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表題作カラザ

柏木勝
ヤクザ 
一条光晴 
歯科医師 

あらすじ

歯科大生の一条は、同級生に報われない恋をしていた。
あるときヤクザの柏木と出会ったことから、彼らはお互いに引き寄せられていく。
長い年月を経て行くなかで彼らの運命は変わり始める。
大阪が舞台の群像長編。

作品情報

作品名
カラザ
著者
月夜堂 
媒体
小説
出版社
メディアチューンズ
レーベル
書肆月夜堂
発売日
4

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萌々

(1)

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中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
4
評価数
1
平均
4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

全てを手に入れた男の話

商業誌では無理そうな内容だった。
主人公はずっと女性と付き合い結婚するし、兄→妹の強姦はあるし、BL部分のあれこれは微妙にグロい。それでも大人四人の話で終わっていれば良かったが、子供が絡んでしまってなんだかなあ。面白いけどゾっとするお話。

柏木側と一条側の両視点で進む作品。ヤクザと医師で住む世界が被らず、それぞれの人間関係が広がっているため、登場人物がとても多い。柏木側のキャラはさらっと流してあまり覚えなくて良いかも。

一条は抱くのは女が良くて、抱かれるのは男が良いと思いながら性生活を充実させてるキャラ。小泉兄妹の妹と付き合いながら兄に片思い。その兄は妹に片思い。妹は一条に、と思いの矢印は三角形。ここに柏木が加わって、一条は兄への片思いを断ち切る方向へ。

その後小泉妹と別れた一条は、柏木とだけ付き合っていくっぽい流れに。ほのぼのした幸せな空気を感じたのは、この期間だけだった気がする。まあ一条本人はずっと幸せだったのかもだけど。柏木の可愛さが垣間見えたお付き合い期間だった。

そして起きてしまった兄から妹への強姦事件。一条は、柏木に愛を告げてから、小泉妹と結婚宣言。「有香ちゃんは僕がもらうで!」……これって、「(兄の子を身ごもった)有香ちゃんは僕がもらうで!」ってことか。

最終的に一条は、かつて好きだった人の子供と妹を手に入れて、柏木とも関係を続けていくという、欲しいもの総取り状態。実際は誰の子か分かる描写は無かったけど、そういうことかと。じゃないと強姦事件をあそこまで描く必要がない。

ストーリーとしてはとても面白い。なのになんとなく好きだと言いにくいのは、やっぱり子供の存在があるから。一条は自分の子として見れているのかな。一条のキャラがアレなだけに、ちょっと怖くなってしまった。
(それはそれでクセになるので、月夜堂作品は止められない)

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