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表題作正しい恋の悩み方

尾崎敦彦・夢見がちな外資系商社勤務の会社員
淡野万以・竹を割ったような性格のプログラマー

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

高校からの腐れ縁の友人・尾崎に寝込みにキスされたカズイ。その日から徹底的に避けられ、キレたカズイが尾崎を問い詰めると、ずっと好きだったと告げられる。昔からお互い遠慮なんてしたことはない。なのに諦め顔で自分を避ける尾崎が気に入らず、力ずくで友人に戻ろうとするカズイだが……? 自称"竹を割ったような性格"のカズイと夢見がちで一途な尾崎の恋愛狂詩曲! 犬も食わなさ満点のオール書き下ろし!
出版社より

作品情報

作品名
正しい恋の悩み方
著者
渡海奈穂 
イラスト
佐々木久美子 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403521973
3.5

(24)

(7)

萌々

(4)

(10)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
83
評価数
24
平均
3.5 / 5
神率
29.2%

レビュー投稿数11

素っ気なくされると気になってしまう心理

高校三年から六年続いている友人グループの中でもひときわ仲のいい尾崎とカズイ。
友人グループ内の飲み会でカズイが酔い潰れて強引に尾崎の住むマンションに泊めてもらった時に、寝込み際にキスされたのに気づいてしまった気まずさから避けられるようになってしまう。
携帯電話の番号を変え、黙って引っ越しまで済ますといった尾崎の徹底ぶりにカズイはキレてしまい、強引に再会、仲直りに漕ぎつけたが…

口喧嘩が達者なほど仲がいい二人が、どう恋人同士らしくなっていくのかと思いきや、微妙なところで上手く噛み合わないのだった。
カズイが自称する『竹を割ったようなさっぱりした性格』ってのにはどうも首をかしげてしまうが、後味の悪さを引きずらないさっぱりとしている話だってのは実感できたかな。
離れようとすると怒る、他に相手を見つけようとすると引き留めてしまう、妙に意識させられる距離感を感じるのがイヤ。
…って焦らし連続を羅列すると、こりゃカズイも大概な男だよな(-_-;)
でもまぁ、尾崎の反応にカズイが『素っ気なくされると相手の事が気になってしまう心理』に嵌ったなってのは掴めた。

カズイは良くも悪くもオレ様な受けだ。
つくづく周りの気持ちや気遣いに鈍感な男で、無神経な一言で尾崎を怒らせる事があっても二人の仲が保てたのは、長年見守ってくれた友人達が見かねたカズイに対して助言したおかげだと言っても過言ではない。
ちなみに仲間内では、尾崎はずっとカズイを好きだったから付き合っていても不思議はないと黙認されていたらしく、つくづく友人関係に恵まれた二人だな…と、感心する。
カズイの職場での手のかかる後輩くんも、お調子者ながら案外いい奴だったし。

紆余曲折を経てようやく恋人同士となった二人だが、カズイがこれから素直になれるかどうかは、…う~ん、どうだろうねぇ…

0

「長年の夢だから」

1冊丸ごと表題作です。
友人から恋人への物語としては、比較的王道です。
尾崎(攻め)はカズイ(受け)を6年間思い続けています。だけど、友人としてでも傍にいたいから女の子と付き合ったり努力します。けれど、あるとき想いがあふれてキスをしてしまい、バレてしまいます…。

しかし、好かれるカズイのキャラが一癖あります。尾崎を拳で殴って友人にもどれと命令するような暴君です。一度寝れば尾崎もスッキリするかもと言うような無神経ぶりです。自分に気がある後輩とホテルに行ったのに、気がうせたと止めます。尾崎が別れる決意ができた途端、好きだと気がついて告白をします。ひどすぎる…。

