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主人公にはなれないけど

shujinkou niha narenai kedo

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表題作主人公にはなれないけど

室生 海斗
大学2年生
文哉
大学1年生、喫茶バイト、20歳

その他の収録作品

  • 描き下ろしマンガ『3年後』
  • キャラクター話
  • 背景設定・あとがき

あらすじ

物心ついたころからずっと隣にいる
幼なじみ・海斗(かいと)に、長年片想いしている
大学生の文哉(ふみや)。
セフレは作っても恋愛とは無縁の海斗にとって、
一番近い存在は自分のはず――
そうやって恋心を隠し、“幼なじみ兼親友”の
立場に甘んじる日々だ。
ところがある日、仲がいいという大学の先輩・
諒(りょう)を紹介される。
男友達すらとくにいない海斗が
懐くなんて珍しい…。
不思議に思っていた矢先、
諒を見つめるまなざしに、
本人ですら無自覚の思慕を見つけてしまって!?

作品情報

作品名
主人公にはなれないけど
著者
桃子すいか 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784199610394

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11

4.5

(38)

(28)

萌々

(5)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
170
評価数
38
平均
4.5 / 5
神率
73.7%

レビュー投稿数9

しんどいのに読み進めずにはいられない

片想い、しんど……!!
片想い相手がまた誰かに片想い…と
地獄のような片想いの連鎖に息苦しさを感じながらも
最後まで見届けずにはいられませんでした。

大学生の文哉は幼馴染みの海斗にずっと片想いをしています。
けれど、当の海斗は筋金入りのヤリチンで誰とも恋愛はしない主義。

叶わぬ恋は切ないけれど、海斗が誰かのものになることはなく、
せめて親友として隣にいられることに安心していた文哉ですが、
ある日、海斗が友人の諒に片想いしていることを悟ってしまい…。

文哉に片想いする有島(カフェの常連客)。
海斗に片想いする文哉。
諒に片想いする海斗。
一花(文哉と海斗の幼馴染み)に片想いする諒。
…とこの狭い空間の中に片想いが一極集中しているのです。
しかも、誰一人として両片想いではないところがまた切ない予感しかしない。


海斗の片想いを知ってショックを受けながらも
自分の想いを告げることもできずにいた文哉でしたが、
偶然海斗に自分の恋心を知られてしまいます。

このときの海斗の反応がまたどクズ極まれりでして。
確かに海斗自身も親友だと信じていた相手から
恋愛対象に見られていたショックはあったのかもしれないけれど、
海斗の発言には文哉の片想いへの思いやりは微塵も感じられず、
むしろ文哉の気持ちを踏みにじってくる始末。

その後も文哉とこれまで通り傍にいたいからなんて
安易な発想からお付き合いの提案をしてきた海斗。
だけど、今までまともな恋愛をしてきたことはなく、
文哉に対してもそもそも恋愛感情すら抱いていないわけで、
当然上手くいくはずもなくわずか3ヶ月ばかりで破局に。

気持ちもないくせに無理して良い彼氏みたいに振舞って、
だけど無自覚な独占欲だけは一人前で、
喧嘩の末にやっつけ仕事みたいにエッチになだれ込むも
文哉を前にして「おれやっぱり誰とでもできんだな」なんて…
仮にも「俺はお前がいい」とずっと想ってくれていた相手に言うか?
もう………クズにも程がある。

しかも、その言葉に泣き出した文哉に「ごめん…痛くした?」って
傷つけた自覚すらないのがほんとどうしようもねぇなこのクズ男はよ…。

その後も散々文哉の気持ちを蔑ろにしたくせに被害者面して凹み、
有島と文哉が付き合ってると思い込んで当てつけみたいに
即効セフレの所に駆け込んで快楽に逃げようとするし…
ちっとも報われない文哉が不憫すぎて泣けてきちゃいました。

ただ、恋人としては最悪な海斗ですが、親友としては誠実でした。
両親が不倫し合うという最低な家庭環境から恋愛不信に陥り、
それゆえに海斗にとっての恋愛はいつか終わってしまうもので、
友情だけは終わらないものでした。
だからこそ、文哉とは恋人ではなく友達のままでいたいと望んだ海斗。
ヤリチンだし、無神経だし、傲慢な男ではありますが、
見方によっては誰よりも純粋だったのかもしれません。

文哉との別れだっててっきりノーダメージと思いきや、
意外にも失恋を引きずってしっかり打ちのめされちゃっていて、
文哉を失った寂しさから路上で子供みたいに泣きわめく場面では
攻めザマァと思いつつも、うっかり絆されちゃいそうでした。

海斗は人の気持ちに鈍感で無自覚に傷つけるし最低だけれど、
愛が何かを知らないだけで、それが何かを理解はできるんです。
だから、一花に友情と恋愛の違いを諭されて文哉への自分の気持ちが
愛だと気付けたし、愛を知ってしまえば文哉だけを愛する一途攻めに
変貌を遂げています。

手を繋ぎ、キスをするだけで緊張したり幸せを噛みしめたり、
ピュアというか…童貞返りしちゃっている海斗が可愛く見えてしまいました。

海斗はまだ恋も愛もわからないと言うけれど、
キス一つでドキドキしちゃうなんてもうそれ以外思い当たらないのになぁと
思いながら読み終えました。

ラストは文哉に片想いしていた有島さんの切ないシーンで締め括られます。
大人の包容力で文哉の恋を見守り、背中を押してくれた有島さん。
結果的に文哉は彼を選ばなかったけれど、
前半までの海斗のままなら絶対有島さんルートを推してました。

