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蜂蜜色で美味しそうな満月。
月に見惚れて。
月まで歩いていければ。
本編ではたくさんの月の描写があり、ショートでは、最愛の人を月のような人だと例える。
美しい月がいつも頭の中に思い浮かぶような、優しいお話でした。
きつねの童話は私にとって懐かしく、それもまたお話に優しさを添えるようで。
お話を読んでいる間中、いやしい私の頭には常にあの月を模った銘菓がチラチラと( ´ ▽ ` )笑
本編は「Fly me to the Moon」
「Ombra mai fu」というお話も150ページ弱入っておりました。(本編も150ページ弱)
Fly〜が付き合うまでを。Ombra〜は付き合ってからを。
ショート「いつくしみ深き」
文庫版の超ショート「HUMORESKA」
私、無類のSS好きなのですが、こちらのショートも可愛くてお気に入り。
本編が受け目線で、ショートは攻め目線でした。それもまた良い萌え。
雪代さんの作品をいくつか読みましたが
【大人×子供】の組み合わせと不憫受けはなんでこう泣かせにくるのか…(;///;)
honeyとビューティフル~がすごく好きで定期的に読み返しては泣いてるのですが、
この作品も仲間入りしそうです。
文庫化されたのは早10年前。
ノベルス版はなんと14年前。
どれだけ年月が経とうが心に響くものは関係ないですね(;///;)
というかその時代だからこそ書けるものもあるのか…?
(いまはあまり露骨な大人×子供は少ないですもんね;)
表紙には、袋から零れんばかりのお菓子とふんわり包み込む男性。
"お菓子"は子供っぽさを連想させる為のモノと思ったのですが違いました。
度々キーアイテムとして登場するお菓子に泣かされます(;///;)
受けは身内の不幸で天涯孤独の身。金銭的な余裕もなく、
中卒でコンビニバイトをして細々と生計を立てています。
世間のことを教えてくれるような頼れる大人は誰一人としていない環境。
むしろ後ろ盾がないことをいいことにバイト先では都合良く使われています。
孤独で淋しい気持ちばかり。
ポケットに詰め込んだお菓子だけが心を癒やしてくれます。
そんな日々の中で偶然知り合った攻めと少しずつ親しくなります。
攻めは弁護士です。
鷹揚とした優しさを感じられる大人の男性。
受けの心の淋しい部分を埋めてくれて、無自覚ながらも惹かれてーーーと展開します。
世間の汚い部分も散々見ている弁護士の攻めと、
世知辛さに痛みを感じながらも純真さを失わない受けと。
大人と子供の年齢差・経験の差なんでしょうかね。
見ているモノが違ってすれ違う様は切なく何度ももらい泣きしました。
すれ違った場合、どうしても傷つくのは子供の方なのです。
大切なモノを失いそうになる感覚で泣いてる姿は読んでて堪えますね…。
(そして傷つき萌え属性が刺激されてめっちゃ萌える)
というか、攻めですよ!!!
基本は優しいし、受けを大切に想ってるのもよく分かる。
けれど大切にしすぎて傷つけてるのを分かっていない。
一番ムカついたのは大事な話をするときに結論からズバッと言っちゃうところ。
大人相手ならそれで良いのです。結論をさっさと言ってくれた方が話が早いし。
でも子供相手にそりゃないだろーという切り出し方が…もぅ…(;ω;)
攻めが↑ここを改めればすれ違いは軽減出来る気がするぞ…?
子供だ子供だと自制心持つぐらいなら、己の足り無さをどうにかしろー!
ーーーと思いつつ。
大人×子供ゆえの噛み合わなさに切なキュンを堪能しました(;///;)
大人攻めが受けを大切にしてるつもりですべて裏目に出てしまったり、
子供受けが攻めと対等になれない・なにもしてあげられないと泣く様だったり、
良いですね。年の差。王道ですがこういう切なさに弱いです。
またお菓子が受けの心理状態を図るバロメーターになってた部分も泣きました。
所々童話と重ね合わせて微笑ましくも切ないお話でとても良かったです(;///;)
天涯孤独な少年・悠は、中学卒業と同時に、おじの家を出て、コンビニでアルバイトをしながら一人で生活をしていた。
そんなある日、ぼーっとしていた悠の前に一台の車が飛び込んでくる。
それに乗っていたのは弁護士の浅羽で、彼はやせ細った悠を心配して、週に1回ご飯を食べに連れて行ってくれるようになる。
寂しさや辛いことも受け入れ、一人慎ましく暮らしてた悠だったが、次第に浅羽の優しさに触れて、彼に惹かれていく。
という話でした。
ちょっと世間知らずだけれども、一生懸命で、自分を曲げない悠は、挿絵と相まって本当にふわふわしていてかわいい。
誰でもぎゅって保護したくなるような雰囲気。
そして、浅羽はそういう悠を一生懸命なところが本当にかわいいです。
一生懸命でかわいい小さい男の子をちゃんとした大人が一生懸命守ろうとするけど、うまくいかないこともありながら二人で頑張る話。
優しい甘い話なので、穏やかなBLをご希望の方にはオススメします。
電子書籍で読了。挿絵なし。(テクノサマタさんの絵、好きなのに……残念)
まず、何と言っても悠くんが可愛らしい。
健気でいじらしいのは勿論なんだけれど、何て言ったら良いのかな?
小動物?
浅羽さんには「こぎつね」呼ばわりされているんだけれども、野生のけものの匂いは全くしません。
どちらかと言えば、飼い主を失ったペットっぽい。
犬猫感はないのだけれど……(フェレット?フェレット飼ったことないんだけれど)
なんでそんなこと思うかと考えたら、浅羽さんと悠くんって「ご飯を食べさせる」関係で繋がっているからかもしれません。
悠くんは飼い主を見つめるワンコのごとく浅羽さんを見つめるのだろうなぁ。
そういう一途さにキュンとします。
話としては、とてもわかりやすい「足長おじさん」の話。
割と最初からラストは想像できた。なのに、受けの健気さと切なさが胸に沁みました。涙出ました。
特に、受けが後に「こぎつね」と呼ばれることになるエピソードがたまらなく可愛かったです。
そして、この一冊の中には、「Fly me to the Moon」+「Om bramai fu」「いつくしみ深き」+SS が入っています。
表題作は、いわば本編。他二作とSSは、本編の後の騒動の話。
最近、どのお話を読んでも「本編完結後、二人はどういう風に生きていくのか、ちらっとでいいから読みたい」という気持ちが湧くようになって、後日談大好き人間になっていたので、この一冊は本当に端から端まで堪能できた!という気がしました。
ハッピーエンドは終わりであり、始まりであるという構成、いいな、と思います。