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表題作どちら様が愛を告ぐ

海原千波
祖母から引き継いだカフェの店長,25歳
早川渚
25歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし:いつかの話1P
  • カバー下:あとがき/漫画

あらすじ

ずっとあなたを待っていた――救いを見出すラブストーリー

祖母から引き継いだカフェを営む海原千波。メニューは祖母直伝のココアのみ。
複雑な家庭環境も影響して、人づきあいは広く浅く、そして弱みは見せないようにしていた。
そんな千波のもとに挙動不審な金髪の青年・早川渚が訪れる。
千波に話があるが、まだ話せないという謎の主張をする渚に興味を持つ。
そして交流を深めるうち、千波が抱えるわだかまりに寄り添おうとしてくれる渚に惹かれていく。
お互いゲイということもあり一気に関係を深めるが、千波にとって許しがたい秘密を渚は抱えていて――!?

作品情報

作品名
どちら様が愛を告ぐ
著者
仁嶋中道 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
B's‐LOVEY COMICS
発売日
電子発売日
ISBN
9784047380493
4.6

(157)

(115)

萌々

(28)

(11)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
17
得点
722
評価数
157
平均
4.6 / 5
神率
73.2%

レビュー投稿数17

人と人、心と心の繋がり

仁嶋中道先生は毎回ハイクオリティなヒューマンドラマBLを提供してくださる。
今作も最高、ジーンときました。

謎めいたキャラクターがいててだんだんとその秘密が明かされていくんですが、読ませてくれます。

物語の舞台は、メニューにココアしかないカフェ。店主は祖母から引き継いだ孫のイケメン男子、千波。そこにカフェの噂を聞いたとやってきた渚。この2人が少しずつ仲良くなっていく様がナチュラルでよいのですよ。
2人共他人とは一定の距離を置いて付き合うタイプなんだけど、お互いに居心地が良くてとっても相性がいいみたい。次に会う日楽しみにしてたりお互いのいいところが自然に見えたりとか。

渚くんがこのカフェにきて千波に近づいたワケがずっと匂わせで何なんだよ〜早く教えてくれよ〜とじれじれしながら読みましょう。ちょっと驚きでした。予想外でした。
皆さんはどう感じただろ。

この2人の初めての体験。とても私の好みの描写です。物語はフィクションなんだからなんでもありでしょ?って考えもあるけど、私はやっぱり初めてですんなりいったり感じまくってたりするのは嘘でしょ?って思ってしまう。あと、準備無しで行うのも。準備って慣らしもだけどお尻キレイにする事ね。コチラの作品は準備シーンこそ出てきませんが、準備してから致してました。攻めの準備描写もあってゴム買いに走ってたのと爪切りが置かれていて、傷つけないように爪しっかり切ったんだなと。
あと、受けは初体験ですが、自分でも後ろでしてたたみたいです。よしよし、それなら快感拾えるね、よかった、と思える。

未経験ですんなり入って気持ちいいなんて滅多にないでしょうよ?と思ってしまう。あと、キレイにしてからじゃないとイヤじゃない?って気になってしまうので、ちゃんと綺麗にする描写がある作品は好感度高いです。

って、話がそれましたが本当に良い作品なのでみんなに読んでほしい。あと、カフェの新メニュー見せて欲しかったから続編希望します。

シーモアで購入
密着してて見えないので修正なし。

7

恋人、家族の愛、そして友情

仁嶋先生のお話は人間関係がどの作品もとても素敵なんですが、今回のお話はその人間ドラマの部分が少し重ためのお話でした。
ずっと何かの秘密を抱えた青年渚が、最後にはきちんと自分が抱えていた秘密を千波に伝えます。この部分が明らかになる事で、心がとても救われるので、重いお話でもとても充実した気分で読み終わります。
二人の関係は謎を抱えたまま、ゆっくりと友人から恋人に進んで行くのです。ゲイであることをクローゼットにしている渚。そして、オープンにしている千波。ゲイであることを千波の祖母は受け入れてくれていると聞くと、なんだか嬉しそうな顔をする渚。
この渚の言えないでいる秘密はネタバレしてしまうと面白く無くなってしまうのでここでは伏せておきます。
二人を取り巻く友人達が、良い感じなのです。一度は心無い噂話で盛り上がってしまうのですが、その後、ちゃんと良くなかったと反省したり、フォロー入れてくれたり。千波も渚も良い友人達が側にいるんです。
ラストまで読むと、「どちら様が、愛を告ぐ」の意味が分かり、ちょっと感傷的な気持ちになりました。
しかし、ずっと足踏みしたままだったカフェが前向きに動き出したのをみて救われました。

