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表題作午後の光線

(攻め受けなし)村瀬みきお
グロテスクなものに性的興奮する中学生
(攻め受けなし)淀井宏太
家庭環境に苦悩する中学生

あらすじ

”痛み”を介し、熱を帯びた彼らの鮮烈な物語。

母親と、その恋人が取り巻く家庭環境に苦悩する淀井。
トラウマにより、グロテスクなものに性的興奮を覚えてしまう村瀬。
ある日、村瀬が苛烈ないじめに遭っているのを目撃した淀井は、激昂し止めに入る。
それをきっかけに交友をはじめたふたりは、お互いの持つ"痛み"を知り、関係を深めていく。
ふたりのほの暗い青春に、光は差すのか――。

作品情報

作品名
午後の光線
著者
南寝 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
カドコミ【非BL】
発売日
電子発売日
ISBN
9784048113359
4.7

(86)

(72)

萌々

(11)

(0)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
17
得点
405
評価数
86
平均
4.7 / 5
神率
83.7%

レビュー投稿数17

最初→最後にかけて純愛に

レビューを一年程書いていなかったのですが、どうしても感想を書き留めておきたかったため投稿することにしました。
こちらの作品、有名な方達からも紹介されていらっしゃるようで、私もどなたかの紹介動画で初めて目にしました。
当時からかなり話題に上がっていたようで、出遅れてしまったのが悔しいです…
今は補正がかかっているような気がするので、しばらく時間を置いてから読むと多少の感覚のズレはあるかもしれません。
序盤での淀井くんは安定感というか、冷静で大人びた風格があり、反対に村瀬くんはいつもおどおどしていました。しかし、中盤あたりから淀井くんの不安定な性格や弱い部分が明らかになり、村瀬くんにも自分から性的な行為を誘うシーンでは、むしろ村瀬くんの方が躊躇している様子でした。
エロ描写は少ないながらも描かれているのですが、それがまたものすごくグッときて…!
南寝先生の作品にもっと触れてみたいと思いました!久しぶりに漫画を読む時間ができてすごく満足です。

0

午後の光線

う〜〜ん……このなんとも言えない苦しい気持ちをどう表せばいいんだろう。
レビューも多いので感想だけにしますが、思ってもみなかった展開にちょっと心が折れてます。
中学生、というのもつらさの一端。
学校と家しか世界が無い中学生で、そこが辛かったらどう逃避すればいいの?

精神的な問題を抱えていじめも受けている村瀬。
自分の言葉がきっかけで始まったいじめを助ける強さを持つ淀井。
でも村瀬は家は裕福で、母親も優しい。
一方淀井は母子家庭で、母親が暴力的な男性と付き合っていて家に居場所がない。
そんな2人が仲良くなっていくわけだけど、初めは礫死体に執着する村瀬がヤバい、でも読んでいくと本当にヤバいのは冷静な淀井の方。
なら淀井も村瀬に救われる部分があるのかと読んでいると、ブツっと断ち切られる淀井の最期があって、思わず「えぇっ⁉︎」と声が出てしまった。
そして何より、話し言葉では言いたい事がなかなか言えない村瀬の、素晴らしく文学的な美しい言葉達。静かすぎて哀しすぎて。
こんな作品だとは思ってなかった。
いじめも性も死も。全ての思い出も。その一つ一つが閉じ込められて、いつまでも午後の光線の中に浮かんでいる。

0

ifの世界線を願って涙が止まらない

踏切の飛び込み自殺に遭遇したトラウマから、グロテスクなものに性的興奮を覚えるようになった村瀬。早くに父を亡くし母と新しい恋人のいる環境に悩む淀井。
イジメにあっていた村瀬を淀井が助けた事から2人の仲が深まるけれど、明かされていくお互いの悩みや苦しみがわかればわかるほど現実は残酷で醜くて。だからこそ2人の共鳴する痛みが純粋で美しく、かけがえのない真っ直ぐさに涙が止まらなかった。

愛する存在を突然失う悲しみはどこか非現実的なもので、少し会えないだけで違う時間軸に変わらずまだいてくれるような気がする。
村瀬の心の中から淀井が消える事はないだろう。合唱コンクールでの村瀬の読む挨拶文は、話す事が苦手な彼の内にある気持ちが見事に表れていてめちゃめちゃ泣いた。
どこかで何か1つでも違ったら、少しでも別の流れになっていたなら2人に違う未来があったのではないかと、もしもを考えては切なくて頭の中がぐるぐるした。