コミカルテイストですし、カズイの目線でストーリーが進んでいくのでマシですが、尾崎目線だったら振り回されて酷いにも程がある相手です。

ただ、尾崎にフラれた後のカズイは可愛かったです。
そしてそんな男なのに受け。尾崎に「長年の夢だから」で押し切られたのには笑いました。

そして、友人同士では既に公然の仲であった二人をなんとかしようと、友人達が相談を受ける度にあれこれ助言をするのが、男同士の友情を感じて楽しかったです。何か主体的に画策するわけじゃなく、あくまで脇の立ち位置というのが良かったです。両思いになった場面のイラストは微笑ましかったです。

社会人カップル、男同士の友情、暴君な受け、男前なのにちょっと変態っぽい攻めがお好きな方にお勧めです。

2

本当に恋を知って、初めてわかる相手の想い

一読目は「こんな受け、ヤダ!!」って思いつつ
攻めが健気で手放さなかった、という作品ですw
何度か読むと、あーら不思議!受けの性格を受け入れられましたww
慣れたって事なのかな…?
顔が綺麗で中身は粗暴というギャップは良かったですし
受けがカワイ子ちゃんでないというのは好きなのですw

仕事に忙殺されそうなカズイは、
高校から友人だった尾崎と一時期疎遠になりながらも
他の友人と月イチくらいで飲む間柄。
尾崎は女性ウケが良くてモテすぎて
二股はないけどとっかえひっかえにも関わらず
トラブルにまで至らない付き合い方をしてきて
その男ぶりに腹を立てるのでした(今に始まったことではないのですが)。

尾崎はカズイに対して世話を焼きつつも顔を合わせればあーだこーだ言い合い
普段から誰にも遠慮はしないカズイでも
気に入らないところもあるのに居心地の良い相手だったのです。

いつものように、会社から尾崎の部屋が近いからと言って
飲みの後泊まると、理由もわからず尾崎にキスされますが寝落ちします。

それをきっかけにカズイを避ける尾崎は
もうカズイを好きな気持ちを隠すことがキツくなって離れようとします。
その尾崎に腹を立てるカズイは、尾崎の胸のうちだなんて全くわかりません。

あれこれデリカシーのない言葉を放つカズイ、
竹を割った性格というよりは……
本当に誰かに好きになった事が無いから
痛みもツラさもわからなかっただけだったんです。

カズイは会社の新人・吉村が最初は使えなくてイライラしてましたが
一度教えると飲みこみは早いし
ただチャラく「淡野さん(カズイ)なら男でもいけます」
と言っているだけじゃなくて
カズイの体調をさりげなく心配したり
元気を出そうとしてくれて、なかなか憎めない良い当て馬くんでした!!

カズイは避けられていた為共通の友人を介して飲みに誘いだし
尾崎を殴り「これまでどおり俺と付き合え。いいな」なんて
傲慢な事を言い出すのです。
尾崎はカズイを勝手に好きになったのは自分だから
友達を続けろと言われてその時は頷くしかありませんでした。
友人の一人・田野坂の披露宴があるから、
二人とも出席して欲しい、ぎくしゃくしたままじゃ嫌だと言われて…。

再び歩み寄ったかのように見えたのに、
またカズイが心無い「一回やったらスッキリするのかと思って」…。
本当に自分を好きだと思っている相手に言うセリフじゃない!!
尾崎は怒ってカズイを突き離します。

田野坂の披露宴の二次会後、女性に囲まれ続けた尾崎は
帰ろうとするカズイに「カズイのこと吹っ切ろうと思う」と宣言されます。
そう言われてから、ようやく尾崎の自分を大事にしてくれ続けた心が
少しずつわかってくるカズイは、
尾崎に彼女が出来たというのに、吹っ切ると言われたのに
「おまえのこと好きになった」とキスをして、また自分勝手な事を…。
怒る尾崎が当然かなって思うのですが
もう取り返しがつかなくても、元に戻れなくても
伝えずにいられなかったカズイに私はようやく好感を持ちましたw
尾崎を頭の中から消したくて、吉村にも気を遣われながら
仕事に没頭する姿なんてなかなか健気でしたし…。

