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北上先生の絵が古典芸能の世界で見れるとあっては読まないわけにいかない!
一作目は、歌舞伎の名家の一人息子として生まれ、幼い頃から師匠と弟子以上にはなれない父子関係に寂しさを覚えていた受けと、そんな受けを父親以上に近くで見守り続けていた従兄弟の攻めのお話。
自分の価値は歌舞伎にしかないと思い込んでる受けに、歌舞伎を切り離した世界も見せてやりたいと思う攻めと、そんな攻めに見限られたと落ち込む受けの気持ちのすれ違いが切ない。
二作目は一作目の主人公・笙吾の血の繋がった父親・将広と父を早くに亡くした歌舞伎役者・大希の話。周囲の反対を押しきって父親の名を襲名した大希の言葉で、笙吾に実父である自分の名を継がせた育ての父の真意を知り、将広が救われる、というお話でした。
将広が笙吾とその母を捨てた経緯など、多少もやっとするところはありましたが、期待通りの北上先生の綺麗な絵を見れて、満足でした!
このお話はお相手が従兄弟として、幼なじみとして、ずっと支えてくれてまさに理想的な従兄弟もの。
歌舞伎業界ものなので少し特殊設定なのですが、すんなりと楽しめました。
家系の関係が少々複雑で、そのせいでか主人公が必要以上に卑屈になっているのですが、そんな主人公を従兄弟である攻めは暖かく見守って支えてくれます。まさに猫っかわいがりという感じ。
本当に主人公に対して甘あまなので、ひたすら主人公が甘やかされるお話が読みたい時におすすめだと思います。
カップリングがとてもツボに入ったために、ストーリーが少々オチも含めて弱いかな、と思ったのが残念でした。
もっとガッツリ一冊読みたいと思いました。
しかしサブで入っている脇カップリングも素敵でした。
カップリング的にはどっちも甲乙つけがたい感じです。こちらは大人の関係というお話ですね。
こちらもまた、一冊で読みたいカップリングでした。
絵が好きすぎるーっ!!!
ほんっと綺麗です♪
笙吾が出自の真相を知ってどん底に凹みまくりつつ和美を想うシーン&かっさらう和美が大好きです(〃艸〃)ムフッ
あと別カプの背中抱かれて匂いかいで寝ちゃったあたりとかw
それにしても笙吾パパ…最初は厳しい方だと思いきや…ワンコのようだw
特にオマケ漫画での父上可愛すぎるー(((o(*゚▽゚*)o)))
イメージが180度変更されますよっ!!!
1番可愛いんじゃないかとっ(`・ω・)bグッ!
父との繋がりは歌舞伎しかない。
だから笙吾は芸事に没頭した。ひたすらに努めていれば、その時だけは父はこちらを向いてくれる───。
遠い父との関係、何も持っていない自分。
何かを求めることを諦めている笙吾の唯一の存在、和美。
それだけは零れていかないで。そう願う笙吾が切なく悲しいです。
最初から何も持っていないと思えばいい
価値なんてないんだ
隣に来て 俺の手を取って 和美
笙吾が心でつぶやく、切ない思いの数々。
どんな思いでいたのか、笙吾の心情を思うと苦しくなりました。
だけど、ちゃんといるんです、和美は。
笙吾の切ないつぶやきを、まるで聞こえていたかのように言葉にする和美。
ちょっとやそっとのことじゃ離れないって言ってんのに
俺がいてやるから 泣くな
捨てなくていいんだ、笙吾
すくい上げる和美の優しさ、男らしさ、そして深い愛に涙です。
だって小さい頃から、和美が一番寄り添って護ってきたんだもんね。
切ない言葉と甘い言葉の数々が胸に染みました。
もう一個のお話は大希と将広さん。
大希がかっこいい。そのかっこよさに将広は惹かれたんでしょうか。
いじらしく健気でだけど臆病な大希。
将広は案外寂しがり屋だと思うの。
執着してくれないのが気に入らなかったのね。
和美と笙吾のあまあまっぷりも垣間見れて良かったです。
いってきますのお手てぎゅー。大希がいなかったらチューもだそうです、ごちそうさま。
書き下ろしは色んな意味で笑った。
笙吾父よ、あんたおもしろい人だったのね。
和美ちゃん、マーキングしすぎ。
大希、うろたえすぎ。
将広さん、少し黙りなさい。
笙吾はずっとそのままでいてね!
歌舞伎の世界を舞台にした従兄弟同士のカップルで、和装姿のキャラクター満載のコミック。
北上さんの描く今回の攻め・和美は天然系ではなく、受け・笙吾に対する想いが真っ直ぐで包容力がある。
幼い頃から父親・行臣との絆を求めて歌舞伎の世界に没頭してきた笙吾と、そんな笙吾の事をそばで見ている和美。
この親子の歯痒い関係を見ていた和美は、いっその事笙吾と歌舞伎の世界から切り離してでも守ってやりたいという考えで彼を想っている。
笙吾があるきっかけで本当の父親は今まで叔父として接していた将宏だと知り、呆然としている時に和美がその真っ直ぐさで抱きしめてあげるシーンはなかなかの胸アツ。
笙吾をかっさらっていくなんて、まるで駆け落ちシーンみたいだった。
結局は行臣も自分から距離を置きすぎて、歌舞伎を通じてしか息子や周りの人達に愛情を表す事ができない不器用な人なんだと分かり、無事に親子として距離を縮める事ができた様子。
そんな行臣父さんは、巻末のおまけ漫画が相変わらず他のキャラと比べて不器用な様子が可愛い(笑)。
今回の北上さんのコミックは、短編と違ってある程度のページ数を取っているせいか話の筋が掴みやすくなった気がしたが、他の人のレビューを拝見すると、まだ自分の読み込みが足りない部分も残っているんだなぁ…てのを実感する。
作中に、行臣と将宏の関係に笙吾の母・琴子が関わってくるのをさりげない一コマで仄めかす部分があって、それに気が付くと今の将宏と今の恋人・宗近の関係よりも彼らの過去のほうが気になってくる。