淀井の乳歯見つかって良かったね。あのまま2人でずっと電車に乗って、遠いどこかに行ってしまえたら良かったね。でも一緒に過ごした記憶は永遠だからね。

1

この感情をなんと言い表せば…

どれだけ言葉を尽くしても、読後のこの気持ちを表現できる気がしない、そんな漫画でした。強く思うのは、衝撃的な出来事からの展開が、前向きなものだったのが本当に良かったということ。どんな大人になるのかな、と明るく考えることができるって嬉しいことなんだな。
淀井と村瀬、同じクラスで自然に友達になっていそうなタイプの二人で、関わり始めてからはすぐに濃い関係に。村瀬にとって淀井は救世主であり神様で、淀井が村瀬の全てになっていくのが伝わってきます。
でも淀井は村瀬に自分が必要で、だからしてあげたいという。常に無表情で自分の感情に鈍感な淀井が、そうなるに至った背景も描かれていて、とても切ない。二人ともが心に抱えるものがあり、だからこそ共鳴し合ったのかな。
淀井のその後は、事前に淀井自身が言った通りになってしまって、そんな伏線回収要らなかったよ…と思いました。村瀬の一生の心の傷になったことを、淀井の望みが叶ったと見れば少しは救いになるのかもしれないけど、やりきれない。
友人二人がイイ奴で泣けました。村瀬のその後が幸せだと良いな、と思います。

0

美しい作品

本屋で見かけて気になってその場で買わず、試し読みで何話か読んですごく期待値が高くなってる時に買いました
期待が高くなりすぎてるのもあってか最後の展開に涙は出ませんでした

最後村瀬の全く関係のないところで死ぬという展開はリアルといえばものすごくリアル(○○の膵臓をたべたいがまっさきに頭に浮かんでしまった)
リアリティのある展開が嫌いな訳ではなく、むしろ好きです。

が、淀井の村瀬に死ぬ時の自分を村瀬に見てもらい、一生心に残って欲しいという願いは叶えられなかったわけで
村瀬に全く関係の無いところで亡くなっているのかなんとも言えない気持ちになりました

かといって村瀬の目の前で自分から淀井が死んだらいいかといえば違うんですが(どっちやねん)

せっかく両思いになりようやく幸せをつかみかけた2人を見た直後の死、が受け入れ難かった
一瞬でも愛し愛された淀井は幸せだったと思うけど
淀井の母親たちと3人で話し合い、自立する未来もないまま死んでしまった

最後の村瀬の手紙は、展開を受けいれられないまま終わってしまう映画のエンドロールを見てる気分だった
(あまりああいう文章の説明口調で終わる終わり方は好みじゃないが、途中村瀬が先生に書く日記で文章が物語のようなのはわかってたから納得できた)

一生村瀬は淀井を忘れない、淀井の願いはある意味かなったのかもしれないけど2人で幸せに生きて欲しかったな

あと淀井は村瀬に自分からは大好きと言ってない
トイレのシーンでも踏切の告白シーンも先に村瀬に俺のこと好き?って確認してる
愛されなかったから、愛されてると分からないと怖いのかなと感じた
生きてたらいつか自分からも好きと言えたかもしれないのに

いじめを助けてくれて自己紹介してくれた淀井は村瀬の光だった
けど、淀井のために人を殺す協力が出来るか即答した時も、好きって言う時も、電車で逃避行の時も村瀬は眩しくて真っ直ぐで、お互いがお互いの光だったと思うと悲しくて...

哲郎や母親がただの悪いやつじゃないのも細かく描写されてて憎めなかった
哲郎何とかすると言ってたけど線香だけじゃなくて、死体の淀井を村瀬に見せるはふさしなのかな...?画像でも淀井の死体を見て興奮する村瀬はいるんだろうか...

中立だけど決して悪かったという意味ではなくて、電車で逃避行、部屋で抜き合い、淀井の自傷、告白シーン、美しい描写がずっと続いていて読んでて飽きなかった

淀井の犯罪者予備軍は俺の方なんだってセリフも心に残っていて、淀井がずっと生きてたら村瀬のために人を殺すこともありえたのかなと考えてしまった

一度読んで欲しいけど、読み返すのに自分は勇気のいるそんな作品でした
でも南寝先生の作品がまたでたら絶対買うと思います


0

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