ここからは読んでから少し思った気持ちを書きます。

千波とお祖母さんの関係は、なんだか身につまされる気がしました。上手くいってる様に見えても、案外家族の関係は表面上の我慢で成り立っていそうで。その関係は本当に心からお互いを理解していたのか?千波は認知症になっても未だに娘(千波の母親)を心配している祖母の気持ちを理解出来ない悔しさだったり。ラストも結局は千波が祖母の気が済む様に話を合わせてあげて自分もお祖母さんも心の着地点を見出していましたが、本当ならもっと早く、認知症にならないうちに解決させてあげたかった問題ですよね。でも、心に折り合いを付ける事も、これからを生きて行く人には必要な事なんだろうなぁと。
その心に折り合いを付けさせてくれたのが、千波にとっては渚の存在だったんでしょうね。これは家族以外の渚だから出来たことだったんじゃないかな?と、思いました。心が優しい家族同士だと、あからさまに心に踏み込む事出来ないままだったんじゃないかなと。。
とても繊細で、完全には解決出来ない心まで表現しようとした仁嶋先生の人間ドラマの描き方はとても素敵だと思いました。

5

ココアのような優しさ

祖母のあとを継いでカフェを営む千波のもとに、客としてやってきた渚。
なんの変哲もないような出会いに見えるけれども、そこから始まるストーリーは単なる「ひとり と ひとり」の恋愛ではなく…
それぞれの過去や家族、複雑な思いを絡ませて進んでいくたくさんのドラマが詰まったものになっていて、すごく引き込まれました。

千波に"何か"を伝えるために、渚はカフェを訪ねてきたわけですが。
軽々しく口にできない理由があるようで、簡単にはそれを明かしてくれません。
この「話があるけど今は言えないんです」みたいなやり取りがただの恋愛絡みのものだったなら、後半でがっかりしていたと思います。
でも渚が伝えたかった話はそんなに軽くはなくて、そこに辿り着くまでの盛り上がりをしっかりと回収してくれるような展開が最高に刺さりました。

そしてそれを伝えるため、千波に対して誠実さをきちんと見せた渚の優しさが胸に沁み渡ります…。
高山さんも渚に話を聞いてもらえて心が救われたところがあったんだろうな。
それがしっかりと千波へも繋がってくれて、本当に良かったなと思いました。

重ためなお話の中でもふたりの気持ちが近付いていく様子はとても自然で、あたたかく想い合うのを感じられたのも素敵でした。

偶然が重なって出会った彼らですが、これからの日々が幸せでありますように。と、心から願いたくなるようなふたりのお話でした。

2

さすがストーリーの達人!

仁嶋先生は物語を作る天才だとつくづく思います。2人の青年が出会って結ばれる恋愛ストーリーをこんなに豊かに深く感銘を与えるお話にするなんてすごいです。作品がありきたりな話に絶対ならないのは、先生が真摯に作品を作っていらっしゃるからだと思います。こぼれ話を読んでいると、2人は実在していて先生は友達なのでは?と思ってしまうほど設定に説得力があります。今作の帯にカミングアウトしている、していない、と主人公のことを紹介されていましたが、主軸はそこではないような気がしました(うまく説明できなくてごめんなさい)。人の弱さも愛憎も信頼もすべてこのお話にあると思いました。素敵な作品でした。

2

理解しあうことの難しさ

1冊にこんなにもうまくおさまるなんて!と変なところでびっくりするほど引き込まれました。

自分がいちばん近くにいるから、いちばん理解しているという思い込みは、良くも悪くも人の心にどっかりと場所を占めているなと。
大きな場所を占めているからこそ安寧があり、怒りや戸惑いをともなう疑念が湧く事もあるなと。

先生も言われてますが、愛追うが好きなかたには間違いないかと。私も2作品とも大好きです。

2

この作品が収納されている本棚

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