俎上の鯉は二度跳ねる

sojo no koi wa nido haneru

俎上の鯉は二度跳ねる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神422
  • 萌×244
  • 萌45
  • 中立31
  • しゅみじゃない26

--

レビュー数
127
得点
2452
評価数
568
平均
4.4 / 5
神率
74.3%
著者
水城せとな 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
小学館
レーベル
Flower comics α
シリーズ
窮鼠はチーズの夢を見る
発売日
価格
¥476(税抜)  
ISBN
9784091325150

あらすじ

妻と離婚した恭一。だが今ヶ瀬との男同士の微妙な関係は、今も続いていた。今ヶ瀬に抱かれることに慣らされいてゆく日々。
ところが、恭一に思いを寄せる会社の部下・たまきの存在が二人の関係を大きく揺るがし始め…!?
ケータイ少女誌「モバフラ」で配信された水城せとな大人気シリーズ完結編!!

表題作俎上の鯉は二度跳ねる

大伴恭一,会社員
今ヶ瀬渉,調査員

その他の収録作品

  • 憂鬱バタフライ
  • 黒猫、あくびをする
  • 俎上の鯉は二度跳ねる

レビュー投稿数127

すごい。すごすぎて、なんも言えない

窮鼠はチーズの夢を見るの続編です。

私はこの作品を読んだことがなく、何気なく窮鼠の実写映画化の予告を見て興味を持ち、なんとなく作品を購入してみただけでした。それがまさか、こんなことになるとは…!!

他のレビュアー様も書いておられますが、寝る前にベッドで、マンガでも読んでゆっくりして寝ちゃお~なんて軽ーいテンションで読み始めたら最後、読了後はあまりにも強い衝撃に茫然自失、何もできない、何も手につかない…っていうテンションに打ちのめされました。
これも、他のレビュアー様が書いておられましたが、萌えとかきゅんきゅんとか、そんなレベルじゃない。恐怖…そう、恐怖でした。

窮鼠では、ゲイではない恭一が、今ヶ瀬に距離を詰められ、でも、男を愛することに疑問や不安、苦悩を持ちながら葛藤する心理描写がリアルで秀逸でテンポもよく、物語としてとても面白かったです。最後、タクシーの中で、『別れろよ!!今すぐに!!』の言葉で、その時の心を隠さず真剣に素直に伝えて、今ヶ瀬を受け入れたところなんかは、その男らしさに、きゅんきゅんきたところでもありました。もちろん、窮鼠でも、特に今ヶ瀬のセリフは人間の深層心理というか、誰にも言えないけどそうなんだよな~わかるな~ってことを、見事に表現されていて、もう本当に圧巻の一言に尽きたのは言うまでもありません。

でも、この俎上の鯉は、もう全然そんなテンションにはなれません…あまりにもすごすぎた。

二人の生活に慣れはじめても、自分がゲイではないことで、今ヶ瀬の愛には応えてやれないと苦悩する恭一。その苦悩は片隅に必ずあり、いつも何かしら考えている恭一だけど、今ヶ瀬には優しく寛容であり続けている。

言い争いの翌日、今ヶ瀬が言う、『貴方と俺は、きっとうまくやっていけますよ、しばらくは』の一言に、もう胸がズキンズキン痛む。
そもそも、今ヶ瀬の一言一言が、とにかく、ズキンズキン痛んで、私は開始数ページ目くらいから、泣けて泣けて…。

恭一にあなたは女と幸せになるんですよ、と、自分に言い聞かせるように言う今ヶ瀬。この時だけじゃない、今ヶ瀬の恭一に対する基本的なスタンスは、二人の仲が深くなろうとすればするほど、自分をわきまえようとする。今ヶ瀬は恭一のことが好きで仕方ないけど、恭一がゲイじゃないから、自分と同じようには愛してもらえないことに、『自分が』なるべく傷つかないように、防衛するかのように、常に先回りして、わきまえようとする。

この、深層心理、感情描写。たぶん、これが私の感じた『恐怖』なのかもしれません。今ヶ瀬が、本当はこんなこと言いたくないのに、言わずにいられない、言わなきゃ、わきまえなきゃ、自分が傷ついてボロボロになって、立ち直れない。そういう自己防衛の果ての数々のセリフには、もう、胸がズキンズキンどころじゃなく、もはや呼吸停止になりそうなほど、辛くて苦しくて涙が止まりませんでした。

