もう、一人で震えなくていい

小説

  • 白銀の人狼は生贄の王子に愛を捧ぐ
  • 白銀の人狼は生贄の王子に愛を捧ぐ

白銀の人狼は生贄の王子に愛を捧ぐ

shirogane no jinrou ha ikenie no ouji ni ai wo sasagu

  • 電子書籍【PR】

表題作白銀の人狼は生贄の王子に愛を捧ぐ

グリトニィル
ユーディスティ王国を守る狼の民・ザノゥサの長。
シャニ
ユーディスティ王国の第八王子。海軍将校だったが,ザノゥサへ捧げられる。弓の名手。

あらすじ

古くからユーディスティ王国の北方を守る狼の民・ザノゥサ。王国は守護の代わりに貢物を捧げ、彼らとの友好を保っていた。けれど時が過ぎ、その関係を軽んじた王は「王の子を嫁がせよ」というザノゥサの求めに対し、姫ではなく王子のシャニに白羽の矢を立てた。海軍将校として生きていた彼は一転、ザノゥサへの生贄として雪深い山脈へ向かうことになる。そこに待ち受けていたのは、美しい白銀の狼。シャニは自分こそが妻だと主張するが、子を産めぬ男に用はないとばかりに置き去りにされてしまう。それでも一人凍える雪の中で生き抜こうと耐えるシャニのもとに再び現れた狼は、なんと人の形に姿を変えて――!?

作品情報

作品名
白銀の人狼は生贄の王子に愛を捧ぐ
著者
伊達きよ 
イラスト
ミギノヤギ 
媒体
小説
出版社
アルファポリス
レーベル
アンダルシュノベルズ
発売日
電子発売日
4.4

(71)

(46)

萌々

(15)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
10
得点
312
評価数
71
平均
4.4 / 5
神率
64.8%

レビュー投稿数10

唯一

誰かの、ただ1人の唯一になりたいと、ずっとずっと夢見ていた頑張り屋さんが、そんな些細な夢を打ち砕かれて、それでも自分のいどころを築いていくお話です。
物語のお姫様のように華奢で儚げなシャニが、元気いっぱいな子どもたちを、これまた(その姿に似合わず)元気いっぱいお世話する姿がとても素敵です。日常の中で、シャニの愛情深さがたくさん垣間見えて、シャニが愛される姿が無理なく語られています。大好きな作品です。

0

よかった〜

は〜よかったねぇ。主人公は美しく強い。いろんな苦しみを乗り越えてきた強さ。苦労してきた分、幸せになれてよかった。もっと読みたいな。

0

シャニ(受け様)のかっこよさに心酔

伊達先生の受け様はかわいくて健気なイメージでしたが今作は受であるシャニが元軍人だけあってとにかくかっこいいのです!
雪山に捨て置かれても10日間生き延びられるサバイバル力。獣人でも5人がかりで立ち向かうような獣をも単独で倒す戦闘能力。なのに自分の価値に関しては無関心でサバけているなんてもう愛さずにはいられないキャラクターでした。
そのぶん後半の絶望ともいえる展開がつらいのですが大丈夫、我らがシャニは不屈の精神で巻き返してくれます。最後までかっこよかったです!

1

生真面目で初々しいふたりがかわいすぎる!

生贄として姫の代わりに差し出されたユーデイスティの王子シャニと、人狼の一族であるザノゥサの長グリトニィルが出会い、仮初のふうふから心を通わせるまでのファンタジーBL。

シャニの出身国であるユーデイスティ王国は、ザノゥサという人狼の一族の願いを数年に一度叶える代わりに、国を守ってもらうという契約を古くから交わしています。が、当時の歴史を知る者がいなくなるにつれ、契約もザノゥサの力も軽視されるようになりました。結果、嫁を要求されたにも関わらず、王家はいらない王子であるシャニを生贄に差し出します。

さて、このシャニですが、気の毒な境遇とは裏腹に、心も腕っぷしも強いので、見ていて終始気持ちが良い方です。ザノゥサの大人五人がかりで倒す強い生き物をひとりで討伐してしまう腕っぷしの強さと心意気で、周囲に認められていくシーンで読者の私も一気にシャニ様に惚れ込みました。

はじめは無愛想に見えたグリトニィルことニィルも、口下手ながら心が優しい青年で、ワーカホリック気味な生真面目っぷりがかわいらしいです。

シャニもニィルもとにかく生真面目で奥手なので、お互いに好き合っているのになかなか関係が進展しないのがもどかしいながらもとにかくかわいらしかったです。
「結婚式をした方がいいという声が上がっている」「誰から」「……俺から」というラストの会話に至ってはかわいすぎて笑い転げてしまいました。

人狼なので狼姿でぶるぶる水を飛ばしたり、もふもふの毛で触れ合ったりするシーンもあるのですが、伊達きよ先生の書かれる犬科の生き物の描写はどうしてこんなにも愛らしいのかと和まずにはいられません。

本筋とは関係ないところとしては、こんなにかわいいふたりなのだから、挿絵や先生のあとがきがあればもっと嬉しかったです。誤字がいくつか残っていたのも気になった(『特にもならない仕事』など)ので、アンダルシュさんにはぜひぜひ素敵な物語にのめり込めるよう、よりよいまとめ方をご検討いただけたらいいのにな…と勝手ながら一読者として願うばかりです。

心身ともに強い受けがお好きな方、真面目で初々しい人たちが甘酸っぱく距離を詰めていくお話がお好きな方は、絶対ハマると思います!おすすめです!

3

実は似た者同士な攻めと受け。

狼の民ザノゥサは、古からユーディスティ王国の北を護っていた。
そして貢物を捧げることによって、友好を保ってきたのだが、次第にユーディスティの王はなぁなぁにしてしまい、姫ではなく、王子のシャニを嫁がせてしまう。

そこで白銀の狼と出逢うが、置き去りされてしまった。
しかし数日後、人に姿を変えた二人がシャニの前に現れて、連れ帰り、、、
という始まり。


受けであるシャニは、海軍将校で日々苦しく厳しい生活を送ってきたこともあり、とにかくガッツがあります。
この経験があったからこそ、比較してザノゥサからの手荒い洗礼も、なんとか自力で乗り越え、自らグリトニィル(攻め)の嫁ポジションを確立していく姿が、かっこよかったです。


続けて出版された3作品のなかで、一番シリアスで硬質なお話だなあという印象を受けたのですが、途中、シャニの「あ、う」(←これは例えですが)など、ちょっとした言葉として成り立つセリフではないセリフに、いつもの伊達先生味を感じ、癒されました。(ほかの読者さんと着眼点違くてごめんなさい苦笑)


あと、伊達先生作品のなかではめずらしく? 伏線ががっつり張られたファンタジー作品だったかなあという印象です。
というのも、いつもどことなくほわほわした印象があったので。
ですので、このような作品も読めるんだあ! と新たな発見に感嘆しました。


個人的には、アラヌヌとシャニが心通わせていく場面と、狼笛を贈るシーンが好きでした。
あと、終始グリトニィルがシャニをラブすぎるのがダダ漏れでよかったです。(最初は分かりずらかったですが、、)




3

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP