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天才的な津軽三味線の技と音色
津軽三味線を弾く受けとスポンサーの攻め。
こう書いてしまうと、ありがちな感じですが、さすがは夜行花さん。津軽三味線の描写がよくて引き込まれました。
津軽三味線は、すごーーーく昔に吉田兄弟(当時は人気だった)のコンサートを聴きに行って感動したものです。和楽器らしからぬ楽器ですよね。情熱的でなのに切なさや悲しみも伝えられる。
という理解がある上で受けの生い立ちや、先輩弟子?の嫉妬やら、その辺がある事で浅井が達央に傾倒しちゃったのはすごくわかりました。ただ、達央の方が浅井に捕まっちゃったポイントが今ひとつわかんなかったですけど。
やっぱ一緒にいると情が芽生えるからかな。子供が欲しいって言ってたのは良いのかよ〜って思っちゃいました。
あとがきにも書かれてましたが、エロはもっと高められたかも(笑)
20歳のおぼこい若者がアレコレ溺れさせられちゃうって方向もありですよね。でも、お話からするとバランス的には良かったのかも知れません。
これから達央は開発されちゃうんだろうな(爆)
津軽三味線…これまた渋い……と思いましたが、読んでみたら面白かったです。
受けの達央がめちゃくちゃ無欲なんですよね。
津軽三味線の達人といわれた祖父の音色や技を引き継いでいるにも関わらず、自分も達人と言われたいどころか、人々に聴かせたい、三味線で食っていきたいとすら思わず、ただ独り弾いているだけで満足なお方。
一方の浅井は、達央の三味線にガツーーン!とやられてしまい、こんな逸材が埋もれたままだなんて!!と歯痒さのあまりスポンサーというかパトロンになることに……。
浅井は紳士でした。
最初から溺愛してるのが伺えるので(達央ときたら激ニブで1mmも気づいていないんだけど)安心して読めます。
攻めは安定して穏やかな紳士なので、なんか夜光さん作品ということをついつい忘れがちというか、年上溺愛攻めがお得意な某作家さん作品だったっけ?と読んでてつい錯覚してしまいそうになる自分がいました。
達央の成長も良かったですね。
己の三味線をただ弾いていられればそれでいいと自己完結していた達央。
目の前に聴衆がいようがいまいが、全く御構い無しだった。
それが人前で弾く経験が増え、少しずつ学んで成長していく……。
そこも面白かったです。
…といっても、大元の設定の共通性だけですけどね。
祖父が津軽三味線の名手で、その祖父の死後上京する主人公…
主人公は20才の加々美達央(たつお)。
自分では自覚していないが、大変な才能を持っている。
上京後は三味線を練習する場も無くバイトにも追われ。
そんな時、ある男性が現れて援助したいと言ってくる…
一度だけ出た大会で達央の音色に惹き込まれた若きIT社長があしながおじさんになる⁉︎というようなストーリーです。
達央はとても堅実で良い子です。
自分の三味線が人々の心を揺さぶることに自分では気づかず、そもそも人に聴かせよう、三味線で食っていこうなど考えていない。
彼の音色に惚れ込み世に出て欲しいと願う支援者の浅井だが、それ以上に達央そのものに焦がれていく。
達央はノンケで。夢は結婚して子供を持つこと。
そんな達央の言葉を聞いて胸が痛む浅井な訳だけど、ずっと紳士な彼と達央の初めては一応同意はあったもののレイプにも近い?ものでした。
というのも、浅井が絶倫なんです。
はじめての達央に、手加減できずに激情をぶつける浅井。
気づけばその熱が忘れられなくなってしまった達央。
達央の奏でる津軽三味線の力強さ。
才能を持ってしまうことの光と影。
これからプロとして生きていくことの覚悟。
それらの大きな拠り所となる浅井との暮らし。
BLでは珍しい三味線が主題でしたが、ドラマチック要素もありつつ読みやすく、もちろんエロシーンも読み応えアリで非常に面白かったです。
何度目の再読だろう。何度読んでも感動と、登場人物と一緒に達成感を感じる。ワクワクします。
なぜ初めて読んだ時に萌×2にしてしまったのか!今なら神なのに。
三味線の才能のある天涯孤独な男の子達央、彼の師である祖父が亡くなり、世話になった恩人に言われ一度だけ大会に出る。そこで彼の演奏に一目惚れした若き経営者浅井。
達央は行方知れずの父に会いたくて数年前に届いた便りだけを頼みに上京する。
そして恩人と知り合いだった浅井と出会い…。
達央の境遇、三味線との向き合い方、無欲で孤独で幼くて。そしてそんな達央を愛する浅井。
色んな縁に恵まれて経験を重ねる達央。三味線をひくこと、聴く人との向き合い方、浅井への想い。
はぁー。何度読んでも良い!
才能のある善良で無欲な子が足長おじさんに助けられ愛されて成長し、初めて恋をする。
才能を妬まれ陥れようと毒をもられてしまい、パニックになる達央。ひけなくなったら浅井は自分をいらなくなってしまうと怯える。
でも浅井はもし以前のように三味線がひけなくなっても一緒にいてくれる、技術じゃない達央の出す音色が好きだと。
もう幾重も読み応えがあり。
何度も読むたびに萌と達成感にひたります。
達央の純粋さを守ろう、達央のこれからの修羅の道をともに歩こうとしてくれる浅井。
胸が熱くなります。
はぁ、たまりません。また数年後に読み返すでしょう。
若手三味線奏者・達央と、彼をバックアップしてその才能を世に出したいと奮闘するIT社長・浅井のお話です。
とても面白い作品でした。三味線というちょっと変わった楽器とその業界を題材にしていますが、小説としても読みやすく、その魅力が伝わってきました。ぜひ三味線の演奏を生で聴いてみたいと思います。
達央は祖父であり師匠でもある偉大な三味線奏者から天賦の才を受け継いでいますが、決して幸せとはいえない生い立ちや元来の控え目な性格から、自分の才能にまったく気づいていない故に野心のない青年です。二十歳の若者らしい不安定さと素直さが庇護欲を掻き立てると言いますか…浅井のメロメロっぷりも納得でした。達央の周囲の人々も皆さんイイ人で安心しました。
色々な出来事や出会いに影響されて変わって行く達央が自ら道を決めるシーンではグッときました。まだ二十歳。どんどん成長して、偉大な三味線奏者になってほしいです。カップルとしても、いざというとき男らしい達央と最後まで紳士だった浅井に好感を持ちました。末永く幸せになってほしいな~。