別れ話をしている車の中で、恭一の言った、『ごめん、本当に…ありがとう』の言葉。もう、誰しもが1度は経験したことがあるんじゃないかっていうぐらいの、別れの場面のリアルさに、自分と今ヶ瀬を重ねて、辛すぎてまた泣けました。本当に好きだったなぁ…の今ヶ瀬の言葉に、もう号泣。苦しすぎます。

再会したあと、恭一の部屋で、なんでもいいから、どんな立場でもいいから、恭一の人生のほんの片隅にでもいいから、自分を置いてほしいと懇願する今ヶ瀬。これ、めんどくさいやつ、とかで片付けられない描写でした。これこそが、本当に人を好きになって、その人がいないと生きていけないと本当に感じた人の本音なんだと思います。最初、言ってることが矛盾だらけで情緒不安定な今ヶ瀬に、結局あんたはどーしたいんだ、はっきりしろよーとか思ってましたが、何度も読み返すうちに、あぁ、これって本当に自分ではコントロールできない気持ちを決死の覚悟で言ってたんだなーって気がつきました。
ベッドのうえで、俺、けっこう健闘したと思うんです、っていう今ヶ瀬の言葉は超納得。いや、ほんとに決死の覚悟だったろうな、と、また胸がズキンズキン痛みました。

窮鼠も俎上の鯉も、結局はなんだかんだ言って、恭一のほうが大人だと思います。俎上の鯉では恭一が男っぷり暴アゲだったんだけど、そもそも、寛容でいられる男というのは、少なくとも今ヶ瀬よりずっと大人だし、恭一は全編を通して冷静に客観的に、自分を分析していたから、そういう面でも、恭一だからこそ、最後に今ヶ瀬を受け止められたと思います。今ヶ瀬と別れた翌日、号泣する恭一は本当に自分を冷静に見ていた。すごいと思うし、ここの心理描写にはすごいとかを通り越し、ゾッとしました。やっぱり、恐怖…。

とにかく、すごい。本当にすごい作品でした。読んでいてこんなにゾワゾワして、読了後に、なんもできねー…ってとこまで魂抜かれた作品はあとにも先にも、もう出てこないと思います。もうほんと、軽い気持ちで読み始めると、大火傷するような作品です。

3

ぜひ窮鼠と一緒に

窮鼠を読んでから、こちらを読むことを強く勧めるお話

前作で痛いところを絶妙についてきたかと思えば、びっくりするぐらいの潔さ
潔さというか、うしろめたさというかなんともこれまた人の割り切りたくても割り切れない、名前のつけ難い感情がひしめいてました

本当に心理描写が秀逸で、人っていろんな生き方があるよなーと改めて感じるお話

覚悟を決めた男の顔が、とても美しい
そういう意味でも、やっぱり水城先生の描かれる人物の表情がとても豊かだと思いました

2

ラストバレ

「恭一さんの片思いなんですね」
に込められた前作との反転が忘れられないです。

全部好き。

ビターで終わりが見えているのにそれを選んでしまう、安定した幸せを求めて流され続けた男が、流されずに自ら選び取ったのが、終わりの見えている未来であることに意味がある。

終わりが見えていても、今ヶ瀬が投げ出しても見送る。
何も選べない男が選んだのは、最後には何も得られない事。

そんな事でも選び取ってしまうものが、この世では愛と呼ばれているのではないか。

そんな気持ちにさせられます。

4

神作品

好きなBL作品は?と聞かれたら必ず答えている作品です
腐女子歴長いですが、未だに素晴らしかったBL5選に入ると思ってます

今ヶ瀬が最高にかわいいです
生理2日目男子というか、女子っぽい 情緒不安定でホルモンバランス崩れてそうな恋愛依存の女って感じ

私はハイスペック受が好きなのでこの作品の2人は顔もよくモテる設定なので基本的に好感度が高いです

ここまで一途に好きだ貴方がいないと生きていけないって感じで迫ってくる今ヶ瀬と
流され侍の恭一

観念して肝が座った恭一はとても強くカッコよかったですね
2人の立場が逆転したのを感じました

末長くお幸せに

とても有名な作品ですし、皆さんご存知でしょうがこちらの作家さん基本的に少女漫画家さんで
いくつも作品がドラマ化されて人気を博していますね

この作品もいつかドラマ化しないかなと楽しみにしていたのですがついに映画化


絶対見に行きます!!!

