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荒くれ竜が言うことを聞かない

arakure ryuu ga iu koto o kikanai

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表題作荒くれ竜が言うことを聞かない

ヴァルハルト・オーベル
海軍少佐で海流の末裔
リアン・グラディウス
空軍少佐で飛竜の末裔

その他の収録作品

  • 後日談 飛竜と海竜が愛を交わすには
  • あとがき

あらすじ

不遜な海軍少将×ツンデレ空軍少将のケンカップル

飛竜のリアンと海竜のヴァルハルトは、共に王国を守護する空軍と海軍の双翼として名を馳せる誇り高い竜の一族である。だが、真面目なリアンと奔放なヴァルハルトの相性は最悪で、会えば殴り合いに発展するほど険悪であった。しかし、飛竜の力が弱まる新月の夜に、リアンは弾みでヴァルハルトと一夜を共にしてしまう。以来、リアンに対するヴァルハルトの様子がおかしい。不幸な事故と割り切ろうとするリアンだったが、合同演習で海軍の軍艦に訪れた際、思いがけず真摯に仕事をこなすヴァルハルトに、徐々に気持ちに変化が生じ…?

作品情報

作品名
荒くれ竜が言うことを聞かない
著者
遠間千早 
イラスト
秋吉しま 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
Ruby collection
発売日
電子発売日
ISBN
9784048116510

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
45
評価数
9
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数2

海と空のサラブレッドたちが織りなすバチバチとラブラブの壮大なファンタジー

至高のカップル。圧巻の読み応え。別格の面白さに、極上の読後感。
賛美の言葉を挙げればキリがありません…っっ!!
竜がモチーフのBL作品ってすんごいあるんですけど、私の中では間違いなく上位に入る逸品作でした。加えて、ケンカップルでしょ。大大大好物です^ ^

まず、キャスティングが素晴らしいです。
軟派な海竜と硬派な飛竜という真逆な2人というのが良い。どちらも美形(これはマスト 笑)で、しかも有能なパワーカップル。拮抗し合っているパワーバランスから生み出される唯一無二のライバル感が物語を最大に盛り上げてくれています。
海竜のヴァルハルトの黒のイメージに対して、飛竜のリアンの白のイメージもまた物語に映えますね。見た目の違い、性格の違い、生まれの違いは元より、話が進んでいくと求愛レベルの違いまで露わになってくるので、そうなるともう物語の世界に没入です♪

どちらも強い竜印を持つ本家筋のエースですが、お家柄的には敵対関係に当たり、本人たちも会えば中庭1つをぶっ壊す程の乱闘に繋がる仲の良さ?です(笑)
そんな血筋と家柄を抱えている2人なので、ロミジュリ的な要素も入ってます。とは言っても、飛竜族の方がゴリゴリに海竜族に敵意を剥き出しにしてる感じなので、いがみ合っているというのは少し筋違いかもですね。飛竜族側が海竜族側に対して一方的に神経質になってると言った方がしっくりくるのかも知れません。

そんな背景があっての2人のラブ。道は険しいと思われがちですが、ぜーんぜん!
いつもケンカしてる2人がまさかのベッドイン。不可抗力な状況下だったとはいえ、そこから始まるBLムーブは最高です。
身体の関係を機に起きていく変化を考えるだけでフォッフォッフォッが止まりませんでした(//∇//)

何といっても一番大きいのは、ヴァルハルトの態度変化でしょう。
この男は何かやってくれると思ってました。見事その期待に応えてくれて嬉しいやら楽しいやら、攻めのポテンシャルを遺憾無く発揮してくれるヴァルハルトにグッジョブです!
すごく分かりやすいんですよ、ヴァルハルトのリアンへの好意が。あんだけ敵対心剥き出しにしていたのに、この態度軟化はナニゴトかという感じです。
今思うと、ヴァルハルトの行動は好きな人にはつい構いたくて意地悪しちゃう小学生男子のそれ(笑)そんなんで王宮の庭を壊すなよと言いたいですが、ヴァルハルトのリアンへの執着は、悪態をつくという不器用な感情の裏返しだったんだなと思うと、少し可愛く見えちゃいました。

リアン視点で見ていても、ヴァルハルトのド執着感情が手に取るように分かるのがすっごく面白かったです。
他の竜に触らせないような魔法具を装着させたり、あからさまな嫉妬を剥き出しにしてくるヴァルハルトの独占欲は見ものでした。それもあってかリアンがピンチなときには颯爽と救出に来たりと、カッコ良さをどんどんアップデートしていく海の男から目が離せませんでした。
ツンが通常稼働なリアンも、だいぶ終盤になってからではありますがちゃんとヴァルハルトにデレてくれますし、お互い共に最高と最高の変化でぶつかり合う恋愛模様は最高の景色がてんこ盛りです。ずっと続く素晴らしい読み心地に心酔でした( ´∀`)


親族の裏切りと謀略、密輸の取り締まりなど、きな臭い事件と絡ませながらの濃密な展開や、そこに関わっていくキャラクターの相関関係は抜群の読み応えです。
2人の他に登場するサブキャラのカップルたち…海軍大将と海賊船船長のカップル、そして海竜と地竜のカップル…の存在感もストーリーに華を添えていて、楽しさの増量アップに繋がりました。(彼らのスピンオフもできることなら希望)

まだまだこの作品の世界に浸っていたいと思う満足感でした。
ケンカップル2人の愛の軌跡を最後まで堪能して下さいね^ ^

2

ああ素晴らしきケンカップル!胸熱の海竜×飛竜ファンタジー

レビュータイトルそのままに、ああ素晴らしきケンカップル...!
最高オブ最高だーーーー!!!