描き下ろしは3年後の海斗と文哉が描かれていて、
本編の切なかった分を糖分で満たしてくれるかのような
イチャイチャが爆発している2人の後日談でした。

文哉への気持ちが恋なのか迷っていたことが嘘みたいに
溺愛モードな海斗に表情筋がゆるゆるになりました♪

2

キラキラしんどかわいい

桃子先生の18.44-が大好きでこちらも購入させて頂きました。
5角関係?4人の男全員が片思い…おもしろそうだわとワクワクしました。
が、中身は友情か恋愛かがメインなお話に感じました。
そこへ関わる一花がとてもよかったです。
有島だけでなく諒のキャラにもう少し厚みがあって出番があれば群像劇としてより読み応えありかなとは個人的な感想です。
絵もキャラもキラキラかわいらしくて、じゃっかん少女漫画を読んでいる気分になりました。
文哉のキャラや表情や描写など。こういう男子もいるかもですね。
ブックカフェの店名がいいですね。

0

あちらこちらの片思いと群像劇。とても読み応えあります!

表紙を開くと書いてあった先生の一言が、テーマは「地獄の片思い」です。との事で。一体どんな修羅場?!と思いながら読み進めました。
しかし、読んでみるとやはり桃子すいか先生の柔らかで優しいタッチの絵柄と爽やかなキャラクター達が繰り広げる群像劇がとても細やかな心理描写と共に繰り広げられていて、とても素敵なお話でした。
幼なじみの男2人と女の子1人の3人を軸に、そこに更に出会った男性2人が入り交じって、みんな叶わぬ片思いをしています。
主人公は家族の世話に追われて(ヤングケアラー)自分の好きな事を優先する事が出来ないで育ってきた文哉。そして親の不倫を見ながら育っていて、まともな恋愛はできないと諦めている海斗。この二人が「恋とは?」「愛するってどういう?」自分の気持ちが分からないのと、今までの生活状況の為に、上手く好きな人と向き合えなくて。かなり気持ちがすれ違いながらお互いの心に答えを出していく過程がとても丁寧に描かれています。
そして悩んでいる二人をその他登場する人物が上手い具合に支えてくれるのも読んでいてとても面白かったです。紅一点の一花ちゃんがとても爽やかで素敵な子で、何よりも幼なじみの男二人の気持ちを早くから察してくれてとても良い働きをしてくれました。
そして、唯一社会人で文哉に絡んでくる有島は完全に当て馬ポジションでしたが、有島の視点で描かれている場面はとてもドラマの様な展開で面白かったです。有島がいた事でより文哉と海斗が恋愛について考えるキッカケになっていて、まだ幼さがある2人の恋愛にほろ苦さも加わってとても味わい深さがでていました。彼の果たした役割は大きく感じます。
一人一人の心を丁寧に描かれていて、ひとつのドラマを見終えた様な満足感が溢れる1冊になっています。

2

癖になるしんどさ!(爽やか!!)

すごくよかった!!!読み終えてから、何度も読み返しています!!!

特筆すべきはこの**“しんどさ”の中毒性!!!**
しんどい話って、普通は繰り返し読めないじゃないですか。
でもこの作品は違う!!読み終えたそばから、またしんどいページに戻っちゃう!!!
もう、何度でもハマる!!!

まず、主人公(?)のふみやくん。
めちゃくちゃいい子!!
この子が報われないのはおかしい!!
読者全員が「ふみや頑張れ!!」って応援したくなるんじゃないでしょうか。

そして……来ました、クズのヤリチン・光源氏こと海斗。
本当はいい子。でも、恋愛感情の処理が壊滅的。
ふみやの気持ちを、無自覚に踏みにじっていきます。
しんどい!けど目が離せない!!!

さらに社会人・有島さん。
大人で、優しくて、安定感があって……
読者として「ふみや、もうこの人にしなよ!!」って言いたくなる!!!

他の登場人物たちもみんな魅力的!!
一冊とは思えない情報量と感情の濃度。
ハラハラしながら、一気に読み切りました!!!

そして……書き下ろし!!!!
海斗には正直、ハラハラして、時にムカムカして、怒ってもいたけど……
全部、全部ゆるす!!!!(どの立場?)

大好きです!!!!!!

1

四角関係だけど

好き先生の新刊で
またまた切ない系のお話だとの事で即購入しました。
地獄の片思いがテーマとかなんとかって話ですが
過程はしんどいけどそこまでつらくはなかったです。
てかめちゃくちゃ良かったです。
やっぱりすいか先生好きだな。
四角関係だけどカバーのメガネの
年上キャラは当て馬スパイスで
主人公はすいか先生も書いてたみたいに
完全に攻めの海斗かなって私も思いました。
しっかり主役の海斗と文哉の濃いい
思いのお話でしたね。
剣道をしているリョウをかっこいい好きだなって思ったのは…
あーなるほど…
W不倫家庭で育ってしまった海斗が
恋愛がわからない
自分の気持ちがわからない…から
しっかり見つめて素直な気持ちで
無くしたくないものをつかむ
ボロボロに泣いてる攻めくんよかったなー!
友達も終わるっていう
一花の言葉印象的でした。
終わらなくて本当によかったし
三年後らぶな様子がみれてほんとうれしい。
まさかのともだちから恋人になれたお話。
読み切りが配信されるみたいなので
そちらも楽しみです。


2

この作品が収納されている本棚

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