1

いなくなったグレー恭一

そんな俗っぽい呼称の似合う作品でもないのですが、最高のリバ作品。リバができるように今ヶ瀬が育て上げたと思うと感慨深い。

◾︎大伴恭一(ノンケ会社員)×今ヶ瀬渉(ゲイ 年下)
ストーリーが重厚なのは窮鼠のレビューで書いた通りなのですが、それでいて萌もしっかりあるのがすごい。今ヶ瀬は完全に恋する乙女。そして上巻より恭一がいい男に思える描写が増えた。

俎上に関しては先に逃げたのは今ヶ瀬なんですよね。恭一は何だかんだもうフラフラしてなかったのに、ビビったのは今ヶ瀬。まぁここでもう一波乱ないと漫画としては続かない。掛け値無しに自分を好きになってくれる"女"がいても恭一が今ヶ瀬を選ぶ展開が欲しいですし、この流れで今ヶ瀬がこう動くことは納得しかない。水城先生の漫画のうまさに唸る。美容院とか煮込み料理とか小物使いも本当にうまい。

上巻の今ヶ瀬のセリフを引用するなら、恭一は「自分の内側から溢れてくる感情にどうしようもなく流される」ことになった訳ですね。バッドエンドも許容できるタイプですが、この作品に関しては梟(車の中のシーンがある話)で終わらなくて良かった。

恭一が今ヶ瀬に言った「俺が女だったら洟も引っかけなかったくせに」というセリフが好きです。そうなんだよなー マイノリティとマジョリティの区分けをしなければ、2人は対等である。

何度読み返しても神としか言いようのない作品でした。圧巻。

2

いや、女々しすぎる

※すみません辛口レビューです



いや~~~~
窮鼠が良かっただけに、ちょっとガッカリでした。
…ちょっとどころじゃないな、だいぶひどかった。

この二人に散々振り回され、長い月日を過ごしてしまった女の子たちが可哀想。
自分がたまきの立場だったら、あんなにあっさり許さず、普通に訴えますけどねw
恭一は最後まで「あの子はそんな女じゃない」ってことに甘えてるんですよね。たまきの優しさにつけこんでるだけ。「あの子はそんな女じゃないと思うけど」ってセリフ、どの口が言うんだよ!!!って思いました。(文句も言わないし友人と違って会社に言いふらすようなことも考えないし訴えることも嫌がらせすることも病むこともないだろうから大丈夫)って感じですかね。あんなふられ方したらメンヘラになるよ普通。
ストーカー被害にあって怪我させられて弱ってるときにふるって、ちょっとサイコパスでしょ…。
今ヶ瀬は、怪我して倒れているその彼女を助けず見下ろして「どうにかなっちゃえばいい」と思うって、もう恋愛抜きに人として最低。そしてその最低な部分を恭一に告白し、自分がどれだけ恭一を好きかっていう話のタネにしてるんだから本当にクズ。

今ヶ瀬女々しすぎるし、女に対しての牽制がえげつなくてマジで気持ち悪い。
窮鼠でもそうだけど、出てくる女の子が本当に良い子なだけに今ヶ瀬がめちゃくちゃやばい人に見える。
恭一も優柔不断のどっちつかずのどうしようもない人だけど、それにしても今ヶ瀬はいちいち嫌味ったらしいし、小姑かお局みたいな意地の悪さが正直怖かった。
女々しさが窮鼠よりパワーアップしてるんですよね~…どう見ても。
それに、恭一に抱かれたいから抱いたって新事実発覚して激萎え…。窮鼠で攻めの今ヶ瀬に萌えたのに、そうか、それは抱かれたいからだったのか…。って思ってしまって窮鼠にすら萌えられなくなった。


というか、恭一はあんだけ突き放したのにヤったら心変わりして今ヶ瀬をとって付き合ってた彼女をふるって、あまりにも急展開すぎてついていけなかった。葛藤とかもあったんだろうけど、流されやすいってレベルじゃないよ。
この調子じゃまた別れるんだろうなって思っちゃって、ラストも素直に萌えられませんでした。

クズ×クズのリアルな恋愛模様ですが、うーん…。

窮鼠ではどちらも好きだったのに、続編で主役二人が嫌いになるという、珍しい漫画でした。
私にとってはかなり後味悪い漫画。今まで読んだBL本の中で一番苦手なものになりました……。
二人の理解不能な行動に、毎回「は?」と思いながら読んでたので、正直すごく疲れた。

6

恋の終わりは何処へ往く(二人でならば何処までも)

大変遅ればせながらながら読了しました。
読み終えた今、表現し難い余韻を漂い様々なレビューサイトで皆様の感想を噛み締めている次第です。

素晴らしい作品ですよね。

『死出の道を ひとつでも多くの花で飾ってあげよう』

こういう文言が出てくる恋愛漫画って、そうそう無いんではないでしょうか。先生の筆致に惚れ惚れします。
少なくとも私はこの言葉で、薄っぺらい『好きだ』なんて到底太刀打ち出来ない程の威力を感じました。なんて格好よくなったんだ貴方…

当初、大伴が本当に面倒くさいしイライラしてました。
もっとハッキリ言わんかい!!言葉が足りないよ!!いつまでぐるぐる言い訳してんだ女々しいぞてめぇ!!と。
恐らく普通の漫画的ストーリーとしては、ここまでもだもだ葛藤するキャラはあまり好ましくないでしょう。『それでもお前が好きなんだ!』となるほうがカタルシスは大きいですし爽快感ありますもんね。
反面窮鼠ではサディスティック全開の今ヶ瀬でしたが、俎上では苦しくなるほどまっすぐに愛をぶつけてすがりまくる。
ヒステリックになりながらも、以前では考えられないほど駆け引きする余裕もなく、恋に身を焦がしもがく今ヶ瀬にすっかり感情移入してしまい、大伴に対して『もっと踏み込んでくれよ!あと一歩素直になってくれよ!もう少しじゃんか!!』と、葛藤する二人をハラハラしながら、残りページ数を確認しながら、はやく幸せになってくれと祈りながらページを捲っていました。
でも、どちらかがお前が好きだと男前に叫んでくっつく物語なら、きっとここまで琴線に触れることはなかったでしょう。

後半に行くにつれて、私のなかの大伴像が変わっていきました。とことん迷いながら、傷つけ傷つきながら、一つの終着点へと進んでいく。先生の『できる範囲で漢にしてやりたい!』というあとがきが納得てすし、とても嬉しかったです。
読み終えて反芻するごとに、あぁ、そりゃ葛藤もするしもがくしすれ違いもするよなぁ…と。糖度高めの胸キュンラブストーリーではないですから。
だって、もし自分が同性から告白されたら?計算高くならざるを得ない状況の相手が、捨て身で本音を絞り出すように好きだと伝えてきて、でも自分は異性が(現時点では)好きで、同性でも関係ない愛してる!とさらっと言えるもんでしょうか?
同性同士の恋愛も珍しくなくなりました、でもコアラのくだりのように、遺伝子レベルで受け継がれてきたものや価値観を早々変えることはとても難しいと思います。
性別に囚われず、自分の愛する人と幸せになれたら勿論素晴らしいし、そうありたい。
でも、だからこそ普通とは違う人生、全く予想していなかった未知の人生を送ることに対して、自分にも相手にも今後にも抱く不安を有耶無耶にせず『これは正しい感情なのか』と思い悩む姿を描ききって下さったのが本当に凄いです。
そして自分の意志でたまきの元へ向かい、けじめをつけ、肚をくくった濡れ鼠の表情は、それはそれは精悍でした。

恋が終わるとき愛が始まるんだ、なんて、軽々しく言えはしませんが、次はないと恋の終わりすらも覚悟した『それでもいいよ』は、既に大きな愛に変わっていて、君となら何処へでも行こうという最高のプロポーズだと個人的には思いました。
ままならないふたりの、やっと向き合えたふたりの本当の愛の物語が始まるような、これ以上ないラストでした。

願わくは、『遠くへ来た』よりも、更に遠くへ、添い遂げ寄り添うふたりの未来を見てみたいです。

3

純愛が好きな人には合わない

気になって最後まで読んだけど趣味じゃなかった。




ネタバレ

受けが不倫し続ける、バレてもバレてもやめられないダメ男で情けない。攻めはこんな男のどこがいいかじっくりこない。これは愛じゃないと思った。自分の物にならないから、負けず嫌いになった感じ。受けもそうだけど、攻めも受けに好きって言いながら他の男と寝るし、攻めと受けが結ばれても受けは他の女と浮気をやめられない。純愛が好きな私には合わなかったと思う。

4

手放しでは喜べない、けれどきっとこれ以上良い結末はない

 大伴がどんどんかっこよく男前になっていく反面、今ヶ瀬はどんどんヒステリーさが増してダメな男になっていくこの最終巻。とにかく内容が濃過ぎて、メイン2人のシーンも女性が登場するシーンも印象的なシーンが多過ぎて、これを読んだ後はしばらく何を読んでも霞んでしまうので、本当にたまにしか読み返さないのだけど。でも、やっぱりすごい作品だな、読んで良かった作品だなと思います。

 私にとって前巻での印象は最悪な大伴だったけれど、もしかしたら同族嫌悪かなとも思ったり。大伴みたいに次々と好きになってくれる人が現れるようなモテ女なんです、なんていう意味ではありません。私はありふれたしがない人間です。ただ、誰かと付き合っていてももっと自分を好きになってくれる人がまだ現れるんじゃないか?とか、自分は積極的に動かず相手の熱に身を任せているのが楽だとか、狡いことを考えたことがないと言えば嘘になる。何でも相手の感情任せ。入れ込まないから関係が駄目になっても苦しむことがないし、全部相手がやったことだからと自分は何にも責任を負わずに済むわけです。

 女性としての感情移入をBL作品の感想で見るのが嫌な方がいらっしゃったら、この辺でスクロールしてくださいね。私は大伴を見ると、そんな風に考えたことのある自分を見ているようで嫌だったのかもしれません。だから前巻を読むと、いつもちょっと落ち込んでしまうのかも。本当は今ヶ瀬みたいな生き方がしたい。こんな風に脇目も振らず1人の人間を愛せる人間になりたい。どこにも根を張らず漂流し続ける人生より、辛いことの連続かもしれないけれど、自分の幸せはここにあるとしがみついて離さない方がよっぽど充実した人生を送れるんじゃないかと思うのです。大伴はこの巻で、ついに自分の幸せの在り処を見つけました。だから私はこの巻では自分と異なる次元に行ってくれた彼を、安心して魅力的な人物として見れるのかもしれません。

 一方で大伴のことを何でも見透かしたような言動をとる今ヶ瀬は、この巻では前巻よりずっと弱音をぶつけることが増えていて。以前からヒステリックなキャラではあったけれど、さらに情緒不安定なキャラになっています。本当は前に踏み出せないのは今ヶ瀬の方であって、ノンケの大伴はもう既に十分過ぎるほどゲイである彼の元に降りてきてくれているはず。でも、今ヶ瀬はなかなか信じきることができなくて。

 彼の心情は痛いほどよく分かる。一番大伴のことを見てきたから、その流されやすさを一番理解しているのも彼なんですよね。しかし、腹を括ってその底知れない不安にひとまず蓋をし、自分を奮い立たせて大伴の言葉を精一杯信じるしか、一歩前へ進むために彼に残された道はもうありません。あとは限界まで歩み続けるだけ。間違いなくハピエンの空気ではあったけれど、常にこの関係の終焉を頭の隅っこで考えている2人を見ると、堂々とハピエンだとは言い切れない結末。どうしようもない男達の行き着く先はとても不安定で。でも、私はやはりこの作品とこの2人が大好きで、それだけは確実に言い切れることです。

8

♯映像化楽しみです

映画化されるって本当ですか!?
ということで、再読です。

本当にすごい作品ですね。
初めて読んだときは、なんだかモヤモヤして読まなければよかったとすら思いました。
しかし、どうしようもなく心に残る…。

恭一の優柔不断さといったら…
女に走るのも許せませんでした。
妊娠でもしたらどうするんだ(怒)

今ヶ瀬も逃げるな!
捨てられることを勝手に恐れて、勝手に離れていく…
その姿にイライラ。
でも分かる…カッコ悪いけどすごくリアル。

そう、マンガなのにリアルなのです。
だから読んでいて怖かった。

最後までハラハラさせられたし、今後の2人が幸せである保証はないけど…
恭一には、はっきり好きだと言って欲しかったけど…

続編もなく、その後の2人がどうなったかは分からないけど、読者それぞれが好き勝手想像するのも、一つの楽しみ方かもしれませんね。

3

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