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「食べられたい」って そう思ってた
わたし自身ケーキバースは大好きです
大好きなんですけど、どこか心に引っかかることがあって、この作品をよんであぁ、と納得できました
フォークになってしまったら良いことなんてなくて、圧倒的に辛いことばかりですよね
それを明確に初めて表現してくれた作品だなと思いました
お姉さんのことを思うと胸が痛いです
けどこの二人はその過去を乗り越えるのではなく、心の中に大事にしまって、前を向いて歩いていくような気がして心から応援できました どうか二人の未来は守られますように
ケーキバースなのに、ケーキバースらしくない、
そんな印象を受けてしまう1冊でした。
高校生の松村は“フォークに食べられたい”願望を抱くケーキ。
ある日、妄想の末に自ら腕を傷つけてしまい、倒れているところを
クラスメイトの井桁に助けられます。
この初登場シーンで、あ、井桁がフォークなのかな?と思いきや、
そういうわけでもなく、彼はノーマルでした。
いやいや、もしかしたら、必死にケーキの匂いに耐え忍んでいる
隠れフォークなのではと何度も疑うものの結局、違いました。
本作の中でフォークとして登場するのは井桁の姉でした。
フォークとして生まれ愛する人を傷つけてしまうことで苦しみ、
その末に自らの命を絶ってしまった悲しきフォーク。
だからこそ、井桁は誰よりもフォークの悲哀を知り、
ケーキである松村を思いやり、二人は少しずつ関係を深めてゆきます。
一見表情に乏しく冷たそうな井桁の世話焼きで純粋な優しさや
井桁の過去のトラウマを癒してくれる松村の無自覚な温かさ、
救い救われあってゆく二人の関係性に胸が解されてゆくようでした。
途中、松村が通りすがりのモブフォークに襲われかける描写に
ヒヤっとさせられたものの、松村のケーキとしての本能が
色濃く描かれているのはその辺りだけ。
あとはケーキとしての性質をもつただの男子高校生と、
フォークを姉にもつ男子高校生が、一人の人間として惹かれ合ってゆく
純愛を描く物語でした。
なので、フォークがケーキに惹かれ、
ケーキがフォークに求められて蕩けてしまう…的な
いかにもなお話を期待してしまうと少々肩透かしなのかもしれません。
ケーキの特性をもちつつ惹かれたのはクラスメイトのノーマルの同級生で、
人によってはケーキバースの設定を生かしきれてないなんて
思う方もいるかもですが、個人的にはケーキバースなのに
あえてケーキバースらしくないって面白いなぁと思いました。
フォークとケーキの惹かれ合ってはいけないのに本能で
惹きつけられてしまう危険な関係性に萌えるお話もあれば、
こうした切なさやそんな悲哀を乗り越えてゆく救済的お話もあるんだなぁと。
さすがるぅ先生だな、というのが読後いちばん最初の感想です。
いつも先生の繊細なタッチで描かれる心情の変化を楽しみにしながら読ませていただいております。
今回はケーキバースのお話。
ケーキである松村は、過去に「ケーキとして求められた」経験を忘れられず、その記憶をきっかけに自傷行為に走ってしまいます。我に返って意識を失ってしまい、倒れていたところを同級生の井桁に助けられたことで、2人の交流が始まります。
この作品のキーポイントは、松村の感情の変化だと個人的には感じました。
物語の序盤では、「ケーキとして求められるなら、たとえそれが食欲であっても構わない」という考えを持っていた松村。しかし井桁と出会い、関わっていく中で、「井桁がフォークだったらいいのに」と思うようになり、やがて「フォークかどうかに関係なく、井桁に好かれたい」と願うようになっていきます。
井桁の無愛想ながらも繊細なやさしさや、自分なりの価値観を貫く姿勢、そうした細かな部分に触れるうちに、松村は自然と井桁に惹かれていったのだと思います。
そしてその変化は松村だけでなく、井桁にも表れます。松村の言葉に涙を流したり、頭に触れられて赤面したり、イルカショーを見て無邪気にはしゃいだり……。ひとりでは生まれなかったであろう表情が次々と描かれ、井桁もまた松村の言葉に救われていったのだと感じ、胸が熱くなりました。
ゆっくりと進んでいく恋物語ではありますが、その過程で描かれる2人の成長がとても繊細で、心に残ります。
出会えてよかったと、素直に思える作品でした。
フォークに食べられることを夢見ている、ケーキのDKの松村が、誤って手首を切ってしまったところを、ほぼ交流のないクラスメイトの井桁に助けられて、、、
という冒頭。
よくあるケーキバースだと、松村を助けたクラスメイトの井桁が、フォークだったり、、、
などどいう設定なのですが、
最後まで井桁はフォークに覚醒することはありませんでした。
むしろ、井桁の亡き姉がフォークで、普通の人には理解できない苦悩を背負い、家族にもその辛い思い出などが残ってしまったという、なかなかヘビーな過去を持っており、
松村と接することで、
姉に関する後悔を救済しつつ、けれど松村とも愛を築いていくという、、、
妄想していたはずのフォークに襲われて恐怖を感じた松村に負けじとどころか、松村以上に苦悩を背負ったいい男(イケメンとかの意味ではなく、性格的に真面目で優しすぎるという意味)すぎて、個人的には読んでいて胸が苦しくなるなどの場面もありました。
けれど、露骨なえち描写なしのこういう切り口で描かれるケーキバースもまた面白いなあと感じました。
というか、この設定や、タイトルだけではなかなかケーキバースだと分からないこちらは、るぅ1mm先生でないと描けない視点であり、唯一無二の空気感でしょう。(うまく伝えられないのですが、キャラの表情が、いつも全力で生きてる感がエモいです)
従来のケーキバースや、えちえち展開などよりも、スト重好きな方にオススメしたい一冊です!
ちなみに、楽天ᗷOOKՏさんのほうで、即売り切れとなってしまった有償特典の小冊子付きがあったそうなので、
もっと早く事前に知っていれば、、、と後悔したまりあげはでした、、(切腹)
ケーキバースだけじゃない。
メインのふたり、松村くんはケーキですが、井桁くんはフォークでもケーキでもないんです。
ケーキバースだとケーキとフォークがカプになることが多いので、とても珍しい組み合わせだと思います。
でも井桁くんはフォークと関わりが深く、フォークを理解しようと必死だった過去があります。
そんなフォークじゃない井桁くんだからこそ松村くんに寄り添って、ふたりだけの関係が築けたんだろうなと思える作品でした。
思春期の繊細さとか痛みとか、それぞれが抱えていたものが、相手の何気ない言葉や行動で救われる。このお話はそんな優しさで溢れています。
作中で松村くんが「井桁が井桁なところが好き」と言うのですが、ここの流れが最高なのでぜひ見て欲しいです。
