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メインカプは従兄弟同士で同級生の正宗と立紀で、強姦から始まる感じ。1巻時点では、正宗は何も言わず会えばいきなり襲ってくるだけで、惚れる要素がない。立紀は心理描写でずっと嫌がっている風なので辛い。昔のBLっぽいと思った。
立紀の一視点で見るお話は、自分の意思に反する行動ばかりで、ずっと流されているもどかしさを感じ続ける。正宗に強姦された後の感情は優越感で、その後も期待しているのに抵抗する描写が続き、自分に対し素直じゃなくて読みづらい。
葛藤する複雑な内面は、読み応えはあるのかもしれない。セフレを抱きながら抱かれたいと思うとか、興味深い要素もある。でも言動で明確な拒否を示さず、心の中でだけ嫌がる流されセックスはモヤモヤする。
正宗はとにかく言葉が足りない。強引に立紀を犯して一人で興奮し、勝手に切なげな雰囲気を出し、思っているのはバレバレなのに何も伝えない。独り言のようにつぶやくだけで相手に分かってもらおうなんて、でかい子供かと。
再会した正宗が、結婚離婚を経てもまだ立紀に執着し続ける背景は分からず、無理やりの関係ばかりで立紀と上手くいくと思っているのかも謎。立紀は正宗がちょっと本気を見せれば、簡単にセフレを切ってなびきそうだけど、どうなるのかな。
この作者さんの別作品でも思ったけど、序盤から独特の空気感に引き込まれる。見えない感情の渦が押し寄せてくるようで、期待が高まる。キャラの魅力はまだ分からないが、この方の創る世界の空気は魅力的だと思った。2巻に期待。