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表題作少年愛人 ― 淫らな純情

芦名武,刑事
御山志信,高校三年生

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  • あとがき

あらすじ

田舎の祖父母に慎ましく育てられた高校生の志信は、東京から来た魅力的なキャリア刑事・武に犯されてしまう。いけないことだと知りつつも男との濃密な肉欲の虜になっていく志信だったが…!?
出版社より

作品情報

作品名
少年愛人 ― 淫らな純情
著者
塔栄のりこ 
イラスト
小山宗祐 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
ISBN
9784592875680
2.7

(4)

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萌々

(1)

(1)

中立

(2)

趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
9
評価数
4
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

デュラス『愛人 ラマン』からとったのかな?

著者の商業出版物では、いちばん若い受けさんかと思います。その生い立ちや、剣道に打ち込む日々、将来のことなどを考え、思い悩み、大人に近づいていく、高三の一年を描く作品です。小さな地方都市に祖父母と暮らすかれの一人称なので、閉塞感がじっさいにも思考にもあって、言動を制約している重さで、鬱屈しているようすが、読み手に伝わってきます。
かれが瑞々しいこころとからだを明け渡してしまう、攻めさんも闊達な人ではないので、明るく楽しいお話ではありませんが、暗く地味というわけでもありません。
二人は初めから互いにこころを掴まれて、惹きつけられていく、その傾斜の深まるさまは熱いのです。

少年が性的なアプローチに、戸惑い、ときめき、思い返しては感覚を蘇らせ、性行為と年上の男にはまっていくようすが念入りに描かれていて、作品全体に漂う古い日本の匂いともあいまって、ちょっと『ヰタ・セクスアリス』を思い出させるような感じもあります。むかし森鴎外にときめいたこともある方、いかがですか。
著者の『秘処』がちょっと、アダルトすぎると感じた方にもおすすめ。比較的爽やかな()読後感です。

ですので、SM、調教などが苦手な方にも、ねっとりした性描写が大丈夫なら、おすすめできます。
攻めさんが独占欲めいたようすをみせて甘さを醸し出す、著者の手法は本作でも用いられますが、わりとラブな感じはあるほうかと思います。
ただし、やはり本作も、主役はエロです。著者にその点、ブレはありません。

2

タイトルと合って無かったー

初読み作家さんです、タイトルの少年愛人ってのがなんかエロかったのでタイトル買い。
でもこれはタイトルと内容がかなり違います。
別に少年を愛人にするとかそういう話ではなく、年の差強引愛系。
多分自分と同じくタイトル買いしてあれ??内容違わない??ってなった人が他にも絶対いると思う!

母子家庭で母を亡くし祖父母と慎ましく暮らしてる高校生志信[受]は、昔から通う剣道道場の道場主であり老舗の漆器会社を経営する玄に養子にならないかと言われています。
むむ、ひょっとして玄の愛人になるパターンなのか?と思ってたんですが全然そういう事はなく玄は純粋に彼を息子にして跡継ぎにしたいだけでした。
街のあちこちで放火事件が起きている最中、その玄の弟で刑事の武がやってきます。
その武は強引に志信の身体を奪い、その強引さに志信も徐々に毒される様にして魅かれていく。
志信は作中で178センチとあり剣道の腕はそれなりなので弱々しいタイプではない筈なんですが、武がその上を行くという感じ。
放火犯の正体や、芦名家の内部事情、そして志信の父への感情が絡み合って書かれてます。
志信の一人称視点なので分かりにくい部分はないですが少し癖があるのでこの辺は好みが分かれるかも、個々のエピソード部分がブツ切れでこう最後までうまく繋がらない印象。
そのせいでそれぞれの焦点がぼけちゃってて悪くはないんだけどイマイチ感につながってるのかも。
エピソードはこれ!って一つに絞り込んだ方が良かったと思う。
年の差高校生受は好きなので組み合わせとしては萌、エロシーンは独特でそこは良かった。
でもどうもまだ構成も文章もイマイチ拙いというか今後に期待かなあ。萌でもいいんですが中立で。
萌と中立の半々位です、小説は3回読んでレビュー方式とってますが、あと何回か読み直したら萌になるかも。

とりあえず少年を愛人にする話ではないです。

4

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