小説

  • 春告鳥は恋を運ぶ

春告鳥は恋を運ぶ

harutsugegedori ha koi o hakobu

  • 電子専門
  • 電子書籍【PR】

表題作春告鳥は恋を運ぶ

伊葉和音
老舗和菓子屋「満珠庵」の社長,29歳
御崎十織
社長秘書,29歳

あらすじ

社長秘書を務めている御崎十織は、社長に頼まれ老舗和菓子屋「満珠庵」に赴いた。社長の予約した品、紅白梅もなかを受け取ることが目的だったが、十織は店先で体調を崩してしまう。実は十織と紅白梅もなかには因縁があった。数年前、玉の輿婚のため十織をあっさりと捨てた元カレから、結婚祝いのお返しに贈られたのが紅白梅もなかだった。とっくに忘れたつもりだったのに、もなかを見ただけで当時のつらさが思い起こされ呼吸さえもままならなくなってしまう。十織を介抱してくれたのは、満珠庵のとても美しい顔立ちをした男性店員だった。好みの男性に優しくされ癒やされた十織だったが、鋭い洞察力をもつ彼に紅白梅もなかが体調悪化の原因であることを悟られてしまい、気まずい思いで店を後にする。数日後、別件でまた満珠庵を訪れ先日の美しい職人と再会した十織は、彼が小学校時代の同級生、伊葉和音だと知り……。

作品情報

作品名
春告鳥は恋を運ぶ
著者
餡玉 
イラスト
青城硝子 
媒体
小説
出版社
くるみ舎
レーベル
スピカ文庫
電子発売日
4.3

(14)

(8)

萌々

(3)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
61
評価数
14
平均
4.3 / 5
神率
57.1%

レビュー投稿数6

和菓子と恋

和菓子にトラウマ持ちの主人公とその和菓子を考案した元同級生社長の再会癒しラブ〜〜〜

和菓子の成り立ち、和歌の想いを込めて…ってところ風流で熱かった!!
二人とも仕事に真摯で凛とした空気感も良い!

和菓子の世界の奥深さが恋愛模様と上手くリンクしていて、
季節の移ろいや誰かを想う気持ちが込められてるってエピソードがステキでした。
五感で楽しむの聴覚は咀嚼音だけじゃなくて、その時の会話ってのや気持ちを和菓子に込めて贈るのもロマンチック!!
想いがいたるとこに溢れててキュンとしました!!

0

「和」の美しさ

和菓子の美味しさ、和歌の美しさをじっくり堪能できる作品だった。相変わらず文章は読みやすく、和菓子は美味しそうだし知識も増える。
年齢のせいかクリームたっぷりの洋菓子より和菓子のほうが好ましく思えるようになってきていることもあって、こういうしっとりした話はすんなり入ってくる。
苦い恋を経ての大人の恋愛という感じで甘さは控えめだけど、激しくはないがしっかりR18なシーンもあってよき。
ゆったりしたい日に読むにはちょうどよかった。和菓子を買ってきて、冷たいお茶とともにもう一度読みたい。

0

うららかな春の訪れ

社長命令で和菓子の引き取りに『満珠庵』を訪れた秘書の十織さん。でも、なぜか人気商品でお祝いの品でも
ある「紅白梅もなか」を見た途端、体調不良となり…
そして、四季折々の素敵な和菓子に思いを馳せながら、
和菓子を愛し続ける『満珠庵』社長の和音さん。
実は、お二人には繋がりが?
過去のトラウマとは?
京都の老舗和菓子屋を舞台に、和菓子と和音さんに癒されていく十織さんと、そんな十織さんから目が離せない和音さん。
途中、切ないすれ違いがありましたが、最後はお互いに
思いを伝えあえ、ハッピーエンド。
表紙絵からも春告鳥と共に、お二人の幸せが伝わってまいります。
読了後、心がほっこりと暖まる素敵な作品でした。

2

和菓子のように味わいが奥深い物語

和菓子のようにさっぱりとくどくなく、それでいて見せ場もキッチリ作った物語構成が素晴らしい!そこまでボリュームもないからサラサラッと読めるのに読み応えは十分。個人的には、もう少しページを増やして、2人の関係をみっちり描いても良かったかなと思います^ ^
昔の幼馴染みとの再会から始まるドラマチックなドラマにズッキュン!
十織の社長がマジでキューピット。お菓子買いに行って来いとか、コラム載せろとか。そんなん社長権限なかったら、出会いもしなかったし、親交も深めることもなかった。社長ー…ありがとー!!

和菓子が結んだご縁で、2人の関係がグッと進んでいく物語です。
イケメンと美人のカップリングなので、目の保養…。挿絵は表紙のその一枚しかないのが勿体無い!もっとイラスト見たかったです(〃ω〃)
最初の失態から始まる再会劇、クラスメイトだった過去、元カレのトラウマとなった引き出物事件などなど、2人に繋がるストーリーがてんこ盛り。それぞれがとっても面白かったです。
和菓子のこと、和歌のこと、情緒あるちょっとした知識に裏付けされたお菓子エピソードに魅入られました。しかも十織のことを考えて作られたお菓子……さりげなく出された美しい菓子の誕生エピソードに、昔からの強い想いが込められている深い愛情と恋心にうっとり。2人の再会劇はある意味運命だったんだな、と思えて仕方なかったです。その意味では、元カレからのお祝い返しも無駄ではなかった…かも?

その元カレへの制裁が、物語の中でちゃんとされたことが一番スカッと!
クズはクズで、救いようのないクズっぷりである意味安心しました。同情の余地もなく、ボコボコにできるんで。
和音にカウンターかけられてタジタジになる元カレが超ダサ。気持ちわりー男を夫にした嫁さんに同情する…あと子供にも。
和音のやり返しがカッコいいのと、その後の2人の甘い空気との落差がめちゃ良かったです!私も客として見届けたかった…( ´∀`)


いやもう電子のみ配信ってのが勿体無いくらいおもろーでした。
和菓子の甘さと同じくらい…いやそれ以上の2人の甘さに酔いしれた物語。おすすめです!

3

和菓子を通じて伝える想い。

京都が舞台の同級生の再会のお話。
思いがけない再会はちょっと苦いものでした。しかしそこからの展開がとても情感豊かで心に染み入るものとなりました。和菓子を通じ四季を感じ人の心も表現していく。
藤原家隆の和歌に込められた思いを和菓子で表す。その和菓子を差し出す気持ちが優しく愛おしくまだ気づいてはいないけど心の春が近くに訪れているよと暗に伝えているようでした。
言葉だけではなく和菓子で伝えるという表現も素敵。五感で味わう和菓子の魅力も伝わり季節のものを買いに行きたいな。

4

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP