかけに受けと攻めは過去と向き合うことに…というお話。

幼少期のエピソードや、お互いに救い救われてきた関係性、お互いを大切に思いあっている気持ちの強さに涙。最後はもう憂いのない状態で二人が再出発できそうなエンドだったのも良かった。

0

最高の煮付けBL

母を亡くし、兄は出て行ってしまった。
ろくでなしの父からの暴力を受けていた小学生時代、幼馴染とすごす時間だけが心の支えだった。
父が失踪し、恐怖から解放された主人公を支えてくれたのは幼馴染。今でも正義感が強く、検事となった今も大切にしてくれている。
そんな中、ずっと行方がわからなかった兄が接触してくるようになった。お前のせいだ、と金を要求されるようになったが。

メリバ、といえばそうなのかもしれないけど、それよりなにより
「煮付けBL」
という作者さんの一言で膝をぽんと叩きました。
そうだ、これだと。

作中ずっと薄暗いんですよ。
夕方日が落ちて、真っ暗になる前のちょっとだけの時間訪れるあの薄暗さ。
それでも確かにエンドマークがついて、二人の生活は続いていく。
読後感がいいか、といえば首を横に振るしかないんだけど
なんといえばいいんだろう、身震いがするほど
「いい本読んだ……!」って思える良作でした。
できれば午後に読んで欲しいけど、夜中は落ち込みそうですね。

1

深くて重い愛

今回は地方検事と介護施設職員のお話です。

受様が父の失踪宣告をだした事で父の死を真相をしり
攻様の手を取るまで。

受様の父は男で1人で受様兄弟を育ててくれますが
思うように生きられない父の暴力に晒される
理不尽な暮らしを強いられます。

そんな受様にとって支えとなっていたのは
同級生の攻様の存在でした。

裁判官を父に持つ攻様はクラスのリーダー的存在で
常に寄り添ってくれ、力強く道を差し示してくれますが
高校からは別の高校に進みます。

三つ上の兄が高校卒業と同時にアパートをでると
父が受様に執着する生活となり
就職したら1人暮らしをするつもりでしたが

父に自立すると伝えると「オレを捨てるのか」と
胸倉を掴まれて激しくなぐられ続けてることになります。

受様は確実に死を覚悟しますが気が付いた時に父はおらず
その日以降、父が戻ってくることはありませんでした。

受様はグループホームの介護職員として働き
父が帰ってくるかもと部屋に住み続けますが
地方検事となった攻様のすすめで「失踪宣言申し立て」の
手続きをします。

それによって父の死亡が確定し
疎遠になっていた兄に連絡をするのですが
求職中だと言う兄は受様に金の無心をするようになるのです。

父のように受様を搾取しようとする兄から
受様が逃れる術はあるのか!?

厳しい父を中心とする家庭で育った攻様と
暴力を振るいつつ子に執着する父の元で育った受様の
恋物語になります。

同居していた時に受様を庇った事を盾に
金を搾取しようとする兄の存在によって
受様と攻様の関係が少しづつ変わっていきます。

現代社会でも起こりうる両親との関係性、
家族の在り方について問いかけるような物語で
問題が深すぎて胸にいたい物語でした。

中原先生の後書きに「煮つけBL」とあって
どんな分野!? と検索したらちるちるでも特集してました。

恋人への想いが強すぎるあまり
相手を助けるために人の道さえ外して罪を犯すという
分野だそうでなかなかに重い分野でした。

物語は受視点から始まりますが
攻視点も挟まって進んでいく事で
読者は攻様の想いと受様の知らない展開をも知っていく為
物語の未来はある程度見えています。

そうならないでほしいと思う展開に進んでいく物語に

真実を知った受様はどんな行動をするのか
攻様が犯した罪が赦される未来は来るのか
2人が選ぶのはどんな未来はなのか
選ばなかった未来を悔いないのか

読み終えるまで
ハラハラ&ドキドキが止まりませんでした。

人は必ずとも正しい選択ができないのかもしれません。
それでも選んだ道を悔いることなく生きることで
望む未来へと歩いて行けると信じたい幕引きでした。

4

だからこそ!

先生買い。文章は好きで、ミドリノエバ先生の挿絵も好きなんだけど、どうしてもダメだったところがあったので中立にしました。久しぶりに自分の地雷を認識した一冊。本編260頁ほど+あとがき。

あれこれトライしてみても割合上手く続かない父親から暴力を振るわれる事が多かったアキ。父親が失踪したあとは、幼馴染の流星と良い関係を続けてきたのですが…と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受の父、兄、攻の両親ぐらいかな…?
家族って大切な存在にもなり、ツライ存在にもなるんですね。

++より内容に触れる感想

攻、受は、お互いがお互いを大切に思っていて、思いやり合っていて、よい関係に思うのです。穏やかな人生をおくれた可能性があったと思うんです。だからこそ、すごく残念で。

攻が受を思うあまり?若さゆえ?やらかしてしまうんです。なんでそうなってしまったの…と無念でならない。頭良くて、検事目指すような攻なのに、なんで???と、どうしても受け入れられなかったでした。読んでいて辛かった。

設定が現代日本そのままと思うので、余計に「あー…これはしんどい、無いと思いたい」と感じたのだと思います。ファンタジーなどで「異能持つ攻にやられた」等だとこんな風にしんどくはならないんですけどねえ。

もう少し違う対応を取り、2人穏やかに過ごせると良かったのに…と悔しくなってしまった一冊でした。

4

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