全400ページ弱(電子限定SS込みです)、1日で読むことはならず...で2日かけて
拝読しましたが、そのボリュームと読書にかけた時間の分だけ、
たっっっっぷりの萌えを享受しました・:*+.
(webで連載されていたお話とのことですが、自分は単行本で初読み。
書き下ろしは100P以上あります)

ケンカップル、竜(攻め受け二人とも竜です)、ツンツンツンツンデレ女王様受け。
こんな言葉に萌えセンサーがピピっと反応する方に、
強く強く!おすすめしたい一作です。

王国の護衛を代表する飛竜・海竜・地竜の三家を巻き込んだ
陰謀や戦闘も描かれ、ドンパチ大好きな自分はもう、読みながら大興奮。
どこかのレビューにも書いた気がするのですが、
ハリウッド的・「ドーン!バーン!ボーン!」な派手な演出、
大好きなんです(*´◒`*)✧*。

海竜×飛竜、本気の殴り合いで始まり
ピリッと辛い小競り合いをしながらも
双方向の大きな大きな愛で終わる大団円、胸がいっぱいになりました。

会えば必ず周囲の物を破壊しながらの大喧嘩をし、
ソリの合わないヴァルハルト(ヴァル)×リアン。

飛竜の力の弱まる”陰の日”、たまたま遭遇してしまった
ヴァルに体を奪われ、翻弄され...

と、始まりこそ自分が若干苦手とする
嫌々ながら...の無理矢理系(でもリアンは感じてます)だったのですが、
それ以降加速するばかりの攻めの執着愛、
真摯な愛の告白(1回や2回じゃない!)に酔いしれました。

まず、攻め受け共にキャラが最っっっ高に良い!ビジュからして良い!
攻めでも受けでも「長髪」萌えセンサーが働く自分は、
麗しき美貌の飛竜・リアン(受け)に一瞬で心奪われました。

お堅くて、攻めと張り合えるぐらい強くて(ココ大事!!)、
ツンツンツンツンツン...の裏にたっまらなく可愛いデレ、があって。

中盤、物語の山場となるある事件が発覚した際の戦闘シーンに
心震え、鷲掴みにされました。
身体も心も大きく傷つきながらも、己の矜持を決して失わない
誇り高き姿...( ; ; )
信頼していた人物に裏切られ、被弾し骨を折られて飛ぶことも叶わず、
海へと落とされてゆく...

そこで攻め・ヴァルが登場してスーパーヒーローになるのね!!と
おおいに期待したところ、まさかの”そうじゃない”展開。

で、そこで出会った人がまた、リアンにとって大きな意味のある人・
頼もしく大事な存在となる人で。

出てくる人物はそれぞれ皆複雑な事情やバックグラウンドを持っており、
物語に深みを与えていてくれています。
そしてそれだけではなく、彼らとの出会いが
リアン自身の頑なな結婚観や、海竜に対する偏見を打ち破る鍵となっていくー

人々との出会いや経験、そしてもちろんヴァルとの恋によって、
リアンの内面、考え方が劇的に変化していく様がもう、
ただただ胸熱でした✨

そしてワイルド年下攻め・ヴァル。
苦手なタイプだと思ったのです、最初は。

年上攻めを「あんた」呼びするし(上下関係厳しい部活育ち?の自分は
どうしてもこれが苦手で...!)、最初は半ば無理矢理だし。

それが一冊読み終えてみれば、こうもヴァルに萌え悶えることになるとは、
彼に恋したリアン同様どびっっっくりでした。

心射抜かれたシーン、セリフに行動は多々あるのですが、
やっぱり彼がストレートに囁く愛の言葉の破壊力!!!!
これに尽きる。

想いが通うようになっても、どうしても
自分から素直に「好き」とは言えないリアン。

そんな彼に惜しみなく優しいキスと
「好きだ」「愛してる」の言葉を注ぎ、さらに告げた

「あんたはずっと目で気持ちを伝えてる」(←正確なセリフではありません)
「だから目が合うだけで、あんたの気持ちは俺に伝わってる」

この言葉たちーーーーー!!!
鼻血が出てしまう...

もうこれだけで身悶え・悶絶なんですが、こんなシーンを踏まえての、
書き下ろしのリアンからの”あの言葉”の破壊力よ!!!

そりゃあ、ベッドでヴァルが荒ぶるのも分かりますw

「番」と決めた者への、ものすごい独占欲と執着心と一途さを
見せるヴァルは、エッチの時は言うこと聞かない系、貪る系!!
そこにもいつしか「いいぞ、もっとやれ!!」と大声援を送る自分がいました。照

リアンの頑なな心がヴァルに傾いていく様子にも
きゅんきゅんするのですが、
やはり途中、ヴァル自身の口から語られる
「リアンへの恋心」の破壊力は抜群。

この二人だからこそ構築できる、守り守られ...ではなく
「互いを守り抜く」という関係性が最高に良い(語彙力ー...!)。
(実際はリアンがヴァルに救われる場面がちょい多めだとしても❤︎)

そんな二人を囲む脇キャラ達の魅力も、
物語の面白さ・深みを”ましまし”にしてくれていました。

特に自分のお気に入りは、ビックリ能力&
見た目は子供・実際は…というギャップ持ちの地竜・マロンです。

(緊迫感あるシーンでの初対面だったものの)
リアンと気が合い、その仲良くなってる様子になごなご。(*´˘`*)

堅固な矜持とツンデレ具合で攻めのハートを鷲掴み、
書き下ろしではまさかの”女王様プレイ”も見せてくれるリアンに
すっかり心奪われ、その戦いと恋の成就に心から酔いしれた一冊でした✨

3

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