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表題作スロウモーニング

川上 夏生
広告代理店 営業、24歳
高山 壱成
ビートメイカー/DJ、24歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし/カバー下

あらすじ

日々仕事に忙殺されるサラリーマンの夏生(なつお)。
ある晩、隣人の騒音に嫌気が差し
つい壁ドンしてしまう。
謝罪に訪れたのは、なんと高校時代の
親友の壱成(いっせい)だった!!
卒業式に告白されたけれど、
自分も好きだと伝えられなかった――
当時の後悔と恋心が蘇ってくる。
6年振りの再会に思わず緊張する夏生だけれど、
壱成は告白なんてなかったかのように
飄々とした態度で接してきて…!?

作品情報

作品名
スロウモーニング
著者
カジス 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784199610318
4.2

(44)

(22)

萌々

(14)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
187
評価数
44
平均
4.2 / 5
神率
50%

レビュー投稿数9

絶賛現役社会人にはぶっ刺さりまくるリアルさ

いい意味で生々しく、リアルな感情だな〜と10年以上社会人をやってる身の人間には刺さりまくりました。
自分が仕事に息詰まっているときやしんどいときほど、仕事でキラキラ輝いてる人が眩しすぎて、羨ましいな〜と思うと同時に焦燥感や劣等感を感じてしまうもので。それが、自分の好きな人やパートナーだと尚更その気持ちは加速するよな〜と自分の経験と重ねながら拝読しました。これ程までにリアルに『仕事』というものを描きつつ、BLを併せた作品は私の腐女子人生のなかではあまり出会えなかったのでとても大切な作品の一つになりました。

6年ぶりに再会したなっちゃんと壱成、良くも悪くも6年の間で変わってしまった部分もあれば変わっていない部分もあり、その『変化』を嬉しく思う反面ちょっと切なくなったり寂しく感じている描写が丁寧に描かれていたところもよかったです。
なっちゃんと壱成がやっとこさ自分たちの気持ちを認識して、結ばれたーー!わーい!ってなって、イチャァってしようとしたところで壱成に仕事の電話が入ったあのシーンめちゃくちゃ好きなんです…。なっちゃんは電話を無視して抱きしめるのに対して、壱成がガチトーンで『どいて』って返すあのシーン。私はなっちゃん側の人間なのでめちゃくちゃ胃と喉元あたりがヒュッとキュッ( ‘ᾥ’ )っとなってしまうのですが、あの対比が生々しいというか、リアルというか…笑 なっちゃんの居た堪れない感じとほんのりイラついてんな?みたいなあのなんとも言えない空気が居心地悪いんだけど、リアル〜な感じで好きです。そのあとにちゃんと壱成がなっちゃんにフォロー入れるまでがワンセットなので、それ込み込みで好きなシーンです。変に背伸びしてなくて、等身大な2人の日常がいいな〜と思いました。
これは自論なので、全ての人がそうという訳ではないですが……仕事とプライベート、どちらかが満たされれば相乗効果で上がることがまあまああります。ワークライフバランスとはよく言ったものです。なっちゃんも壱成の存在によって自分のお仕事が好きになれたり楽しくなれたりしたらいいな〜と密かに願っています。あとなっちゃんのササクレ??をかりかりする癖が治るといいなと思う笑

キャラ設定で2人の出身地が愛知県とのことで、作中壱成の方言が気になって気になってしょうがなかった!!我が地元過ぎて!!
この独特な語尾……方言という程大袈裟ではないけどほのかに香る地域性……名古屋弁とはまた違う雰囲気の………… あ〜愛知のあそこらへんかな…とか思ったりしてました。カジス先生のTwitterで壱成が語尾に『りん』を付けて話す絵も上がっていて気が気でなりませんでした。

1

6年越しの両片思い

高校の卒業式に告白され返事が出来ないまま離れてしまった夏生と壱成。6年ぶりの再会はまさかの引っ越し先の隣人で、そこから止まってた時間が動き出して…。
サラリーマンで営業職の夏生と自由業の壱成、どちらにもそれぞれの大変さがあるけど相手にはわかりにくい。
成功している壱成に夏生が感じた焦りや劣等感もわかるし、好きな事で食べてくのって簡単ではないから壱成の努力や苦しみもまたよくわかる。
仕事と生活、時間に追われる中で恋する想いもすごく重要でそれが支え。6年越しの両片思いを実らせた2人が愛おしすぎて、改めてそれぞれの仕事にやりがいを見出すのも前向きで眩しい。
お初だったカジス先生、試し読みで気になって即買いしたのだけどめちゃめちゃ良かった〜!

