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心がきしむほどの情欲に囚われて……
死にネタ、はダメって方もいるんでしょうが、私は大丈夫でした。
それより、新堂の気持ちの辛さ、羽月の辛さ、どちらも切なくて。
身代わりとして好きなのか
身代わりにされても好きなのか
移植による兄との共存、そんなこともあるのかも知れないけれど、それだけじゃ無いと思いたい。彼らもきっとそう思っていると。
振ったり振られたりして別れる関係と、ある日突然失ってしまう、それももう二度と会えない、話せない死というものでの別れは経験したことがないけれど、辛いものなのだろうなと思います。
でも新しい二人(三人)の未来は明るいものであってほしいと願います…
【移植後キメリズム】という現象が起きるらしいです。
>移植前は患者由来の細胞しか存在しませんが、移植後はドナーと患者、両者に由来する細胞が混合した状態(混合キメラ)となります。ドナーの細胞が正常に生着すると、ドナー由来の細胞のみとなります(完全キメラ)。
臓器や骨髄の元の持ち主の遺伝子情報が、持ち主個人の記憶を保管しているのか、
よく移植後の患者が違和感を覚える現象が報告されていて、
この物語の主人公のように、兄の記憶がフラッシュバックするって、不思議ではない。
結末が、いい具合に落着していて安堵。
亡くなった兄の記憶から恋慕したのか、主人公本人の情動なのか、区別がつかない奇妙な現象が起きるのは、自然なことなので、
主人公の体の中にいる兄の記憶とひっくるめて、亡くなった兄と自分と二人分幸せになってほしい、と思いました。
途中心配な展開になったけれど、よかった。
かなりシリアスで暗い話なので、面白い、と言ってしまうと語弊があるが、読み物として面白く読めた作品。
主人公は高校生の時に白血病を患い、兄から骨髄移植を受けて助かるが、その直後に兄は突然の事故で帰らぬ人に。それから兄の身代わりとして兄の歩むはずだった人生をなぞるように生きてきた彼は、ある日大学の臨時講師の新堂に出会う。
中盤に新堂の亡くした恋人というのが兄だったということを知ってからの受けの行動が、いじらしくて切ない。
攻めに愛されたい、もっと求められたい、と思う受けは記憶のなかの兄を模倣した振る舞いを見せるように。そんな受けが痛々しくて見ていられない攻めは、お前はバカなガキでいい、お前のままでいろと言うのだけど、兄の呪縛から逃れられない受けは、自分が紛い物としても不完全だから愛されないのだと思い込んでいる…。
いろいろあって、最終的に攻めは受けが失いたくない大事な存在だと気づくのだけど、そこまでがかなり切なく苦しい話だった。
これだけなら、愛する兄、愛する恋人の死を乗り越えたふたりの再出発、という感じでよかったのだけど、書き下ろしの後日談がちょっとなあ…。受けと攻めが普通に、身代わりとか関係なしにイチャイチャしてるのが見たかったのだけど。
攻めと兄の馴れ初め、結ばれた時のエピソード、別れの理由が詳しく語られる。
兄から骨髄移植を受けたことで、受けは自分のなかに兄の存在を強く意識していて、攻めと愛し合う時にもそれを感じている。
攻めと兄、同時に二人から愛されているような、という3Pっぽい描写。受けは兄の分まで、攻めを愛したいというスタンス。攻めも、そんな受けの中に時々兄を見ている、という感じで。
うーん、精神的には兄を含む三人の愛、ってこと? 作者様のやりたかったことはわかるけど、BLってやっぱりお互いがお互いのオンリーワンというのが、一番スッキリするんだよなあ。
早くして亡くなった、優秀な兄の後を追うようにして生きてきた大学生の羽月。
周りから感じるプレッシャーや違和感は、少しずつ羽月の中に降り積もる。
そんな時に出会ったのは、新しく講師として赴任してきた新堂だった。
誰から見ても優等生、そんな羽月に難癖をつけてくる新堂に少しずつ素の自分を引き出されていくが、新堂がかつて兄の恋人だったことを知り……
前半の新堂の酷いヤツっぷりにイライラした。
初めのうちの彼の行動は完全にやつあたりです。もうちょっと大人になろうよ先生。
対する羽月の境遇や健気さは切ないです。
身代わりでもいいからという辛い恋の苦悩はおもしろかった。
個人的に一対一の話が好きなので新堂がお兄ちゃんへの想いを語るとなんだかなあと思っていたのですが、続編はまさかの精神的3Pですごくびっくりしました。
あっれ~??
おはなしとしては、とてもいいと思うんですが、死にネタは苦手なので、どうしても複雑です。いいはなしだとなおのこと、こっちの心にも響いて、よけいダメージがくるので。
あと内容のわりには、イラストが薄い。
薄味だし、力に欠ける、説得力がない絵で残念。
海老原さんの絵は嫌いじゃないし、この絵だからこそ合う話もあると思うんですが、これには合っていなかった。
いろんな要素で萌えそこねました。