ただね、長年カズイを想い続けてきた尾崎が、
それで終わるわけもないのです!!そうこなくちゃ!!!
後半の仲直り&交際宣言&Hが…めっちゃたまらんくて!!!!
友人達の助言や思いやりがじーんとして
そんなうまくいくもんかいなという気も多少ありましたがw

H時の尾崎の余裕の無さと、もう尾崎になら委ねてもいいカズイが
可愛かった……。
甘々な二人をもっと読みたかったので萌×2ですが
繰り返し読んでもきゅんきゅんしたので神寄りです!!!
尾崎の今迄の妄想がまた素晴らしかったw
「一生に一回のカズイとの『初めて』だぞ。
味わわないと勿体ないじゃないか」とか!
それだけずっと好きだったって事っすよね!w

傲慢な人間って嫌いですし、忘れるために必死だったからと言って
女性をとっかえひっかえするタイプは得意じゃないのですが
なーんかとてもしっくりくるカプでした。
想いが通じあっても言い合いは健在だし。
そして、当て馬の吉村が結果的にいいヤツで嬉しくなりました!

んで、何度読んでもやはり尾崎に感情移入してしまうのでした…。
カズイ視点で進むお話なのに!w
へらへらして取り繕ったり、
時には隠せない苛立ちや焦りや戸惑いの素顔を見せたり。
尾崎!!色んな妄想してても想いの強さが勝って良かったね!!

4

横暴だけどまっすぐ!

 自称“竹を割ったような性格”のカズイと一途な尾崎は、高校からの腐れ縁の友人同士。
 一時期、連絡を取らないこともあったけれども、他の同級生と一緒lに、定期的に飲み会を開く仲であった。
 その帰り道、いつものとおり、カズイの家よりも通勤に便利な尾崎の家に泊まろうとしたところ、寝込みを襲われ、キスをされてしまう。カズイは疑問に思いながらも、眠気に負けてそのまま眠りに付くが、翌日、カズイが目覚めると、尾崎は書き置き一つ残して、行方不明。
 おまけに、その日から連絡をしても無視され、メアドも変えられてしまう。
 キレたカズイが尾崎の家まで訪ね、問い詰めると、「ずっと好きだった」と告げられる。
 昔からお互いに遠慮なんてしたことがなくて、なのに、諦め顔で自分を避ける尾崎が気に入らず、力ずくで友人に戻ろうとするカズイだったが、今度は尾崎は家まで引っ越してしまう。
 友人たちの力を借りて、何とか「友人」という立場までは戻ったものの、どうしてもよそよそしさが消えない。
 それすら、カズイはいやで、なんとかしたいと考えるけれど……

 という話でした。
 もともとはなんとも思ってなかったはずなのに、尾崎に突き放されるといイライラして……というカズイの気持ちが、徐々に尾崎に近くなっていく話です。
 本当に、カズイはやりたい放題で、お腹に何か溜めたり、まったくできない性格なので、尾崎の立場になったらかなりひどいことを平気でしているんですが、でも、自分が間違ってると思ったら、きちんと認めるし。
 自分の気持ちが「こうだ」ってなったら、まっすぐにアタックしにいける辺りは尊敬に値するなー、と思うわけです。

 横暴だけど、まっすぐな受けがお好きな方にはオススメの話です。

2

早く言ってよ!!

高校時代からの友人の2人。
攻のなが~~~い片思いのお話で、
周りの友人たちは、「もう付き合ってるんでしょ?」
と思われているように、喧嘩しつつ仲がいい2人。

でも、受が、鈍いというか、実直というか、天然というか、
全く、攻の気持ちも気づかず、周りにそう思われていることも気づかず、
で、攻を振り回すわけです。

受が、なよなよした、外見女の子みたいな設定だったら、
読む気を失せるとこですが、この受、結構男前です。

付き合ってるつもりは無いけど、付き合ってるような2人の
あまあまストーリです。でも、そんな話も、いいもんです。

ただ、望めるのなら、受のヘンタイ気質をもっと読みたかった(笑)

0

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