0

6年越しのやりなおし愛

仕事に追われ目まぐるしい日々を送る会社員の夏生はある日、
引っ越し先で高校時代の親友・壱成と再会を果たします。

高校最後の日に「ずっと前から好きだった」と壱成から夏生。
「自分も」と言いたいのに伝えることができず終わったと思っていた恋ですが、
昔と変わらない無邪気な笑顔で自分に呼びかける壱成に恋心が再燃します。

そして、もう一度親友期間を経て、
6年という長い長い両片想いがようやく成就した二人。

待ちに待った“両想い”にあまあま展開を期待しますが、
仕事に追われる二人はなかなかイチャイチャチャンスが訪れず…。

翌日の予定なんて気にせずに存分にイチャついてほしいのに、
スケジュールに追われて恋人同士な空気に浸れきれないのが何とも世知辛い…。

その上、仕事でのトラブルが重なり追い詰められてゆく夏生は
自分の好きなことを仕事にして大成している壱成への劣等感や羨望から
八つ当たりしてしまい、喧嘩に発展してしまいます。

正直、夏生の気持ちもわかりみが深すぎるし、
だけど、壱成だって血の滲むような努力を重ねてきたからこそ今があるわけだし、
どちらの心境も言い分も理解できるからこそしんどかったです。

これって別にこの二人に限らず、友人同士でも異性の恋人同士でも
十分にあり得る葛藤やすれ違いなんですよね。

もちろんメインテーマは二人の恋愛模様なのだろうけれど、
“働く大人”を描いたストーリーとしてもめちゃくちゃ読み応えがありました。

思い切り喧嘩した後は彼ららしいきっかけでなんとか仲直りを果たした壱成と夏生。
今度こそ、念願の初エッチに挑む二人ですが、その様子がまた何とも二人らしすぎました(笑)
なんとこの二人、お互いが初めて同士なのですが、
それゆえに痛がる壱成とそんな壱成から顔に蹴りを入れられる夏生。
それでも体を繋げたくて二人で頑張ってほぐしほぐされる二人のえち模様が
微笑ましくてほっこりしてしまいました。
(エッチシーンでこんなあたたかな感情を抱くこともなかなかないのですが…)

ラストは壱成に見送られて仕事に出勤してゆく夏生の背中に
「頑張れ」と心の中で声援を送り、読み終えました。

2

No Title


学生時代お互い想っていた相手と6年ぶりに再会!大人になるって、仕事するって、それで食べていく...やりがいとか自分の生き方考えちゃうよね。壱成の生き方もかっこいいけど夏ちゃんもかっこいいよ。社会人として異なる生き方をしてきたふたりならではのお話☺️

だからこその葛藤とぶつかりあいがあったかなぁと思う。あのシーンは緊張感あった。夏ちゃんの顔怖かったけど自分のいやなところをえぐられる感じだよね。怒ってしまうのもわかる。結果的にちゃんと謝れたのはえらい。あの緊張感あるシーンのあとだからこそ初Hはなんか泣けちゃうのわかる気がするな

0

両片想いの再会だけど甘すぎない

物語は6年ぶりに同級生と再会からはじまります。
うるさい隣の部屋に住んでいたのは偶然にも高校卒業式に告白されてから音信不通だった壱成でした。自分も好きだと言えなかったから、ずっと引っかかっていた相手。
互いにもう他の人を好きかもしれない、幸せなのかもしれないと、今さら自分の気持ちを伝えることをしない方がいいのかと思います。それでも互いの部屋に行き来するようになったり仲良くなったりして、夏っちゃんは「俺も好きだった」と伝えます。

この辺りのふたりはナチュラルに恋人未満親友以上のゼロ距離だったり、会えてうれしい様子だったりが、とてもかわいくて幸せそうで読んでいてとても楽しかったです。

晴れて恋人同士になったふたりですが、幸せに浸れる時間は少なく、仕事や日々の生活に追われてあまり会えなくなります。ビートメイカー・DJとして充実した仕事に楽しんでいる壱成に比べ、好きとは言えないサラリーマンの仕事に翻弄される夏っちゃん。壱成の仕事が認められるたびに自分の存在価値が失われていくようなコンプレックスを感じ始めます。

わりと早い段階でふたりは両想いになりますが、前作の「たゆたう琥珀」とは違って付き合ってからのラブラブ感よりも苦しさや言い争いにすれ違いが描かれています。
恋人が自分より仕事を通して世間に認められていること、今が一番楽しいと言っていること、それに嫉妬している自分の醜さは、きっと誰にでもある思いなので読んでいてとても切なく感じます。でも、壱成だって楽をして今の成功を手に入れたわけではありません。

大ケンカをした後、ふたりは冷静になって互いのこと、高校時代のことを思い出します。相手の言っていたこと、相手の性格、そしてなによりそんな相手がずっと大好きだったということを。
ふたりは自分の言ったことを反省してちゃんとふたりで話し合います。6年間両想いだったのに離れていた分まで。夏っちゃんだって本当はいい仕事をしていること、自分の仕事に誇りを持っていることも改めて壱成によって気づかされます。
そしてはじめてセックスをします。照れくさそうで幸せそうで素敵な初体験でした。特に何度も涙を流す受けの壱成の様子はすごくよかったです。

ラブラブ度は少な目かもしれませんが、一緒にいることによって互いを高め合い、互いのこと尊重し合う、そんないい関係になりそうなふたりの物語でした。
BLらしいというか、男同士の付き合いや嫉妬が友情の延長のリアルに感じられる甘すぎないけどいいお話だったと思います。

2

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